劇場公開日 2016年9月17日

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映画 聲の形のレビュー・感想・評価

全446件中、201~220件目を表示

3.5聾唖は描けたが人間は描けてない

2017年5月24日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

泣ける

悲しい

楽しい

2016年における3大アニメ映画である「君の名は。」「この世界の片隅に」と、この「聲の形」。
劇場ではみれなかったのでDVDで鑑賞。事前の情報からそのナイーブな聾唖を取り扱った作品として、それを漫画及びアニメ映画化したこと自体は評価したい。
原作は未読。
見る前は題材からかなりハードなものであると覚悟はしていたが、少し拍子抜けしてしまった感があるのは否めない。

聴力に障害がある西宮という女の子は、性格上非常におしとやかで引っ込み気味。一方で石田という男の子はやんちゃで暴れまくり。小学校ではガキ大将的にクラスで暴れん坊を演じる。
そんなところに転校してくる西宮・・・だが、ここで引っかかるのが担任教師の対応の仕方。
純粋無垢であるがゆえに残酷な一面を持っている小学生を見る位置にいるにもかかわらず、西宮を紹介するとき、クラスに聴力についてを西宮自身で説明させようとする。
正直普通学級に聴力障害者を入れることすらも危ういという教育上の問題と差別上の問題が議論されている世の中で、この描写の不可解さは後々説明されるであろうと思って見ていたが・・・結局なかった。
原作ではあるようだが映画ではない。教師の滅茶苦茶な対応は結局説明されるようなこともなく終わってしまう。事の発端は石田でもなく植野でもなく、学校側じゃないのか・・・?

その後石田はそのやんちゃぶりから西宮に目をつけ、いじめを行う。その残酷さは非常にキツく見えるが、小学生という幼さゆえにこれは非常に納得し、心が痛くなった。
しかしその後やり過ぎたいじめに西宮と石田の立場が逆転する。西宮は相変わらずクラスから避けられ(ほぼ学校のせい)、石田は西宮にやってきたことと同じことをかつての仲間たちからやられる。それに至るまでの石田の母親が西宮の母親に補聴器の弁償代を銀行からおろすシーンはこの映画最高にして悲しいシーンと言える。
その後が巷で問題視されている西宮が石田に対して報復らしい報復をしないで、まるでいじめられ同士な態度で机の落書きを消しているシーンだが、これを見て自分は別段西宮が聖人であるように描かれているようには思わなかった。なぜなら西宮はそういう性格ではないし、やられた側であるが故にやりたくない意識が少なからずあったからだろうと思ったからだ。
といっても、落書きを消していることを知ったうえで掴みかかる石田の子供らしい行動と、それに対する西宮のイジメに負けるなとも言ってるような掴みかかるシークエンスには、少なからず西宮は報復の気持ちもあっただろうなとも。

序盤の小学校時代の話は非常に辛く見えたが、その分身に染みた。石田の母親の言葉「死ぬために用意したお金は使いたくない」という言葉は物語終盤まで引きずるいい言葉。
しかし中盤から非常に演劇じみた、作為的なキャラクター描写が連発しだして、泣くどころか所々で笑ってしまった。
特に河合という女の子にいたっては、正直コイツのほうがいじめられる対象として相応しいほど、いわゆるKYな思考を持ち合わしている。なぜこいつはクラスで好かれているのか意味がわからないほど滅茶苦茶わざとらしい。
その付き添いとも言う、名前も忘れてしまうほど薄い男の子のキャラクターが河合を通じて石田と友達になりたいと語った時、石田はすんなりと受け入れるが、後に石田は部外者呼ばわりして突き放す。
この時の石田の思考は非常におかしくて、それぞれのキャラクターに対して順番に卑屈なこと言い、順番に一言言っては去っていく(もうここらへんが非常に演劇っぽくて陳腐)のだが、いじめっ子がいじめられる側になって初めて痛感し、孤独になってしまったにも関わらず、石田は河合を通じて友達になりたいと語った男の子をすんなり受け止めて友達とみてしまうという、石田の悩んでることの軽さを象徴してしまっている。
周りの人間の顔をまともに見れず、言葉も聞けずという西宮と同じ障害を自らの意志で作り出し、他者に拒否感を醸し出している石田。にも関わらず友達になりたいという非常に非現実的かつ短絡的言葉だけで許してしまう石田。
この陳腐な描写が結局終盤まで尾を引いてしまい、物語全体を薄くしてしまった。
ただ、小学校時代での悪友でもあった植野という女の子に関しては、どこか石田に惹かれ、故に西宮に辛く当たるということで非常によく描けており、ぶっちゃけ石田一家と西宮一家、植野の3つで物語を成立させればよかったんじゃないかと思わざる得ない。

