何者のレビュー・感想・評価
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原作を知らないとわかりづらいかも..
私は原作既読です。なので、私なりに「何者」という作品が何を伝えたいのかを考えたうえで鑑賞しました。
しかし、正直原作を知らない方がこの映画を見ただけでは原作者のメッセージは読み取れきれないかな、と感じました。その要因の一つはセリフの言葉足らずにあるかと思います。本作の展開やセリフはほぼ原作に忠実ですが、尺の関係?でセリフを省略している部分があり、しかも重要なシーンでそれが見受けられました。
例えば、中盤でミヅキがタカヨシに本音をぶつけるシーン。「そんな姿誰も追ってないの...私たちはそういうところまで来たんだよ」というセリフがありましたが、...原作未読の方、この意味わかりましたかね?小説ではこの部分がもっと言葉で補われており、就活生という年代に向けた本作の一つの重要なメッセージとなっているのですが、どうもあのセリフだけでは伝わりにくいでしょう。また、その後サワ先輩がタクトに対し「ツイッターの140字が重なっただけで..」と諭すシーンがあります。実はこのセリフも原作より大分短くまとめられてしまいました。この場面にもSNS、ひいては現代のコミュニケーションに対し原作者が訴えたいことが詰まっていたのですが、やはりわかりにくかったという方もいらっしゃるでしょう。
もちろんメディアミックスにおいては、その担い手が伝えたいものや重きを置く部分をオリジナルとは変えていくことにも価値があると思います。しかし上記のシーンは、SNS世代の就活生に焦点を開けた本作において非常に大切な意味を持つはず。そこを省略してしまったのはとてももったいないな、と感じました。もしこの映画を見て何を言いたいのかよくわからなかったという方、是非原作を一読することをオススメします。
逆に映画化により原作が補われたと思える部分も。それが終盤、裏アカが発覚したタクトがミヅキに会いに行くシーン。実はあのシーンは映画オリジナルです。ミヅキもタクトの裏アカの存在を知っており、彼の痛々しい部分には気づいていた。でも決してリカのようにタクトを批判するようなことはせず、むしろ彼のひたむきに演劇に取り組んでいた姿を認めるのです。
私はこのシーンにこそ、本作の最大のメッセージが現れているのではないかと思います。そもそも本作で描かれている就活生たちの黒い感情やタクトのひねくれた観察は、決して見る者の嘲笑を誘うためのものではありません。誰もが持ちうる弱くて醜い部分、そこから目をそらして気づかないフリをする、あるいはそんな姿を責め立てるのではなく、自他のそのカッコ悪い部分を認め受け入れ許す。そして、その人の良い側面にもきちんと目を向けてあげる。それが社会のコミュニケーションのうえで必要なのだと「何者」は訴えているのです。まさに最後のミヅキの姿はそんな理想の姿を描いており、彼女の懐の深さと自分の矮小さを痛感したタクトはたまらず泣き崩れたのでしょう。原作では特定の場面で伝えなかったそのメッセージを、映画ではあのシーンで補完したのではないでしょうか。
長文失礼しました。繰り返しになりますが、本作を観て「結局何を伝えたいのかわからなかった」という方は、是非一度原作を手に取って頂くことをオススメします。その上でもう一度この映画を見直すと新しい発見があるかもしれませんね。
リアルやった
とりあえず、好きな俳優が多いし、snsという若者に使われるツールを用いた話しということで絶対観たいと思っていた。
佐藤健と二階堂ふみの検索履歴に関するやりとりはすごいよかった。あと、最後のギンジの公演や1分間スピーチからは佐藤健の変わっていく様子がわかりよかった。
今、就活してなくてよかった…
私が就活をしたのは2003年。13年前はスマホもSNSもなく、携帯の電波も屋外でしか入らないど田舎の実家に、就活の為ネット回線を契約してもらい、リクナビだマイナビだのとにらめっこしていました。
そんな時代を思い出しつつ、でももうちょっと牧歌的だったし、しかも私は関西圏で活動しただけだし、教育学部だから大学の友達はみんなのん気でさ、あんなマウンティング合戦はなかった。
今は辛いね、先に産まれててよかったと心から思いましたよ。
そして、少しでも良く見せようと虚勢をはったり、分析という名の見下しを垂れ流したり、といった愚行には多少なりとも身に覚えがあり、切り刻まれて血だらけ気分でした。
たくとの情けなさったら。片思いは告げることもできず(でも多分バレてるよ、みずきさんには)、見下していたリカからは痛い痛い反撃を受け。その中で、ギンジの劇団を見に行けたことと、まとまらないけど自分の言葉で語り出した面接が変化の兆しなんでしょう。がんばれ。10点でもいいからひねり出そうね、お互い。
二階堂ふみの反撃がよかったです。グッときました。自分の愚かさは知っている。でもこうでもしてないと立っていられない。その気持ちに共感しました。ふみちゃんの泣き方は、本当にいい。気持ちを掴まれます。
岡田将生と山田孝之もよかったなあ。
瑞月がたくとの裏アカをなんで知っていたのか、知っていてのあの言動なのか。そこ疑問です。
原作小説も買っちゃったんで読んだらわかる?かな?
