映画 聲の形のレビュー・感想・評価
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心をかき乱された
評判がいいという事前情報だけでたいして考えもせずに観賞。レイトショーでこの混みっぷりは何みたい感じでした。
予想外どころでないくらい心をかき乱されました。
40を大きく過ぎてるおっさんがアニメみてここまで泣けるなんて。
子供は純粋無垢である反面で残酷です。
聴覚障害者の硝子はいい子を演じてるとか、空気が読めないんじゃなく、健常人の社会で生きるためにこうなってしまってるというのを理解してほしい。担任も石田を糾弾すれば責任を全うしたような姿勢。とんだクズ野郎だ。
石田が孤独になり一人でいろいろと考えることにより贖罪の念が増殖してきたのがわかります。高校生になりアルバイトできるようになって母が払った補聴器の弁償代を清算し死のうかと。死にきれなかった石田は、たまたまヤンキーにからまれていた長塚を助けたら、ものすごくなつかれて。この長塚の存在が石田の再生のターニングポイントだと思います。長塚には石田もうざいと思いながらも相当助けてもらいます。
硝子は石田の事を好意はあっても何一つ恨みなんてもっていないです。硝子は悪口かかれた会話ノートをいまだに大切にしてるんだから。
地方都市という共同体にいれば過去を引きずります。過去にしたいじめにしても、過去に受けた愛情に関しても。こえのかたち、夏の終わりに凄い物語に出会ってしまった。
尺足らず
原作読まずに映画館へ。「なんかしっくり来ない」「登場人物達誰にも感情移入しずらい」とモヤモヤした。帰ってWikipediaを見たところ、「そうか、こういう意味だったんだ」「それぞれのキャラには、こういった背景があったのか」とようやく気付くことができた。
原作読んでない組ですら、尺が足りないことが伝わってくる内容だった。前編後編にわけるのも難しいだろうし、映画でなくて1クールのアニメでやるべきだったんじゃないかなー、と。
カメラの子がひたすらかわいいのが救いだった。
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2回目(9/23川崎チネ)で、3.5→4.5点へ修正。
修正した理由は「良かったから」とか「感動したから」ではなく、「考えさせられた」。
西宮母が「あの子(石田)と関わるのはもう辞めなさい」と釘を差したとき、ゆづるが「それはねーちゃんが決めることだ。オレも自分で決める」と呟いた。普通、ひどいことをされたとき、被害者の身内や友達は一緒になって怒るものだ。が、この物語では、被害者自身が加害者を許してしまった。そのとき周囲はどう対応するのが良いのか?という視点で映画を見ていくと、それぞれのキャラごとに見解がはっきり見えてくる。この作品の一つの問いかけだと思えた。
ゆづるが「自分で決める」のに対し、対照的だったのが植野。植野は、6-2がバラバラになり石田がイジメられたきっかけが西宮にあると考えている。そこに追い打ちをかけるように石田が死にかけた。すると石田がどうであれ西宮を許さないスタンスを取った。
高校編では、真柴は昔石田がイジメてたことを知ると許さないスタンスを取った。対する長束は「やーしょーが昔どうであれ友達だ」と言った。これに対し、石田は「部外者は口を挟むな」「昔の俺を知らないくせに」と拗ねた。
綺麗事を言えば、ゆづるの「自分で決める」のが理想だとわかる。しかし、心情的には自分の大切な人が傷つけられたとき、たとえ本人が許しても周囲が許せないことはよくあることだ。最近のネットの揉め事でも、当事者達は和解しているのに周囲が怒ってアンチとして暴れているのを見かける。そうした加熱に対してちょっと待った、とストップをかけてくれるのがこの映画になって欲しい
いじめからの人の内面的変化がしっかり描かれてて凄く良かったです、
障害は持って生まれたものでその人が悪いわけじゃない。なのにそれが原因でいじめや嫌がらせを受ける。五体満足の生活が当たり前の人からしてみれば理解しきれない辛さがある。それを幼い頃から経験してるのにずっと優しくしていられる西宮は凄いと思った。主人公も昔いじめてたからいじめが帰ってきてそれが故に孤独になり自分との葛藤が描かれてるのが凄いリアルで立ち直るまでの話が綺麗にまとまってたから感動した。補聴器の件だって親が金払ってる所を見てない人と見た人でその後の味方や接し方が変えられてたのが良かった。人の声が生む出来事や印象っていうのがしっかり描かれてて昔いじめててもゆっくりと更生していくのが良かった。ただ島田だけは気に入らない。せめた橋か、助けた後会って謝るぐらいは欲しかったかな。それ以外は完成度高くて凄い良かったと思います。映画の時間できっちり収まってたしこの作品はアニメじゃなけて映画にして正解だったと思います。京都アニメーションの名作がまた1つ増えましたね
