「クリントイーストウッドの安定感」ハドソン川の奇跡 うろつたさんの映画レビュー(感想・評価)
クリントイーストウッドの安定感
この作品の存在を知った時、正直見に行く気は全く沸かなかった。
ノンフィクションものというやつは焦点がころころ変わったり、流れをぶった切って当事者本人のインタビューシーンを入れたりして、作品として中途半端なイメージがあったからだ。(このイメージはドキュメンタリー作品の話かもしれないが…)
この作品はそんなネガティブなイメージを払拭してくれた。
そもそもこの作品を観に行こうと思ったのは、ラジオ番組で他の映画「真田十勇士」が取り上げられていたから映画を観に行こうと思ったのが始まりだった。
映画館のホームページを観て「ちなみに…」という感じで観てみるとクリントイーストウッド監督の作品がやっている。しかも評判はかなりいい。「これは観るしかない…」急遽予定が変わったのだ。
この作品は2009年、飛行機をニューヨークのハドソン川に不時着させた飛行機の機長の物語だ。
乗員155名を救った機長とその家族の苦悩を繊細に描き、それを効果付ける緊張感のある不時着シーン。
多くの命を預かるということ、それが如何に重大なことで責任の伴うことか改めて実感した。全世界のパイロットに敬意を表したい。
僕はこの事故の結末を知らなかったからか、最後まで続きがどうなるか緊張して観ていた。しかし、その緊張感も後腐れ無く解消してくれた。観ていてスッキリする作品だった。
やっぱりクリントイーストウッドは最高だ。期待を裏切らない素晴らしい作品を撮ってくれた。次の作品も観たいと思わせてくれる。
劇場内は落ち着いた大人が多かったが、小学生くらいのお子さんを連れた方もちらほらいた。多分、不時着水の緊張感は子供にも伝わっているだろう。