ドロドロとしているが、それがまたいい
映画を良く観に行くので何度も何度も同じ予告を目にする。
この作品を初めて観た時は、「リア充が楽しい大学生活を謳歌するような作品か?そんな物は別に見たくねーな。」と思った。
何度も予告を見ている内に「方向性がちょっと違う、SNSを巧みに使ってんじゃね?」と興味を持ち、他のレビューを見て真っ向から意見が分かれているのが気になった。
後味が悪いのも良いなwと。
たぶんこれからの日本の映画界を背負っていくんだろう若手たちが沢山出ている。あまり期待する事も無く観ていたが、それぞれが本当に上手い。
まず佐藤くんキャラクター、彼の「えっ?」ってセリフはとても印象的で自分から出ていけない性格を非常に上手く表現できていた。
有村ちゃんは映画では初見だが、非常に穏やかな性格とこんなふんわりした子いるよなーとニヤニヤしながら観ていた。それでも芯のしっかりた性格なんだなと納得。
菅田君もCMの鬼ちゃんしか知らないんで「どうなの?」と思ったが非常にキャラになりきっていて、これもこんな奴いるわーと思ったwできれば関わりたくないタイプ。
バンドのボーカルだったけど、歌はそれほどって感じ。
二階堂ふみちゃんは帰国子女?で本当にプライドが高そう、でも社交性は高く、頭も良いと。で付き合ってすぐに同棲を始めるという少し意味不明なヤツ。
SCOOPではおとぼけの新米記者を演じていたけど、こんなキャラもできるんだ。すげー嫌い、と思ったw
たぶん岡田くんじゃなくて岡田くんと付き合っている自分が好きなんだろうなw
そんなふみちゃんと同棲している岡田くん、自分を高尚な人間と思いたいのか?それとも演じたいのかわからんがいちいち上から目線で他のメンバーにコメントをするのは見ていてウザッと思ったw
本当に演技がうまいねw
自分は就活をしたことが無いから大勢での面接等はわからないし、対策を考えるしんどさもよくわからない。
システムは知っているが、SNSもやってない。
やはり色々な人と繋がる利便性の裏に隠れた人間の本質や猜疑心が描かれたまれにみる作品だと感じた。
誰しもが人より少しでもいい暮らしを、幸せな生活を、より多くのお金をと思いながら生きているがそれを表に向けては出さずに内に秘めている。
もしかしたら自分は頑張っているのに評価されているのだろうか?
こんなに頑張っているのに他の人はもっと良い生活をしているのだろうか?
あいつの住んでいる家は?車は?家族は?
日本人にありがちな前へ倣え、横に倣えでもし自分が列からはみ出してしまっていたら、、、。
もし他の人よりも劣っていたら、、、。
そういう劣等感や焦燥感に苛まれSNSを開く。
もちろんSNSでしか手に入らないメリットもあるだろうが、自分を含めやはりまわりが気になってしまう。もし他人が○○だったら、、、。
そんなただの普通の日常を、日本中で起きている出来事を就活と言うテーマと大学生の男女間と言うテーマを使って作られた今作品は見ていて非常に共感できたし自分を見ている様で心が痛いという面もあった。
しかしこう言う出来事と言うか色々な事が起こるのだから、本当に大切な物を見つけることが出来るし、それを守ろうとも思えるのだろう。
それでも有村ちゃんみたいな、純真な子もいるんだよねー。だから生きているのは面白い。
二階堂ちゃんにスマホ見られた時はホラーかと思ったw
こええええwってw
でも本当はもっと汚い言葉で罵ったり、書き込んだりするでしょw
あれじゃあ、まだ言葉が綺麗でしょうw
それで?
