「原点回帰した、これぞコミックヒーローだ!」デッドプール Cディレクターシネオの最新映画レビューさんの映画レビュー(感想・評価)
原点回帰した、これぞコミックヒーローだ!
ユーモアセンスに長けてて、
単純で、ガキに媚びてなくて、
ギャグも皮肉で、ちょっとエロくて、
リアルなグロさで、余裕なヤツ。
スパイディもいいけど、
マーベル完全大人向けヒーローが、
シネマ登場だよ!
なんか最近はネタ切れ感が否めず、
正義に苦悩したり仲間同士で戦ったりするヒーローたちに、
ムズムズしてたんですが、
満を持してのぶっ壊れヒーローに、
爽快な気分。
お子様排除なのも、気持ちいい。
元傭兵で、バーで愚痴って、娼婦に恋して、
気まぐれなストーカーを退治の仕事。
そんなダメ男がそのまま等身大ヒーローなんて、
サイコーじゃないか!
つーか、個人的な復讐に燃えてるだけなんで、
むしろヒーローでもないんだけど(笑)
アベンジャーズが勧誘してくるとこも、
笑っちゃう。
米国では2月公開作品としても、
20世紀FOX映画としても、
R指定映画としても、
オープニング興収史上最高記録を叩きだした。
そんなすごい映画らしいです。
実はマーベル「ウルヴァリンX-MEN ZERO」で、
すでに登場してるんですよねデッドプール。
この時もライアン・レイノルズが演じていました。
この時のデッドプールは手から刀がはえて、
目からビームが出て、口を縫われて、
もう原作ファンから激怒くらってましたね。
だから今回の忠実な赤いデッドプールを、
待ち望んでた人は多かったのでは。
ちなみにライアンはブルーランタンも演じてるから、
もうメチャクチャですが(笑)
デッドプールは
自分がキャラクターだと認識してるから、
観客に語りかけたり、
少ない制作費に文句言ったりする。
次々に出てくるファンタスティック4や
X-MENやアベンジャーズのマーベル自虐イジリも、
笑わずにはいられない。
主人公は映画マニアでもあるから、
レアなネタもうじゃうじゃ。
いろんな奴にうるさがられても、
ましてやピンチになっても
決してユーモアを忘れない。
トニースタークもそうだけど、
ユーモアがでてくる余裕って、
なんてかっこいいんでしょ。
こういうのってダラダラしちゃうと
飽きちゃうんだけど、
脚本が秀悦!
誕生秘話と復讐話とラブストーリーが
見事に交差して、
ストーリーが魅力的に。
あっという間に楽しい時間が過ぎていきます。
そして飽和状態のVFX表現で、
チャレンジブルな新しい手法が目立った。
戦いもスタイリッシュだし
見せどころも存分に仕込んである。
B級の佇まいなのに
完璧なクオリティで攻めてくるのは、
さすがマーベルだなぁ。
お約束エンドロール後のプロローグも、
ぶっ壊れていて新しかったね。
予習しないと分からないくらい、
コミックヒーローが難しくなっちまった今、
原点回帰したシンプルな面白さで
世界中の観客の心をつかんだ今作。
そうそうゲラゲラ笑えればいいじゃん、
しょせんマンガなんだから(笑)