さざなみのレビュー・感想・評価
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和題がさざなみなのがわかった
”45 years”という原題からなぜ和題が「さざなみ」なのかちょっと不思議に思いながら、映画館に足を運びました。 イギリスの片田舎の木々がよく茂った小さな村にひっそりと暮らす素敵なご夫婦。 2人の歴史には思い出と共にダンスや歌がある。共通する趣味や音楽があれば話が盛り上がる。 もし自分がこの映画の主人公だったら・・・ そう考えずにいられないのか、映画の主人公と同世代の方が多かった気がする。 ラストは呆気ない気もしたがやはりそうか、と思うところもあった。 とても静かな映画だが素晴らしい演技と人間心理を巧みに描いた良い映画だと思った。
表情の演技を堪能
シャーロットランプリングの複雑な表情の演技を味わう映画でした。
彼女の若い頃は知りません。私はフランソワオゾンのミューズとしてしか知らなかったので。しかし劇場のお客さんは皆さん還暦overみたいな年齢層で、昔からの大女優なんだなと知りました。
シャーロット、めちゃくちゃ美脚でした。お尻も垂れてない!すごいなって思いました。
ラストのダンスシーン、ケイトの怒りの炎は全く消えそうにない。そんな表情に思えました。
愛が憎悪も産むならば、愛を得なくていいもかもなんて、弱腰になりました。満ち足りていたはずでも突然全てが裏返るかもしれない。怖い怖いっ。真実味があります。
ほぼジェフとケイトの二人芝居です。音楽がいいです。ただ少し地味なので飽きるかもですね。
仕方のないことなのだけれど
女は上書き保存、男は名前をつけて保存、と言うけれど、この映画では、夫が保存していたファイフルを見つけてしまった妻。消去することのできないファイル。 「告白」して、次第に気持ちが穏やかになっていく夫と、次第にざわめいてくる妻のコントラストが怖かった。 彼女はきっと、もうずっとこの気持ちを抑えることはできないんだろうな、と。 静かで、人物の気持ちがよく分かる、いい映画。
凪ぎの海に投げ込まれた石
結婚45年の記念パーティーを控えた夫婦がそこにいる。イギリスの片田舎で穏やかに暮らしているのが、犬の散歩と朝食の光景だけで分かる。そんな凪ぎの海に投げ込まれた小さくて重い石。それは、夫がかつて愛した女の死の報せだ。
遠い昔の事。45年の歴史がここに確かに横たわっている。それなのに、その石は凪ぎの海に波紋を広げ、漣を作り、心にうねりを生み出してしまう。
パーティーの日までのわずか6日間で、まるで45年間が試されるような時間が流れる。ドラマティックな演出を避けた静謐なドラマの中で荒ぶる感情をシャーロット・ランプリングが体現して見せる。
そう。この映画が描くのは、過去の恋人の死の報せから、結婚45周年記念パーティーまでの6日間に限られる。思い出が語られても回想を挟むことはないし、問題の女カティは、夫の口から語られるのみで、姿を見せることはないと言って良い。しかしながら、その存在感で妻の心を乱してしまう切なさとやりきれなさ。過去の亡霊に対し、許容・拒絶・肯定・否定・・・そんな繰り返しの中で、妻は6日間を過ごす。映画はランプリングの複雑な感情表現を、ひとつひとつスクリーンに突き刺すように映し出していく。
昔の事だからと、無邪気なまでに多くを語りすぎる夫と、知りたくないのに知らずにいられない妻。夫婦を演じたランプリングとコートネイの二人芝居と言っても良い物語で二人の心の対決と寄り添いに、まさしく「夫婦」の姿を見る。
そして迎えるラストシーンでのランプリングの表情の変化には心が軋むようだ。パーティーで無邪気に踊る夫の手を振りほどいた後で、ランプリングの手は、もう一度愛する人の手を取れるのか、静かに考えた。
棺桶に手が届きそうな熟年夫婦でもさとりを得られない人間の弱さに、笑みがこぼれた!
