ボーダーライン(2015)のレビュー・感想・評価
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そこまで強くなれない
『迷走王 ボーダー』狩撫麻礼原作、たなか亜希夫作画 まだ二十歳そこそこの若造の頃没頭して読みふけった漫画である 犯罪とは無関係な話だが人の深い部分を描くなんとも真に迫った若者には危険な漫画だった 漫画が終わり数年して私は結婚したのだ 当然この作品を持ってはまともな生活など出来ないと思い手放した まともな社会生活にはあまりにの毒なのである 「ボーダー」とはそお言うものだ その一線を1度でも越えてしまったらそこで終わりなのだ、法を犯すとかではなく人として 今は世間がコロナに騒いでいる 誰かが陽性だと知ったらネットで洗いざらい暴かれまるで滞在を犯したかのように叩かれる世の中だ そこにはもうボーダーラインは無いのかも知れない 一線を越えたことすら気が付かずに 私もどちらになるのか分からない弱い人間だ ただ涙を流して立ち竦むだけかも知れない
ヴィルヌーブ作品はハズレなくて信頼できる監督。 ディーキンスの映像...
ヴィルヌーブ作品はハズレなくて信頼できる監督。 ディーキンスの映像美はトンネル突入前の日没シーンが真骨頂。夜の暗闇シーンを暗視カメラだけで貫き通すのもすごい。 エミリー演じる主人公の成長を描くのかと思えば、人間臭く、観客をイラつかせて、最後はプライドが崩されていくヒロイン像の描写って今まで見たことがない。 ラストシーン、少年のサッカー試合中に遠く聞こえる銃声。あの親子の運命を予言するかのようにして終幕。 この最後まで救いようがなく、観客に媚びない一貫した監督の作家性は清々しくて大好きです。
エグい描写もいける監督だった
米メキシコ間の麻薬戦争の実態を描く。ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督2015年。 冒頭から容赦のない描写。覚悟せよ!と早くも突き付けられる。女性主人公の目を通して観客も混沌とした世界に突入してゆく。ヒリヒリした緊張感が半端ない。 物語が進むに連れジョシュ・ブローリンもデルトロも実にいい顔に見えてくる。 リズム良く進むが、終盤のギアチェンジがこの監督の作家性というところ。好みは分かれそう。(嫌いではなかった) 撮影監督はロジャー・ディーキンス。夕暮れ時の空の青さがまさに。
【法秩序の無い世界で生き残れるのは”狼”だけ。メキシコ麻薬カルテルを巡る苛烈な復讐物語。】
ー今作の監督はあの”ドゥニ・ヴィルヌーブ”だが、私は、今作の世界観を作り出した一番の貢献者は、脚本を書いたテイラー・シェリダンだと思っている。ー ■テイラー・シェリダンの創出する世界 ・苛烈な世界を静かなトーンで描き出す比類なきストーリーテリング ・無駄な映像と会話がない で、観る側に”音”で想像させる・・。 ・スピード感 今作では、上記が見事に、全編に漲る異常な緊張感とともに、ドゥニ・ヴィルヌーブ監督の映像とマッチングしている。 ーーーーーーーーーーー メキシコ麻薬カルテルを捜査するために”異例の外部(FBI)抜擢”をされ、国防総省のマット(ジョシュ・ブローリン:勝手に、メキシコ国境の銃撃戦男と命名。)のチームに合流”させられ”苛烈な経験をするケイト・メイサー(エミリー・グラント:法秩序を守るべきという信念の中で、苦悩するFBI捜査官を好演している。)。 そして、マットのチームの影のドン的な立ち位置にいる、アレハンドロ(ベニチオ・デル・トロ)。 徐々に明らかになっていく、アレハンドロの哀しき過去・・。彼の非道なまでの行動の背景が仄かに明示され・・。 ■今作が、圧倒的リアリティを持って迫ってくるのは、アメリカ捜査側だけでなく、メキシコ麻薬カルテルに関わる人々にも”家族”がおり、生活をしているという部分がきちんと描かれている所と、エミリー・グラントとベニチオ・デル・トロの圧倒的な演技であろう。 (リドリー・スコットの「悪の法則」やコーエン兄弟の「ノーカントリー」のような、”人間の形をした別の生き物”として描かれるメキシコ麻薬カルテルの描き方も魅力的ではあるが・・) 又、今作後の「ウインド・リバー」でも重要な役をこなしたジョン・バーンサルが麻薬カルテルに買収された警官を好演しているのも、少し嬉しい。 <この後、「ボーダーライン ソルジャーズ・デイ」でも、その世界感を遺憾なく発揮したテイラー・シェリダンだが、次回作にも期待したいところである。 現代の荒廃したメキシコ、アメリカ国境問題(一般的なメディアには殆ど出ないが・・)が続く状況下、彼はどのようなテーマを突きつけてくるのだろうか?>
島国には分からない国境問題。
メキシコの麻薬組織のボスを捕まえる為にFBIが秘密裏に動く。 たぶんメキシコとアメリカ問題って日本と北朝鮮の感覚みたいな感じなんだろうな。 もし、北朝鮮が陸続きだったら…と考えただけでも恐怖を感じる。 やはり日本には陸続きの国がないから 多少の無防備でも不法入国で入ってこないから安心感があるね。 だから、この様な問題の備えは隙きがあるのだろう。 ゴーンにも逃げられてしまったというのがいい例だと思う。 自分がどれだけ平和な状態で生活しているのか、考えさせられる映画だった。
曖昧なボーダー
主要人物の3人が渋い。そのせいもあってかただでさえ疲れる内容の物語を余計難しくしている。 流れはシンプルでわかりやすいけど、善悪というテーマが極めて難しい。ただ、ケイトが善悪に揺れたり、価値観が崩れる様子が描き切れているとは感じられなかった。
こちらも正義
まっすぐな正義はメキシコでは通用しないという現実をシリアスに描いた作品。 テイラー・シェリダン「現代のフロンティア3部作」の2つ目。 一貫して現実を描いている。 このすっきりしない感は大好きです (良くも悪くもハリウッド映画しか性に合わないという方は、観ない方が良いかもしれません)
麻薬戦争は間違えようのない"戦争"だ
第一印象として、めちゃくちゃリアルにこだわっているな、と思った。 キーホルダー?の伏線は少々できすぎていたけどそれ以外は容赦ないくらいにリアルだ。 そして麻薬戦争の描写が凄い! 詳しくないので本当にあんな無法地帯なのかは知らないけどもし本当だったらトランプ大統領が国境に壁を造りたくのも分かる。 暗視ゴーグルごしの映像や赤外線カメラの映像はリアルかつ緊迫感をだしていて個人的に気に入ったポイントの一つ。 そしてラストもまた余韻がいい。 ボスを倒しても"麻薬戦争"は終わらないという容赦ない現実。 エンターテインメント性はあまりなく意外と玄人向け映画だな、と感じた。 たくさん映画を観てる人程凄さが分かる。
リアリズム
リアリティを追求したクライムアクション大作。空からの俯瞰図で国境沿いを走る車の列を映し出し、混沌した巨悪の街に乗り込む様子はとても緊張感がありながらも、リアリティを感じました。映画的な演出、物語を盛り上げる音楽を極力なくし、作戦遂行を追体験しているかのような感覚を覚える臨場感。街並み、登場人物すべてがリアルに描かれており、後半のトンネル突入作戦を暗視ゴーグルの視点から映し出すのもリアリティの極みでした。 そしてなによりも、この映画の肝はメキシコの現状を見て揺れ動く価値観、倫理観でしょう。現実の残酷さをそのまま映し出した作品です。
死ぬのでは?の連続で緊張感が凄くあった。最後はうーん。なのだけれど...
