アバウト・レイ 16歳の決断のレビュー・感想・評価
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観る者をふんわりと包み込む触感に魅力がある
公開を延期し、再編集が行われたという本作。具体的にどこがどう変わったのかは不明だが、原題がAbout Rayから3 generationsへ変更されていることを考えると、主人公をレイに特化せず、母親や祖母といった女性たちにも視野を広げてしっかりと「家族」や「世代」を描きたかった思いが伝わってくる。なるほど、レイの人生は一人だけのものではない。レイの一大事は、家族にとっても一大事。様々な思いはあったとしても、最終的には誰もが「レイの幸せのためなら」と一丸となっていく過程が温かい。
ステレオタイプに陥らぬよう、似たような体験をした人たちから話を聞いた上で脚本執筆に活かしたとの事。かといって重くはならず、観る者をふんわりと包み込む触感に魅力がある。そしてすべての源泉にあるのは、やはりエル・ファニングのフレッシュさ。芸達者なワッツとサランドンの起用。女優たちの底力を存分に見せつけられる一作だ。
重いテーマを明るく描く
先ずは女性主体の社会制度を作るべきだ。
僕はクソジジイのストレートなので、全く分からない話。
ホルモン注射を受ける受けないで、親の同意を求める三世代の葛藤を描いたお話だ。
結論はもう分かっているが、その社会制度に問題があるのだろうと思う。即刻変えれば良いと思う。
しかし、そもそも風体を男にすることにどうして拘るのか分からない。僕がストレートのジジイだからだろうが、素朴でだらしなくて汚いヒゲ面の男にとうしてなりたいのか分からない。まぁ、ホルモン治療はそのためにやるだけではないと思うので、ホルモンを打たない筋トレとか工夫をして生活をする他に道はない。やるべきではないのは、女性器の切除や胸等の手術だと思う。心を変えられれば、外見なんてどうでも良い。と言った境地まで至らないと、年齢を重ねるに従って心も変わる事ので、後戻り出来る余裕を持つべきである。16歳なんてまだまだ、これから。余裕を持って生きるべきだ。勿論、男性から暴行を受けて、強制的生殖行為の末に望まぬ生を受けた場合『どうするか』は僕には分からない。しかし、両性の合意による生ではないのだから、本人の意思を反映させるべきだし、そこで家族の絆が初めて必要となると思う。
この映画の演出の上で1つだけ欠く事がある。わき毛の処理をしていなかった事には頭が下がったが、なぜヒゲをそられたのか?その点が画竜点睛を欠いている。もっとも映画なので仕方ないとは想うが。大変に良い映画である。
そもそも、生物学的には男性の持つ染色体の劣化が問題視され『男性が滅亡する』と言った学説まである。従って、そう言った社会の到来を踏まえた研究と女性主体の社会制度の確率を現段階からやらねばいけないと思う。言うに及ばず、男性主体の社会制度で良かった歴史は1つもない。現代人が登場して、文明が発展したと言うが、数学、科学、文学、芸術は古来からあって、発展はしているわけではない。
エルの表情がすごくいい
エル・ファニングは大体の出演作品の中で美少女として扱われているが、今までそんなにカワイイとは思っていなかった。それが何の皮肉か、髪を短くし女の体で男の心を持つトランスジェンダー役の本作ではとてもカワイイと思った。
もちろん、どことなく男に見えなくもない以上に頑張って男らしさを作っているのだけれどね。
年齢のわりに陰鬱で湿ったような役柄が多かったせいか、本作での明るい笑顔や若者らしいハツラツさが可愛くみせたのかもしれない。かなり良い表情をみせる好演だった。
内容の方は、三世代の女性の生き方と家族のあり方についてを重そうなテーマに反して明るめで笑いもある感じに仕上げているヒューマンドラマだ。
同性愛者でもトランスジェンダーでも親子であることは変わらない。家族なのは変わらない。そんな、当たり前と言えば当たり前で、特別なようで特別なことなどない家族を、軋んで歪んで壊れそうな雰囲気だけ出して温かさで包んだ。
真ん中世代のナオミ・ワッツ演じる母親がメインの主人公だと思うけど、この人は性的にノーマルでシングルマザーということくらいしか特徴がない。しかし、レイの父親のこととか色々と複雑なこともあって一番苦悩している。ちょっと抱え込みすぎだよね。
もちろん三人それぞれに悩みや問題を抱えているけれど、肩の力を抜いて悩んでいることは本当に悩みなのか考えてみたり、笑顔あふれる家族の団欒に出くわせば、案外なにも悩みなんかないのかもよ?。親子なんだから当然のように愛しているのさ。
