「話はいたってシンプル」葛城事件 いつこさんの映画レビュー(感想・評価)
話はいたってシンプル
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どーしよーもないやつはどーしよーもない環境で育っている。諸悪の根源はこの場合は父という事なのだろう。父親抜きの三人の語らいのシーンは、唯一ホッとできた瞬間だった。息子が自殺をしても、凶悪犯罪を犯しても、それでもまだ虚勢を張り続けている。最後死ねなかったのは、首をくくったのが自分が息子たちの願掛けに植えた蜜柑の木であるということから、家族に生きろと言われたのだろう。劇中の彼の言葉、生きて苦しめ。皮肉なことだ。
シンプルな話を特別にしているのが、葛城一家四人の役者の演技力。強いて言うなら田中麗奈の素性をもっと描いて欲しかった。平常心でないのは明らかなのだから。
とにかく始めから終わりまでずーーっと辛かった。分かってはいたけど。唯一和ませてくれたのはどこか優しい音楽か。目も当てられないシーンの後に限って流れる。救いだったような気がする。
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