僕も最近まで大学生だったし、SNSのドロドロしたところや就活のテクニックみたいなのは知ってますし共感もしましたが、それを映画で見せられて「それで?」って感想でした。
それを活用したドラマ部分が甘かったんじゃないかと思います。
主人公が嫌なやつな雰囲気は始めから醸し出してたから、裏アカでつぶやくぐらいだとインパクトがありませんでした。
日常そのままというか、もっと年齢が高い世代とかだと感想が違うと思います!
二階堂ふみのいちいち癪にさわるセリフは最高でした!
山田孝之はただの嫌な先輩になってたと思います。もうちょっとフォローしてあげてもいい気が…
自分の事を言い当てられた。
数日前に闇金ウシジマくんファイナルを観たので山田孝之さん目当てで見に行きました。出番が少なくて残念(泣)
前半は普通に観てたのですが終わりかけに、たくとが本心は皆を馬鹿にしてると言われ、その内容がツイッター形式で流れてた内容、全てが自分に当てはまってるのでドキッとして目が覚めました。
今の就職活動て大変なんですね。平成元年辺り、バブル後半の売り手市場を経験してるので劇中の就職活動は演出?と思って見てました。
あれ、みんな評価低め。
内容は大学生にとっては普通の話なんだけど、
ちょくちょく出てくる演劇の話がやっぱり考えさせられる物がある。
いつの間にか自分が演技してたり、自分でキャラ作ってたり、自分の理想を必死で追いかけて無理してたり。
ストレートすぎな部分が多いけどめっちゃ好き。
演劇
原作未読で観ましたが、読みたくなりました!
自分は3年前に就活した人なので、丁度原作のリリースも同時期くらいだった記憶があり(朝井リョウさんもほぼ同い年だし)どれくらい共感できるかな〜と思いながら観にいったんですが、結論、共感はせず。
しかもけっこう最初はサムイと感じる。こじらせ大学生、ああ〜、でもこういう人たちいるいる、あと意識高い系とか、周りにもいたかもな。それにしても菅田将暉くん可愛い。好き。っていうのが前半の感想。
だんだん登場人物の嫌な部分が出てくるけど、大袈裟な印象。映画だからってちょっとドラマチックにしすぎじゃないか?という、自分が共感できないからかもしれないけど、なんとなくリアリティを感じない。
が、後半のミュージカル落ちで、なんだか全部の展開を許せました。なるほど。
これを文章で読むとどんな感じなのかな、と思ったので、帰りに原作を買って帰ろうかと。
映画の構成はすごくいいと思いました。ストーリーの進み方は心地よいし、観せたい部分もわかりやすく強調されているし、とにかく菅田将暉はかわいい。
特にこの作品は脚本あっての構成になっていると思うので、構成だけがよい、というのも違いますが。
最後まで観ると、あ、面白かったな。と思えます。
途中は、このキャラクターは一体なんの役割なんだろう?とか、ちょっと誇張しすぎだな、とか、ここ必要なのか?とか、色々つっこみたくなったんですが
ラストまで終わってようやく、そういう難しい映画じゃなくて、もっとシンプルな話だったんだな、と全部が納得できました。
誰にでもある話です。テーマが就活だっただけ。わたしはあんなに就活に命かけてなかったし、正社員になれなければアルバイトしたらいいと思ってたし、大卒のプライドなんてあんなに無かったけど、就活の話じゃなくたって、みんな一回は通る人も多いんじゃないかなぁ、という、子供と大人の間にいる人間の、自分の中での色んな葛藤、渦のぶつかり合い。
映画館じゃなくてもよかったかも。
ヤスタカサウンド好きです。
あと再三になりますが菅田将暉くんはかわいい。
最高
最高に良かったです。
これは絶対に就活の人には観てもらいたい。
人それぞれの入り方があるかもしれませんが、世の中には色々な価値観の人がいる。それを客観視していれば必然的に自分自身を主観する。見失ってしまうこと。気付くこと。様々ある中で、どう現代を生きるべきか。私はそこを見直そうとすることができた。役がどこかにいそうな性格。そこにも親近感を持てました。心の中にじんわりと、入り込みやすく。共感を持てる作品の一つだと思います。最後まで表面だけを観るのと、深く観るのとでは、この作品は全く違う感想になると思いました。
面白かった
あまり期待しないで観に行ったのですが、想像以上に面白く、スクリーンにジッと釘付けとなりました。
人同士の交流、対面的なもの、SNSを通じてのもの、表面的な付き合い、心底で考えてることなど、誰にでもあり得そうな事だけに、共感できたり、人間の怖さを覚えたりもしました。
自分の時の就職活動と比べて、今はずいぶん異なるものだなぁと大変さも感じて、いずれ就職活動するであろう我が子のためにも、ある意味勉強になりました。
観に行って良かったです。
若いって、大変だ。
企業の採用担当として、仕事的に、見なきゃ!という気持ちで観に行く。
就活に対する最近の批評が大いに入ってるかなと思いきや、そうではなく。
ちゃんと人間の物語でした。
若いって、自分を諦められない自意識や、恋に対するすべて感があるよなー。羨ましい。
そして大変だな。と思う。
羨ましい。
仕事目線メインで見てしまったので、なんか、映画としてはみれず。
ただ、内定で、その人がすべて肯定された感て、あるよな。それで、肯定感や、そして、否定された気持ちを持ってしまう。のは、わかる。
罪な仕事だな。と思う。
でもほんと、うちの会社には合わない、とかだから、本当に。それがすべてじゃない。っていうものすごい上辺っぽい言葉、真実なんですよ、と、声を大にして言いたい。
内定でないから、人生すべてダメなわけじゃない。
とはいえ、その時の否定された感は、消えないと思うけど。
でも、真実。
現代社会の闇?