愛情あふれる良作でした。
タイトルなし(ネタバレ)
ミスリトルサンシャインのチーム作品。
レズビアンの祖母カップルの家に住む母娘。
娘は男になるため治療で保護者にサインをしてもらいたいとうことで話が進んでいく。
ミスリトルサンシャインのようなずっと幸せな気分にさせる映画ではないけれど、最後に母娘に引っ越して自立するようにと言っていた祖母、離婚後ずっと疎遠だった父、離婚の原因だった夫の弟。みんなが許しあう。
結局は血のつながった家族は、無条件に愛することができるっていう映画であった。中盤までのイラついた人間がいっぱい出てくるのが嫌で星3.5。
葛藤の辛さ
トランスジェンダーの彼ではなくて、その母親に焦点が当てられている作品。彼の決断に寄り添って自由に生きていける環境を整えたい、けれどもそのためには自分の不貞行為が原因で離婚した夫に同意を得なければいけないし自分は早く母親の家から独立しなければならない。
元はと言えば母親自身のせいで彼が自由を手に入れられず、他人から被害に遭うこともあるのだから一刻も早く手術を受けさせてやりたい気持ちがあるが、物事は上手くは運ばず彼との間に溝が生まれる始末。
最終的には彼は手術を受けることになり、ハッピーエンドであるとは言えるが、いざ自分が彼の母親のような立場になった時、相手にどういう対応の仕方ができるかは実際に分からないし気持ちを理解することができるだろうかという不安もある。この作品はトランスジェンダーがテーマだけれど、それ以前に他者を理解すること、他者に寄り添うの難しさと大切さを教えてくれるものだと思う
決断と葛藤
【トランスジェンダーと家族という重いテーマを軽やかなタッチで描いた小品】
エル・ファニングが脇毛に虎刈りで
トランスジェンダーを演じる。
4歳から性同一性障害を自覚、スケボーと音楽映像制作が大好き。
複雑な家庭環境
お祖母ちゃんが彼女と同棲
お母さんはシングルマザー
生まれた時から父親はいない
親父に会いに行ったら親父の弟とおかんが!
実の父親は!!
環境のせいではないよね…
ニューヨーク
めちゃくちゃよかった
本当に観てよかった
予告が当時気になっていて、劇場で観たかったけど、
タイミングが合わなかった。
DVDでの鑑賞だったが、
DVDでも全然よい作品です。
難しい役柄だけど、自然な演技で、
間違って女の体で生まれてしまった男の子の気持ちの強さや家族の愛。
レイを心から応援していたし、
母の気持ちにもすごく寄り添えることができた。
最後のシーンで、
レイがトイレで涙を綺麗に流して、
家族の元へ笑顔で進んでいく姿には涙が止まりませんでした。
ナオミ・ワッツの代表作となる珠玉の必見作
可もなく不可もなし
エル・ファニングがかっこいい
レズの祖母の住む家のキッチンがすごくすてきだ。生き方の質を感じる。
それだけでも観る価値のある映画。
(20190814)
昨年の映画を観なおしている。
ふしぎだけど、当時「よかった」と記録した1年すぎても映画はよかった。
(20190211)
最初のNYのシーンがすごくいい。エル・ファニングは、キュートだ(笑) ガムを噛むところとか、屋上で腹筋してるとか、・・えっと、もちろんスノボーのやんちゃな動きも少年ぽく肩を前へ突き出す歩き方も。
彼女を最初に見たのは、ソフィア・コッポラの「SOMEWHERE」。それが彼女の印象。残念ながら「フィービー・イン・ワンダーランド」は観ていない。
モノゴトにはタイミングがあって、フィービーを観る機会はすでに通り過ぎてしまった。
ナオミ・ワッツが、「ヴィンセントが教えてくれたこと」に出演してたなんで忘れてた。
壁の本棚とピアノある古い家に住むスーザン・サランドンもレズの知的な恋人役のリンダ・エモンドの雰囲気もいい。古い道具とか家具にあふれる心地よさそうな家。今時のミニマルなイメージじゃないのがいい。1980年代の作家の住む家っぽい。NYのオレンジ色の鉄骨の橋や煉瓦色のすり切れたビル群も。
かっこいいなって思う。
こんな物語のあるモノと壁の写真と本、そして絵は絶対に必要。
(20180707)
筋トレ‼︎ファイティン‼︎
レイが
パパの子供達に
僕達の
お兄ちゃんなの⁇って言われて
嬉しさダダ漏れの
ニンマリ顔で
「そうだよ」ってシーン
可愛かったです。
喧嘩して
お気に入りの女の子に
勇敢だって褒められ(アゲアゲ)
女の子を殴るなんて最低と
(サゲサゲ)
一瞬で玉砕
胸が痛かった...
