「それでこれなんの話だっけ」3月のライオン 前編 Scottさんの映画レビュー(感想・評価)
それでこれなんの話だっけ
冒頭で将棋を指すシーンが多いんだけど、みんな指先がおぼつかないのね。人気の役者さん達だし、駒を打つ練習時間も取れなかったんだろうなあって。若干萎えるものの、まあ将棋のシーンはそんなに重要じゃないんだろって頑張ってみてくの。
なんか盛り上がりなく淡々と進む序盤なんだよね。趣味の良くない将棋バーのママが「わーい、筒井真理子さんだ!」って思ったくらい。
そのあとあの一家に拾われて、わーいってやってると有村架純が出てきて。「え、なに?有村架純は実は神木隆之介が好きなの?」って感じの迫り方なんだけど、そうじゃないよね。
それからまた将棋の話に戻って、A級棋士侮って負けたり研究会に入れてもらったり、新人戦で親友が負かされたから怒ってやって勝ったりして、最後は名人戦で誰も見つけられなかった絶妙手を見つけて終わり。この辺、将棋も重要だからね、それらしく見えるように練習したほうが良かったと思うよ。
それでなんの話か解んないんだよ。後編観たら解んのかも。
全体的に説明が不十分なんだよね。美咲さんなんて、何の説明もなく突然画面にいたから。
神木隆之介の役が感情の起伏がない設定で、裏の事情もあんまり説明されないから、感情移入が全然できないのね。なんか突然感情的になるんだけど「どうした?神木くん?」って思う。
有村架純も事情説明されないなかで感情的になるんだけど、ここはうまい。「お前さすがだな」って感じ。前半は「有村架純でもってんなあ、この映画」と思ったの。後半は染谷将太もさすがで、ああ良かったと思ったね。
あとね、将棋のシーンの局面がちょっとひどい気がする。角頭に金打って「おお!」とか、角引いて王手で「おお!」とか、普通の手じゃないかな。
子供時代の神木くんは、囲いが全然崩れてないのに飛車打たれて投了だしね。「監修入ってないの?」と思ったら将棋監修・先崎学だった。全局面チェックしようよ先崎さん。
大友監督の《るろ剣》は凄かったけど、それ以後は「及第点だ!」ぐらいなんだよね。それでも十二分に凄いけど。それで説明不足で観る側で補ってかないといけないのも、大友監督の特徴だったなあと思い出したよ。