ダンケルクのレビュー・感想・評価
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日本映画では絶対にできない作品
IMAXで見た。 海軍と空軍にスポットライトをあてた映画である。 人から勧められて観た。 普段あまりこの手の映画を好んで見ないが、この映画は見てよかった。 とにかく臨場感が素晴らしく、同時進行で物事が進むので、ドキドキワクワクさせられた。 絶対に、邦画ではこのような作品を作り上げることは絶対にできない。 今年度のアカデミー賞最有力候補と言われているのも理解できる。 ただ、想像以上に複雑で同時進行であったため、人間模様が理解出来なかった。 これは、映画館で見るべき作品。 それを強く感じた。
大迫力?
どっかの誰かが書いてたけど、IMAXの70mmで観ること前提の映画(私は普通の35mm上映館で観賞) 陸戦も空戦も魚雷による海戦も迫力不足。 家のテレビで観た「プライベートライアン」のノルマンディ上陸シーンの方が迫力があった。 これも偏に血の一滴も流れない演出だからだろう。 爆弾が人の上に着弾しても、その存在がこの世から消えて無くなる(文字通り霧散)だけで、人が死んだ痕跡が残らない。 当然、迫力も恐怖も感じない。 従って登場人物に感情移入も出来ない。 生き残る為に右往左往する人々を淡々と見せられるだけ。 ノーラン監督の ダークナイト等の渇いた暴力演出は大好きだけど、人の生死が演出の重要な要素になる戦争映画はもう撮らない方が良いのでは?とさえ思えてしまう作品だった。
チッチッチッチッ
グロイシーンなし、戦闘機や戦車の大戦シーンなしでも息もつまりそうな戦争映画だった。 エキストラが一斉に伏せるシーンは圧巻だったし、ノーランのこだわりはピカイチだったと思う。 今言うのも遅いけど、DVD送りとか考えるのはダメだと思う。映画館での体験が大切
正解のみえない緊張感に苦しくなる
えー、そこから始まるの!? 最初からそんな驚きと音の強烈さに圧倒され、引き込まれていきました。 時間の見せ方にドキドキ、交差の刹那はアッと声を出してしまいそうになりました。 戦闘機からの映像がとても印象深かったです。 若い兵士達は疲弊しきって、どの顔も無表情で無口。 主人公達を時おり見失いそうになりましたが、洋楽に疎い私でさえなんとなく知った顔のハリー・スタイルズがいたのでけっこう助かりました。 どの行動が生に結びつくのか、正解の見えない緊張感に苦しくなります。 ケネス・ブラナー、マーク・ライランスはじめ、トム・ハーディやキリアン・マーフィーは安定の存在感でした。 コリンズを演じたジャック・ロウデンも良かった、今後の活躍に期待です。
クリストファーノーランというネームバリュー
第二次世界大戦最中の1940年、ダンケルク海岸にてドイツ軍に包囲されたイギリスなどの多国籍連合軍40万人余りが取り残された。 四方から襲い来る銃撃、広範囲に及ぶ空爆に苛まれながらも必死に逃げようと生きようともがく若き兵士たちとそんな彼らを救おうと行動を取った小型船に乗り込んだ民間人らと英国空軍らを描いたノンフィクション作品。 次作を最も期待されている映画監督と評されるクリストファーノーラン。 傑作インターステラー以来3年ぶりの新作は初の実話かつ戦争映画。 各方面から最高傑作と評される下馬評に公開前からファンだけでなく、おおよその映画好きが注目していたであろう2017年の最注目の一本。 なかなか意見の分かれる作品だった。 初見は公開前日の金曜深夜0時からスタートした新宿ピカデリーでの爆音上映だった。 1本目に今作、2本目にインターステラー、3本目にインセプションと超ド級の情報量を朝まで視界に詰め込み、その日は帰宅して寝る以外何もできなかった笑。 