海よりもまだ深くのレビュー・感想・評価
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タイトルに絡むシーンは驚愕の名シーンだ。
タイトルに絡むシーン(何処かはネタバレ)は驚愕の名シーンだ。
如何に演じ、撮り、繋げたのか?寧ろミュージカルと捉えるか?
何処か素っ気ない中盤迄と演者の息遣いに寄り添う終盤の対置。
是枝、阿部、樹木のベストか。
劇場で見ねばだった。傑作。
元妻の再婚話にイラつく元夫
2016年公開作品。阿部寛扮する15年前賞をもらった小説家篠田良多は、形見の品をもらおうと父親の葬儀後の実家に戻った。樹木希林扮する母親からは、父親の物なんか皆捨てたと言われた。良多は、小説の元として調査めいた事も色々やっていた。真木よう子扮する良多の元妻白石響子が付き合っている男性も気になっていた。元妻の再婚話にイラつく元夫も分からなくはないが、ちと情けなや。真木よう子見てるだけだったな。愛情が海よりもまだ深くと言いたい相手は貴重だよ。
テレサ・テン
「別れの予感」を使うとは! いい曲であるよ。海よりもまだ深く 空よりもまだ青く あなたをこれ以上 愛するなんて 私にはできない。歌は3分で物語るが、映画は2時間かけて語る。
周囲の人間が何気なく発した名言を書き留め、小説に使おうと思っているが、なかなか書き上げられない、一発屋小説家の良多。まー、他人の言葉を散りばめても、自分の作品にはならんわな。でも、あまりに煮詰まると、そんなこともしてしまうのかも。
ドン底状態の主人公だけど、母はごはんは食べさせてくれるし、後輩は文句も言わずにお金貸してくれる。あと少しがんばれば、出口が見つかるんじゃないかな。キミは愛されているんだから。
阿部寛と樹木希林が揃って「アレ」って言うのが、おもしろかった。親子だねぇ。
思い描いていた人生でなくとも今を大切に・・
僕みたいな男はひどい目にあわないと思い知らない言葉ですね(笑) 大きなトラブルもなく、普段通り過ごせてる以上に幸せなことはないのでしょうが、僕にとっては「諦められるはずがない理想の生活」があるので、そのために持ちこたえてるような毎日です。 このまま行けば叶う予定なんですが、その頃にはオヤジなので今はその時に向かっての下準備のような毎日です。 若いうちに夢を叶えてる人が羨ましくてしょうがないです。 全然映画のレビューになってなかった・・・序盤の立ち食いそばが美味しそうでした(笑)
人生思うようにはいかないもの
人生思ったようには、なかなかいかない。仕事も結婚も。なんでも。ギャンブルに使ってしまったり、親の金を取ろうとしたり、どうしょうもない小説家の阿部寛だが、懸命に生きている。離婚した真木よう子しかり。
いい優しい息子で良かった。阿部寛は自分の人生経験から得た伝えられる言葉を真剣に息子に伝える。台風の中で滑り台の下に寄せ合う親子が羨ましくもあった。
阿部寛が子供に。
俺もなりたい自分にまだなれてないんだ。結果じゃない。でも、こうありたいと心に持っていることが大事なんだ。
僕にはこの言葉ささったな。
今書いていて気付いた。
樹木希林はいつもいい母親を演じるな。
いい言葉は他にもいろいろあった。
深い。
海よりも?タイトルとテーマ理解しづらかった
お祖母ちゃんの懐の深さのことなのか‥。最後の硯のシーンは、ちょっと分かりづらかったような。(うっぱらったのかと思って勘違いしてしまった(笑))共感できる日常シーンもあるけれど、樹木希林だけ特筆して、素晴らしかった。
哀しいかな、駄作の量産態勢に入ったのか、是枝裕和監督は。
素人が現実をそのまま映画にしてしまうと、観るに耐えない品物になることがあります。
この映画は、そのような品物に、きわめて近いです。
ダメな大人の男と女の間に、とても良くできた子供がいる、という状況をスケッチした作品です。
これで観客が、ダメ男か、ダメ女か、甘やかし婆さんのどれかに自分を投影できるなら、それで勝ちだぜ……という監督の計算なのかも知れませんが、そいつは甘過ぎる計算です。
観る側の個人的な事情に期待するような作品など、失敗映画としか言いようがありません。
父親役の阿部寛は、ダメ人間を熱演していて、もしかしたらその役柄を楽しんでいるようにも見えますが、ほんとダメ人間です。
母親役の真木よう子も、与えられた役柄を演じているものの、やはりダメ人間でしょう。
大切なところについて説明を省略して、観る側の想像力に丸投げする傾向が、この監督にはあるのですが、この方法に頼ってしまうと駄作が大量生産される危険があると思います。
どうしてこうなっちゃったのか
理想と現実と人間味が
とても上手く描かれている。
やはり是枝演出は良いですね。
俳優陣の演技も素晴らしい!