終盤に入ると、石田が(軽々しく)友達を突き放した原因が自分にあると思った西宮が自殺しようとする。
西宮からしてみれば、自らの存在が石田を苦しめ、石田を追いやったという、言ってみれば西宮が石田をいじめているという構造にもなっているが故にとった行動。けれども中盤の陳腐な石田と友達との瓦解が響いていて、西宮のこの行動も唐突に見えてしまっている。
結局のところ、キャラクター描写が中盤以降製作側の都合による匂いがプンプンしていて、いまいち現実感がなく、本気に見させてくれない。いかんせん原作が結構ボリュームがあるとのことなので、原作者とこの映画版の監督とのやり取りの難しさもあったんだろうが、
だとしても漫画と映画ではその文法が違うため、映画版は映画としての「聲の形」を見せてほしかった。

批判ばかりだが、見せるという意味では非常に効果的な演出が多々あった。
石田の母親の「死ぬために用意したお金なんて使いたくない」という言葉は終盤の自殺しようとする西宮にも通じるし、
病院で土下座する西宮母といったように、一見すると非常にやりすぎにも見えるが、心情を考えると非常に納得がいくし、心痛くもなる。
小学生時代、石田の母が札束を銀行から下すシーンなんかは、漫画では具体的な金額を言っていたが映画では札束という絵で表現し、それを石田が見て事の重大さを知るシーンも心にきた。
西宮が「好き」と言ったつもりだが伝わらなくて家のベッドの上で悶絶するシーンなんかもいい。
そういった、重い題材であるということを知らしめる所々のシーンは非常に良かったが、全体として見ると雑。
必要以上に台詞で心情を語ってしまうところもあるし、どこかアニメファン向けのキャラクターサービス的な部分も鼻についた。題材が現実的なのに誇張し過ぎる部分が多々あるとも言うべきか。

批判される覚悟がいる題材を作品に落とし込んだ原作者ならびに映画版監督さんには、純粋に凄いと言いたい。
けど作品的にはもっと頑張ってほしい。そんな映画だった。

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チンプソン

4.5良かった。何度も観れる。

2017年5月20日
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鑑賞方法:DVD/BD

良かった。何度も観れる。

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マサロック

4.5感心した。いい映画を観た。

2017年4月24日
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鑑賞方法:映画館

実は、彼女の話ではなく、彼の話だったんだなあ、と最後に感心したことを思い出しました。

2021/4/29追記
上記のような簡単なレビューしか残さなかったか、ずっと心に引っかかっていた本作。今回、NHKが地上波でやってくれた。
観た感想は、やっぱり、よかった。
あらためて観ると、「最初からずっと彼(石田)の話じゃん」と思う。そういう意味で、かってのレビューに違和感はあるが、実際に観た時には、心底からそう感じた。ああ、救済されたのは(という受動的な言い方ではないな。真に心を開いたのは、または、耳を開いたのは、の方が正しいな)石田だったんだ、と痛烈に感じたのを思い出した。

そう、観ている間の自分の感じ方は、あくまでも「硝子をその環境から外に出す石田」的な構図を無意識のうちに感じながら観ていたからこその、驚きだったんだということを思い出した。硝子の方が "きっかけ" で、外に引き出されるのが石田、という映画なんだと気づいたことは、けっこうな衝撃だった。

この5〜6年間、様々な映画で、差別とは何か、自分をどうやってその泥沼から引き揚げればいいのか、といったことを気づかされ続けてきたが、その入口くらいで観た映画がこれだったなあ、と懐かしく思う一方で、二度目ならではの感動を体験できた。

幸い録画できたので、ずっと長く付き合っていく映画になるだろうな。

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CB

5.0重いけど良かった!

