ふたりの死刑囚
劇場公開日:2016年1月16日
解説
冤罪を訴え続ける2人の死刑囚とその家族、そして司法の「罪」を描いたドキュメンタリー。昭和36年三重県名張市で女性5人が殺害された「名張毒ぶどう酒事件」、昭和41年静岡県清水市の味噌会社で4人の焼死体が見つかった「袴田事件」。この2つの事件で容疑者として逮捕され、死刑囚となった2人の男性。半世紀に渡り無実を訴え、いまだ再審が開かれず、司法に翻弄され続けた2人の死刑囚とその家族の人生を振り返る。製作は、さまざまな社会問題を取り上げた作品を世に送り出している東海テレビ。「約束 名張毒ぶどう酒事件 死刑囚の生涯」の齊藤潤一がプロデュースを務め、同作で奥西勝死刑囚を演じた仲代達矢がナレーションを担当。
2015年製作/85分/日本
配給:東海テレビ放送
スタッフ・キャスト
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2020年1月17日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
四人が焼死した「袴田事件」で逮捕され、死刑判決を受けた袴田巌は再審が開かれることはないが、釈放を取り消されることはなかった。
女性五人が殺された「名張毒ぶどう酒事件」は奥西勝が死刑判決を受けるが執行されることはなく、89歳で獄死してしまう。
組織は過ちを認めることは難しい。
ある意味、イランは凄い。
2019年4月3日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
もし自分が全く身に覚えのないことで逮捕され、刑務所に入れらえたら.....。
そう考えるだけで怖い。
登場する2人には、信じてくれる家族が居たが、
もし家族にさえ信じてもらえないとしたら....
そういう状況で冤罪なって、誰にも信じても助けてももらえずに、刑を執行された人も中にはいるかもしれない。そう考えると、ますます恐ろしい。
2019年2月13日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
ナレーションの仲代達矢による重い言葉でエンディングを迎える。この最後の言葉が集約しているように司法の意地やら建前やらで負けを認めたくない姿が浮き彫りになる。
二人の死刑囚とは名張毒ぶどう酒事件の奥西勝と袴田事件の袴田巌のことだが、主に袴田の人生にスポットを当てている。元プロボクサーとして年間19試合出場という破られていない記録も打ち立てているそうだ。そんな彼が冤罪により逮捕され死刑囚となったが、味噌樽の中から発見された着衣のDNA鑑定が行われ、再審決定がなされ、釈放となった(しかし、無罪が確定したわけではない)。現在でも存命。
奥西勝についての詳細は『約束 名張毒ぶどう酒事件 死刑囚の生涯』に書いたが、この映画ではさらに彼の葬儀における死に顔も映し出され、涙を誘う。そして、彼の妹が無実を訴え支援活動する姿も新たに追加されていた。同じように袴田の姉の活動、刑務所に通う姿も描かれ、無罪を訴える肉親の苦労も描かれていた。
“ふたり”以外に帝銀事件の平沢貞通も扱っていたが、こちらは肉親による再審請求が必要なために支援者の一人が平沢武彦として養子になり、2013年に彼が54歳の若さで孤独死したことを描いている。これもまた悲しい事実だ。
現在も様々な冤罪事件の支援が行われている。特にDNA鑑定などの科学捜査が発達した今、それでも有罪判決を覆さない司法の横暴ともとれる事実に憤りを禁じ得ない。
裁判所は、司法は、
必ずしも我々の味方ではないということか。
何のためにあるのか?
犯罪者を有罪にするため?
有罪者をつくって、安心させるため?
何かがおかしくなってる。