久しぶりに地味な作品だけれども、映画らしい素敵な映画を観たなぁ~と言うのが、この映画を観た時の第一印象でした。
S・ランブリングと言えば「愛の嵐」の印象が圧倒的に大きい俳優さんなので、「熟年になった彼女ってどうよ?」って言う先入観がとても強かった。だけれども、本作は全く私のつまらない心配事を見事に払い除けてくれる秀作で、脱帽しました。
この作品のヒロインであるケイトは、現在1週間後に結婚45周年パーティーを控えて、その準備に追われる1週間を描いたのがこの映画の物語。
そして事もあろうに、このケイトの夫には、彼女と結婚する前に別に付き合っていた女性がいたのだが、その彼女の話を殆どケイトは知らされていなかったのだ。
そりゃ、高校生のまま結婚するのではあるまいし、過去の恋人の数人いても全く問題ないのが普通なのだが、そこのところが、このケイトと夫のジェフの場合は事情が違っていたのだ。
この女性が不慮の事故死をしていた事。そして登山事故で彼女が亡くなっているので遺体は出てこなかったのだが、いきなり50年近い時を飛び越えて雪山から、夫の元恋人の遺体が発見されたと言う情報が彼の元に飛び込んできたからさあ大変だ。
夫は忘れていた筈の元恋人の面影を追い始める。
そんな夫ジェフの心の変化に苛立ちを覚えたケイト、彼女の中で一揆にこの45年間に及ぶ結婚に対して疑問や、諸々の感情変化を、この極短い1週間の出来事として、丁寧に描き出す。
だが、考えてみると人間の記憶とは実は本当あてにならないもので、自分に都合の良い嘘を平気でつくものだと言う現実をこの映画は観客に付きつけてくる。何ともこの辺りが他人事なので、映画を観ている私には、興味が持てて面白く楽しかった。
しかも、この夫であるジェフ位の齢になれば、人間の表も裏の顔、総てどんなものなのか位は分かっている筈だけれども、何故か人間に記憶と言うものは、結構成就出来なかった事柄を美化する傾向が有るらしい。
ジェフのかつての彼女に対する思い出などは美化され、肥大化された現実とは違う幻想に過ぎないものを、本当の思いのように、錯覚をしてしまう辺りが、凄く面白い!
そしてケイトも、タイトルバックで、映写機で写真だけが、順に映されていく音だけが、響いていたのが、映画の終盤で活かされてくるシーンが有って、こう言う撮り方も、個人的に好きな手法だ。
人にもよるのだろうが、人間とは常に現実と言う事実の積み重ねの中で生活していると考えがちではあるけれども、日常の現実を体験する経験と言うやつも、体験そのものよりも体験をする事に因って感じる、感情、印象と言う、実は幻想の中で生きている事の方が大きいのだろう・・・
幼少期に受けた影響に因る、潜在意識のフィルターと言う幻想の上に、長年積み上げてきた人生体験から得た観察眼の癖と言う幻想をミックスさせた、単なるフィクションの中で日々生きていると言う事が凄く面白かった!
この思い込みに因る幻想のフィクションを超えた処で生きている人々を、さとりを得た人と言うのかも知れない。だが、ケイトの嫉妬心も含めて、人はこの感情と言う幻想のマジックの中で翻弄されてしまうのが、普通なのだから、こう言う人間と本質を突くような映画を愛してしまう私も、きっとケイトや、ジェフと同じように、感情の嘘と言う幻想の森を彷徨う住人の一人なのだと思う。
静かに心の底で、クスッと笑いがこぼれた。
笑えるような、話ではない、人の情念と言う恐ろしい映画なのだが、何故か心の深いところで、笑える映画で実に面白かった!!
