海よりもまだ深くのレビュー・感想・評価
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タイトルに絡むシーンは驚愕の名シーンだ。
タイトルに絡むシーン(何処かはネタバレ)は驚愕の名シーンだ。
如何に演じ、撮り、繋げたのか?寧ろミュージカルと捉えるか?
何処か素っ気ない中盤迄と演者の息遣いに寄り添う終盤の対置。
是枝、阿部、樹木のベストか。
劇場で見ねばだった。傑作。
元妻の再婚話にイラつく元夫
テレサ・テン
「別れの予感」を使うとは! いい曲であるよ。海よりもまだ深く 空よりもまだ青く あなたをこれ以上 愛するなんて 私にはできない。歌は3分で物語るが、映画は2時間かけて語る。
周囲の人間が何気なく発した名言を書き留め、小説に使おうと思っているが、なかなか書き上げられない、一発屋小説家の良多。まー、他人の言葉を散りばめても、自分の作品にはならんわな。でも、あまりに煮詰まると、そんなこともしてしまうのかも。
ドン底状態の主人公だけど、母はごはんは食べさせてくれるし、後輩は文句も言わずにお金貸してくれる。あと少しがんばれば、出口が見つかるんじゃないかな。キミは愛されているんだから。
阿部寛と樹木希林が揃って「アレ」って言うのが、おもしろかった。親子だねぇ。
思い描いていた人生でなくとも今を大切に・・
人生思うようにはいかないもの
海よりも?タイトルとテーマ理解しづらかった
お祖母ちゃんの懐の深さのことなのか‥。最後の硯のシーンは、ちょっと分かりづらかったような。(うっぱらったのかと思って勘違いしてしまった(笑))共感できる日常シーンもあるけれど、樹木希林だけ特筆して、素晴らしかった。
哀しいかな、駄作の量産態勢に入ったのか、是枝裕和監督は。
素人が現実をそのまま映画にしてしまうと、観るに耐えない品物になることがあります。
この映画は、そのような品物に、きわめて近いです。
ダメな大人の男と女の間に、とても良くできた子供がいる、という状況をスケッチした作品です。
これで観客が、ダメ男か、ダメ女か、甘やかし婆さんのどれかに自分を投影できるなら、それで勝ちだぜ……という監督の計算なのかも知れませんが、そいつは甘過ぎる計算です。
観る側の個人的な事情に期待するような作品など、失敗映画としか言いようがありません。
父親役の阿部寛は、ダメ人間を熱演していて、もしかしたらその役柄を楽しんでいるようにも見えますが、ほんとダメ人間です。
母親役の真木よう子も、与えられた役柄を演じているものの、やはりダメ人間でしょう。
大切なところについて説明を省略して、観る側の想像力に丸投げする傾向が、この監督にはあるのですが、この方法に頼ってしまうと駄作が大量生産される危険があると思います。
家族だから…は甘えでもあり救いでもある
樹木希林さんが亡くなって、フジテレビが放送していたこともあり、気になっていたこの作品。家族をよくテーマにする是枝監督だが、台風を軸にした日常のワンシーンを感じさせる設定だけに、リアリティを感じてよかった。
ギャンブル好きで金に目がない…ということを父のせいにする良多。家族を大事に出来なかったことは、自身の負い目とは微塵とも感じていない。台風をきっかけに、家族という形を再び考え、自身を見つめる。序盤から長々襲いかかる自堕落な主人公は目に余り、少々耐えられなかったが、小さな光を見つけ、自身を見つめ直していく様は少しだけ美しかった。
家族らしい軽妙な会話、外出できない今だから気づかされる価値観がここにあったと感じた。
単純な日常をドラマチックに
私もなれなかった。だから、おもしろい
なりたい大人になれなかった人へ向けてのストーリー。なので、主人公は底辺ギリギリのぱっとしない中年男。犯罪を犯す訳でもないので、そういった意味での映画映えもない。でも、この男を主人公に据える映画って貴重だなと思いました。現実にはたくさん存在してるはずなのに、何かいないような気がする人たち。完全に自分とは違うと言えなくて同族嫌悪から来るのかな。
この映画は何も起こらない、だから何も変わらない。
でも、胸に刺さるセリフがたくさんあって、余韻が残りました。
私もなりたい大人になれなかったひとり。と言うより「なりたい大人」の想像力が乏しかった。
自分の親を見てここは親と同じようになりたい、ここはなりたくないという視点しかなくて、自分の欠点や長所に目を向けて努力することを知らなかった。
「私の人生どこで間違っちゃったんだろう」も間違いの終点に着いてから出てくるセリフだなとしみじみ。
途中だと分からないんですよね。残念な事になぜか。
そこが、なりない大人になれた人となれなかった人の境目なのかもしれないなと思いました。
希林さん演じる淑子の住む団地、すごく懐かしさを感じました。昔は同じ所に同じような人が集まって似たような生活を送ってたのにね、今の若い人たちはどこに行ってしまったんだろう。
淑子が「海よりも深く人を愛した事がない」と言っていて、それは子供も含めてよね…だとしたら、淑子にはっきりそう言ってもらえて嬉しかった。
それに続く「深く愛した事がないからこそ、生きていける」もそうかもしれないな、と。
深く愛するって人によって定義が違うとは思いますが、愛の深さを測ってそれに捉われたら生きていけないのは確か。
希林さんの仕草ってただの自然な仕草じゃなくて、親近感のある自然な仕草だなと思います。母親や祖母を思い出す仕草。
実家に帰ったような安心感があるからこそ、淑子のセリフは私に向けて言われたように感じました。
この映画を観て、ほっとしたり十数年後の未来が怖くなったり、夫婦の難しさを感じました。
ある程度、歳を重ねたら考えすぎてはいけない。
自分の手に収まる中で幸せに生きることを考えないと。理想のなれてたかもしれない自分を作り出して、あるはずだった未来なんて考えてたらだめだなと思いました。
自分が定義するメディア作品の外にある
あるあるながら深い
哀愁漂う作品
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