ボーダーライン(2015)のレビュー・感想・評価
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深い闇
この映画に漂うただならぬ緊張感はなんなのか。
ドゥニ・ビルヌーブ監督の作品は過去作も全て傑作なのですが改めてこの監督の恐るべき演出手腕に脱帽せざるを得ませんでした。
役者陣の演技も素晴らしく、特にベネチオ・デル・トロの目の奥底に広がるとてつもない「闇」が恐ろしい程感じられる演技は本当に素晴らしいと思いました。
この監督は過去作もそうですが、重いテーマを題材にしているにも関わらず、「映画」としてのエンターテイメント性を失わず観るものを惹きつける演出の上手さは
素晴らしく、「ブレードランナー2」の監督に抜擢したリドリー含めプロデューサーの眼は間違いないと思いました。
重い緊張
こういう作品だとは思ってなかった。
重い…重いです。
また音が、、効果音がズシッとくる。初めは胃に響き、お次は心臓に…これが心理的に攻めてくる。
これがとても不安な嫌な気分にさせる。音の使い方が凄くうまい。
ラストのワンカットには唸らずにはいられない
緊張感
初めの重低音から緊張感が最後まで続く。久々に体力を使う映画を見て肩が凝った。
空撮が印象的で、誰の視点でもない映像は不安感を煽り、緊張感につながったように感じる。
ベネチオ・デル・トロは、必要以上に語らず滲み出る怒りが感じられ、怖かったけどかっこよかった。今年ベストキャラになりそうなほど存在そのものの威圧感、見てはいけないものを見ている感がすごかった。
正義の闇
始終緊張感が張りつめる。次の展開は分からない…。ロジャー・ディーキンスの美しくも不気味な映像とヨハン・ヨハンソンの不安を抱かせる音楽とが見事にマッチし、スクリーンから不穏な空気が漂ってくる。
物語の核となる3人はメキシコの麻薬カルテルのボスの逮捕という共通の目的を持って任務に挑む。しかし、共通の目的を持ちながも、個々の真の狙いは一向に見えてこない。3人の中に敵側のスパイがいるなどという安易な読みはするだけ無駄だ。観客も主人公も状況がわからないまま事態は進み、任務は次々に下されていく。ともすると、観客の理解を置き去りにしてしまうリスクのある物語構成でありながらも、国境を越えた犯罪組織の撲滅を図るという大義名分があるからこそ、物語の本質を見失うことはない。このストーリーテリングは実に巧妙だ。それゆえに、恐らくは監督の趣旨であろう“正義の闇”を観客に問うことにも成功している。
ストーリーだけじゃない。銃撃戦も見応えもある。一瞬で人命が奪われる恐怖感もある。更に後半にはスタイリッシュささえ感じるアクション演出もある。だが、この演出、一瞬でもカッコいいと思ってしまうことに正義の本質は脆くも揺らいでしまっていることに気づかされる。報復の連鎖が止まない昨今であるからこそ、ラストシーンが重くのしかかる。
時に暗く、時に残酷で、時に恐怖さえ感じる作品であるが、最後まで目を背けることのできない緊張感に満ちた怪作である。
面白いというより、怖かった!
急に銃撃戦になったり、爆発したり
するので凄くビックリしました!
アメリカやメキシコのリアルな裏側
を見せられて怖かった!
アクションや映像や重低音の音楽が
凄く良かったです!面白かったです!
怪物ベニチオ デル トロの凄みが味わえ尚且つ名手ディーキンズの生々...
怪物ベニチオ デル トロの凄みが味わえ尚且つ名手ディーキンズの生々しい映像に酔えるだけで満足、更にメキシコ麻薬戦争の容赦ない現状を体感させてくれる作りに脱帽。
まぁ何しろデルトロの重みが映画の命になってます。
ボーダーライン
2016年17本目の映画鑑賞。
メキシコの麻薬組織撲滅チームにスカウトされたFBI女性捜査官が、
突然放り込まれた麻薬戦争の最前線で目の当たりにする衝撃。
終始緊張感がありました。
エミリー・ブラント、
ベニチオ・デル・トロ、
ジョシュ・ブローリン、
キャスティングも良かった。
中でも、
ベニチオ・デル・トロの存在感は凄く感じた。
ちょい役ですが、「バーン・ノーティス」のジェフリー・ドノヴァンや、「ウォーキング・デッド」のジョン・バーンサルが出演していたのは良かった。
フィクション映画なので、
どこまでが事実なのかわからないが、
全てが嘘では無いと思うと恐ろしく思う。
だめ!ゼッタイ!
