シング・ストリート 未来へのうたのレビュー・感想・評価
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ハイセンスでメッセージ性のある不良
芸能人を真似ることでハイセンスでメッセージ性ある不良に成れた幸福な頃。
世代ストライク。
物語が新作LPレコードのA面B面を聞き終えた程度の量と構成なのが巧いのだ。
私的年テン上位。
何だかバラードを聞いていたあの頃。
全てが全て輝いてはいないから青春なのかもしれない
両親の不和、貧困、スクールカースト、教師への反抗、バンドとイケてない仲間の成長、逆境だらけのヒロインとの恋愛、絶望している兄貴との関係など、多種多彩な要素を詰め込んだ青春映画。
やっぱり要素が多すぎて、全部拾いきれていない駆け足気味な感じが少し忙しいなとは思うものの、映画が進むに連れて、状況が悪化したものもあれば、成長して好転していくものとの対比が上手く描かれていて、色々な事を考えさせてくれる映画だった。
青春は過ぎ去りし追憶の中にしか存在しないという言葉を思い出した。
映画が終わっても全てがハッピーエンドの大円団という事は一切ないのだが、きっと登場人物達はこの過ごした日々と決断を後悔する事はないんだろうなと思わせてくれる余韻が心地良かった。
甘酸っぱい青春映画
不況に家庭崩壊に転校にいじめ。そんな光のない環境の中で、主人公はまるでめげない。そこにとても惹かれます。
あと少しカート(ニルヴァーナ)に似たお兄ちゃんがずっと背中を支えてて、とても格好良いです。
まぁ仕事もしてなくてどっちかと言うとクズなんだけど、主人公コナーにとっては素晴らしい兄だったと思う。
バンドを組むまでは良くある展開かと思いますが、MVを作る工程は新鮮でしたね。
どん底からゆっくりと盛り上がりを見せて、仮面をかぶったライブからグッと良くなります。
それとラストの衝動的なくだりは、どこか「メロディ」を思い出しました。
ただ個人的な好みとして80年代のあの音があんまりなので、やや楽曲に乗り切れませんでしたね。申し訳ない。
ただ青春を描いたティーンムービーとしては、良い作品ではないでしょうか。
音楽聴いてるだけで楽しい
80年代のアイルランドが舞台の本作。
両親の離婚問題、不況、転校先でのイジメや厳しすぎる規則。いろんな問題の中、1人の女性に完全にお熱になった少年コナー。
その女の子ラフィーナの為に、バンド発足。というか、お近づきになりたくて、バンドやってるって嘘ついたからそっこーでメンバー集めてバンド活動スタート★
そんな突然始めた割には、音楽好きの兄や、才能あふれるバンドメンバーがすぐに集まり、作詞作曲もできちゃって、愛しの彼女を誘ってMV作り。
冴えない少年が恋をして、音楽に目覚めたらえらい面白い事になりましたとさ。
ですが、どうしようもない悩みは悩みのまま。
50'sの米国のプロム(卒業ダンスパーティ)っぽいビデオを撮ろうとするシーンは映画の中で一番賑やかで華やかでみんな幸せそうなのに、現実は寂しい。
それでも彼らの初ギグのシーンはお見事。
これぞ青春映画。10代の若者が音楽を純粋に楽しむ姿はエネルギーに溢れていました。
バンドメンバーしかしどんどんカッコよくなっていったな。さすがやな映画は。
80年代の大流行した音楽がたくさん流れて、それを聴くだけでも楽しめます。サウンドトラック欲しくなる。
悲しみの中にも幸せを見つけて、最後は羽ばたいていく青春物語。スッキリした気持ちにさせてくれますよ。
なつかしい思い出
80年代、ヒット曲は何週も連続した。
見慣れてしまったプロモーションビデオが、これでもかというくらいローテされていた。
テレビを点ければ、ウッドベースをつま弾きながらスティングがEvery Breath You Takeと歌っていた。ジョージマイケルがケアレスウィスパーを歌っていた。フィルコリンズがワンモアナイトを歌っていた。マドンナがマテリアルガールを歌っていた……
今よりも、アーチストの動いている姿が、貴重なものに見えた。
極東の地方人にとって、それが見られるのはコンサートではなく、プロモーションビデオだった。
小林克也のベストヒットUSA、ピーターバラカンのポッパーズMTVを見るのが楽しみだった。夜中にやるのでとても眠かった。
80年代のプロモーションビデオは、稚拙な演出や誇張が目立った。
ヒューグラントとドリューバリモアのラブコメMUSIC AND LYRICS(2007)やこの映画には、当時のPVのキッチュ感が、よくあらわれている.