死ぬのでは?の連続で緊張感が凄くあった。最後はうーん。なのだけれどそこ以外はとてもとても面白かった。容赦無い復讐。車で移動の時とかセリフない場面での没入感がすごく喉が渇いた。
「サノス」を従える「チェ」
Dビルヌーブ監督は「複製された男」で自分史上最も難解なテーマを突き付けられたのもあり少し敬遠していたが、脚本のシェリダン氏が昨今巷で話題で、じゃあ遡ろうかと今作鑑賞。 文字通り、「サノス」と「チェ」がメキシコの麻薬カルテルに挑むのに、綺麗所連れて行こうか、て感じ。 「チェ」のデルトロはセリフ少なく物静かだが存在感は「サノス」プローリンより圧倒的。 ケイトを連れて行ったのも、男を誘い出す道具として連れて行ったのだろう。 そのくらいアレハンドロの復讐心は凄まじく、マットもそれを利用してる。 ケイトはそこに利用されてしまった事を、サインする事で止む無く受け入れ、自分の中の「ボーダーライン」を越えてしまった。それでも止まらない悔しさが、あの銃に込められたのでしょう。 件のシェリダン脚本ですが、今回は面白かったが唸る程でもなかった。また他の作品で味わおう。
ドキュメンタリー感覚で観るべき作品
あまり多くを語らず、視聴者に委ねるところが多い作品です。場面場面の繋がりがサラッと描かれていてわかりにくいので、しっかり観ていないと私のように状況がわかるような、わからんような…というふうになってしまうので注意です。 鑑賞後に解説等を拝見して、自分なりにではありますが理解を深めてからレビューをしているので、そこはご安心ください。 物語の性質上、話をはぐらかされ続けるので、もやもやします。そうしてもやもやを抱えた先に、隠されていたことが明かされますが、わかってスッキリ!となるような内容ではありません。 終始重々しく、特に終盤は哀しさや虚しさ、息苦しさを感じました。スッキリ爽快な気分になりたい時にはおすすめできませんので注意。 彩度が低く、色あせたような色調が作品に合っていました。ドゥニヴィルヌーヴ監督は絵作りが上手いなあと思います。特にトンネル突入前の沈む夕日に浮かび上がるシルエットがとても格好良かったです。 主観での暗視スコープの演出は緊張感と臨場感がありました。 演技面も良かったです。エミリーブラント演じるケイトはキリッとしていて芯が強そうな女性なのですが、ストーリーが進むにつれて辛そうだったり物憂げな表情を見せるので、とても感情移入してしまいました。 ダニエルカルーヤも脇役ながらいい味出していました。本作の良心で癒し的存在です。 ベニチオデルトロはさすがの存在感で格好良かったです。彼が映ると画面が締まりますね。何を考えているのかわからなくて怖いけど優しさも垣間見えて、いいキャラでした。 作戦の動向よりも、疎外感にイラついたり、善悪のボーダーを越えた世界に心が付いていかず苦悩するケイト、の印象が強く心に残りました。 ただ、視聴者目線では、映画での所構わずドンパチする事態に慣れてしまっているので、本作が現実に忠実で、ケイトがFBIとしての規定や秩序を重んじてきたのがわかっていても、あまり共感はできませんでした。 むしろ作戦の内容や目的をはぐらかされ続ける上にFBIでは優秀とされているにもかかわらず、素人扱いされる無力感の方が辛かったです。 本作はドキュメンタリー感覚で観るべき作品なのだと思います。 邦題の『ボーダーライン』、私は好きです。そのまま国境の意味もありますし、善悪や倫理の境界の意味も持たせています。作品の雰囲気にもあっていると思います。 原題『SICARIO』(スペイン語で「暗殺者」)の方が脚本の意図に関しては伝わりやすいですね。視点が変わります。 余談になりますが、私は字幕で鑑賞しましたが他の方の解説を読んでいると、ニュアンスが伝わらないセリフがあることに気づきました。ラスト近い場面なので細かく書くことは避けますが、観ている時に違和感があった部分だったので納得でした。作品の雰囲気としては翻訳を簡潔に短くした方が似合うのはわかるのですが、意味合いが伝わるようにして欲しかったです。吹き替えだとどうなのだろうか。英語を聞き取れればそれが一番なのですがね。
静かで熱い暗殺者
静かに青白い炎が燃え続けるような2時間。 その静かさで全編通して緊張感が満ち溢れたものになっている。 進行も登場人物もリアルに淡々と。 あるのはそれぞれの目的だけ。そのためには、感傷を一切廃した世界。 まさに狼の地。 ベニチオデルトロカッコ良すぎるな。
惜しい
ウインドリバーを観てドゥニ・ビルヌーブの映画ということで、期待してみた。 話としては面白いが、途中の間延び感と最後の相手のあっけなさが露呈していた。 麻薬組織も、最初は過激なシーンであったが、その後は何もなく、もう少し過激なシーンを見せてもこの映画的にはよかったんじゃないかと思った。 主人公も個人的に感情に左右されすぎてあまり好きになれずイラっとくる場面があった。 惜しい映画だと思った
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