コミックスでは感じられなかった感覚
別にコミックスよりもアニメーションの方が良いと言う訳ではなく、前者では感じることができなかった心の臓を抉られる様な感覚が、後者ではその感覚が心地よい不快さ演出する。この不快さが最後には感動とも達成感とも言えないプラスの感情へと昇華され、知らぬ間に頬が濡れていた。つまり僕はこの映画が大好きでおすすめしたい。
期待以上ではあった
原作を1巻だけ読んで観ましたが、所々説明が足りないかなというところがありました。
でも画が綺麗ですぐに引き込まれたし、気が付いたら終わっていたという感じです。
ストーリーとしてはとても良かったし、障害について考えるいいきっかけにもなりました。
ただいくら子供とはいえ登場人物がクズばかりですごく不快でした。
確かに子供は残酷だけど限度っていうものがあるし、でもそれはきっと育った環境にもよって、だからこそ周りの大人が教えてあげなきゃいけない。そういう意味では担任が一番クズ。
でも将ちゃんのお母さんもいいお母さんって感じに描かれてたけど本当はあなたがちゃんと見てあげてればあんなことしなかったかもしれないのに。
小学生時代のことは仕方ないとしても、高校生になってもみんな子供すぎて引きました。
特に自分大好き三つ編みメガネちゃんはもう黙っててって感じ。
まだ上野さんの方が可愛いげがある。
予告編観て硝ちゃんが飛び降りるっていうのはわかっていたけど将ちゃんが身代わりになるのにはびっくりして、将ちゃんママに対して西宮ママとゆづが謝るシーンは辛くて涙が出ました。
最後はハッピーエンドで良かったです。
色々書きましたが良かったからこそ書きたくなるもので。
西宮姉妹は可愛くて癒されたし、観に行って良かったです!
生き直す。
原作は未読ですが、期待していた以上でした。聴覚障害を持った同級生をいじめていたら、ある日自分がいじめられる立場になってしまった少年。
赦しを乞うて生きる事も手放そうとしていた矢先、いじめていた同級生と再会する。そこから始まる物語です。
原作を読んだ方はきっと、細かな描写や積み重なるエピソードもご存知なのでしょう。でも、未読でも十分伝わります。
少年が自分を生き直す話でした。
最後の学園祭で、やっと顔を上げて周囲の人や声に将也が向き合う場面での紙吹雪は誕生の祝福です。抱きしめてあげたくなりました。
ただ終盤、個人個人の贖罪というか同級生たちの心情吐露の場面は、ちょっと中だるみな感じがします。もう言葉は要りません。
水の表現と飾らない音楽は素晴らしかったです。
美しい町ですね。
川がとても綺麗で印象的ですが、実際のモデルの町の川もあんなに綺麗なのでしょうか。町中を流れる川で目を開けられるなんて大丈夫なのかな…羨ましいです。
心に響きます。
終盤は、心の震えが連続的に訪れます。登場人物各々が自分の気持ちをさらけ出し、みんなと分かち合おうとします。さらけ出すってなんと素晴らしいことなんでしょう。
小学生の時の出来事は、障害を持っていても皆んなと一緒にやっていこうという者への嫉妬や差別、好奇心などで、自分でも整理出来ない様々な思いからのこと。少し大人になり自分を見つめ、一体どうしたいのか模索し、心と向き合い、放置していた事件のことをやり直して行く。そうすれば自分の本当の声が聞く事ができる。心と真摯に向き合う過程で自己否定が入り、自殺という行動に走ってしまうが、それはまだ自分の本当の声を聞けていない証。そこを超えた時に気持ちと行動が一致して良い結果が現れてくる。自分の心の声は、耳が聞こえていようがいまいが関係がないこと。硝子は耳に障害があるおかげで、自分の心の声はしっかりと聞いていた。だからイジメられても将也の事を好きだとわかっていた。この切なく一途な気持ちも感動ものです。何か名画のストーリー展開を思い浮かべました。
原作読んだ場合…
原作を読んでいる方は期待外れかもしれません。小学生時代の硝子が机を拭くシーンの将也の解釈、佐原、植野達との再会など原作の良い部分が無くなってました。この作品が大好きなので…それでも原作を読まれて無い方には良かったのでは。時間が少なく仕方ないですね。