クスリで身を滅ぼす人を、自業自得と言うのは、容易ですが、その尻拭いさせられる人達も、大変ですね。クスリの楽園コロンビアが舞台「エスコバル」。バズーカ担いだ仲買人が闊歩するメキシコから「皆殺しのバラッド」。それを水際で止めたいアメリカから、本作登場です。結局、末端価格がゼロにならない限り、警察を買い取る程の経済力は、続くのでしょう。つまり私達が、軽い気持ちでクスリに手を出すと、シルクロードならぬドラッグロードに、今日も、新鮮な死体が、ぶら下がっちゃうわけです。仕事に出たお父さんの、帰りを待つ男の子。自動小銃鳴り響く空の下、何を思うのでしょうか。ま、いずれにせよ、叩くと、粉が出てくるタレントさんに、キャンペーンしてもらうより、説得力ありますよ。だめ!ゼッタイ!。
容赦ない映画
ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督ただ者ではない。
「灼熱の魂」を見たとき、こんな映画見たことないと思った。「複製された男」も他とは違った。そんなヴィルヌーブ監督が撮った新作映画は見とかんとあかんと思って見た。
カメラマンはロジャー・ディーキンス。正統派の映像。
ポスターだけ見ると一見「オール・ユー・ニード・イズ・キル」に似てるけれど、比べるのが恥ずかしくなる。
容赦ない描写。
半端ない臨場感。
あのシーン撮ったカメラマン後で殺されてない?
有名な俳優は主役級の3人だけ。その3人がアメリカとメキシコの国境線に送り込まれたドキュメンタリーに見える。実際に殺人が日常的に行われている街で撮影している。
これは現在進行形の物語なのだ。
去年公開されたドキュメンタリー「皆殺しのバラッド」に似たフィクションかと思ったらスケールも臨場感もすごい作品。
「ボーダーライン」という邦題も「その善悪に境界線はあるのか」というコピーもぶっ飛ぶ。
麻薬の国のアリス
FBI誘拐即応班のチームリーダ、ケイト・メイサー(エミリー・ブラント)。
アリゾナ州フェニックス近郊の砂漠の真ん中で、事件対応をしていた。
麻薬がらみの誘拐で、急襲した民家の壁には夥しい数の凄惨な死体が埋まっていた。
対応中、組織が仕掛けた爆薬で部下の何人かが負傷してしまった。
数日後の諮問会議で、メイサーはメキシコの麻薬組織「カルテル」の壊滅のための特別チームに引き抜かれた。
リーダはマット・グレイヴァー(ジョシュ・ブローリン)。
彼の傍には謎のメキシコ人アレハンドロ(ベニチオ・デル・トロ)の姿があった・・・というハナシ。
原題の「SICARIO」というのは、スペイン語で「暗殺者」を意味する旨が冒頭でクレジットされる。
ふーん、なんだかちょっと違和感が・・・
主役のメイサーが暗殺者とは思えないし。
とすると影の主役がいるわけね、と予測して観てしまう。
つまり、エミリー・ブラント扮するメイサーは狂言廻し。
主眼は、麻薬組織に対する特別チームは「毒をもって毒を制する」という情況。
まぁ、それほど目新しい題材でもないし、それほど好みの題材でもないわけで、ちょっと漫然と観る羽目になってしまい残念。
メイサーの役どころは、「毒をもって毒を制する」という情況に放り込まれた正義漢といったところだけれど、冒頭のアリゾナでの急襲シーンでみせた気概や能力がその後発揮されることはほとんどなく、ベテランのマットとアレハンドロに振り回されるだけになってしまっている。
女性という特性は、彼女が組織の罠に陥りそうになるというエピソードがあって、ますますもっと冒頭のタフさからは遠くなってしまう。
暗視カメラ映像、サーモグラフィ映像を使ったロジャー・ディーキンスの撮影は、これらの部分よりも、ぐーんと引いたロングショットが印象に残る。
絶望・戦慄を感じさせる暴力描写などドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の演出も見どころはあるものの、期待したほどではなかったです。
<追記>
麻薬組織「カルテル」の存在を「必要悪を超えてしまった悪」として捉えているあたりは興味深い。
どこいらあたりまでが「必要」で、どこを超えると「許容できない」のか、これが主題なのだろうけれど、そこはあまり上手く描かれていないように感じました。
淡々としすぎて、、、
ちょっと寝てしまった。体調戻らず見てしまったと言うのもあるけども、、、
悪の法則もそうなんだけど世界のヤバいシステム紹介ものってあんまり乗らないんです、個人的に。
監督の過去作の「プリズナーズ」も面白かったけどあれは犯人探しもあったし。
デルトロさんはデルトロさんだなぁ、いうも顔色が悪いなぁと思うくらい。
期待値が高すぎたのかも。
ボーダーライン
上手くタイトルつけたな。普段見ないジャンルだったけど、気になったので観てみた。リアリティを感じたし、ハラハラドキドキ感は最後まで続いた。コントラバス?!とバスドラム?!みたいな重低音が映画をよく引き立ててると思った。
フアレスの街に震えた
そもそも無法地帯に
善悪の判断基準などない。
ましてや諜報機関に
そんなものあるのだろうか。
ストーリーの運びは
巻き込まれ型のミステリー。
謎が解き明かされたとき
原題の意味が浮き彫りになる。
…おいら愕然でした。
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