「究極の親子愛」ルーム 唐揚げさんの映画レビュー(感想・評価)
究極の親子愛
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母の日も近いので、こちらのA24作品を鑑賞。
7年間、1つの“へや”に監禁された母親と、生まれてからその“へや”しか知らない男の子の親子の物語。
傑作!
前半のハラハラ脱出劇。
その“へや”しか知らないジャックへついた、優しさの嘘が仇になってしまったり、辛いながらも2人で頑張って楽しみを見つけたり、普通以上に難しい子育て。
そして、脱出して終わりじゃないのが、この作品の良いところ。
後半は脱出して幸せなはずなのに…という、逆説的なお話。
家に押しかけるマスコミ(マスゴミ?)、ジャックを認められないジィジ、ママは精神的に病んで離れていき、遂にジャックは、いつでもママと一緒にいれたあの“へや”に戻りたいと言い出してしまう。彼にとってはあの“へや”が全てだったもんね。
それでも、ジャックも少しずつ成長して、ママもジャックにまた助けられて、感動に次ぐ感動のラストシーン。
助かってからの安堵感と微笑ましいシーン。
涙なしには観れませんでした。
ジャック役のジェイコブくん。
君のおかげだよ、ストーリー的にも映画的にも。
こんな上手い子役見たことない。もはや演技なのかどうなのか。
初めて外の世界を見た、本物の青空を見た彼の顔を忘れることはできません。
カメラワークもあってか、観ている側も何年も監禁されていたような、2人の気持ちを少しだけ味わうことができました。
7年ぶり、もしくは初めて見る外の世界はどんなだろうと。
前半も後半も、微笑ましさと辛さに感情がジェットコースター状態で、何度も涙が溢れる。
そして何よりも驚きなのが、実話がベースということ。
2度と観たくないようで、また観たい。
親子について考えさせられる傑作でした。
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