妻の傾斜
美しいが、斜めに傾いた風景から始まり、 夫婦の傾きが完全にひっくり返ったところで終わる。 すげーシーンで終わるなぁーと思った。 すべてはこのラストシーンのための映画。 シャーロット・ランプリングが素晴らしすぎる。
シャーロットランプリングが見れただけで満足。
愛の嵐、のセクシー画像でくっきり記憶に残っているシャーロットランプリングが素晴らしい老齢の演技で大満足。 静かな静かなストーリーと映像の中でみなぎる愛情と愛憎がひしひしと感じられました。 女性のお客様が多いのにビックリ。共感する人が多いのかなー。過去の死んでしまった夫の彼女に嫉妬してもしょうがないと思うけどなー。
過去の亡霊なのにね
最初は夫の言葉遣いに無神経なものを感じて、抑えているケイトは偉いと思って観ていました。 しかし、写真の彼女を観て壊れていく感じでした。夫の方は手紙を読んで激しく動揺したものの、そしてカチャへの思いを口に出し、ケイトに聞いてもらって落ち着いて来たように見えた。 ケイトはこれからどうするんだろう⁇
すべては最後
映像もストーリーも悪くはないけど、強く印象に残るものではなかった。しかし、フォーカスとか照明とか、様々な工夫を強く感じる。 CG技術以外にも映画における技術的進歩は確実に成されているのだと確認できた。 内容に関しては、多少飽きてしまうところは否めないけれど、最後のシーンへの重要な布石であると見終わって確信できるので、不満は全くない。 最後のシーンの演技だけで、最優秀主演男優・主演女優ダブル受賞に至っているのだと納得した。 感動と怒りと悲哀が一気に押し押せて終幕を迎えて、今までにない複雑な感情を込めた涙が溢れ出た。 ついでに─、原題と全く違う邦題もハマっていると、個人的には思った。
女は「上書き保存」で、
男は「名前を付けて保存」。
パソコンのファイルになぞらえて男女の恋愛感の違いをこんな風に表したりするものですが、
その保存の仕方の違いから45年というとても長い月日が、7日というほんのわずかな時間で崩れて去っていくさまが繊細に描かれています。
また45年という月日を実感させるためか、音楽も当時のものが使われていてとてもよかったです。
象徴的だったのはやはり最後のパーティでの場面。
ジェフは感涙する一方で、ケイトはダンスで繋いだ手を力強く振り払う。
このときのシャーロット・ランプリングの氷のような表情には思わず戦慄が走りました。
ジェフにとっては日常の“さざなみ“だったとしても、
ケイトには45年の月日を以っても修復不可能な“津波“だったのだ、と。
夫婦で観にきていた方々が多かったですが、観終わって果たして何を思う?
90分前後と短いですが、重厚な作品です。
パーフェクトケイト
周りは劇中の夫婦と同世代の夫婦ばかりで、僕が圧倒的若者としての環境で鑑賞。 ずっと仲睦まじく過ごしてきた夫婦が結婚45周年パーティー直前のたった6日間で大きく揺れ動いていく様を見事に描いていた。 1日毎にベッドに入るまでをじっくり描いたが、夫は風であり、妻がそれによって波を立てていく。 それもさざなみどころじゃない。 あくまで過去の女性についてもマイペースな夫に対し、心の中に嫉妬の荒波を立て続ける妻は暴力行為に及ばないだけでゴーンガールのエイミーさながら。 しかもこちらは夫の涙ながらの感動的なスピーチにも、結婚式と同じ想い出の曲でのダンスにも、一切心ほだされる事なく怒りの形相で夫の手を振りほどくから45年という歳月を経ての辛みはエイミーよりよっぽど恐ろしい。 あと、妹だか友人だか忘れたけど、昔主人公の夫にファシスト呼ばわりされた事をいつまでも根に持ちまくってる彼女も怖かった。 女性への言動は十分に気を付けよう。 70歳のシャーロット・ランプリングのスタイルの良さ、ラストシーンの恐ろしさ、きっと見ていた老夫婦の夫はあらゆる絶望を持って劇場を後にしたことでしょう。 45
うーん
まず さざなみというタイトルはなんとなく理解できるけど原題の45yearsからそうなったのかなー カチャがいきなり出てきて、いや夫中にはいつもいたんだろうな 今更カチャの存在に夫婦は違和感が溢れていって でも夫婦はいつも通りを演じる 演じれなくなる奥さんの最後の表情が頭から離れない
女優の表情が物語る
