「【2回目】やっぱこれは「奇跡」だよ。」ハドソン川の奇跡 Haruさんの映画レビュー(感想・評価)
【2回目】やっぱこれは「奇跡」だよ。
※注意※
2回目の鑑賞でいろいろ考えることがあったので、先にその分の感想を書いています。
しかし、初見の印象も残しておきたいので、消さずに下の方に記してあります。
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【2回目】
実際に起こった航空機事故からの生還を描いた作品。97分という短めの作品とは思えないくらい、ストーリーがしっかりしてて面白かった。
初見の時は、邦題にある「奇跡」という単語に違和感を持ってしまったが、2回目の時は、「これは確かに『奇跡』の物語だ」と考え方を改めた。機長の長年の経験からの判断…だけでなく、副機長の冷静さ、乗員・乗客の落ち着いた行動、フェリーや救助班の迅速な対応など。コンピューターでは絶対に数値化できない人的要因と良心が、乗員・乗客155人全員の命を救うことにつながったのだ。ラストあたりの機長のセリフが、特に印象的だった。
余談だが、私が本作の2回目を観たのが、2021年1月19日。この航空機事故が起こったのが、2009年1月15日(鑑賞日の12年と4日前)。1月なんてまだ寒いし、ましてや川に着水したから水の冷たさで寒さは倍増だし。この状況下で155人の命を救ったのだから、やっぱ凄いことだと思う。1月の寒さを感じながら観たからこそ、真の「奇跡」に気づけたのかもしれない。
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【初見】奇跡というより…。
ハドソン川での飛行機着水の話題に関しては、テレビ番組などで知ってはいたが、
大勢の人の命を救った機長が、容疑者として裁判にかけられていたのは知らなかった。
なぜ、機長は容疑をかけられたのか。
そのことに興味を持って、本作品を見た。
内容的には、飛行機がハドソン川に着水するまでのスリリングな展開と、その後の裁判までのシーンの同時進行という感じだった。
全ての乗客・乗員の命を救った機長と、ハドソン川での着水を「墜落」と判断した調査チームとの対立。
双方の意見を確認するために、合間に着水までのシーンを何回もあったのは、よくできているなと思った。
結果的には、機長の主張が証明されたわけだが、
調査チームがなぜそこまで「墜落」と判断したのかが、正直分からなかった。
ただ、現場の状況を理解していなかったのは、一つの理由であろう。
シミュレーションだけでは分からないことがたくさんあるからだ。
乗客の存在、着水を判断するまでの空白の時間などを見落としていたからこそ、
調査チーム側の主張が認められなかったと思う。
それに対して、機長は何十年も現場を経験しているから、
ハドソン川に着水した方が、乗客たちを救えるのだと判断したのだろう。
その結果、一人も命を落とさずに救えたのだから、
もっと称賛をしてもいいのでは、と思った。
この物語は、「奇跡」というよりも、
機長の日頃からの経験から判断して、命を救ったお話だから、
邦題のタイトルは「聞こえが良いように作られたもの」だと思った。
原題「Sully」の方がまだ良かったのだと思う。
奇跡なんかじゃなく、機長としての務めをきちんと果たしたのだから。