そういった環境で観たからというのもあるがまず音の迫力に痺れた。 冒頭ドイツ軍によってばら撒かれた降伏勧告の用紙が散らばる音のみの静かなスタート。 言葉少なに味方の軍に合流しようとする若者たちを突然の銃声の嵐が襲う。 心臓を掴まれたかのような臨場感。この時点で手汗がだいぶやばい笑。 毎回のことだがノーラン作品は効果音のボリュームがエグい。 今作は特にそれが顕著で爆撃機が接近する轟音、次々と投下された爆弾が接近してくる爆音などがやり過ぎなくらいな音量と音圧で襲いかかってくる。 さらにはこれまたノーランお得意の時系列シャッフルも健在だ。 海岸に取り残された若者たちの防波堤での1週間、政府の要請を受け勇敢にもダンケルクへと向かう小型船の民間乗組員の1日、戦闘機スピットファイアに乗り込み戦場のダンケルクへと向かう空軍の空での1時間と3つの場面をそれそれの時間軸で描く複雑な展開でそれぞれの戦いや葛藤を描く。 冒頭では詳しく時間描写がないためわかりづらいかもしれないが後半になるにつれそれぞれの時間が重なり合っていく展開は見事。 その2点も去ることながら今作でもう1点特徴的なのが最後の最後まで主人公たちは逃げて逃げて逃げるだけの展開だということ。 トムハーディら軍人を除けば、ダンケルクの若者たちも小型船の民間人もみなほぼ丸腰。 絶体絶命のピンチに助けてくれる様なヒーローやご都合主義的な展開は一切なし。 みな海水でずぶ濡れになり終いには重油にまみれ体はボロボロの上に、生き残るために仲間から囮を出そうとする醜い本心すら見えてくる始末。 しかしその醜いほどの生々しい人間らしさと何としても生き残ろうとする姿にどこか勇気を感じさえもする。 事実この戦いで33万人もの人間を救出できたことを各メディアは奇跡と称し、困難に屈しない誇り高い精神をダンケルクスピリットと呼ぶほど言葉が生まれるほどに大きな出来事だったらしい。 戦場に取り残されたほとんどの兵士が若くて未熟な兵士であったという事実からあえて無名な若手俳優を起用し、当時の戦場の臨場感を出そうしていたようであまりキャストの面では大々的な作品といった印象は受けない。 また各キャラクターのバックグラウンドや性格がまったく読み取れないほどに情報量が少なく、ただ戦場から逃げ出す兵士たちと救おうとする人々の集まりといった印象しか持てず共感出来ないという意見が多いよう。 逆を言うとクリストファーノーランというネームバリューだけでここまでの動員力と一定の評価を獲得できる力があることの証明になっている。そういう意味では彼のキャリアの中でも重要な作品かもしれない。 自分はやはり劇伴の存在感が圧倒的であった為、満足して観られたなと思う。 またラストのトムハーディがこれでもかと言わんばかりに美味しい役かつカッコ良かった為、拍手を送りたいと思う笑。あの状況で胸張って真っ直ぐ前を見つめられる精神力が欲しい笑。 ノーラン常連のマイケルケインが不在でとうとう記録が途絶えてしまったか、、と思った数日後にノンクレで声のみでの出演をしているとの情報が入り、よかったとホッとしたあの感情は一体何だったんだろう笑。 本腰でオスカー戦に参戦しにきたようなタイミングと内容でいよいよクリストファーノーラン初?の監督・作品賞を狙えるのではないかと期待は高まる。 アカデミーのクセの強さはここ数年で知ったから実際のところは読めないがアカデミー好みそうな内容なのではなかろうか。 2017年09月08日(金)1回目@新宿ピカデリークリストファーノーラン爆音上映 2018年02月18日(日)2回目@早稲田松竹
擬似戦争体験
