ボーダーライン(2015)のレビュー・感想・評価
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だめ!ゼッタイ!
クスリで身を滅ぼす人を、自業自得と言うのは、容易ですが、その尻拭いさせられる人達も、大変ですね。クスリの楽園コロンビアが舞台「エスコバル」。バズーカ担いだ仲買人が闊歩するメキシコから「皆殺しのバラッド」。それを水際で止めたいアメリカから、本作登場です。結局、末端価格がゼロにならない限り、警察を買い取る程の経済力は、続くのでしょう。つまり私達が、軽い気持ちでクスリに手を出すと、シルクロードならぬドラッグロードに、今日も、新鮮な死体が、ぶら下がっちゃうわけです。仕事に出たお父さんの、帰りを待つ男の子。自動小銃鳴り響く空の下、何を思うのでしょうか。ま、いずれにせよ、叩くと、粉が出てくるタレントさんに、キャンペーンしてもらうより、説得力ありますよ。だめ!ゼッタイ!。
容赦ない映画
ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督ただ者ではない。 「灼熱の魂」を見たとき、こんな映画見たことないと思った。「複製された男」も他とは違った。そんなヴィルヌーブ監督が撮った新作映画は見とかんとあかんと思って見た。 カメラマンはロジャー・ディーキンス。正統派の映像。 ポスターだけ見ると一見「オール・ユー・ニード・イズ・キル」に似てるけれど、比べるのが恥ずかしくなる。 容赦ない描写。 半端ない臨場感。 あのシーン撮ったカメラマン後で殺されてない? 有名な俳優は主役級の3人だけ。その3人がアメリカとメキシコの国境線に送り込まれたドキュメンタリーに見える。実際に殺人が日常的に行われている街で撮影している。 これは現在進行形の物語なのだ。 去年公開されたドキュメンタリー「皆殺しのバラッド」に似たフィクションかと思ったらスケールも臨場感もすごい作品。 「ボーダーライン」という邦題も「その善悪に境界線はあるのか」というコピーもぶっ飛ぶ。
麻薬の国のアリス
FBI誘拐即応班のチームリーダ、ケイト・メイサー(エミリー・ブラント)。 アリゾナ州フェニックス近郊の砂漠の真ん中で、事件対応をしていた。 麻薬がらみの誘拐で、急襲した民家の壁には夥しい数の凄惨な死体が埋まっていた。 対応中、組織が仕掛けた爆薬で部下の何人かが負傷してしまった。 数日後の諮問会議で、メイサーはメキシコの麻薬組織「カルテル」の壊滅のための特別チームに引き抜かれた。 リーダはマット・グレイヴァー(ジョシュ・ブローリン)。 彼の傍には謎のメキシコ人アレハンドロ(ベニチオ・デル・トロ)の姿があった・・・というハナシ。 原題の「SICARIO」というのは、スペイン語で「暗殺者」を意味する旨が冒頭でクレジットされる。 ふーん、なんだかちょっと違和感が・・・ 主役のメイサーが暗殺者とは思えないし。 とすると影の主役がいるわけね、と予測して観てしまう。 つまり、エミリー・ブラント扮するメイサーは狂言廻し。 主眼は、麻薬組織に対する特別チームは「毒をもって毒を制する」という情況。 まぁ、それほど目新しい題材でもないし、それほど好みの題材でもないわけで、ちょっと漫然と観る羽目になってしまい残念。 メイサーの役どころは、「毒をもって毒を制する」という情況に放り込まれた正義漢といったところだけれど、冒頭のアリゾナでの急襲シーンでみせた気概や能力がその後発揮されることはほとんどなく、ベテランのマットとアレハンドロに振り回されるだけになってしまっている。 女性という特性は、彼女が組織の罠に陥りそうになるというエピソードがあって、ますますもっと冒頭のタフさからは遠くなってしまう。 暗視カメラ映像、サーモグラフィ映像を使ったロジャー・ディーキンスの撮影は、これらの部分よりも、ぐーんと引いたロングショットが印象に残る。 絶望・戦慄を感じさせる暴力描写などドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の演出も見どころはあるものの、期待したほどではなかったです。 <追記> 麻薬組織「カルテル」の存在を「必要悪を超えてしまった悪」として捉えているあたりは興味深い。 どこいらあたりまでが「必要」で、どこを超えると「許容できない」のか、これが主題なのだろうけれど、そこはあまり上手く描かれていないように感じました。
淡々としすぎて、、、
ちょっと寝てしまった。体調戻らず見てしまったと言うのもあるけども、、、 悪の法則もそうなんだけど世界のヤバいシステム紹介ものってあんまり乗らないんです、個人的に。 監督の過去作の「プリズナーズ」も面白かったけどあれは犯人探しもあったし。 デルトロさんはデルトロさんだなぁ、いうも顔色が悪いなぁと思うくらい。 期待値が高すぎたのかも。
ボーダーライン
上手くタイトルつけたな。普段見ないジャンルだったけど、気になったので観てみた。リアリティを感じたし、ハラハラドキドキ感は最後まで続いた。コントラバス?!とバスドラム?!みたいな重低音が映画をよく引き立ててると思った。
フアレスの街に震えた
そもそも無法地帯に 善悪の判断基準などない。 ましてや諜報機関に そんなものあるのだろうか。 ストーリーの運びは 巻き込まれ型のミステリー。 謎が解き明かされたとき 原題の意味が浮き彫りになる。 …おいら愕然でした。
静かな作品
ドキュメンタリー風味、派手な銃撃戦やアクションを期待するなら物足りないです。ただ、その分リアリティーは十分です。 最初に、今何が起きているのかを正しく見せ、それをどうするかを淡々と見せていきます。 起きていることは間違いなく悪だが、それを解決するにはどうすればいいのか、主人公はそういった現実に打ちのめされ続ける。 よくあるテーマではありますが、そもそも上層部で方針が決定しており、主人公があまり関係できず、ただただ利用され続ける点や、麻薬カルテル側がただのヴィランではなく、家族の心配をしたりもする、一般人に近いものとして描かれているのが特色です。 万人受けするかと聞かれれば首を傾げますが、とても良い作品です。
ディテールに穴あるも迫力あり!
