グッドモーニングショーのレビュー・感想・評価
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湾岸署がテレビ局になったような躍動感
テレビ番組製作の内幕──そこで働く人たちの躍動がリアリティに溢れ、それに加えて、ぐいぐいな演出が瞠目だった。面白くて、びっくりした。
wiki見たら君塚良一は踊る大捜査線シリーズを手がけた監督だったが、主にテレビ畑の来歴だった。
祈りの幕が下りる時や七つの会議を見たとき、すぐれた演出力に感心したのだが、監督の福澤克雄もテレビ畑の人だった。
いかにも現場で長年やって培われたかんじの職人的手腕が、共通していると思った。
職人系監督は、外国の、よく知らない映画祭で賞を取る、ようなことはないが、実質、それより面白いものを作ると思う。
そう思うのは、日本の映画業界が、未成熟な鬼才を賞揚する傾向があるから。アートやエキセントリックを気取った映画を偏重する傾向がある。
アートがいかんと言いたいわけではないが、さいきん、むしょうに崇められている女性写真家の映画を観ているとき、ふと、この人は映画演出を学んだことがあるんだろうか、という素朴なギモンが湧いた。
それはさておき、映画は、冒頭から、踊る~の湾岸署が、そのまま放送局内になったかのような躍動感で、いっきに引き込まれた。
──全国番組をつくっていることの優越。特化された緊張。鮮やかなめまぐるしさ。マスコミ志望者が、そこをあこがれの職場とするのが、よく理解できるリアルさだった。
とはいっても是枝映画のようなリアリズムでなくて、軽妙もあるリアルなのだが、必然的に、役者の真価が、露わになっていた。
いちばん、テレビの人としか思えなかったのはディレクター役池内博之で、自然すぎ──圧倒的にそれな感じだった。立てこもりの第一報のあと池内博之が「確認して」と言うんだが、芝居感のないセリフのリアル度がすごかった。
木南晴夏も場慣れ感が巧かった。
また、どこに出ていても社畜かヒールなのだが、憎まれ役の条件を満たしつつ、ぜんぜん目立たない小木茂光がやはり巧かった。
林遣都は下手な役者ではないが、熱血型の芝居がやや仰々しかった。
こてこてな対爆スーツを着込んだキャスター澄田(中井貴一)が「目」になってリアルタイム放映をするのだが、重量スーツで牛歩になっているとき、番組スポンサーのライバル会社の看板見るなとか指示されるところ、すごいおもしろかった。
ワイドショーと報道部が対立しているところ、澄田の家庭内不和、押しつけがましくない社会風刺、頬に泥塗るエピソード、顎掻く伏線の生かされ方──そうとう脚本も練られていた。
あと、エクレアがすげえ旨そうだった。
中井貴一の無駄遣い。あちゃーってやつ
サビが弱い
中井貴一さんのコメディセンスが十分に生かされなかった作品。但し、早朝のモーニングショーの裏側のドタバタシーンは面白い。
中井貴一さんの俳優の資質の幅広さ(喜劇からシリアス現代劇、時代劇までを高いレベルで演じられるスキルの高さ)は、皆が認識している事だろう。
ここ数年で劇場で拝見した作品で印象深かったのは
1.三谷監督の「ステキな金縛り」(絶品)の幽霊が見えているのだが、それを頑なに否定する検事役(彼の亡き愛犬と戯れる場面は忘れがたい)
2.「柘榴坂の仇討」(良作)の主君を討たれ、江戸時代が終わってからも時代の変化の波に乗れず、髷も落とさず仇討を果たそうとする武士
3.「アゲイン 28年目の甲子園」(佳品)の高校時代、野球部のキャッチャーだった男が一人の若き女性(波留さん)の熱意に絆され、過去の苦い思い出を乗越え(かなり涙を堪えるのが難しい場面の数々)、 マスターズ甲子園に出場する男
4.「花戦さ」の織田信長
であるが、この作品では中井さんの資質が活かされきっていない感があった。
落ち目で、妻との関係もギクシャクしているモーニングワイドショー番組キャスターが立てこもり犯の説得役として、オロオロしながらも現場に防弾使用で赴き、犯人とやりとりをする過程やモーニングショーの視聴率至上主義を金科玉条のように掲げる姿勢はそこはかとなく面白みはあるのだが、そこからの展開がやや尻すぼみ感があった。
キャストは豪華だし、脚本がもう少し練られていると更に面白かったのになあ、と思った作品。
<2016年10月8日 劇場にて鑑賞>
inフジテレビ
まじで面白くない。 フジテレビが必死にテレビ局を美化しようとしてる...
