あなた、その川を渡らないで
劇場公開日 2016年7月30日
解説
結婚76年目の老夫婦の純愛を描き、韓国で大ヒットを記録したドキュメンタリー作品。98歳のチョ・ビョンマンと89歳のカン・ゲヨル夫婦。子どももすでに独立し、結婚76年目を迎えた老夫婦は、毎日おそろいの服に身を包み、恋人同士のように手をつないで歩くなど、川のほとりで仲むつまじく暮らしている。しかし、2人は愛にあふれた現在の生活に満足しながらも、老いから来るそれぞれの身体の異変に心を痛めていた。ある日、妻は夫の咳を聞きながら「天国でも着られるように」と夫の服をたき火にくべる。国内外20の映画祭に出品され、第21回ロサンゼルス映画祭最優秀ドキュメンタリー作品賞ほか、多くの賞を受賞。監督は本作がデビュー作となるチン・モヨン。
2014年製作/86分/韓国
原題:My Love, Don't Cross That River
配給:アンプラグド
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2020年4月29日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:VOD
韓国らしい、濃厚な夫婦と家族の情愛。予想通りの結末に向かう、老夫婦の日常を丹念に紡ぐ。可愛らしさと穏やかさと愛の深さに溢れている。
2020年4月22日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD
とてもとても100歳に近いとは思えませんでした。特にお爺さんなんて、背筋がピーンとしていて、皺も少ない。幸せだと老けないのでしょうか。沢山の苦労があったと思いますが、お二人の人生が満たされていたことが良く分かりました。韓国は男尊女卑が強いはずなのに、このお爺さんはそんなところが全くなく、だからお婆さんもあんなに一緒に居たがったのだと思います。ずっと我慢をしてきたら、あんな接し方にはなりません。お爺さんみたいな男性ばかりだと、恐らく離婚も減りますね。
2018年10月26日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
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12人の子供を産んで、そのうち6人亡くしたという夫婦。そんな老夫婦の誕生日には子供、孫たちが集まる。そこで兄弟げんかなんかがあるシーンも黙って撮り続けるカメラ。寂しげな雰囲気も伝わってくる。その直後に愛犬の死だ・・・若い犬だったのに。
服を燃やせば、あの世で着られる。じいさんが病気になって、服を燃やすばあさん。全体的に綺麗なチマチョゴリを着ているので映像的にも見ていられる。そしてじいさんの死。大往生なわけだが、ばあさんの愛情がいっぱい感じられる。
2018年6月5日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD、映画館
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初めて映画館で観たドキュメンタリー作品でした。公開前から評判で、否応無しに「観に行きたい!」と心を揺さ振られました。確かに、それほどまでの力がある作品だな、と感じました。
お互いを愛し、慈しみ合う…。心の底から大切にしたいと思う…。誰もがこうありたいと願って止まない理想を具現化したような夫婦の姿が、四季折々の山の風景と共に収められていました。
とある山奥で、ふたり切りで暮らす老夫婦。集めた枯れ葉を掛けてふざけ合ったり、ふたりで手を繋いで出掛けたり、とても仲睦まじい…。まるで、若い恋人同士のようで、微笑ましくなりました。
長年に渡って連れ添う中で、降り掛かって来た様々な困難を力を合わせて一緒に乗り越えて来たことがふたりへのインタビューを通して伝わって来ました。
楽しいときも悲しいときも、お互いを支え、励まし、助け合って生きて来たふたりの愛の形に心がどうしようもなく温かくなりました。
しかし、時の流れというものは、幸せをもたらすと共に、残酷なまでに容赦無い現実を運んでくるんだな、と。
病気によって夫がだんだんと弱っていく姿が観ていて辛くなりました。苦しんでいる姿を前に、何もしてあげられない無力感…。
どんなときも共に生きて来た、かけがえの無い人を失うことの辛さが、身に染みて伝わって来ました。
夫が天国に行っても服を着られるように、夫のお気に入りの服を火にくべる妻の姿に、涙を禁じ得ませんでした。
最期の瞬間まで、愛と感謝の心を持ち続けた妻…。ラストの夫の墓の前での慟哭が、この作品の全てを物語っているように感じました。
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