3月のライオン 後編のレビュー・感想・評価
全216件中、141~160件目を表示
不器用な神木がとてもいじらしく。
皆が皆、心や環境に少なからぬ「闇」を持っている人物ばかり。そこから目を逸らさずに、むしろそれを我が荷としょい込んで生きていく姿がいじらしく思えた。ひとりひとりが自分の拠り所(将棋であるとか、恋人や家族や友人であるとか)を心の支えに前を向く。時には突っ走りすぎてしまうこと(ダメ親父に必要以上の啖呵を切ってしまったりとか)もあるが、それは相手を思うがゆえであることを、当の相手が痛いほど気付いている。そんな人間関係がよく伝わってくる映画だった。
前編の熱を後編も維持、基本的には後編も面白かった
前・後編二部作物は、大抵の映画が前編は面白かったのに後編は前編ほど・・・となる中で、本作は後編の方もある程度健闘したと言える内容だったのではないでしょうか。
勿論、前編で膨れ上がった期待を全て回収したとは言い切れない内容でしたが、まあでも限りある時間の中、愛の後編の名にふさわしい、まさしく愛を感じとれる内容に、十分見応えを感じた140分間でした。
まあ私は原作は読んでないし将棋も全然詳しくないので細かいことは正直よく分かってませんけど、、将棋でしか生きられない孤独に苛まされた主人公・桐山零が、将棋を通して様々なことに気付かされ、心の成長を遂げていく青春映画的成長物語として十分楽しませてもらいましたよ。
ただ今回は「家族」がクローズアップされた分、個と言う点では多少弱かったと言うかインパクト薄だった印象は残りましたかね。
特に家族枠の無い島田や二階堂は前編は見せ場たっぷりだったのに今回は見せ場少なめだったり、画的には素晴らしかったが宗谷との絡みも全然満足いくものではなかったりと、後編だけでも140分の尺がありながら、個の面で見るとまだまだ見足りないと思わされる部分があったりで、その辺りは前・後編物の配分の難しさを改めて感じた内容ではあったかなと思いました。
しかし前編で物凄く癒された川本家が前編以上にクローズアップされた点に関しては、個人的に大満足、あの家族があったからこそ、桐山は人の痛みも知りつつ更なる成長を遂げれた訳ですし、ホントいつまでも見ていたくなる家族だったな、そしてあの家族を、見ているこちらも何とか守ってあげたくなってしまうような、そんな衝動に駆られてしまうぐらい、温かい家族でほっこりとさせられました。
ひなたのエピソードはちょっとビックリでしたけどね・・・でも、演じた清原果耶が可愛かったなぁ(泣きの演技とリアクションの可愛さが光りました)、ひなたやモモのその後の成長譚も見てみたいですね。
伊勢谷友介はさすがにあの役は年齢的に無理があったかな、でもいい感じの怪しさでした。
ちょっと気になったのは、やや微妙な評判の香子を演じた有村架純、個人的には原作を読んでないこともあってか今までにない役どころに新鮮味を感じて前編は世間の評判とは裏腹に思いのほか悪くないと思ったものでしたが、後編は香子のオチも含めてこれでいいのか?と若干微妙に思った部分も・・・幸田家の家族の話のまとめ方が良かっただけに、最後のあれはどうなのかなぁ。
とは言え、基本的には前・後編とも十分面白かったです、桐山零を演じたのが神木隆之介だったからこそ、ここまで楽しめたのは間違いない事実、ホント桐山=神木で同化してましたよね、素晴らしい演技でした。
前後編で貫かれた軸
派手な話しではないし 場所も同じところばかり 出てくる。 それなの...
もったいない
人生の中で大事にしていく作品
原作の大ファンです。
後編は中盤からたくさん泣きました。
後藤戦に一番心打たれた。最後の零くんが階段を登るシーン、そして零くんの成長した表情見て本当に感慨深かった。この終わり方ってすごいなと思いました。続編があるといいなと期待しています。
原作と映画、それぞれ大きな感動を覚えました。その感動を与えてくれたこの作品を制作した方々や、この作品の登場人物に感謝したいと思いました、特に桐山零くんと神木隆之介さん、そしてもちろん大友啓史監督に。
個人的には、漫画と映画という違う「形」に同じものを求めてはいけないと思っているので、後編にちゃんと一人ひとりの登場人物に焦点を当てて、話が愛と希望の方向にうまく収束するのが本当に良かったと思います。
「幸田家もちゃんと救われるようにしたい、人の心を洗うような作品にしたい」と大友監督が舞台挨拶でおっしゃっていました。
零くん、幸田家、川本家、後藤さん…どれだけ難しく見える問題でも、どんなに不器用な自分でも、心を開けば、解消するとこができる、希望は自分の中にある。この点は最近自分の体験と重なることもあって、原作とは少し違う角度ですが、私は大きく勇気つけられて、再び救われたと思います。
原作の核心となるリアリティのある人物、重厚感のある物語、繊細な心理描写、キャラクターたちの成長と変化を見守る語り手の目線など、映画では変わっていないと思います。それらを大友監督らしさを加えて、映画という表現手法でうまく再現されていると、映画を観て感じました。大友啓史監督の重さと美しさが併存する作風が個人的にとても好きです。
この作品が企画のときから6年間かかったとか、神木さんが零くんは普段メガネを少し斜めにかけているところまで役作りをしていたとか、監督があかりさんの作る料理の味付けまで指定していたとか、この映画がどういう思いでどういう風に作られたかを雑誌などで知ったとき、色々驚きました。
舞台挨拶を観たのですが、監督と役者の方々のこの作品、そして桐山零という人物に対する深い愛が本当に伝わってきます。聞いていて原作大好きな自分まで感動しました。漫画実写化作品としても、二部作の作品としても、役者の方たちの神ってる演技からこだわり深い美術まで、一つの新しい到達点に達したのではないかと思います。本当にたくさんの人に観てほしいし、賞をとってほしいです。この作品は人生の物語だと理解しています。自分はずっと大事にしていきたい作品です。
原作を外れた途端酷いことに
父親が出てくるあたりからのオリジナルのストーリー展開が非常に残念でした。
登場人物が次々に無用な波乱を起こし、十数分後には全てが都合よく回収されてハッピーエンドへ、という雑さは酷いです。
原作ファンでなくてもこれは受け入れられないと思いますがどうなんでしょうか?
