評決の行方
2006年製作/105分/アメリカ
原題または英題:Heavens Fall
スタッフ・キャスト
- 監督
- テリー・グリーン
- 製作
- アンナ・マリークロベッティ
- グロリア・エバレット
- ウェイド・W・ダニエルソン
- 製作総指揮
- ティモシー・ハットン
- ノーマン・トゥエイン
- 脚本
- テリー・グリーン
- 撮影
- ポール・サンチェス
- 編集
- スージー・エルミガー
- 音楽
- トニー・ロレンス
2006年製作/105分/アメリカ
原題または英題:Heavens Fall
個別に文書化された法律(法典)というものがなく、累代に渡って裁判所で下された判例の積み重ねが法律になる判例法主義の国では、もちろん、判例の重要さは言うまでもないのですけれども。
しかし、日本のような立法機関が議決したものが法律になる(文書化された法典が存在する)という主義の国でも、その法文の意味解釈については裁判所が最終的な権限をもつ以上、やっぱり、裁判所の判断(判例)は、重要ということになります。
だから、日本のような成文法主義の国でも、実地に通用している「生きた法」というのは、実は裁判所(事件を担当する個々の裁判官)のアタマの中にあることになります。
それだけに、裁判官(有罪・無罪は陪審員が決めるという陪審制度の国では、裁判官と陪審員)の仕事は重要ということになるのですが、上記のような見地に立ってみると、本作では、これが(その当時の)アラバマの法だったという以外、何者でもないことになります。
たとえ、公判の途中で、重要な証人が、その肝心要な点で、ガラリと証言を覆したとしても。
そこに思いが至ると、本当に悔しいというのか、心底やり切れない気持ちになったの、独り評論子だけではなかったと思います。
本作は、他作『ザリガニの鳴くところ』で、カイアの弁護人役を演じたデヴィッド・ストラザーンの出演作品ということで、鑑賞した一本になります。
他作とは違って、ストーリーの展開上ではあまりパッとした役柄でなかったことが、評論子的には、残念で、惜しまれました。
本作自体としては、優に佳作の評価が惜しくない一本てはあるのですが、観終わって、後味の良くなかったことだけでなく、彼の役回りの点でも、少しばかり残念な一本でした。評論子には。