長年連れ添った相手が若き日の美しい記憶を持ち続けていた。そんな程度の秘密はどこの夫婦にも当てはまる。ただ、お互いにそのことには触れないようにしているという、世界中の夫婦が持っている知恵を、映画に登場するこの夫婦も持ち合わせている。 しかし、アルプスの氷河の下から遺体が発見されたという、一通の知らせにより、それを秘めておくことが出来なくなってしまう。 良き妻、温かき人、社交的な常識人を演じるシャーロット・ランプリングの表情が、そんな表情の合間に嫉妬で凍りついていく。 スライド写真で、夫の昔の恋人の腹部が膨らんでいるのを見たときの表情、説明的な台詞を吐かせることなく、この妻の心境の変化を語り尽している。 そして、ラストのシーンでは、彼女は夫と繋いだ手を決然と降ろす。残された夫婦の時間を、これまでとは全く異なる心境で過ごすことになることへの覚悟を決めた女の表情に圧倒される。 邦題の「さざなみ」どころか、45年間堆積したものを一気に流し去る津波である。
ラストが印象的なだけに残念
編集が良くない。シーンのつなぎに「余韻」がないため、すべての「艶」が台無しになっている。長年連れ添った妻の嫉妬、いらだち、建前、諦めを描くも、それらが十分に生かされていない。なぜこのカット?というものもあり、ラストのランプリングが特に良いだけに残念。
ケイト(ランプリング)は子供を持たなかった/持てなかったが、スライドの中の夫の亡くなった恋人は妊娠しており、そのことでケイトは完全な敗北を感じている。年月は事実を越えられないのだ。
一度は過去にとらわれたジェフ(トム・コートネイ)が結婚祝いのスピーチで心機一転を図ったのと対照的に、ラストシーンでケイトは夫に背を向けるかのように、敗北と決別を宣言したかのように見える。男性と女性の、愛する対象への向き合い方の違いだと感じた。
男と女の観察日記
女は自分の中のうるさい嫉妬心を制御できない。男は悪気ないんだよ。妻のことももちろん愛しているし、不満がある訳でもない。パーティーでのスピーチも本心から言っている。分かっちゃいるけど、女は疑念を払えない。屋根裏であの写真を見てしまったから。でも夫には言えない。勝手に彼の過去に踏み込んだんだもの。見なきゃよかったのに。女は、今後もずっと、さざなみのように寄せては返す嫌な感情を拭えないままいるんだろう。
この邦題も上手いなぁ~。観るまでは、あたたかな感動作だろうと思ってたわ!
手紙が届いた日からの約一週間を一日ずつ区切って見せるのも、男と女の観察日記を見せられているようで面白い。
カメラワークもいい。妻ばかり中心に映ってて、夫はほとんどボヤけてて。男の邪気のない無神経さと、女が独りよがりの感情を丸出しにする様がよく伝わる撮り方だと思った。
あるあるぅ~って、苦笑いの連続でしたが、それだけで終わらない。最後の妻の何とも言えない表情に45年の深みとこれからへの含みがあって印象的だった。
そして、45年という長い年月を経ても、男は男、女は女なのですね。
思い出します、氷のようなあの顔を!
ヒャー、凍りついた! そして、シャーロット・ランプリング!美しすぎる。ジーパン姿ですら… 今から40年ぐらい前に、学校帰りに制服のまま友達数人と見に行った「愛の嵐」田舎町には、ハリウッドのパンパカ映画しかやってこず、いつも心からの満足が得られない中で、見てしまった、ヨーロッパの暗くて、深くて、妖しい闇。当時の記憶のままなので、勝手な妄想で歪んで覚えてるとは思いますけど、元ナチス党員として追われている男と、かつて男の愛玩物とされることで生き延びたユダヤの少女だった女が再会し、ドロドロの逃亡生活を送る話だったと思います。ナチスの将校クラブのテーブルの上を将校のかぶる帽子と超短パンと長靴で踊る。上半身がどうだったか、たぶん何も着てなかったかな。そうしなければガス室送りという少女の氷のような表情。それがシャーロット・ランプリングだった。それを下から見回す男たちの視線。デカダンスの極致。そこで彼女に執着した一人の男。ダーク・ボガードでしたよね。ビスコンティの「ベニスに死す」と同時期にこれにもでていたんだと、今気づきましたけど。そして、彼女に出会って、半ば監禁状態にして、社会から断絶してどんどん過去に埋没していく。しかし男は探され、追い詰められる。買い物にも行けず、飢える。やっと手に入れたいちごジャム。これを舐めるシャーロット・ランプリングのエロティシズムときたら!よくこんなものを高校生で見てたもんだと改めて思いますけど。とにかく、強烈な印象が私の細胞に刻み込まれてしまった。 