2017年4月16日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

重い話だったけど、観て良かった!
結絃と永束がいいキャラだった。

でも一番自分に近いと感じたのは植野かな。
植野が硝子にイライラするのよくわかる。
嫌いとか恨んでるとかよりも、本音でぶつかってこないのがイラッとするんだと思う。
だからか、ラストの2人の手話は感動して泣けた。

川井の悪役ぶりが突き抜けていてむしろすがすがしかった。

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Raye

3.5にがて。絵きれい。

2017年3月7日
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にがて。絵きれい。

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ネルカミルカ

5.0涙出たよ

2017年2月28日
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鑑賞方法:映画館

君の名は、、とほぼ同時に観に行き。一般的な君の名はの評価をこちらにあげたい。
原作は読んでません。
あまり泣かないんですが、、作りもん世界のおためごかしだと分かっていてもサビ的シーンでは鼻水泣きしました。
も一回観たい

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ぽちぽち

1.0衝撃的な作品

2017年2月24日
PCから投稿

悲しい

怖い

良識と常識を持っていたらそのような行動に走らないでしょ!という場面ばかりで全く感情移入できず、泣けなかった

いじめや障碍者について真正面から向き合った作品では決して無いので、特に小さなことに影響を受けやすい低年齢層には絶対に見てほしくない作品

ここまで180度違う感想を持っている人達が大勢いることに、非常に衝撃を受けた

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Qnorche

4.5涙が

2017年2月12日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

なんども予告編見て
どうしても見たくて初の1人映画までした作品

絵が終始安定してるし声優さんもばっちり
さすが京アニだという感じ

映画後に原作見ましたが、
ぎゅっとまとめた感とちょっと省いたところはありましたが
ちゃんとまとまってるし感動できる

周りの子にも見てほしいとおすすめできる映画

ぜひ映画館でといいたいところですが
DVDでぜひ

手話シーンが字幕ないとわからないのは難点
でも物語の流れ的にこんなかなと予測するのも楽しかったです

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巫

4.0立川で見てきた

2017年1月13日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

前回2016/9/23に新宿で見て痛く感銘を受け、原作買って、更に感動し、身内に読ませ、会社の夜勤用推薦図書として常設したり、嫌な人のあだ名に「川井さん」などが定着した頃に丁度、立川からメールがきて、スタッフ監修の極音上映と聞いて見てきた。
正直思ったほどではないというか思ったとおりというかうんなんかそんな感じ。
ヤマカンも言ってたけど二回目見ると荒削りな荒の部分に目がいっちゃって初回に見た時の感動より目減りしちゃうかなとか、原作読んでからだとイヤリングの件とか強調しすぎ?とか思ったり。うんまぁ原作読んだのがでかいと思う。原作の方が良い。
で、音響の話なんだけど。
これも、これも初回見た時の衝撃の方がでかくて、記憶の中の音響と大差ないというか、まぁ俺そこまで耳よくねぇしなというのが正直な感想。
ですが、花火と最後の世界が開けるシーンは良かった。花火見に行った時の胸に音が響く感じを思い出した。
まだ見てない人なら絶対に立川に行くべきだし、
耳の聞こえない人も絶対に立川に行くべきだし、
最近立川以外で見て記憶が増長してない内の人も行くべき

書いてて思ったけどあくまで初回と立川の対比であって
映画自体はいいよ思い出すだにうるっとくるもん
泣かないでよ西宮

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安田大作

4.57巻をよくまとめたなと思います。

2017年1月10日
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映画を観て原作を読みました。原作を壊さず良い作品でした。観た人(原作は読んだ人)それぞれ心に何か残る作品だと感じました。

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konkon

4.5聲の形が心の聲に…。

2017年1月7日
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今年、最初の映画鑑賞。前々から観たいと思っていた作品。「君の名は」がエンタメ作品なら、こちらはグッと思春期の心にスポットを当てたヒューマンドラマ。

心の聲が形となって、それぞれの登場人物の痛みとなって、すれ違っていく。と同時に温かさを運ぶ。
年をとって考えれば、そんな事と思える事もこの時期には、あまりにも大きなシコリとなって、トラウマに…。

