劇場公開日 2016年4月29日

「それぞれの正義」シビル・ウォー キャプテン・アメリカ オレさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5それぞれの正義

2016年7月31日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD、映画館

泣ける

悲しい

興奮

様々な危機から地球を幾度も救ってきたアベンジャーズ。しかしそこには必ず多くの犠牲があった。アベンジャーズの今後の在り方に関して意見の食い違うチームと再び現れた最強の殺し屋にしてキャップのかつての親友ウィンターソルジャーことバッキー。彼の行動をきっかけに勃発する、各々の正義を信じるが故のヒーロー同士の争いの行く末を描くキャプテンアメリカシリーズ3作目にして、MCUシリーズ第13作目、フェイズ3のスタートを飾る作品。

お恥ずかしながらリアルタイムで観たMCUシリーズ最初の作品がこちらです笑。
今作を観るためのミーハー心の下、シリーズ通して観たところもう戻れないところまで来てしまいました(誰)
当時予告を観ながら感じていたのは仲間同士の争いなんてなあなあに終わってしまいがちだし、ましてやヒーロー同士の争いなんて絶対に死人なんて出ないだろうくらいの戦いだと思っていた。
しかしなんとまあ信念のある戦いっぷりだろうと驚き、もはや感動した笑。

今作はメインビジュアル通りキャプテンアメリカとアイアンマン、アベンジャーズの2大リーダーの対立から始まる。彼らは確かに当初から馬が合う方ではなかった。互いにスタークとキャプテンと呼び方はよそよそしいし、真面目と皮肉屋でまったく性格も合わない始末笑。
それでもアベンジャーズでの戦いを通して、互いに信頼し合い、友と呼べる存在にはなっていたはずだ。
前々作のAOUの頃から互いにスティーブとトニーとファーストネームで呼び合っていてもはやそこだけで軽く感動した笑。

その2人が対立する経緯も自身の信じる正義に従った結果であり、決して安易な行動ではない印象を持った。
トニーはAOU時のソコヴィア戦で犠牲となった人間の身内に出会い、アベンジャーズでの戦いの責任を強く感じ、アベンジャーズが国連の管理下にあることが最も平和な選択であるという考えだった。
それに対してスティーブは責任があるからこそ自分たちの判断で行動するべきだという信念、兼ねてから心の底にあったS.H.I.E.L.Dへの不信感もあり、その提案を却下。
意見の食い違いによりチームは2つに分離。さらに拍車をかけるようにウィンターソルジャーが爆破テロを起こす。アベンジャーズとしてウィンターソルジャー逮捕に向け動き出すアイアンマンたちと親友の濡れ衣を晴らそうと逃走するキャプテンアメリカたち。
互いの正義が真っ向からぶつかり合い、あの空港での戦いに発展する。

今回トニーがすごい人間らしくて良かった。アイアンマンになったきっかけ、自社の兵器で虐殺が行われていることを知り、人々を救うために行動する、を忘れずにとった最良の判断が国連の管理下にあることだったんだと思う。
それに反対するキャップの意見もわかるけどバッキーのことになるとムキになりすぎて(仕方ないが)少し冷静さを欠いていた気もした。でもあんなにも必死になって親友の無実を証明しようとする姿はある意味キャップらしくて魅力的に見えた。

そして何よりも見所は空港での戦闘であり、新顔でありながら美味しい役を担うブラックパンサーと権利関係を乗り越えてMCUに参戦してきたスパイダーマンである。
自分が観ていた劇場の前の席にいた外国人の方がトニーがピーターに会いに行くシーンでめちゃくちゃ興奮していた笑。
それくらいすごい共演なんだと感じた(どれくらい笑)

あとよくよく考えたら今作にヴィランがいない(強いて言えばジモ大佐であり、ウィンターソルジャーでもあるが)
救ったはずの市民から巧妙な復讐を仕掛けられたり、両親を殺した人間が親友の親友だったりと今回はドラマ的にも相当凝った作りになっている。

このシリアス感と歴代シリーズと比較してのコミカル要素の薄さ、それでいてエンタメ要素たっぷりでアクションに関しては過去最高ラストのキャップ+ウィンターソルジャーvsアイアンマンなんかもう泣けた肉弾戦と流血が過去最多な気もした。

MCUフェイズ3OPにして決定的分岐点的な作品に。アベンジャーズ2.5の呼び声はウソではなかった。シリーズ内で起きた事件や今までの人間関係や感情が全てまとめられたような現行のMCU内での最高傑作。
今後トニーが絶体絶命の場面でキャップが駆けつけるみたいなシーンがあればたぶん号泣する笑。

2016年06月04日(土)1回目@T.ジョイPRINCE品川
2016年07月23日(土)2回目@目黒シネマ
2018年04月19日(木)3回目
2019年04月16日(火)4回目MovieNex

オレ