マネー・ショート 華麗なる大逆転のレビュー・感想・評価
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真実を見抜く洞察力と正義感
当該作品は、リーマンショックの裏側でいち早く経済破綻の危機を予見し、
ウォール街を出し抜いた4人の男たちの実話を描いた社会派ドラマです。
第88回アカデミー賞では、最優秀作品賞は逃したものの、
合計5部門にノミネートされた作品です。
日本では、遅まきながら先週公開し、先週末興行成績が、初登場4位でした。
TVドラマでもそうですが、今の日本では、難しい作品は嫌われる傾向があり、
私は、大変危惧しております。
真実を見抜く洞察力と
真実に基づき、正義感から行動を起こす勇気があれば、
リーマンショックは、起きなかったかもしれません。
私は、物を右から左に移動させるだけで利益を得る商社マンが嫌いです。
まして、マネーゲームだけで、利益を得る金融業界は、更に尊敬できません。
ものづくりを忘れてしまった米国。
NEC-PCが中国企業のレノボに買収され、
シャープが、台湾企業のホンハイに買収され、
東芝が不正会計をする日本の製造業。
日本も、米国の様になってしまうのでしょうか?
Michi
私には難し過ぎました。
アマノジャクが吠える時
ブラッド・ピットの『ジャッキーコーガン』は、世界金融危機…サブプライム問題を題材にした映画で、すっごく面白かった。
アダム・マッケイの『俺たちハイパー刑事』は、バーナード・マドフ事件(サブプライムが発端で明らかとなった金融詐欺)が元ネタで、面白かった。
原作『世紀の空売り』は、経済ドキュメンタリーとしてだけでなく人間ドラマとしても充実していて、すっごく面白かった。
なのに本作は、あんまり面白くないという不思議。
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この映画、クリアだった原作と比べると、いろいろと煙にまいてるような気がするんだよなあ。経済用語がどうのというよりも、登場人物達がどういう人だったのか、映画だけでは描ききれていないような気がする。
いや、クリスチャン・ベールら俳優陣は流石に上手いんで、マイケル・バーリがどういう人物なのか分かったような「気分」にはなる。セレーナ・ゴメスが経済用語も説明してくれるんで、分かったような「気分」にはなる。
観客を分かったような「気分」にさせて、物語を進めていく。
これって、サブプライムな低所得者層から審査する格付会社の面々まで、皆、事の本質を理解せず「大丈夫」という気分だけで進んでいった金融バブルと、まるで一緒だなあと思う。
おそらく、この手法、かなり意図的にやっていると思う。(じゃなきゃ単に作劇が下手。どちらにしても、ニュース・書籍・映画・ドキュメンタリー等で散々ネタになってきた事柄を一から説明する気はない映画だと思う。)
この映画は、金融危機を具体的に描き理解させる事が目的ではなく、何も分かっていないのに進んでいく空疎な「状態」を表現するのが主眼なのだと思う。
『ジャッキーコーガン』で金融危機をチンピラマフィアの行動形態と重ねたように、今回は、金融危機をコメディ映画の形態と重ね、空疎な「状態」を表現した。「金融危機にまつわるあれこれって、まるでコメディ映画みたいでバカだったよねー」という批判が目的だったのではないか。
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そういった映画に対して、大変申し訳ないんだけど「経済用語を予習すれば分かる」とか言うのはちょっと違うんじゃないのかなあと(すみません)。
スティーブ・カレル扮する金融家は、何も気付こうとしない世間に対して吠える。「お前ら何も分かってないのかよ、4歳児かよ」と吠える。誰も何も分かっていないのに「大丈夫」と信じる共同幻想に対して吠える。世の流れに逆らうアマノジャクでありモラリストでもある。
この映画自体に対しては、レビュアーのしんざんさんが「この映画でわかることは何一つない」と吠えてて、ああ、まるでカレルのようだと思いました。「空疎な状態」を表現している映画に対して、「わかることは何一つない」というのは、その通りなんだよなあと。
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現実の金融危機は、コメディみたいな状態が甚大な「悲劇」を生んだ。だから、この映画も後半、悲劇に転じる。
その悲劇の転じ方が、ちょっとステレオタイプかなあと。ブラッドピットの「何百万人が職も家も失うんだぞ」という説教は、ニュースをみてれば当然分かることで、そこまで当たり前の事を言わなきゃ観客は理解しないと思っているのかなと。もうちょっと、観客を信じていいんじゃない?と思った。
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『ジャッキーコーガン』では、
金融危機の問題は今に始まったことではなく、昔からずっと変わってないでしょ、と批判してみせた。
19世紀初めの第二合衆国銀行の頃から変わってないでしょ、と結論づけた。(当時トーマス・ジェファーソンらは「大規模な詐欺行為」と批判したが金融政策は続行されバブルを生み出し1819年恐慌へとつながる。)
本作では「金融危機を招いたCDOと似た金融商品が、また売られ始めている」という警告で締められている。
今に始まったことでもないし、これからも続く。
本作で、カレル扮する金融家は泣く。クソみたいな仕組みに気付き、吠えるが、結局その世界を変えることは出来ないし、その世界の一員であるからこそ儲けることも出来る。だから、泣く。
たとえ泣いたとしても。この世界が続いていくとしても。いや、続いていくからこそ、アマノジャクは吠え続ける。いつか変わるかもしれないと信じて吠える。そういうアマノジャクが必要なんだと思う。
疲れたが面白かった。頭の中でシステムや用語を考えながら見ていたが、...