是枝作品の良いところでもあるが、
もう一歩踏み込んだ感じが欲しかったなぁ
家族だから…は甘えでもあり救いでもある
樹木希林さんが亡くなって、フジテレビが放送していたこともあり、気になっていたこの作品。家族をよくテーマにする是枝監督だが、台風を軸にした日常のワンシーンを感じさせる設定だけに、リアリティを感じてよかった。
ギャンブル好きで金に目がない…ということを父のせいにする良多。家族を大事に出来なかったことは、自身の負い目とは微塵とも感じていない。台風をきっかけに、家族という形を再び考え、自身を見つめる。序盤から長々襲いかかる自堕落な主人公は目に余り、少々耐えられなかったが、小さな光を見つけ、自身を見つめ直していく様は少しだけ美しかった。
家族らしい軽妙な会話、外出できない今だから気づかされる価値観がここにあったと感じた。
単純な日常をドラマチックに
是枝裕和監督らしいなぁと感じる優しく温かくも鋭い作品。何気ない日常をリアルに描きながら、そこに生きる人と活きるメッセージを存在させる。
樹木希林という大女優を観るだけでも価値がある。
その彼女から溢れ出るセリフがいちいち突き刺さる。
「幸せは何かを諦めないと手にできないもの」
「なりたいものになれたかより、そういう気持ちを持って生きているかどうかが大切」
そしてタイトルのセリフが効果的に彩る。
私もなれなかった。だから、おもしろい
なりたい大人になれなかった人へ向けてのストーリー。なので、主人公は底辺ギリギリのぱっとしない中年男。犯罪を犯す訳でもないので、そういった意味での映画映えもない。でも、この男を主人公に据える映画って貴重だなと思いました。現実にはたくさん存在してるはずなのに、何かいないような気がする人たち。完全に自分とは違うと言えなくて同族嫌悪から来るのかな。
この映画は何も起こらない、だから何も変わらない。
でも、胸に刺さるセリフがたくさんあって、余韻が残りました。
私もなりたい大人になれなかったひとり。と言うより「なりたい大人」の想像力が乏しかった。
自分の親を見てここは親と同じようになりたい、ここはなりたくないという視点しかなくて、自分の欠点や長所に目を向けて努力することを知らなかった。
「私の人生どこで間違っちゃったんだろう」も間違いの終点に着いてから出てくるセリフだなとしみじみ。
途中だと分からないんですよね。残念な事になぜか。
そこが、なりない大人になれた人となれなかった人の境目なのかもしれないなと思いました。
希林さん演じる淑子の住む団地、すごく懐かしさを感じました。昔は同じ所に同じような人が集まって似たような生活を送ってたのにね、今の若い人たちはどこに行ってしまったんだろう。
淑子が「海よりも深く人を愛した事がない」と言っていて、それは子供も含めてよね…だとしたら、淑子にはっきりそう言ってもらえて嬉しかった。
それに続く「深く愛した事がないからこそ、生きていける」もそうかもしれないな、と。
深く愛するって人によって定義が違うとは思いますが、愛の深さを測ってそれに捉われたら生きていけないのは確か。
希林さんの仕草ってただの自然な仕草じゃなくて、親近感のある自然な仕草だなと思います。母親や祖母を思い出す仕草。
実家に帰ったような安心感があるからこそ、淑子のセリフは私に向けて言われたように感じました。
この映画を観て、ほっとしたり十数年後の未来が怖くなったり、夫婦の難しさを感じました。
ある程度、歳を重ねたら考えすぎてはいけない。
自分の手に収まる中で幸せに生きることを考えないと。理想のなれてたかもしれない自分を作り出して、あるはずだった未来なんて考えてたらだめだなと思いました。
自分が定義するメディア作品の外にある
ドラマって見せ場を強調したり、いらないところをカットしたり、時には時間軸をこんがらがせたりするの思うんですが、そこんとこ上手くやる作品が名作だと思うんですが…。
そんな概念を敢えてやっていないので、酷評することもできません。
あるあるながら深い
不器用な主人公の生き様のようなものを日常から表現している映画で、大きな展開はないものの、引き込まれるのは是枝作品ならでは。
時々、共感してクスリとしまう、主人公のふるまいがアクセントになりました。
タイトルの意味を毎度考えられます。
哀愁漂う作品
団地暮らし、晩夏、手作りカルピスアイス。私には全く経験ない事なのに、なぜか哀愁が漂っていて切なく感じました。
理想の自分になれなくて、お金もなくて、ギャンブルで散財、元妻には未練たらたら。どうしようもない阿部寛ですが、そのキャラクターや息子との接し方を見ていると憎めない。
樹木希林さんの演技はとってもリアルだと思いました。すごく、本物っぽい。
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