IMAXにて視聴。 残酷描写はないにもかかわらず、戦争の雰囲気を感じさせるのはさすが。 時計の音が刻一刻と迫るタイムリミット感じさせ、視聴中常にヒヤヒヤした。 視聴前に期待していた空戦は正直あんまり。最終的に3つ時間軸が重なった場面は良かった。 キャラの判別が難しいのでこいつ誰だっけみたいなこともしばしば。
ハズレノーラン映画
クリストファーノーランは哲学的な映画を撮ると超一流なんですけど、 本作はそういった哲学的な味は出てなくて、 あえて得意技を封印して新規分野開拓に挑戦した試行映画だったような気がする
スケールの小さい作品です
単純に言えば、ミクロな視点で描かれた、砂浜サバイバルアクションです。 予告では「砂浜に追い詰められた40万人」と煽っていたので、 壮大な叙事詩を期待したのですが、そんな要素は皆無。 とても数十万人規模には見えません。数百人規模という感じ。 小規模な戦闘イベントが散発的に発生し、映画の尺に合わせて最後は無事脱出成功となり、ご都合主義のFPSゲーム的な印象を受けました。 三つの時間軸だとか、そういう試みは結構なのですが、 絶望的な状況がなぜ解決して、どうやって「数十万人」が無事脱出するに至ったのか、もう少し丁寧に描いてくれればよかったと思います。 とはいえ、映像/音響は素晴らしいのひとこと。 特に空戦のシーンはよく出来ており大変満足でした。 観る価値はあります。
人生初の客1人
終盤まで、そこそこの戦争映画かなと思いながら観ていたけれど…
①船底へドイツ兵からの射撃による戦死者の少なさ
②燃料切れてからでも戦闘機の活躍しまくりのやり過ぎ
戦争映画じゃなく娯楽映画になってしまっていた。ダンケルク包囲網の存在感のなさ。この映画の後味がわるかったのでプライベートライアンDVDで観ます。
ある瞬間で描ききる戦争の浅ましさ
クリストファー・ノーラン監督の最新作ということで期待値を上げすぎてしまったため、若干もの足りない感があった。
ただ、戦争というテーマを史実に基づいたストーリーで魅せるのではなく、ある瞬間(堤防=1週間、海=1日、空=1時間)の群像劇で描ききった点は素晴らしかった。
戦争は鉄砲や大砲のドンパチだけで死ぬのではなく、実際はそれぞれに泥臭い恐怖を体験しているということだ。そして本当に怖いのは武器ではなく、人間の浅ましさだということを伝えていた。
これを観てもつくづく戦争という資源もお金も人財も無駄にする虚しいものだということを実感させられた。
アトラクションです
IMAXで鑑賞しました。 これは映画というより、戦争アトラクションですね。FPSゲームが好きな人なら、酔わずに楽しめると思います。 緊迫感、危機迫る音響、美しい空と海。スピルバーグ系の戦争ドラマではなく、ドキュメントです。 間違っても家のDVDで観たらいけません。
やはりノーラン節。
2D劇場で普通に観たのだが音の臨場感がハンパなかった。
いつものノーラン節よろしく時間軸を操って視点を変えて
かなり実験的な映画に仕上がっている。有名俳優もズラリ
配してはいるが英雄という描き方はしていない(もちろん
ラスト美味しいとこどりのハーディはカッコ良かったけど)
とにかく生き残りたい祖国へ帰りたい一心の兵士達が救出
をひたすら待っている話で細かい説明などは一切語られず、
唐突に始まる陸パートから、海、空、へと切り替わる際に
時間軸が分かり辛くなることも否めない。しばらく経つと
さっきのシーンが今のコレなんだ!と視点を変えて描かれ
る同じシーンに幾つかの感動が芽生えてくる。なんたって
救出作戦なのだから、助けて、助かって、なんぼだ。感傷
に浸る間もなく次々と兵士がなだれ込んでくる。仲間外れ
よろしく嫌味な差別や虐めも描かれるが、救助した兵士に
突き飛ばされて命を落とした息子の友人はあまりにも不憫。
ホンモノに拘る演出は確かにお見事、しかしドラマを期待
すると結構な肩透かし、とはいえラストの海岸線に涙する。