わたしはむかしから洋楽が好きだったが今でいう厨二であり洋楽一辺倒だった。
英米なら英。レーベルで言うとラフトレード、ヴァージン、ブランコイネグロ。ブリティッシュ・インヴェイジョンをとうぜんと思っていた。
いちばん手に負えない種類の洋楽厨だった。
が、いまと違い情報が無く、一人孤独に英米のロックを調べ発見し聴き収集していた。
よく西新宿に輸入盤を買いに行った。
あのころ、塩化ビニールの溝を、針が辿る、レコードというものを聴いていた。
それにまつわる再生機器は、何もかも滅茶苦茶に高かった。
秋葉原でテクニカの3万円もするカートリッジを買ったのをおぼえている。
カートリッジにおいて3万円は普及価格帯だが、わたしには痛かった。
それを買ったのはスクリッティポリッティのアルバムに、何か聞こえない音がある気がしたからだ。どうしてもカートリッジを変える必要がある──と信じていた。
すでにCDの時代にはなっていたが、それまでのレコードが山のようにあった。
なんとなく断ちきれない思いもあった。
ボウイでいえばtinmachineのあたりまで、アナログ厨だった。
映画で、主人公コナー君は、新しいアーチストとの邂逅のたび、それに傾倒する。
デュランデュランに傾倒してジョンテイラー、キュアをきけばロバートスミス、スパンダーバレーを見てニューロマンティック、ホールアンドオーツに惹かれてマンイーター。
面子をあつめてバンドを組み、外見や楽曲を模倣し、スターを夢見る。
わたしは、ただ聴いていただけで、なんにもしなかったのだが、あのころの楽曲とコナー君の衝動が、じぶんと重なって、一曲ごとに胸がしめつけられた。
In Between Daysを聴きながらハワードジョーンズにはしたけれどロバートスミスにはできなかった。ことを思い出した。ちなみに髪型だが。
ラフィナはキムワイルドを彷彿させた。金髪でブリッジのプロデューサー君、ドングリ頭のベース君が愛嬌たっぷりでかわいかった。また兄いのブレンダンがカッコよかった。
マンイーターを真似たモータウンサウンドを、プロムで生演奏、のシーン──がある。
現実のやっかいごとが解決して、みんなが仲良く一つになって、盛り上がった、と思ったらコナー君の妄想だったというくだり。理想と現実、どうしようもない隔たり。わたしも、あんな妄想を、何度したことだろう。
そのどうしようもない現実との隔たりを、何とか埋めようとする、コナーとラフィナの恋路が描かれている。
修道士長バクスターの面をかぶってのBrownShoesのシーン。ラーズのThereSheGoesをはじめて聴いたときみたいな興奮だった。
ラスト、海水に晒されながらロンドンへ向かう二人の小舟に、青春というコトバを思い出した。
ただしJohn Carneyは同世代=四五十代に懐メロを提供して涙をさそっている──だけじゃない。
バリーは、コナー君に目を付け、ことあるごとに、かれををいじめる。だけど、厄介者のバリーが、飲んだくれの親父から、虫けらのようにブン殴られるのをコナーたちは目撃する。ステージで、粗暴なだけのバリーが、生き生きとロードクルーをやっている描写がJohn Carneyの良心だと思う。ダブリンの低所得者層に寄り添っていた。たんなるノスタルジーのドラマじゃない。
監督がほぼ同世代ゆえ、じぶんの青春とかぶっていて、夢中になった英米ロック・ポップと同時に、懐かしい80年代を思い出した。
105分間、ずっと、死に際の、沖田艦長みたいに、なにもかもみななつかしかった。
John Carneyさん、ありがとう。
終わりは良かったが...
全体的に盛り上がりに欠ける。歌ももっとガッと爆発させてほしかった。特に最後の三曲目は不満に対するロックなのだから。
主人公と女の子の恋中心に描きたかったのは分かるが、メンバーに対する掘り下げが浅かった。特に遅れて入った3人はほとんど主人公と絡まない。メンバーとの繋がりが薄いから歌のシーンがみんなバラバラに見えて辛かった。
これは本当にどうでもいい個人の感想だが赤髪の子がすっごく可愛かった。ド真ん中タイプです。
メガネのあいつと友達になりたい。
「人の趣味の話聴いて盛り上がれる人にはたまらん映画」
・ダンサー・イン・ザ・ダークのように妄想し、ブルース・ブラザーズのようにバク転し、MJのビートイットのように刺し合い、バック・トゥ・ザ・フューチャーのように人を眺める。
あのシーン、素晴らしい。
・元軽音部の人とかは、ライブ中の変化ゼロの照明環境や、観客目線のリアルなアングルを観て、懐かしさと恥ずかしさで爆死できる可能性大。
・監督の好きなものが凝縮してる。人の好きなものとかの話を聴いて楽しくなれる人におすすめの映画。
・くすんでる現実と輝きすぎてる妄想の間がリアルに実現する。
・監督の今がストーリーの今後を語っている。
・劇中歌がだいたいプロが作曲しました感満載でクオリティ高いのに、「モデルの謎」だけガチゆるで最高。
・なんでも100賛成してくれるメガネのあいつと友達になりたい。
