ザ・ギフトのレビュー・感想・評価
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ジョエル・エドガートンの初監督作は静かに怖い心理劇
長編初監督作品で、脚本も自ら書き、こんなダークなストーリーを映像化するなんて。エドガートンが抱える心の闇はどれだけ深いのかと勘ぐってしまう。
愛想のいい、いかにも成功者という感じの夫・サイモンにジェイソン・ベイトマン。優しく明るいが少し神経質そうな妻にレベッカ・ホール。そして、2人の前に現れたサイモンの高校時代の同級生で、夫婦への奇妙な贈り物をエスカレートさせていく男に、エドガートン。このキャスティングが絶妙だ。
新居で幸せいっぱいに新たな生活をスタートさせたと思ったら、おかしな隣人からの干渉が始まって……という、ホラー映画でありがちな序盤から、まず予想のつかない驚きの展開が待っている。
人の心の醜さ、執念、復讐といった、ある意味ありきたりの要素を組み合わせ、これだけオリジナリティーあふれる心理劇に仕立てたエドガートン監督の力量に驚嘆。そして、ラストの衝撃に戦慄した。
ゴードンの氷のような無表情と生気のない目が怖い
気持ち悪いエンディングに脱帽。面白かったポイントは2つある。
1つめは、ゴードンが不気味で怖い。
笑顔の無い氷のような表情と、生気のない目が怖い。目が合ったら殺されそう...コイツが家の外に立ってたらビビるわ。髭とピアスのせいでゲイにも見えた。
もしサイモンに人生を狂わせられなかったら、笑顔で溢れる明るい人生になってたんだろうか。自分も中学の時いじめられっ子だったからゴードンの気持ち分かる。不気味だけど境遇考えると感情移入してしまう不思議なキャラ。
2つめは、エンディングで考えさせられる。
サイモンの子かゴードンの子か、明かされない曖昧エンド。サイモンの子だったらサイモンが改心するグッドエンドだし、ゴードンの子だったらサイモンにとってはバッドエンド。どっちの子かで後味が大きく変わるので考えるのが楽しい。
自分は赤ちゃんの目が色が青っぽかったからサイモンの子だと思う。自分の心情としては、サイモンは根っからのいじめっ子でクズ野郎で好きになれない。だからゴードンの子エンドでサイモンを地獄に叩き落として欲しかった。人の人生踏み躙った代償は償わせるべき。ただそうなるとロビンがあまりにも可哀想だよな...。
いじめられっ子の想像を絶する復讐劇に感服。これを思いついたゴードンは精神を攻撃する天才だと思う。観賞後に題名の意味を知ると恐ろしい。みんなはどっちの子だと思う?
サイコサスペンスの体裁だけど
普通のサイコサスペンスものに留まらないテーマがある作品で、楽しめました。
程度は違え身に覚えがある事(サイモン側でね)をした者にとっては、見につまされる映画でした。
その点で、幾多あるこの手の映画の中では、一線を画するものがあるように思います。
脚本が素晴らしくテンポも良い。
脚本が素晴らしく、俳優陣の演技も実に自然で、スリリングに話が展開する。"誰が責められるべきか?"については早々に読めたが、最後のオチはどんでん返しだった。サイモンのような性格の人間は僕の勤め先だった所にも何人か居たのを思い出した。
何度も届く、恐怖。
原題
The Gift
感想
全米スマッシュ・ヒット!4週連続TOP10入り!
某有名レビューサイト満足度93%!
何度も、何度も届く恐怖の贈り物の真実とは?