迫力が凄すぎた
戦争もののお話はあまり得意じゃなくて、でもすごく気になってバイト先の先輩からもオススメされて観にいきました。 本当に面白かったです。 セリフはあまり無かったもののほんとにリアリティが凄くて、息をするのも忘れてしまうとはまさにこういう事だなと、、、。
空も海もこんなに澄んだ青をまとっているなんて。
第2次世界大戦のダンケルクの戦いを描く。 IMAXにて鑑賞。音が全身に迫りくる感じといい映像の奥深い感じ。 これは劇場に足を運んで良かった。 言葉はとても少なく、演者たちの表情と行動で状況を読み取る作品です。 歴史の知識がほとんどないに等しい私は、もちろんダイナモ作戦の背景も知らず。誰が味方なのかもわからず鑑賞してしまいました… ただ、この作品、無駄に敵対シーンもないし血も流れすぎない。なのに戦争の危機迫る緊迫感はある。不思議でした。 生きていることが何よりの勝利であって、恐怖と敵に打ち勝つことよりも信じることが時に勝利を導くのかもしれない。 親切を押しつけずに人にやさしくできる彼は、まさに英雄でしたね。
100分、戦場にいた
インターステラーが好きで、同監督作品という事で鑑賞。
臨場感が素晴らしく陸海空、どこにいても映像にのめり込まされます。本当にいつ死ぬかわからない状況を100分間体験し、ずっと心臓を掴まれ続けているような感覚にどっと疲れました(良い?意味で)
パイロットのヒーロー感が半端なく、最後捕虜となってしまった彼の顛末が気になります。この方は本当に実在されたのでしょうか?
また、登場人物の名前がほとんど分からないのも、会話が少ないのも戦争という状況下ならではのリアルだったんだと思います。
あと、さすが映画館。何度、銃撃にビビったか分からないくらい、ホラー並に恐怖を感じてました。いつ、どこから、何が起こるか分からないけども、確実に命を狙われてる怖さ。
自分は戦争で生き延びれる自信がありません。
あー怖かった…
やばい死ぬ
姿の見えない敵兵の掃射。航空機からの攻撃。潜んでいる船への銃撃。助かったと思ったら敵の攻撃により転覆、修羅場と化す船内。この映画に逃げ場所はなく、観客は常に戦場における死の恐怖を体感することとなる。ただただ恐ろしい。願わくはこのようなことが、今後も誰の身にも降りかかりませぬよう。
戦争トラウマ
幼い頃に母と姉とで『蛍の墓』を劇場で見に行ったが、姉はその後戦争に対してトラウマになり戦争映画を嫌がるようになった。
もしこの映画を幼少期に家で父が見ていたのなら、確実に私もトラウマになったであろう。
全体的に描写が生々しく、ミサイルや銃弾の音などが終始激しく響いて、不安心理を仰いでいた。
主人公(?)の英兵に紛れた仏兵と行動を共にしている英兵が射たれるのではないかとハラハラさせられる。
一方で、取り残された兵士たちを助けに向かった民間の船を操縦する親子とその息子の友人が遭難した英兵を一人救助するが、英兵は錯乱して船をひきかえそうとして息子の友人に殴りかかって深傷を負わす。
自分の犯した行為に兵士は冷静になった後に後悔し友人の様態を息子に聞くが、息子は不機嫌に「良くない」とだけ、呟くだけだったが、苦しい戦局を目の当たりにした息子は他の救出した兵士が友人が死んでいることを告げられた後に、友人を殴った兵士が友人の様態を聞いたら「大丈夫だ」と穏やかに伝えていた。
この表現は本当に凄かった。
なかなかこういう展開を描くことってできるだろうか?
こういった不条理の表現が出来るのは、さすがクリストファー・ノーランだなと感じえなかった。
防衛のためには戦争も致し方ないと言っている人にこそ、見せたい映画だ。
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