主人公は、そんな苦しみと向き合い方を、もがき、模索する。現在、イジメや学級崩壊をしている今の子供達が観て欲しい作品。

但し、学校や先生を安易に悪く描くのはやめて‼︎今の殆どな先生や学校は一生懸命、子供のために取り組んでいる。それでも、こうした事はいつの時代も起こるんだってこと。

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bunmei

3.5気になっていた映画

2017年1月5日
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鑑賞方法:映画館

親子で鑑賞
小学校のシーンが、個人的にとても辛くてザワザワしてしまいました。言葉や思いは、何か心の奥からやってくる。たとえ、とても刹那的で発作的に思えても。こんなことを言える人って、どんな生活してるのだろう? どんな人とどんなやりとりをしているのだろうか?と思って見ていました。
アニメだから、とてもキャラが立っていて実写より良かったです。多分、若い俳優さん達ならみんな一緒に見えてしまったと思います。

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Momoko

4.0心が痛い

2017年1月5日
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鑑賞方法:映画館

いろいろと考えさせられる作品。
誰が悪いかという議論をするなら一番悪いのは小学校の先生だとおもうけど。

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noum

4.0意外に深い作品

2017年1月3日
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原作読まずに鑑賞。

君の名は が良かったので流れでアニメ作品をもう一つ観ようと鑑賞しました。

軽い気持ちで観たら意外にも深くて面白い。

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店長大作戦

4.0感動的した。しかし、後で考えると、主人公はすっきりしたかもしれない...

2016年12月31日
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鑑賞方法:映画館

感動的した。しかし、後で考えると、主人公はすっきりしたかもしれないが、ヒロインの女の子はなにも解消されてない気がする。

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むーらん

5.0これもあざとい?

2016年12月30日
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原作未読、予備知識なしでの鑑賞。

聲…石板の楽器の簡略字に耳を加えてできた文字だそうです。つまり、口から発する音というよりは、空気の振動、響きを耳で拾う、というのがこの字の成り立ちなのですね。

伝えたい、分かって欲しい、上手く言葉に出来ない、
だけどそもそも何を分かって欲しいのか自分でもよく分からない。

自分のことばかり分かって欲しいって訴えているようだけど、こちらのことを理解しようとしているのか?
ごめんなさいと言うけど、どう反応して欲しいんだ?

イジメが良くないことくらい分かってる、だけど止める勇気がない、第一そんなことしたら自分だってイジメられる。

分かってるのに口にしない自分は卑怯だ、このままだとますます自己嫌悪に陥る、もう居場所がない、逃げるしかない。

よほど生まれついての強靱な精神力を持った方以外、誰でも感じるようなもどかしさがとても丁寧に、しかも多くの人が思いあたるような友人関係の中で描かれていると思いました。

少女は聴覚に障害があるので、コミュニケーションの手段がたまたま手話や表情が主体となっているだけで、伝えたいという気持ちや相手のことを理解しようとする気持ち(響きを拾う力)は、障害の有無とはあまり関係が無いのだと気付かされました。むしろ、生半可な言語表現や態度の方が、本質を見誤らせることの方が多いのかも知れません。鑑賞後、もしかして自分がその生半可な奴じゃないのか、と若干の後ろめたさも覚えさせられる、ちょっとほろ苦い映画でもあります。

障害をお持ちの方、そのご家族や関係者の方のご苦労は想像することしかできませんが、障害の有無に関わらず、何かを伝えよう、理解しようとする行動が何かを響かせ、何かの形を渡すことができるのだということを教えてくれた素晴らしい作品です。

君の名は。やこの世界の片隅に、など今年多くの人が繰り返し観ている映画はどの作品も、制作した側(伝える側)の意図をはるかに超える様々な形に響いているのだと思います。きっと3回観た方は3回とも違う形で作品世界を捉えているはずです。
どこかのヒット作品のレビューで、万人受けを狙った、とか、あざとい(小利口、露骨で抜け目ない)という表現をネガティヴな意味で使っているのを見た記憶があるのですが、製作者に何かを伝えたいという熱意があるのなら、構わないのではないでしょうか。どういう形で受け取るのかは、受け手側次第なのだと思います。伝えたいことはどんな形なのだろう、と何度も考えさせられるような深みや厚みや共感性やいら立ちや知的刺戟がなかったら、繰り返し観る人はいないと思います。

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グレシャムの法則

5.0全ての学校で上映してほしいな

2016年12月23日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

笑える

怖い

子供たちに観てもらい、イジメをやらない教育に役立ててほしい。

君の名はも画像が綺麗だったがこの作品も良品であった。

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tkdysms

5.0名作です!!