凄く刺さりました。
登場人物の誰かには共感できると思います。
現代の流動性ある社会と、ネット社会の闇の中で自己承認欲求を満たす為に苦悩する現代の若者は、果たして何者でこれからどこへ行くのでしょうか。
俳優達の空虚な演技と重い独特の空気感は中々。
多少展開が大袈裟で芝居掛かった面はありますが、伝えたい事は分かりやすく伝わってきました。
作中で答えらしき答えは何も開示されていませんが、一つ自分を内省するきっかけになる作品なのかと思います。
古くせー"何者"は、"桐島、部活やめるってよ"の続編か?
※注1 あ、ドンデン返し映画だと思ってないのでネタバレまーす!
※注2 長文です。
(あらすじ)
"就活を一緒に頑張ろう!"って集まった大学生:拓人(佐藤健)、光太郎(菅田将暉)、瑞月(有村架純)、理香(二階堂ふみ)、隆良(岡田将生)の5人。最初は励まし合っていた彼等だったが、互いの価値観の違いや、自意識、言葉の行き違い、SNSの書き込みなどによって、その関係が変わっていく。
※絶賛コメントではありません。
また、朝井リョウせんせファンの方、閲覧注意です!
すみません。
そうそう、朝井リョウせんせ原作なんですよ。
「桐島、部活やめるってよ」の原作者ですね。
実は本作を観て、映画「桐島、部活やめるってよ」を見直しました!
だって、桐島~は"部活"がキーになってて、本作は"就活"ですもんね。
狭い世界を描いてる点で、共通してる何かがあると思って。
あと、私ちょっと勘違いしてたかも?って思ったんですよ。
いや、桐島~観た当初は、朝井せんせ=映画部の子達かな?って思ったんですよね。
ほら、神木隆之介くんの役ですよ。
関係ないけど、神木くんの眼鏡をあげる仕草が好きでしたー♡
非リア充の神木くん達が、リア充の桐島の取り巻き達に勝つ!神木くんを、朝井せんせだと思ってて、かなり微笑ましく観てました。
でも本作を観て、あれ、違うぞ。と。
うわ!やっべwって、なりました(笑)
何故、やっべって思ったかを、今からお話します。
でも私、バブル後期社会人デビューで、企業から接待受けて「どうぞ来てください!」って言われる時代で、就活で苦労した経験がないんです。
しかも大学も美術系で"個"で生きてる人達が多いので、なんでしょう?友達との距離感が、圧倒的に違うんですよね。
本作は、就活あるある。
もしくは、こんなやついるよねー!
もしくは、お前は俺か!?
な"共感力"に依存する映画なので、そこに乗れなかった私は、とんちんかんな感想になってしまうかもしれません。
お許しください。
主人公は、拓人ですね。
ここ、一番の間違いのように思えますけど……、まあいいです(笑)
冷静な分析屋ってことで、意識高い系の理香と、集団の中で生きたくないクリエイティブ思考の隆良カップルを、寒いって感じで見てるんです。
で、就活に関してもそうとう分析してて、いかにも"内定もらえる新卒者"を演じています。あ、だからこそ、貰えないんですけどね(笑)
そんなの、面接官はお見通しですから。
そして、仲間の中でも"良き就活アドバイザーな自分"を演じています。
もともと拓人って演劇をやってたんですね。
でも、食べていけなわけで、諦めたんです。
しかし、元の仲間は続けている。
舞台のクオリティはさておき、自分で劇団を立ち上げて、月一で公演してる。ま、気になりますよね。
そう、この"演じる"が、本作の大きなテーマではないかと思います。
プロモーションでは、人間の本音と建前、面と裏を描く!つってはりましたけど。
そうじゃなくて、"なりたい自分を演じる自分"と、"本当の自分"の差でしょう?
