リップヴァンウィンクルの花嫁のレビュー・感想・評価
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CATVで観ました。主体性のない主人公の行く末にハラハラしましたが...
CATVで観ました。主体性のない主人公の行く末にハラハラしましたが、予想外の所に着地しました。ショートムービー3本みたような感覚。あの展開で話が破綻しないのはすごい。
これだけ引き付けられる3時間映画はそうそうない
3時間と言う長尺を忘れさせてくれるような、何とも面白みのある映画でしたね。
まあ全く長さを感じさせないと言ったら、何せ3時間ジャストの上映時間ですからさすがにそれは嘘になりますが、でも退屈知らずの3時間であったことは間違いない事実、これぞ岩井俊二監督と言える独特の世界観にすっかり魅せられっぱなしの3時間でした。
これ一体どこに着地するのだろうかと、次々起こる怒涛の展開に思わず引き付けられてしまうんですよね、ドキュメンタリーのような、ファンタジーのような、現実のような、夢物語のような、曖昧な虚実の境目に見る側も終始翻弄させられっぱなしのとても不思議な世界観でしたけど、でも見終わって妙に心地の良さが残る岩井ワールドに私はホントもう大満足でした。
現実の辛さ、嘘くささをこれでもかと見せ付けられるも、それだけじゃない何かが待っている映画とでも言いましょうか、とにかく黒木華が演じた七海の身に降りかかる出来事に、終始目が釘付けになってしまいました、よくある成長物語とは一線を画すがごとく主人公が変化していく様子は、まさしく岩井監督でしか描けないような独特の世界観でしたね。
勿論、これは黒木華と言う岩井監督の新ミューズあってこそ成り立つ世界、そう言えば山田洋次監督も蒼井優→黒木華路線でしたけど、まあこの2人はそれだけいろんな魅力に満ちた女優さんなんでしょうね、やっぱりこの2人が出ている作品は見てみたくなるもんなぁ。
ある種この映画は岩井監督プレゼンツ黒木華ショーと言えなくもない映画でしたが、間違いなくコスプレ込みで黒木華の演技力を堪能できる映画ではありましたね、前半の世間知らずなか弱さから、とある出来事を経て変わっていくその姿全部が魅力的だったなぁ、その引き立て役となった綾野剛の胡散臭さ、Coccoの切なさもたまらなく良かった、それと普通映画的には詰め込み過ぎと説明不足は大体マイナスでしかないのですが、この映画は良い意味でその2つが作用していたのがとても印象的でした。
特に綾野剛のガンダムまみれな演出からして怪しさ満天、謎過ぎて最高でした、この掴みどころのなさこそこの映画の魅力でもあったのかな、とにかく一体どうなるのか、気になって気になってしょうがなかった、転落していく様子とか、現代の闇と言われる部分の描き方も本当に上手い(必ずしも悪い部分だけでなく良い部分があることも描く辺りは優しくて好き)、切なさで思わず涙してしまうストーリー構成もお見事の一言、そして見終わった後はまるで夢から覚めたような感覚とでも言いましょうか・・・まあとにかく、素晴らしい映画でしたね。
リアルとファンタジー
昔は大好きだった 岩井俊二監督作品だけど、
いま、それなりに大人になって、
荒んだ心になってから観ても、
ちゃんと美しく受け取ることができるだろうか、
と心配しながら観ました。
3時間、、、
生活リズムの事情で
二日間に分けなきゃ観れないな、、
疲れてるから、途中で寝ちゃわないかな、、
と不安だったけれど、
みはじめたら
どんどん引き込まれて
リアルな世界と ファンタジーの世界に翻弄されて
刺激的ではないけれど
3時間かけて、
ゆっくり じわじわ心を掴まれる。
やっぱり岩井俊二監督は凄かった。
これは映画館で観たかったな。
手元にDVDを置いて
時々見返したくなる作品。
どこかへ連れて行かれていたような感覚
見ている間夢を見ていたような、どこかへ連れて行かれていたような感覚に陥る。3時間と長いがとても魅せられた。
黒木華のおっとりした空気感と、Coccoの瞳に吸い込まれるような危うさ。異質な2人が織り成す関係になんとも惹き込まれる。
綾野剛の胡散臭さもいい味を出していた。
ノクターン2番が印象的に響く。
また観たくなる
正直長いんだけど魅せられてしまった。
人生、流され流され流されていく。ふと立ち止まる際の心情の映像の美しさ…