ベネチオ・デルトロが好き…ってことで早速 鑑賞! 初っ端の音響炸裂でビックリでしたが、なかなかのオープニング。血みどろの拷問シーンの類はなかったが 南米、メキシコ、国境突破のためのトンネルなどなど。実際に そんな事件が散々起きてることがわかってる分、ストーリーはリアル、シーン全般に犯罪の凄みのようなオーラが覆いかぶさっているようで、迫力を感じる。 ラスボスの家なのに簡単に進入しちゃうのにはアレッ?って感じでしたが、その後の「神に召されちゃう」シーンは納得、日本じゃダメだろうけどね。 これぞ密入国犯罪 取締りの最前線‼︎ ヒロインも凛々しくてカワイイぞ〜♪( ´▽`)
臨場感は半端ではない
映画館)2016年劇場鑑賞。NO.12(2016.4.11 ユナイテッドシネマ豊洲にて)。映像のリアルさというか臨場感は半端ではない。それを感じる映画と解釈。作品の内容からして話の分かりやすさ、出来を求めてはいけないなと思った。感想はこんなところです。
壮絶な最前線。辿り着いた真実の“正義”とは。
【賛否両論チェック】 賛:息もつかせぬ緊迫感溢れるシーンの連続に息を飲む。衝撃の真相に、“正義”を改めて考えさせられる。 否:主人公のやや感傷的なキャラクターは、賛否両論ありそうなところ。グロシーンも多数あり。 緊迫した“麻薬戦争”の最前線にあって、突入や護送等、どこから攻撃されるか分からない緊張感が、観ていてハラハラすること必至です。 その一方で、麻薬カルテルを取り巻く陰謀や、最後に明らかになる衝撃の真実に、“正義”という言葉の多様性や本質について、改めて考えさせられます。 FBI捜査官にも関わらず、少し感傷的すぎる主人公の性格は、やや賛否ありそうなところではありますが、それほど凄惨な現場という見方も出来そうです。気になった方は是非ご覧下さい。
とんでもなく異常な世界
メキシコ麻薬カルテルもの、やっぱり最高! とんでもなく異常な世界。法も秩序もあったものではない。綺麗事なんてない。復讐のためなら手段を選ばない。 そしてアクションシーンのカメラワークが秀逸。緊張感がハンパない。 ベニチオ・デル・トロの「いくとこまでいった」感がすごい。
一瞬たりとも気が抜けない
FBIのエリート捜査官として方やモラルに従った仕事をしてきたのに、突然無法地帯のメキシコ国境での任務に放り込まれたケイト。彼女の成長物語的な映画かと思っていましたが、いい意味で期待を裏切られた。 登場人物の目線に沿った独特のカメラワーク、重厚で重々しい音楽、迫力のあるプロペラ音と銃声・・・笑えるシーンは一切なし、最初から最後まで一瞬たりとも気が抜けない緊張感溢れる映画でした。凄惨な殺しのシーンもリアルに描かれており、ドキュメンタリー映像を見ているような感じがしました。 映画に描かれた、銃声が毎日響き渡るような街が、今も実際に米メキシコ国境にあるのかと思うと胸が痛みます。 ややグロテスクな映像はありますが、ハラハラドキドキしたい人、FBIやCIA捜査官のかっこよさを堪能したいにおすすめ。
緊張感の連続!
久しぶりに見応えある映画に出逢った。 冒頭から最後まで緊張感の連続で、マジ観終わった時、肩凝ってました… エミリー・ブラントの立場で見ていくと本当に辛いし、絶望的になる。 デルトロはカッコ良過ぎ!久しぶりに震えました。 メキシコの闇、そしてアメリカの闇、その間で起こる事件の中、鼓動が聴こえる様な音楽、全て良かったです。 「ボーダーライン」善と悪の境界線を意味してる邦題は、ぴったりですね。
二つの意味でのボーダーライン
アメリカが抱えるもう一つのリアル。メキシコ国境地域での不法移民と麻薬、そしてそれらに絡む汚職の問題。 キャッチーなポスターが誤解を助長してるように思うんだけど、ただのドンパチモノとして観ちゃうとこの作品の問題提起を見落としちゃうんじゃないかな‥‥。 メキシコ少年のラストシーンが、作品を総括していてぐっときた。 これ、名作です。
圧倒的なリアリティー!
浅薄で勧善懲悪の単純幼稚なハリウッド映画とは一線を画する圧倒的なリアリティーで麻薬戦争を描ききった傑作! 何の説明なく、観客は主人公と同じく麻薬戦争の現場に放り込まれ、全くなすすべもなく、悲惨な現実に直面し、困惑し、絶望する。 凡百な監督なら、主人公が大活躍して麻薬カルテルを破壊するような映画になりそうだが、そうはせず、観客同様に、麻薬戦争に正義も終わりもなく、絶望しかないことを痛感させる。秀逸である! 見終わったとき、傑作ノーカントリーと悪の法則と同じく、本物の映画を見たと感じました。
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