人間は、夢を見始めた瞬間に不幸になるんですよ。
そこに届かない自分を、嘆き悲しんで。
ただ、本当の自分=裏=闇=人間不信とかいってしまうのは、かなり短絡的だし、優しくない目線だなーと。
人間の心の機微を描けてないなーと、ちょっと残念。
だって、人は嘘をついたり、何かを隠して、取り繕って生きているもんじゃないですか。
ね、朝井せんせ。
個人的に思うんですが、裏がある人間より"バカ正直"と言われる部類の人達の方が怖くないですか?
彼等は空気なんか読まないし、こちらのタイミングなど全く気にせず、企画会議でもこっちの一番の見せ場で「すみません!俺、そういうの、全くわかんないです!」とか言ったりするんですよ。悪気なく。
私は"裏がない人間こそ怖い"と思いますよ。
だって、読めないもん。読むものがないんだから(笑)
なので、フォレストガンプって良い映画ですけど、同時に怖いなぁーって思うんです。
冷静な分析屋で就活アドバイザー的な拓人ですが、別アカウントのツイッターでみんなを批判?してたんですね。
ここ、大きめのBGMでダーン!って、ドラマティックに過去回想シーンが流れ、心の中の声がかたかたとツイートされるんです。
実は別なこと、思っちゃってました!って。
びっくりしました。
いや、ドンデン返しだからじゃないですよ!
"普通のこと"を、オチとか言うんでー(笑)
こんなSNSの使い方、某巨大掲示板ができた2000年前後からみんなやってはりましたよ。
もっというなら、その頃からネット小説の世界では、こんな切り口のお話が沢山転がっていました。
朝井せんせってお若いのに、感覚が古いんですね。
特にSNSをネガティブに描いてるとことか、老齢の作家先生かと思いました。
しかも拓人のツイッター、"闇"というほど辛辣ではありません(笑)
原作は未読なので分かりませんが、朝井せんせって就活で苦労したことも、それで他人を妬んだことも恐らくないんでしょう。もちろん、某プロデューサーも。
悪口の言い方、下手っすよ。
その為、どんでん返ってないです!
「登場人物がつまんないのは、作者がつまんないから」
登場人物って、作者のミニミーですもんね。
あ、いやいや、違います!私じゃないですよ!奥田英朗せんせが仰ってたんですよ。
いや、この分析屋の主人公:拓人に、朝井せんせが透けて見えたんです。
本作のラスト。
主人公は改心して表面的な言葉ではなく、本心を語ろうとします。
うーん。なんというか……。
本心で語る=演じない自分がいいみたいな結論になってて。
そこも違うだろーと。
その結論、あまりにも捻りなしで簡単だな!と。
そんな簡単にまとめんなよ、と。
そもそも人間の心理を、表とか裏とかー、簡単なんですよ。
最近の若者って、こんなに視野狭窄気味なんですかね?
拓人を主人公にしたから、こうなるんですよね。
隆良の視点で、もっと(朝井せんせがちょっと体験した就活を)客観的に桐島~的に俯瞰で描けば、"これが若者のリアル"以外の、もっと深みのあるテーマが生まれたのかも。てか、こんな嫌ミス風味、いらんでしょ?
桐島~、で、ゾンビ映画撮りたい神木くんの役に、教師が言うじゃないですか。
「もっと身の回りのこと書け。恋とか、高校生ならでわなやつ。ゾンビはリアルじゃないから」
みたいな。
ね?ね?
神木君の役は、ゾンビ=高校生活のメタファーとして描こうとした訳ですよね。
高校生活って、そんな生温いもんじゃないから!って。
むしろ、ゾンビがリアルという。
そこまで分かってた朝井せんせが、こんなの"若者のリアル"とか思ってるとしたらがっかりですよ。若者とか、青春とか、言っちゃうの?って。
がっかりですよ!
本作も桐島~と同じく、あの頃の痛い自分を追体験させる。という手法ですが、そこに私の"あの頃"はありませんでした。
ある方だと、楽しめるんですかね?