・100恋愛な感じにならないさじ加減が、毎作品いつも優勝。
・いじめっこのあいつが居場所をみつける瞬間がたまらない。
さらに音楽の力を感じる
昨日観た「はじまりのうた」と同じ監督の作品。
「はじまりのうた」と違い青春グラフィティなんだけど、楽曲の良さ、挫折を乗り越えて成長する過程は共通点。
こちらの方が最後はスカッとする。
さあ寝ましょ。
【窮屈な生活環境、学校生活を素晴らしきロック&ポップで乗り越えよう! 80年代ブリティッシュポップ&ロックに乗せて未来への一歩を踏み出す若者達の姿を描き出した作品。】
ー 舞台は1980年代半ばのダブリンの田舎町。ー
・コナーの両親はカトリック教徒だが不仲。その関係で不本意な転校(シングストリート高校)を余儀なくされる。
ー その高校の校風及び乱れた風紀が物語の後半を盛り上げる要素になってくる。ー
・コナー家の両親の諍い、馴染めない学校の校風、苛めっ子(彼の両親は酒乱)の存在。
が、コナー達が結成するバンド、”シングストリート”の音楽がどんどん良くなっていくのに合わせ、コナーの姿勢もどんどん前向きになり、好きな年上の女性ラフィーナ(ルーシー・ボイントン)との関係も深くなっていく。
・前半は当時のMVを彷彿とさせる映像が続く。(個人的に"Duran Duran"の”Rio"のMVが流れる場面で盛り上がる。)
・後半は、更に”The Cure”の”In Between Days”が大音量で流れ、更に更に個人的に盛り上がる。
コナーの化粧も、
”君、絶対に”David Bowie”だけでなく、”Japan”の”David Sylvian"や"Visage"の"Steve Strange"の影響を受けてるよね!”という位、ブルーのアイシャドウが濃くなっていく・・。
(懐かしき、ニュー・ロマンティックス・ムーヴメント・・。)
・コナーの兄ブレンダン(ジャック・レイナー)が実に良い奴で、
”フィル・コリンズを聴く奴は女にもてない!”という台詞に大いに共感し、(リリー・コリンズさん、すまない・・。)
コナーに対し、”お前が生まれる前、俺は両親の諍いのジャングルの中に道を切り開いてきたんだ!”という場面ではつい、”ぐっと”きてしまう。
・コナー達は、苛めっ子に対しても、バンドのローディにならないかと声を掛けたり、音楽を拠り所にして成長していく姿がとてもとても良い。
・ダンスパーティのシーンで、コナーがラフィーナを想って作ったバラード”君を探して”を歌う場面や(そして、彼の曲を別の場所で聴くラフィーナの涙する姿)、一転して校長の態度を糾弾したロック”茶色い靴”が響き渡るシーンも心に残る。
・そして、コナーとラフィーナは夢であったロンドンでの新しい生活に一歩を踏み出す。二人を暖かい眼差しで見送る兄、ブレンダンのガッツポーズ。
<自らの将来を自らの能力で切り開こうとする若者達の姿が眩しく、観終わった後の多幸感の余韻が素晴らしい作品。
是非、又”爆音”で見たい素晴らしき青春音楽映画である。>
<2016年8月12日 劇場にて鑑賞 地域的にセカンド上映だった。>
悲しみの中の喜び
演技、演出、ストーリー、音楽とどれをとっても優れていると感じます。この手の映画に求めるものとしては多くが高く評価できると思えます。
社会的背景も実にわかりやすく表現されており、主人公の心情は表情からひしひしと伝わってきました。
気になった点としては、ヒロインやいじめっ子の葛藤やバンドメンバーたちのそれをもう少し深掘りし、関係性を明白にして欲しかった点くらいでしょうか。
推測できる余白として残しているのかもしれませんが、特にいじめっ子との関係は、ラストギグにおいて曖昧であったように感じます。
様々な意見があって然るべきですが、私はこの作品を青春映画の定番としてこれから何度も見る機会を設けるでしょう。
ふつうううううううううう
80年代のヒットソングに惹かれて視聴。まーまー。話もそんな悪くないと思うが、主人公が楽器も弾けて作詞作曲も出来て、絵も上手いのが、すげぇーと思った。(けど何でもできすぎじゃん)
あと最後の船で行くシーン可能なの?ガソリン足りる?あと出たがりの黒人は何やねん。
ちょっと期待はずれ…
『はじまりのうた』が良かったので気になってたけど、あんまし共感出来ずイマイチ…
それにしても、素人が作ったわりには、良い曲が多かったな♪
ってゆーか、監督は俺と3つしか違わないのに、使ってる曲がひと世代上な気がする…
アダム(MAROON5)の曲が1番良かった♪
意外と観て良かった映画です
お父さん役以外、観たことない俳優さんでしたが内容も歌も、とっても良かったです。家庭(両親)が破綻しても、友人や彼女、お兄さんとの繋がりに涙腺が緩みそうに。学校に対しても、めげずに対抗。生きていくなら是非、前を向いて!と明快なメッセージも伝わってきました。
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