あの頃はガキだった
私は原作マンガを読んでいたのでストーリー展開は知っていましたが、見てよかったと思いました。
京都アニメーションなので水の流れの映像も綺麗で、登場人物も可愛くて観やすかったです。
登場人物それぞれの心情が仕草や表情から読み取れて、ストーリーに入り込めました。
いじめについて考える機会にもなりました。
好き嫌いはあるかもしれませんか、見て損はない映画になってます。
原作知らない方も是非、暖かい心で見る事をオススメします。
心揺さぶられる
129分があっという間に過ぎてしまいます。
作品に引き込まれ、とても胸が締め付けられます。
最終的には大団円のようになりますが、観賞後は感動の余韻がなかなか収まりません。
前情報として「子供時代に障害者がいじめられ、いじめた子がいじめられる」というような漠然としたものしか知らなかったので観賞後の気分が良くないのではないかと不安ではありましたが、全くの杞憂でした。
登場人物の永束くんに自分自身も救われた気がします。
登場人物の中で、ある意味一番精神的に練られている「大人」だなと感じます。
原作を読んでいなかったので
私はこの映画を原作を読まずに観ました。普通に楽しめる映画でした。
ですが、私と一緒に観に行った友達は原作を全て読んだことがあったようで、その友達いわく原作を知っているとあまり面白みがない映画だそうです。
原作を読んだことがある方は要注意かもしれませんね。
心が揺れる揺れる
一度閉ざしてしまった心を開くことや、
一度犯した失敗を取り戻すことは、
簡単なことではないけれど、
変わろう変わろうと、悩んで、もがいて、笑って、叫んで、、、登場人物たちのそんな姿を見て、胸に響くものがありました。
大人と子供の境界にいる、高校生たち。
不器用ながらも日々成長していて、
彼等のこれからがとても気になりました。
顔に貼られた×印が、とれたり戻ったりする描写が、
主人公のこころを上手く表していると思いました。
また個人的にはゆずるちゃんの優しさにジーンときました。苦しんでいるのは、張本人だけではない。
なんか上手くまとまらない…笑
制作側の意欲がビンビンと伝わってくる作品でした
すごい。なにがって、このいじめをテーマにした漫画を映画にしようとした意欲がすごい。「君の名は」の成功のすぐ後だけにそれに便乗したかのような向きもあるが、むしろ、公開が逆であったとしたら、その風潮は逆であったかもしれない。それほど、この映画の力はすごい。
アニメならではの表現(バッテンで心理描写を表現するなんて絶妙だ)も駆使するし、風景のひとつひとつ(季節や川や鯉だけでなく、遠近やボカシも含め)が心情表現に一役買っている。引き込まれっぱなしだった。
そりゃあ初めは石田は悪い。だけど、子供って残酷な生き物なんです。放置すれば、どんどんエスカレートするんです。だって、それが人生を歩き始めたばかりの経験の少ない子供なんですから。
だからこそ、周りの大人がよく見てあげていることが肝心なのに。たとえば、硝子のおばあちゃんのように。硝子のお母さんは、硝子の障碍を我が罪として背負い、その反動で硝子に厳しくなっていたのはわかる。その根底にあるものは愛なのだから責める気はもちろんない。島田にしても植野にしても川井も佐原も、まだ幼い子供だった。僕が責めたいのは、担任の先生だ。校長(か?)が硝子の転校を告げたとき、担任は石田を名指しした。つまり、担任はそれを以前から知っていて放置していたのだ。コノヤロウと思った。むしろ事態を改善できなかった責任こそあれ、石田をヤリ玉にあげるのは筋違いなのだよ。気配りのできないあんな担任のクラスに入ったことが残念でしかたがない。
ともあれ、それは過ぎたこと。
場面場面で、「お前ならどうする?」と突きつけられるようで、ヒリヒリする。お前がこのときの硝子なら?、お前がこのときの石田なら?、お前がこのときの植野なら?、、そのときそのとき、まるでナイフで脅されているかのように突き付けてくる。
正解なんてでない。せめて、人を傷つけることのないように、と気遣うことしかできない。あ、石田はそうして、自分を抑え、殻をつくるようになっていたのだろうか?、孤独になってからの石田の優しさに見える行動は、人との接触を避けたいだけの態度だったのか?
だからこそ、最後のあの晴れ晴れとした表情が、よかったじゃないか、と声をかけたくなってくるのかもしれない。
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