葛城事件のレビュー・感想・評価
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濃厚
『特別』ではない事の恐怖
付属池田小事件の宅間守とその家族がモデル
赤堀雅秋監督作品初鑑賞
俳優として数々の話題作に出演しているが役者としての記憶は殆どない
加害者の家族側にスポットライトを当てた作品と言えば『誰も守ってくれない』を思い出す
あれが星5つならこっちは星3が妥当
死刑囚の次男役に若葉竜也
自殺する長男役に新井浩文
父親役に三浦友和
母親役に南果歩
次男の嫁役に田中麗奈
長男の嫁役に内田慈
皆さんの芝居は良かった
それだけで観る価値はある
特に良かったのは死刑反対を訴える活動家でついには獄中結婚までしてしまう馬鹿な女を演じた田中麗奈
いらないという意見もあるが実際に宅間守と獄中結婚した人がいるらしいし彼女は絶対に必要
時系列がやたら行ったり来たりする構成はあまり好きじゃない
なぜかBGMが内容に合わない素敵な感じ
自殺し損ねて食べるインスタントラーメン美味しそう
宅間守とその家族をモデルにした作品だが小学校での殺戮は再現してない
地下鉄の通路だろうか連続通り魔事件で被害者の多くは大人で特に女性が多かった
最初に刺されたのは男子高校生っぽいが
この作品を観た人のなかには忠実に再現しなかったことに不満な方がいるかもしれない
しかしそんなことができるわけがない
『コンクリート』という作品がお蔵入りになったこともあるし配慮しないといけない
長男が自殺し次男が死刑囚になり母が精神疾患になったのは全部父のせいだという発想は甘え
家族主義を全否定しても意味がない
なんでもかんでも環境のせいにするのは自立した大人がやることじゃない
結婚したくてもなかなか出来ず悩んでいる中年男性の皆様に朗報
これは最終兵器奥さん
死刑囚になれば森達也のような女と結婚できます
死ぬ間際に一度でいいから結婚したかったと後悔する前に是非チャレンジしよう
あのいかりやにもあの高木ブーにもあの宅間守にも嫁がおるわ
宅間守なんて4度も結婚してるわ
不健全で最悪
でも言うほど狂ってないんです。普通の家族だったんです。どこかで歯車が一箇所おかしかっただけ、それだけで、もしかしたら私の家族だってそうなりえたんじゃないかと思ってしまいました。
母が家出をして最初のアパートでわかめラーメンを私に作ってくれたんです、映画でも保がお母さんにわかめラーメンにお湯入れてもらってるんです。ゾワっとしました。
叔父の遺言はレシートの裏じゃなかったけれど、実はひとりぼっちで闘っていたことに、遠くの私たちや兄である父は気づくことができませんでした。
これは私たちの物語かもしれないんです。
正直、稔がいう「狂ったイノシシなら事故」という主張も、お父さんがいう「じゃあ俺が三人殺したら家族になってくれるのか」も、言ってることがすごくよくわかるんです。頭がおかしい人の発言とは思えなくて、ただ、普通の人はもしそう思ったって殺人も自殺もしないってだけで、本当は簡単にわたしたちだって、そっち側の人間になるんじゃないか、すごく身近な家族なんじゃないかと思わされました。
(ちなみに我が家は全員心身共に健康でハッピーな日々を過ごしております。)
若葉竜也くん目当てで見たんですが、三浦友和の映画でした……
私のような小娘が三浦友和の演技に言及するのも烏滸がましいですが、三浦さんの演技が大好き!