数年前、彼女が久しぶりに映画に出たということで見たオゾン監督の映画は、私的にはがっかりだった。歳をとったことを確認しただけでしたから。しかし、今回は見惚れました。そしてまた、なんていう映画に出てくれたのでしょうか!愛の嵐を思い出したのは、この映画でまさにあの氷のような顔をまた見たからです!教師として普通に過ごしてきた人生の最晩年で、夫との結婚45周年を祝うパーティー。なんのことはないはずだったのに、なんていうことでしょう! 映画は、えー、そこで終わるのっていう感じで終わります。驚きます。そして彼女の氷のような顔。凍りつく。けれど惹きつけられる。ボディブローですね。 まさに「愛の嵐」からほぼ45年たってるのに、その間の時間を吹き飛ばすような一瞬。それは、またこの映画の核心として、夫に起きること。だからそれにつながっている妻にも起きる。記憶の前に現実の積み上げなんて無力…4次元を生きる人間の恐ろしい一面なのでしょうか。この映画も「愛の嵐」も、図らずも副次的なものとして同じことを描いているのかもしれないです。 GO NOWって、やたら明るい曲がラストのクレジット流れる中、ラストシーンの上辺とその奥の心の絶望的で取り返しのつかない解離に、妙な?救いなのでしょうか。この後どうなるのか…怖すぎます。そして、美しい、シャーロット・ランプリング。見に行ってよかった。
目が離せない
冒頭のクレジット表記と連動して鳴るあの音。音だけ聞くと「これ何の音だっけ?」と思い出せないまま物語が始まっていく。そんなことを忘れてしばらく経ってから、まさかの解答が。しかも、こんな形で。。ラスト数秒?いや1秒にも満たない?あのシャーロット・ランプリングがこの映画を後に語り継がれる傑作に仕上げていて、あそこは観客にとって胸が締め付けられる行き所のない感情の拠り所であったりもするだろう。でもあの後、どうなったんだろう。。気になってしょうがない。
男は未練がましく、女は灰になるまで女
川崎チネチッタで2016/04/13に鑑賞。 仲むつまじかった老夫婦の元に、亭主の結婚前の恋人の死体が氷河の中から50年前のままで見つかったと知らせが来て、その恋人の記憶が亭主に蘇り、奥さんも次第に心穏やかでいられなくなるという話。 てっきり氷河まで遺体に会いに行ってそこから扇情的な展開があるのかと思っていたけど、奥さんに気を使ったのか行かないんだよね。展開に抑揚が無くて正直少し眠くなった。 しかし蘇る昔の恋人記憶は止めようもなく、こっそり隠し持っていた彼女の写真なんかを引っ張りだして隠れて見たりする。そうだよなあ、解る気がする。50年間も氷漬けになっていた彼女を忘れ、自分だけ幸せな結婚生活を送っていたという背徳感もあったろうし^^;でも一時的な感傷に過ぎないと思うのだけど、女性にしたら自分との結婚生活全部が偽りの気持ちだったのかと思ってしまうのかなあ?変にコソコソ隠れて感傷にふけったりするから奥さんも嫉妬するんだろうなあ。 むしろ堂々と彼女の遺体に会いに行って、涙の一つも流してあげて、けじめを付けた方が良かったんじゃないかなあ? ラストのパーティの亭主のスピーチ、普通なら奥さんが泣いちゃいそうな感動的な内容だったのに、奥さんの表情は固い。 そしてラストにダンスの後、映った彼女の無表情が怖かった。 旦那さん、穏やかな人生の最期を迎えられるのかなあ、怖いですねえw夫婦で観ることをお勧めしますw
歳重ねても達観なんてそうはできない
今のキミは いろんな経験を乗り越えたキミ だからキミにどんな過去があったとしても 今のキミのことが大好きだから ボクは気にしないよ… などと若い時分のおいらは さらっと口に出したりしたもんです。 でも長年を共に過ごした相手に 自分の知らない過去があり しかもその過去が今も 心の天井裏を占めているとしたら… 信頼とはいとも脆いもの。 スライド写真を切り替える音は ケイトとジェフの間に打ち込まれる楔の音。 おいらにはそのように響きました。 シャーロット・ランプリングの 気丈で静かな佇まいは かえって内なる感情を想起させて その様は時に痛々しくて 抱きしめてあげたくなること度々。 パーティーの行く末が そしてケイトのその後の生活が 思い遣られてしかたありません。 おいらとしては 人生の同志として今後を過ごすことを お勧めしたいのですが。
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