登場からどことなく不気味なゴードン、左耳のピアスが気になりました笑
序盤でなんとなくオチは少し予想できてしまったのが残念でしたが最後のギフト不気味です。
妻がレイプされた?俺の子?ゴードンの子?目を見れば分かるって…人に弄ばれるということはこういうことです笑
サイモンの徐々に暴かれていく本性がヤバかったです。昔はいじめっ子、そしてライバルへの不正偽装と…。
いじめっ子はいじめっ子で全てを失い自業自得です。
ロビンが一番の被害者笑
ボージャングルのなにかを訴えていた眼差し
※サイモンサッズ
※不気味なゴード
【”苛めた側はその出来事を忘れるが、苛められた側はその出来事を決して忘れない・・。”ジョエル・エドガートンの作家性溢れる、サスペンスフルな秀作。】
■妻・ロビン(レベッカ・ホール)を連れて帰郷し、生活を心機一転させたサイモン(ジェイソン・ベイトマン)。
そんななか、高校時代の同級生・ゴード(ジョエル・エドガートン)と25年ぶりに再会する。
だが、それを機に彼から贈り物が次々と届けられる。
2人は不気味なものを感じ、さらに贈り物に隠された恐ろしい秘密を知り愕然とする。
◆感想
・今作は、大変に怖い映画である。
高校時代に苛められて居たゴードはその出来事により人生を狂わされ、苛めた側のサイモンはその事実すら覚えていない。
・そのサイモンが、故郷に新たなる仕事を得てやって来る。ゴードはその事実を誰にも教えられていないのに、お祝いのワインを持ってやって来る。
- サイモンはゴードと会った際に、最初は分からない。だが、ゴードはサイモンの事をしっかりと覚えている。
この作品が怖いのは、若きサイモンがゴードに行った苛めのシーンが描かれていない事である。だが、サイモンの苛めによりゴードの生活が破綻した事が暗喩されているからである。-
・更に怖いのは、ゴードのがサイモンの新居に勝手に入って、鯉を庭に放っているシーンであろう。更にサイモンの妻であるロビンが且つて服用していた導眠剤の見せ方であろう。
<子供が居なかったサイモン。だが、待望の子供の父は誰で有ったか・・。
妻、ロビンに自らの若き時の苛めを責められ、且つロビンが産んだ子供の父親は誰か・・、に対する疑念を抱き、祝うべき病院の廊下で頭を抱えるサイモンの姿。
今作は、明かなる真実を敢えて描かない事により、観る側に真実の解釈を委ねる映画である。>
じわじわ怖くて気持ち悪い
終始暗い雰囲気でじめじめした映画でした。
じっとり、気まずい空気を丁寧に描いていて
チープな雰囲気は一切なく良かったです。
しかし自分は血みどろブシャー系が好きなタイプなのであまり合いませんでした。
恐ろしい、、、
途中までは、同級生だという男が一見まともかなと思いつつなんだかんだ不気味ですが、本当に恐ろしいのは夫の方だったと。
とにかく夫の人間性が最悪。
謝罪しにきてあげたんだから受け入れろとか、もはやそれは謝罪じゃない😅
妻は夫の人柄に気づかなかったのか?
まあ妻に対しては優しく常に寄り添ってる感じではあるから気づくのは難しかったのかな。
ラストは(おそらく)赤ちゃんが"ギフト"ってことなんでしょうが、いじめっ子の夫に復讐を果たしたとはいえ、特別スッキリはしなかったですね🤔
どんなに自分をいじめてた奴が絶望を感じていても、自分がいじめられた過去が癒されるわけではないですしね、、、
リアリティがあるかと言われるとちょっとあり得ないかなとも思いますが、そこらのホラー映画よりはかなり怖かったです😱
夢オチの曇りガラス拭き取るシーンとか特に笑
予想していたのは、善良な夫婦が不気味なストーカー男に苦しめられると...
予想していたのは、善良な夫婦が不気味なストーカー男に苦しめられるというストーリー。
実際はストーカー男は思ったほどの悪人ではなく、むしろ旦那のクズっぷりが印象に残った。
様々なプレゼントをする男だが遂にはそんな「贈り物」までするか!
おそらく男はレイプまではしていないと思う。
だが、疑惑の念を起こさせることはできた。
これで男の復讐は成功と言えるだろう。
本当のギフトの意味に…(怖)
俳優のジョエル・エドガートンが、初めてメガホンを撮り、本人自身も犯人役として演じている作品。あまり話題にはならなくて、我が郷土では上映しているところも無く、観逃していたのだが、huluで鑑賞。何気ない日常が、次第に追い詰められ、忍び寄る恐怖によって、カタストロフィーへと導く様を描いたスリラー・サスペンス。
仲むずましい夫婦が、新しい生活を始める為に、転居した先で、夫の同級生の男と出会う所から、その恐怖はスタートする。その男の事は、夫も忘れているほど、決して仲の良い男ではなかったのだが、男からは新居に様々なギフトが届くようになる。最初は、再会を喜び合い、食事を共にしていたが、次第にギフトもエスカレートし、男に対する不信感が漂い始める。そんな折に、池の鯉が殺されたり、飼い犬が行方不明になったりもする。
男への疑念が膨らむ中、妻は、その男と夫の高校時代の秘密を知ってしまう。そして、真実が明らかになった時、サイコパスとも思える男の執念によって、夫婦の関係は、破局の道へと転がり始める。そんな中、妻は子供を身ごもるのだが…。タイトルの『ギフト』に込められた、背筋が凍るような真の意味が、明らかになっていく。
男がヒタヒタと忍び寄るホラー要素、隠されていた過去の秘密を暴くミステリー要素、そして、幸せな生活が次第に崩れていくサスペンス要素と、低予算ながら、最後までハラハラさせる、非常によくできた作品として仕上がている。ジョエル・エドガートンの監督としての手腕も、なかなかであることを実証した作品となった。
恨み節...この映画勧めた人を
何だよ💢Amazonプライム・ビデオ見放題作品じゃないよ。レンタル500円だよ。
ご存知の通りAmazonプライムビデオは全部が見放題では無い。一部有料の映画があります。
一体どう言う基準なのか?この映画はまさか買う人がいないと思いますが500円掛かります。
お金返してと言うより、まずはこの映画勧めているYouTubeがいると思うけど、勧めるのやめてもらいたい。あんたが進めた所で徳は無いですよね?カンベンしてよ。被害者の1人です。そうレビューを入れると言う事は、もう遅いのです。ただが500円ですか?カンベンしてよ。何が面白くて勧める訳?途中、夢オチのカットも入れてるし、ドンでん返し映画でも無く、ホラーでも無く。つまらない映画です。絶対進めません。何が因果応報だ。この映画じゃなく。この映画を勧めた人、恨みます。
ぞくっとする
けど中身は奥さん寝取ったかも?どう思う?という復讐物語なので後味は悪くて気持ち悪い。うえっ、優しくしてくれた奥さんに薬盛って撮影かよ!