ただ偉そうに言わせて頂くと、共感できなくても、理解できなくても、説得されてしまうすげー映画って、ありますよねー。
さて、タイトルの疑問です。
"「何者」は、「桐島、部活やめるってよ」の続編か?"です。
桐島~では、高校の人気者:桐島が部活を辞めることで広がる波紋、そこから浮かび上がる生徒達の関係、スクールカースト的なお話でしたね。
私ずっと考えてたんです。劇中に登場しない桐島って、この騒動を見てどんな顔してるのかな?って。
早稲田在学中に史上最年少で"すばる文学賞"を受賞し、映画化され、ベストセラーになり、東宝に入社し、本作の原作で直木賞を受賞し、映画化された、ヒエラルキートップの朝井せんせが透ける拓人を見た時、「あ、こいつが桐島だ!」って思いました。
桐島、上からみんなを見て、こんなふうに分析してたんだ。って。
つまりこの映画、朝井せんせ自身の改心の物語なんですよ!
あ、あれ、強引ですか?
高校時代、みんなを騒がせた人気者:桐島が、大学~就職時に一悶着あって心を入れ替えるの巻!
そう考えれば、更に面白くなるんですよねー。
"桐島、部活やめるってよ"が!
そっちが?
ええ、そっちがです!
だってー、本作の予告とかで流れている「俺達、何者かになれるのか?」の答え、桐島~のラストで出てるじゃん。
あれ、ほんと秀逸なラストですよ。
そんな朝井せんせの頭の中を軽く覗く感じで、2作を見比べることをオススメします。
えっとー、以上です!
いつも、長々とすみません。
就活の悲喜こもごもを描いた傑作
就職ってなんだ、就活ってなんだ。なんでアイツが。自分の価値とは。ヒリヒリした強い不快感を感じるがそれこそが本作の真髄だ。就活生の心情のリアルを描いた傑作と思う。(著者と同世代だから共感する部分もあるのだろう。)
ネガティヴな発言をなんでもかんでもSNSの裏アカに書き込む拓人は嫌いだが、こういう妬み嫉みって絶対あるよね。
話は変わるが、理香のような学生を“意識高い系”と揶揄する大人が嫌いだ。“意識高い”彼らの行動が的を射ているとは思わないし空回りしているが、それでも社会と真剣に向き合おうとしているではないか。そんな彼らを僅か一言で切って捨てるなんて、余程挫折を知らないのか、社会と向き合った経験がないのか。
アツくリアルに青春を描いた点と俳優陣の熱演に、星5つ。この6人の演技は凄い。
何かが終わった。それは始まり
今時の就活がどんな風に流れていくのか知りたくて観にいきました。予告編で刷り込まれてしまった主題歌もとても気になりました。
就活が中心なのですが、登場人物ひとりひとりの生き方が愛情を持って描かれています。
学生から社会人になる時って人生の中で大きな変化が起きるポイントの一つです。その波に揺り動かされ溺れそうな中でも懸命に手足をばたつかせながらもやり過ごしていく模様が時おり舞台を絡めて進んでいきます。
通り過ぎたから感じる思いなのですが・・・若いってただそれだけで眩しくて切なくてとても貴い時代でした。
人生は続きます。辛いことや苦しいことは形や重さを変えてやって来ます。でもどこかで見守ってどこかで応援している大人たちは必ず存在します。そして仲間も友人も。
主題歌はこれしかないっ!ってくらいに決まってました(笑)
大学生嫌い
「じゃあここを就活対策本部にしようよ!」。予告編でも使われた二階堂ふみのこの台詞に薄ら寒さを感じたそこの貴方(とここの僕)!本作はあなた(と僕)にこそ刃を向けていたのだ!もうちょっとで斬られるところだった。危ない危ない…いやもしかして斬られたことに気付いてないだけか?
物語の構造は『桐島、部活やめるってよ』と同じといえる。「一番物事を俯瞰している(気になっている)人物」が「好きなことに打ち込んでいる人物」から何かを感じて(「気付き」を得て)社会に立ち向かって行く。だからラストカットはどちらも背中を映す。この世界で生きていくためは見下ろすのではなく前を見なくてはならない
あとツイッターの扱いよな。ちょっとこれは身につまされるとかいうレベルを超えて怖かった。「それは俺のことだ!もうやめてくれ!それ以上言わないでくれ!」という気持ちになった。ツイッターのヘビーユーザーは是非本作を観て僕のような気持ちになってください
ということで俺の『何者』の感想はこれに尽きる。「大学生嫌い」
全444件中、261~280件目を表示