2016年12月16日
iPhoneアプリから投稿

名作だと思います。我が家では中学から大学の子供たちも全員が二回観ました。こんなことになるとは思ってもみませんでした。一回目、それなりに感動して近くの「聖地」に「巡礼」までした「君の名は。」の予告がキッカケで本作を観ましたが、それとは比べものにならないくらい何度も涙があふれ、衝撃を受け、それが後に尾を引きました。どういうことだったのか原作を買って家族で読み、考えさせられました。ネットでの見解もたくさん検索しました。知れば知るほど深く「生きる意味(人は希望や意味無しに生きられない)」とか「命の重さ(それでも生きているだけで価値がある)」とかを思わされ、改めて映画でどう描かれていたのか確認したくなりました。映画は本当に良くできています。聴覚障害を持つヒロインの硝子の気持ちに私自身も気付けなかったことがショックだったのですが、主人公の将也が感じていることを追体験しているのだと理解しました。ラストは映画のほうが好きです。アニメでこんなに心をつかまれるのは個人的には三十年程前に観た「銀河鉄道の夜」以来です。学校に通う子供たちの話で、いじめが描かれていたり、どちらも文科省が後押ししてたり、サントラが素晴らしいことや、どちらも原作が何度も書きなおされていて、物語がまだ未完のような余韻が残るところも似ています。またどちらにもクライマックスで主人公が神に自分のささやかな切なる思いを述べる独白の場面がありますが、その中身はエゴではなく他人の幸せのために自分の命を使いたいという若者らしい純粋で切羽詰まった誓いの発露です。その願いが聞き届けられて奇跡が起き、主人公は最後に再出発できるのだなと思われる展開があります。そのファンタジー的な要素も心揺さぶられる重要な要因かもしれません。世の中がわかったような気になっていた若い時よりも歳を重ねる程に「今、見えているものだけが全てではない。むしろ見えないものや未来にどのような意識を向けるかのほうが大事だ」と感じているだけに、とても説得力を覚え、感動しました。

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ケルビム

4.5一言で衝撃的な作品でした。

2016年12月13日
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鑑賞方法:映画館

ちょうど山田尚子監督が舞台挨拶にいらっしゃった日に鑑賞しました。
観に行くきっかけは『君の名は。』を鑑賞してから2ヵ月ほどの間にTwitterで『聲の形』の評価の高さを感じ、気になり始めたからです。
因みに前情報は『聲の形』公式サイトにあるPVのみで、原作のコミックなどは全く見ていません。

作品の内容に関してですが一通り見てみて“リアル感”と“場面場面の衝撃”を感じました。小学生時代ではよく見られる場面が過去を思い返せば妙に納得してしまったり、ただ今の目線で見るとどうしても許せない感情が沸き上がってしまったりしてしまいますね。そういったリアル感は非常に伝わりました。
あとリアルならではで起きること、不測の事態、人間関係のいざこざ、過去と現実など様々な場面で衝撃的で、結構心に来ました。ストレートなリアルさが描けていると思います。
けど一番は硝子の聴覚障害が肝で、“伝えよう”という気持ちと将也の“変わろう”とする姿がとくに心に残りました。

初鑑賞が山田尚子監督の舞台挨拶の日ともあり、本当に素晴らしい作品だな~と感じ、素直に拍手しました。
監督の貴重な話も聞けましたし、その後原作が気になりコミック全巻を読みましたが、映画で全て収まりきらないほどのボリュームで映画で語られなかった話も多くあり、驚いたことを覚えています。

総評ですが、観て良かった作品でした。それは間違いないです。
また、この作品は2回観に行きましたが、内容がちょっと濃い(重たい)ので2回目は1回目ほどのめり込みはしませんでしたので4.5という評価にさせていただきました。

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ちより☆