好きすぎてハマる映画ってあるけど、これはそうでもないのに何故かハマる映画。また観たくなるし、たぶん観る度に好きになり評価も上がっていく作品なんだと思う。
幸せとは仮面を並べていく過程に過ぎない
内向的な性格で両親もとうに離婚し、天涯孤独の契約教師・黒木華は、SNSを通じて、ようやく彼氏ができ、愛でたく結婚。
しかし、不遇な人生ゆえに黒木家側に披露宴へ招待する客が皆無。。。
面目躍如のため、サクラを集める派遣会社の社長・綾野剛と知り合いフォローしてもらう始末。。。
船出早々に、暗雲が立ち込めた結婚生活は、案の定、直ぐに破綻。
再び独りぼっちに戻り、泣くじゃくる彼女は、綾野社長が斡旋してくれたサクラ派遣業のバイトで擬似家族を演じて食い繋ぐ。
そんな日々の中、同僚のCoccoと知り合い、交流を深めていくが、彼女には知られざる秘密があった。。。
『ラブレター』『リリィ・シュシュのすべて』etc. 独自の作風を確立している奇才・岩井俊二の久々の最新作だったが、三時間の長丁場がネックで劇場公開時はスルーし、ようやくDVDでダラダラ鑑賞したけど、、、
う~~ん、当たり前やけど、やっぱり長いね。。。
しかも、浮気を巡り、姑を交えた夫婦のイザコザは昼ドラを彷彿とさせるドロ沼模様で辟易してしまう。
でも、クタビれながら最後まで観ちまうのは、岩井俊二ワールドの不思議な魅力である。
結婚式は幸福の頂点を意味する最大のイベントだが、出席して祝福する他人にしてみたら、あの白々しい雰囲気が、如何にも《偽善》を醸し出しており、友人の披露宴に何度か招待される度に、居心地の悪さを覚えて仕方無い。
其処に、ネットのコミュニケーションが絡む事で、更に軽薄さが浮き彫りとなっていく。
残酷と愛しさが気だるくも繊細に交錯する危ういバランスこそ、岩井俊二の描く美しさの真骨頂であり、其の脆い世界の象徴が、友人を演じたCoccoの存在と云えよう。
破天荒で明るいけど、何処か切なく、ひび割れた胸から絶えず狂気が溢れて、何をしでかすか理解できない哀しさ。。。
花と毒、他人と友人との違いとは?家族とは何か?を問うやり場の無いメッセージは、名曲『樹海の糸』を歌っている時とは異なる温度で、観る者の心に乱反射して、居残ってしまった。
人間のハートは繊細で絶えず壊れそうな物で、いつ壊れるか解らず、誰もが不安で仕方無い。
其の焦りをネットやセックスを通じて、確かめては、忘れたがる虚しい生き物が人間である。
束の間の共有を求めて、今、自分が何をできるのか?
私自身も天涯孤独な人間なので、緩やかに今後を突きつけられた様な三時間であった。
では、最後に短歌を一首
『春来れど 仮面並べる 脆い風 白々し笑み もたれて青く』
by全竜
主体性のない女性が、ひとりで歩きだすまで
誰が見てもそう思うだろうが、黒木華がとても可愛い。
まるで黒木華のPVのようなスローの映像と淡い光。
岩井俊二の映画の中の女の子たちは、いつも本当に可愛く魅力的に映る。
それはそれで映画として大きな魅力だけど、そのせいで映画のテーマのようなものが見えづらくなっているようにも思う。
黒木華演じる七海はあまりにも主体性がない。
好きなのかもよく分からない男と、なんとなく結婚する。
どう考えても危ないのに、怪しい男がいるホテルの部屋に入る。
綾野剛演じる安室に言われるまま、謎の仕事に足を踏み入れる。
「いやいやこんな女、世の中生きていけないでしょ」と思っていたが、25歳ぐらいならこんな人もいるかもしれない。
そして実際、次々と酷い目や危険な目に遭う。
その中で様々な出会いと別れを経験し、いっぱい泣き、笑い、彼女は少しだけ強くなり、ひとりで歩きだす。
…とまとめるとありがちだが、場面場面を切り取ると、絵面はかなりエキセントリックだ。
特に、Cocco演じる真白の実家でのシーン。
私は正直、あまりの展開に笑いを圧し殺していたが、隣の男性は泣いてるようだった。
人により全然違う感情の動きが起きるのは、とても健全で良い映画だと思う。
綾野剛の世渡り上手っぷり、表面的なにこやかさと内面の冷たさは印象的だった。ビジネスですんごい困った時にとりあえず「あーなるほど〜」って言う人、いるいるw
あと、数日前に同じ劇場でリリィ・シュシュのすべてを見て、私の中でリリィ・シュシュはCoccoのイメージだったので、同じ監督が彼女を起用したのは勝手に納得感があった。
ストーリーとその見せ方から、本作は黒木華さんのための映画だと思った...