精神はカッコイイが難しい。全く優しくない経済映画。
【賛否両論チェック】
賛:先見の明を持って、世界の流れに敢えて逆らい、勝ち抜けていった主人公達の気概には、考えさせられるものがある。
否:「経済の仕組みについて知っている」という前提で話が進むので、そもそもの予備知識がないと、何が何だか全く分からないまま、退屈して終わってしまいそう。“第4の壁”を破って話を進める演出にも、好き嫌いがあるかも。
恐らく大抵の人が観た第一印象は、
「とにかく難しい!!」
ということだと思います(笑)。観る方が経済の仕組みを知っている前提で話がどんどん進んでいくので、知らないと
「え?それで結局、損したの?得したの?」
なんて、訳が分からなくなってしまいます。それが映画の最初から最後までずっと続くので、予備知識は必要です。
とはいえ、世間に対する“ウソ”が蔓延したウォール街にあって、先見の明を持って、敢えて大勢に勝負を挑み、勝ち抜けたアウトロー達の姿は、観ていて勇ましいものがあります。ブラッド・ピット演じるベンが、空売りに成功して浮かれるチャーリーとジェイミーに対し、
「〝経済の負け”に賭けたんだ。破綻で1万人が死ぬ。はしゃぐな。」
と叱るシーンが印象的でした。
なんとなく、頭がイイ人向けの作品かも知れませんね(笑)。
リーマンショックの裏側で、イビツに膨れ上がった金融システムを描く社...
言い訳にならない。
リーマンショック以前に経済破綻の可能性に気付いた金融マンたち
の実話を豪華キャストのアンサンブルで楽しませる社会派ドラマ。
とにかく聞き慣れない金融用語がビュンビュン飛び交うので「?」と
なることしきりだが、突然ゲストがカメラ目線で解説をしてきたり
するのである程度楽しめる^^;音楽がガンガン流れてテンポも早い。
タイトルにある「華麗」とは程遠い憂鬱で悲惨な運命を辿る金融情勢
だが、おそらくこの4人以外にも薄々勘付いた人いたんじゃないの?
とも思う。とかくバブル景気に沸いていた日本人だってそんなもの
だったろうし、でも一片の損失で済んだ人だってどこかにいる訳で。
彼らの口車(とは言いすぎだけど)の華麗さよりも自国の運命を嘆く
後半の怒号の方が観応えがある。ブラピの戒めがここで活きるよね。
私には関係ないからと知ったかぶりしているのは確かに怖いことで、
いつか自分の身に降りかかってからではもう遅いことがよく分かる。
なにが起こるか分からない現代社会への警鐘を鳴らしてくれる作品。
(徳永英明のあの曲をあの場面で使うとはねぇ…笑えないじゃないか)
難しいが興味深い。
この映画は予習して見に行って、かつ2回見ると面白さがよりや深まると思う。何と言っても内容が難しいため、ただ単に見るだけだと内容を理解できない。
リーマンショックについて、少なくとも予習が必要だと思う。その予習におすすめの映画は「inside job」を見ておいたほうがいいです!
俳優陣も豪華でクリスチャン・ベイルはほんとにさすがとしかいいようがない演技を見せてくれます。
マーゴット・ロビーが途中にカメオ的に出てきたのが嬉しすぎました
かなり難しい
ちょっと難しいけど退屈しない
邦題に偽りあり、が、真摯
池袋シネマサンシャインにて。端的に結論を言えば、「邦題に偽りあり」です。華麗なことは一つもないし、大逆転もあんまり感じなかったです。しかし、作り手がサブプライムローンやリーマンショックにまつわる、銀行や投資家の連中に、真剣に怒っていることはきちんと伝わってきました。監督が「俺たちニュースキャスター」のアランマッケイということでコメディ要素はあります。が、敢えてそれを抑え、実際に多くの人が被害を受けたことをきちっと伝えていることは好感が持てました。経済的なことに無頓着な自分でも、話を一生懸命追ううちに、おぼろげながらも真実がわかってきます。とりあえず、資本主義は今回の失敗から何も学んでいないという事実にはいい加減嫌気が指したのでした。
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