いじめのくだりも端折り過ぎ、詰め込みすぎです。
前編はとても良かっただけに残念です。
奥深い後編
シネマチネで鑑賞。客層は、カップルやお一人様など老若男女問わずで15人位いました。物語の核心に触れないようにストーリーを解説。 物語は前編の時間軸が1年たった後のお話。桐山零(神木隆之介君)は、18歳になり棋士として成長していきます。そんな中、桐山君を温かく見守ってきた川本3姉妹に降り注ぐ試練に懸命に向き合おうとする姿が描かれます。一つは、次女のひなたちゃん(清原果耶さん)が友人をいじめからかばったことが災いしてしまい、今度は自分が標的にされてしまいます。もう一つは、亡くなった奥さんと3姉妹を捨てたのに突然現れた父親・誠二郎(伊勢谷友介さん)との対決。ひなたちゃんが、夜の隅田川で泣き叫ぶ場面は過去の自分と重ねてしまい、ぼろぼろと涙が出てきました。特に、じいちゃんの「お前は偉い‼大人でもできないことを良くやった。」と慰める場面は、心が揺さぶられました。ひなたちゃんが、勇気を持っていじめっ子の高城に立ち向かう姿と言ったら!自分だったら怖くてできなかっただろうと思いながら観ていました。そして、将棋の対局の行方ですが…。もうすごいことになってますよ。エンディングは、賛否両論のようですが、私はこれで良かったと思っています。将棋メインの前編と違い、後編は一人一人の思いがじっくりと描いていている奥深い人間ドラマです。鑑賞の際は、ハンカチをお忘れなく‼
父親とは〜〜
前作でいい意味での息抜きであった三姉妹の身の上に
思いもよらぬ不幸がのしかかり、
なんとか助けたいと頑張る零の苦悩〜。
生きるために選んだ前作での絞り出す様な
「将棋しかね〜〜んだよ!」
と、対をなす、
自分ができることはこれなんだ!を確信する様な
「将棋しかね〜〜んだよ!」
のセリフがとても印象的でした。
そして今回は前回以上にクローズアップされた「父の存在」
義理の父であり将棋の師である幸田と零、
三姉妹を捨てて出て行った父と三姉妹。
三姉妹が父と決別した後に
零に名人と対局するための着物を誂えてやる幸田と零のやりとり。
更に幸田と実の娘香子とのやりとり。
簡単には言葉にできない三組の父と家族の姿を
なんとか映画にしようとした
製作者の方々の努力が伝わる〜。
更に「神の子」宗谷の人知れぬ苦悩、
彼もまた迷える人の一人であったことが感慨深い〜。
続きが観たいけど〜難しいでしょうね〜。
でもこの「後半」自体はもう一度観たいです。
それから、前回は少ない出番ながら良い味出してた、
今をときめく高橋一生のライトな魅力、今作では炸裂!!
いったい、何個カップ麺、喰ったんだろう(笑)
主題歌のメロディーとともに暖かさが残る映画
将棋しかない。将棋だけじゃ生きていけない
後藤と桐山零の対局シーンが良かった
前編で桐山零を暖かく迎えてくれた川本家に、今回はイジメと父親の問題が降りかかる。桐山零は何とか役に立ちたいと立ち回るが空回りする。特に身勝手な理由で家族を捨てて出ていき、そしてまた一緒に住もうと言う父親との対決は男らしくて良かった。しかし、それで父親を徹底的にやり込めてしまい、その姿に父への愛が蘇ったのか、川本ひなたに桐山零が責められることに。三姉妹の為に戦ったつもりが、いつの間にか四面楚歌。なんか桐山零が切なくて可愛そうだった。っていうか、あの場面は長女のあかりが桐山零をフォローしないといけないんじゃね?ヘルプコールもしたんだし。前編ではいいなと思ってた川本家だけど、今回はなんか嫌いになった。その後、父親と仲直りして遊園地へ行くのだけど、すっかりもう一緒に住めると思っている父親に、これで会うのは最後だと言い放ってしまう。最後のいい思い出作りとか綺麗事いっても、クズ父には言葉通り受け取れないだろう。クズがクズになるのにも理由がある訳で、その理由を増やしてどうする?
また、このクズ父の人の演技も良くて、観ているこっちまで意外と優しそう、改心したようだしこれならまた一緒に上手くやれるんじゃないかと思わせるところが上手い。今回の川本三姉妹はあまり好きになれない。
そんな過程で川本三姉妹と気まずい状態になった気持ちを抱えながらの後藤との対局は見ものだった。後藤とは義姉である香子との不倫のこともあるし、師匠の敵討ちもある。色んな思いを交錯しながら対局している桐山零の心の描写も見応えあった。勝利を確信した時、何を思って泣いたのだろうか?
前編が良かったので後編はだれるかもと不安もあったけど、前編より更に良くなっていたと思う。
神木隆之介、男前やろ
全216件中、141~160件目を表示