尤もらしいが散漫。
登場人物の心の声はよく聞こえてくるが、共感は一切出来なかった。
現代の日本の家庭の鏡のような映画ではなく、ごくごく一部を抜き出した映画。
内容を集約すれば、人の気持ちを一切理解しようとせずに、絶対的に自分がただただ正しいという固定観念に囚われた一人の父親の悲しい生き様と末路が痛々しく描かれている。
映画中に漂う終始、不穏な嫌な感じが毒々しくて、決して楽しい気持ちにはならない。
基本的に狂人ばかりが出て来て、ほとんど考えが理解出来ない登場人物ばかりなのだが、役者の表情や演出から、おそらくこんな事を口には出さないけど考えているのだろうなという、心の声が聞こえてくる感じがこの映画の独特の魅力ではあると思う。
しかし心の声が聞けたとて、やっぱり理解は出来ないし、共感も全く無い。
ただただ自業自得であり、それが不幸につながる様を見ているのはとても苦しく、更に被害者遺族が一切出てこないのは説明不足というよりは救いのように感じられた。
一体この映画から何を得ればいいのかという事を考えると解らない。
狂人を理解せよという事なのだろうか。
おかしな人っていうのは全部が全部おかしい訳じゃなくて、どこか一部が本当に凄くおかしいんだっていうのをどこかで聞いたなという事をこの映画を観ていて再認識した程度だ。
_φ(・_・三浦友和怪演 すげー迫力
こうとしか或ることのできない人の群像
団塊〜新人類世代である三浦友和の「インテリ」への捩れた憧れや、失われた世代である新井浩文や若葉竜也の抱える劣等感。南果穂が演じる支配されるしかない弱い母親。そんなよくある人達の歯車がどんどん食い違って産まれていく悲劇。まともな人が誰一人出てこないとも言えるが、人間なんてこんなもんじゃないだろうか。傑作だと思う。
この映画もやはり、他人を理解しようとしない今の日本の空気から生み出されている。
物語的にちょっと首を傾げたのは、事件後南香穂が車椅子で認知症になっているという所かな。若葉竜也がどんな人だったのか、観客としてはもう一つ多面的に分かりたいという所で、南香穂が田中麗奈にどんな事を証言するのかは観たかった気がする。
猟奇殺人者を理解の側に引き寄せすぎているという批判もあるが、正常と異常の間に簡単に簡単に線を引いて区別したい人が多いのかね。
別に正常な人とも異常な人ともはっきりとしないグレーとしてキャラクター構築されてるとおもうんだが。
こういう映画があっても別にいいじゃんと思う。
殺人のシーンはもう少し粘って演出して欲しかった。あの状況で誰も逃げないっていうのはどうも。
凄い事件の裏は意外と普通の家庭
俺がいったい何をした?
観客にエグい現実を突きつけてくる作品。
テーマ自体も救いがないし、見る側の心に食い込んでくるような演出。
観終わるころにはグッタリというか、すげー荒んだ気持ちになっちゃった。
ただね、タイトルにも書いたこの作品のキャッチコピーが秀逸だと思う。
無自覚ゆえの罪とも言えるけど、この父親(三浦友和)だけが悪い、でいいのか?と。
ここまで事態が悪化するケースは稀だとして
この家族それぞれが抱える歪さみたいなものって、
大なり小なり皆が抱えてるものなんじゃないのかと思ってしまった。
もちろん犯罪者を擁護するとかではなくて、
誰もが道を踏み外す可能性って意外と身近にあるかもねっていう。
いやー、傑作には違いないけど、もう二度と観たくねぇな。(苦笑)
身近にいるような人物造形
これは胸糞映画として最高峰の出来(褒めてる)
登場人物が胸糞悪い性格ばかりなのが徹底している。
カリカチュアされ過ぎず実際に居そうな雰囲気なのがエグい。
キャスト全員が凄いが、特に若葉竜也が演じた稔のウザさが秀逸。喋り方・使う言葉等、このリアリティはなんなんだ。
それと、死刑廃止を唱え獄中結婚する女性役の田中麗奈。こちら側も狂気が混じっているのがスゴイ。ここを良心として描かないところにある種のメッセージ性を感じた。
観客を選ぶタイプの映画だが、人の闇部分に関心がある人は観て損はないでしょう。
どうしてこんな事になっちゃったんだろう?
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