ストーリーとその見せ方から、本作は黒木華さんのための映画だと思ったのですが、もっと魅力的に魅せるやり方があったのではと、思いました。彼女の透明感みたいな美しさが十分表現されていたとは思えませんでした。あと、「岩井ワールド」と呼ばれるものが、この映画にあったのだとしたら、私はそれに浸れませんでしたので、正直ツラい3時間でした。
すごく好き。
観たかった作品、やっと観れました。
3時間という長編にも関わらず、あっという間。
完全に引き込まてしまいました。
この世界観好きです。
得体の知れない安室とか、何だか自主性がなくてイライラする七海とか、完全に不思議ちゃんな真白とか……出てくるキャラがいちいち魅力的で、最後まで飽きなかったです。
あり得ないストーリーなのかもしれないけど、孤独とか人と人との関わりとか……生きることの大変さとか……色々考えさせられました。
劇中のクラッシック音楽が妙に心に響く。。
とても印象に残る作品です。
久しぶり岩井俊二監督の作品を見て、なんか物足りない、いろいろ意味わ...
久しぶり岩井俊二監督の作品を見て、なんか物足りない、いろいろ意味わからなかった、でも、映画のスタイルは相変わらず好きだ
岩井俊二監督の映画の主演女優も相変わらず素晴らしいと思う、そんなに綺麗じゃないけど、なんか魅力的な女性だと思う
3時間の映画そんなに長く気がしない、そういえば、面白い映画かも
おかえりなさい。
大好きな監督の一人。そして、待ちに待った、日本実写映画。本当に映画館で観たかった。観たかった。でも行けなかった。やっと観れました。
岩井俊二監督の空気や映像はしっかり健在で、ところどころの独特のショットに泣きそうになった。
黒木華、綾野剛については合うだろうなぁとは予測してできたものの、coccoについては未知数でした。
とても好きな歌手でしたが、役という面でほどうなんだろうと。杞憂でしたね。素晴らしかった。
満足の一作で、手元にも置いておきたい一本です。
竜宮城からの手土産は悪いものではなかった
日本の長編劇映画としては12年振りとなる(海外作品やドキュメンタリーやアニメを除く)岩井俊二監督作。
…まず、誰もが気になるこのタイトル。
誘われて森の奥で酒盛りをして、酔っ払って寝て起きたら、周りが20年も経っていた…というアメリカ版浦島太郎のような小説の主人公の名。
タイトルの意味は最後には分かるけど直接的と言うより間接的、20年が時も経つファンタジーでも無いけど、何とも不思議な魅力を持った作品。
岩井作品最長の3時間だが、岩井作品を嗜んだ方なら分かる通り、透明感ある映像美とそれにマッチしたクラシック音楽に彩られ、長尺を全く飽きさせない。
本作はもうとにかく、
黒木華ファン、寄ってらっしゃい、見てらっしゃい!
学校の先生、ウェディングドレス、若奥さん、メイド服、笑って、子供のように泣きじゃくって…3時間たっぷり黒木華を堪能。
最近何だかちらほらネット上でアンチ派が増えてるみたいだけど(二階堂ふみもだけど)、ナチュラルな魅力がやっぱり可愛らしいんだな。
話は…
気弱な派遣教員の七海はSNSで知り合った男とそのまま結婚。
結婚式に出席する親族が少なく、何でも屋の安室に代理出席サービスを頼んだ事から…!
岩井監督にはSっ気があるのかと思うくらい、前半はヒロインに降りかかる不幸、不幸、不幸、転落の数々。
生徒にからかわれ…
職を転々…
新婚早々夫に浮気され…
夫の浮気相手の男から関係を迫られ…
姑からキツく当たられ…
住む家も無くし…
ドロドロはしてないけど、薄幸のヒロイン物語。
七海が“平凡な人生”を踏み外す事となったのは言うまでもなく、明らかに胡散臭そうな何でも屋の安室。
世の中、こんな仕事あるんだぁ…と思いながら、その世渡り上手さに感心と言うか呆然とさせられる。
綾野剛が飄々と好演。
この男との出会いはヒロインにとって幸か不幸か。
七海の結婚生活破綻は一応あの人という事になってるけど…。
しかし、七海の“平凡な人生”を大きく変えたのも事実。
安室から紹介された奇妙なバイト。
自分も利用した代理出席サービス、月給100万の住み込みのメイド。
そして、かけがえのない友との出会い。
自由奔放、天真爛漫、その一方人知れず心に闇を抱え…真白を演じたシンガーソングライターのCoccoが圧倒的な印象を残す。
SNSが効果的に使われ、現代社会ならではの繋がり。
某名作アニメや某名作小説好きならニヤリとさせられる遊び心たっぷりのネーミング。
とある業界の事も描かれ、あの人のキャスティングなんて、これはリアルかドキュメンタリーか!?(笑)
(坂○安○は見ておいた方がいいかも?)
心地よさ、陶酔、残酷さ、痛々しさ…。
我々にとっては3時間、ヒロインにとっては奇妙な経験、“不思議な竜宮城”から帰ったヒロインに何か清々しいものを感じさせた。
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