まじで面白くない。
フジテレビが必死にテレビ局を美化しようとしてるだけの三流駄作。
途中からそれに気づきエンドロールの制作に絶対テレビ局入ってると思って見てたら案の定フジ(笑)
これで感動するやついたら信じられない。フジの思う壺。
中井貴一は好きだし志田未来も可愛いけどこれは本当にクソ。
フジ、くだらない事すんじゃねえよ。
アンケートありえない
嫌いじゃない
悪くないけど惜しい
中井貴一の主人公はとても良かった。志田未来も脇役ながら良い味出してた。でも長澤まさみはちょっと現実離れしすぎてたな。
フィクションであることは重々承知してるし、それはそれで面白いのだと思うのだけど、それでももっとリアリティを高める術はあったはず。
序盤の放送直前のゴタゴタなんかはまさにテレビ! って感じで良かった。実際の現場なんて見たことはないけど、リアリティを感じた。
メインの立てこもり事件と事件現場のあれこれは、逆にエンターテイメントとしてのフィクションに振り切れてて楽しかった。
でもラストがダメだ。序盤の伏線をうまく回収するための展開なのだろうけど、それでもさすがに無理がある。正直一気に冷めたし、終わり悪けりゃすべて悪し、だ。
惜しい作品だった。
今日も低俗と傲慢をお届けするワイドショーの時間です
君塚良一が描く、ワイドショーの世界。
『踊る大捜査線』『誰も守ってくれない』で知られざる警察の世界をリアルに描き、今度はワイドショーの世界を興味深く描くのかと思ったら、まさかのコメディ…!?
朝のワイドショーのベテランキャスター、澄田。
その日は朝から面倒が。まだ学生の息子がデキ婚すると言い出したり、同番組の女性キャスターが関係をバラそうとしたり、番組の打ち切りが宣告されたり…。
さらに、カフェで立て籠り事件が発生。犯人の要求は、澄田の現場からの中継…!
朝の生放送が始まる前の大忙殺風景。
コメディもお手の物の中井貴一の安定演技。
現場に立てなくなった澄田のある理由。
徐々に判明していく犯人の素性、動機…。
ワイドショーと報道部のぎくしゃく。
視聴率ファースト。
TV局の裏事情。
風刺もチクリ。
テンポも良く、手際よく、面白く作られている。
…だけど、目から鱗のような優れた作品には思えなかった。
何だか作り手側と見る側の感覚のズレも感じたし、TV局の傲慢が見え隠れした。
まず、娯楽作としては面白いが、コメディにしたいのか、サスペンスにしたいのか、ドラマにしたいのか、よくあるどっち付かず。
コメディにしては弾けず、サスペンスは盛り上がらず、ドラマなら軽い。
滑稽という言葉が一番しっくり来る。
犯人の動機も拍子抜け。これで視聴者の声を代弁してるならちゃんちゃら可笑しい。
何より感じてしまったのは、ワイドショー擁護臭。
劇中の立て籠り事件もそうだが、本当に伝えなければいけないニュースより、芸能ゴシップやスポーツやグルメや占い優先。
それら低俗を恥じりながらも、視聴者が見たいものを見せると、一見視聴者側に寄り添ってるようにも思えるが、その実は視聴率の為の媚び媚び。
まるでTV局から作り手側に、ワイドショーのイメージアップする映画を作ってくれと頼まれ、作った映画のように思えて仕方なかった。
また、ラストのある視聴者投票の結果。
人一人の命という意味ではハッピーエンドかもしれないけど、あれは明らかにTV局の歪曲…。
そういった実態。
傲慢な作り手側とワガママな見る側。
低俗なものを作るTV局と、ブーブー言いながら低俗を見る視聴者。
ワイドショー、低俗、万歳!
もしこれ、ブラック・コメディとして作ったのなら、見事。
真面目に作ったのなら、凡作。
本作はフジテレビムービー。
それとも、何かとやらかし、お騒がせしている同局を表していたり…?
フジテレビっぽい
番組開始直前のテレビ局の現場は、テレビ局が作った映画だからリアリティー高い。
次から次へとニュースソースが更新されて、トップを何にするかの取材者のプレゼン合戦、細かいコーナーの裏事情などは、多分本当なんだろうなと思う。
ただ、キャラクターの描きこみが薄い。
中井貴一と時任三郎、この2人の配役は完全に80年代ドラマファン向けなんだろうし、中井突入時の「勇気のしるし」は時任に言わせて、と思ったが、関係性はよく分からずぼんやりして思い入れが出来なかった。
長澤と志田の女子アナ同士は、仲良いのか悪いのかぼんやりだし、スタッフの中でも誰が現場で一番偉いのか、多分松岡なんだろうが、その役職もよく分からず、局内での関係で面白かったのは、報道班とバラエティ班の色分けの極端さ位。
そもそも中井の家族の話、長澤との本当の関係がハッキリ描かれてないので、全部ボンヤリして進行する。
濱田とのやりとりも、キャラが不完全で濱田のアドリブが多そうで大変そう。可哀そう。
良くも悪くもフジテレビっぽい。
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