なんだかんだ
わちゃわちゃしてたけど
男の子と認めてもらえて
よかったです‼︎
トランスジェンダーの部分が置いていかれている
トランスジェンダーの人たちの心情が「リアル」に感じられることがないため、お母さんのマギーが大変だなというベタな感想しか出てこず、ゆえに退屈な映画だなと感じた。メロドラマちっくで表層的な「体が男ではないレイの苦悩」「体も男になれると思った時のレイの喜び」みたいな描写ばかりなので、「今の自分に満足していないから、『男になれば幸せになれる』って思っているだけではないのか」という風にしか見えなかった。
そもそも、なんでこの物語に「トランスジェンダー」のような難しい問題をぶっ込んできたのかわからない。このままだとこの映画は、「自分のアイデンティティーを確立するためにもがく、思春期のティーンエージャーの苛立ちと焦燥、そしてそれに翻弄されながら、大人達も家族の愛と絆とはなんぞや、と考えさせる映画」と言う平凡な「家族愛」もので、「トランスジェンダー」の部分は置いていかれている感じがする。
と思っていたら、この映画はワインスタインがプロデューサーで、トランスジェンダーの部分を薄め、「家族愛」ものにしろと言われて大幅な修正が行われたということを知った。原題は『3Generations』(三世代)となっているが、元々は邦題でも採用された『About Ray』であったらしい。想像するに、製作者側は私が観たかったような、トランスジェンダーの人たちの心情に突っ込んだ作りにしたかったのだが、それでは資本が得られなかったようで、残念な作品になってしまった。
和む
ある日、身も心も男性として生きたいと告白し、そのためにホルモン治療を受けたいという16歳のレイ。突然のことに動揺を隠しきれない母マギーは、不安を打ち消すかのように近所に住む青年と一夜を共にする。一方、すでにレズビアンであることをカミングアウトし、パートナーと暮らしている祖母ドリーは、レイの決断を密かに応援していた。努力を重ね、少しずつ自分らしく生きていくレイを見て意を決したマギーは、ホルモン治療の同意書にサインをもらうため、レイの父親である元夫に会いに行く。レイはトランスジェンダー、祖母はレズビアン、シングルマザーの母親は元夫の弟と関係を持って家庭を破壊していたというとんでもない家族だが、レイを中心にして関係を修復していくさまは微笑ましい。最後は全員が一堂に会して和んでハッピーエンド。最後に会う場は日本食料理店というのは日本人として誇らしい。
時間に押し流されて行く嵐
ずっとこのままでいたいのに、時間に押し流されてこのままではいられない、みたいなの、あるじゃないですか。レイの母がそんな感じでした。レイが女から男になる、その決断がまさか過去に関係してくるなんてね。もう終わった事なのに、レイにとっては今の事。苦しみと共に変化を受け入れて行くんだけれど、レイにとっては時間の経過は嬉しい事で、その対比と、レイが嬉しいなら私も嬉しいみたいな、そんな母息子二人の絆が見ていてホッとしました。あとおばあちゃんが超口が悪くて面白かった。最後の家族の食事のシーン、中々混ざらないて遠くから眺める母も、食事中の母の写真を撮るレイ、両方愛おしい。嵐を乗り越えた家族に、心に灯明かりを灯された気持ち。
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