「幸せになるべき」っていう台詞だし、襲ってはいないんだろうなと思う。主人公を疑心暗鬼にさせて、過去の復讐を果たしてる。まあ離婚して慰謝料とかかな?奥さんからの愛情は望めなさそうだし、結局家庭崩壊かな…とかいろいろ考えちゃった。
まあでも旦那が言ったら泥かぶってトラウマになるの奥さんもだし悪手じゃない?とも思った。
これも好きなブラムハウス製作作品♪
突然色々なギフトをもらっても困っちゃいますよね、いい人そうだとしても・・どんな人が何を企んでるかわからないものですね~ただ、仕返しされて当然の奴もいますけどね。 レベッカ・ホール素敵でした(^-^)
2000年代のシックスセンス。平成のシャイニング。とにかく、それぐらいの映画。
適当なホラー映画はないかと漁っていて見つけた本作。
メチャクチャ面白かった。
今まで観たホラー映画の中でも最高だったかもしれない(ややサスペンス寄りだが)。
紛うことなきAAA級の作品であったことを、まずは報告しておきたい。
さて、ネタばれありなのでズカズカ切り込んでいこうと思う。本作は”不気味なゴード”こと監督兼のゴードが、カリフォルニアに越してきた円満夫婦の元に襲いかかる!という展開なのは前半まで。後半からは因縁の過去と向き合う、リアルな復讐の物語へと変貌する。
まず、何よりも言及したいのが監督兼ゴード役を演じられたジョエル・エドガートンの存在感。もう、この終始今か今かとゴードの爆発を期待していた身としては、その決して弱そうには見えない(日本人基準で見ると普通にイカツイ笑)風貌と、不気味さを感じさせるも、どこか優しさも垣間見えるような瞳に魅了されたハズだ。
出てくるだけで場面に緊張感を持たせるその存在感は、この映画の骨組みと言っても過言ではないだろう。
その他の俳優陣も素晴らしい。ジェイソン・ベイトマンのサイモンというキャラ自体には前後半に渡って大きな変化は無いにも関わらず、そのまともに見えた振る舞いへの見方がガラッと変わってしまう。
レベッカ・ホールもどこか情緒不安定で、この物語の穴や弱点になりそうな不安感を誘う演技だった。それでも決してヒステリーにはなり過ぎず、最終的にはサイモンへと全ての矛先が向かっているような感じで、絶妙なポジション。
当初には妻と家庭を守るという気持ちが有ったサイモンからゴードへの当たりが、結局は自分の醜い過去を掘り起こす結果に終わったような構図で、面白い。それに何より、ロビンは終始蚊帳の外な構図も、この後の考察に繋がってくるだろう。
さてさて、ようやくお待ちかねの考察タイムに入りたいと思う。本作は不気味なゴードの襲来に四苦八苦する単調なホラーではなく、むしろ後半からはサイモンが悪役に変貌する復讐の物語、そして”罪”の物語でもある。
ここで整理しておきたいのが、最初に会ったのは偶然なのか?妻ロビンも復讐対象なのか?ということ。
これらに関しては各感想サイトでも述べられているように、最初に出会ったのは偶然で、当初は本当に仲直りの気が有ったであろうこと。そして、サイモンの妻であるロビンは全くもって復讐対象ではないどころか、ゴードにとっては純粋なる施しの対象であったことは間違いないだろう。因みにこの構図を基準とすれば、最後にして最大の謎へのヒントにも繋がってくる。
そもそもゴードとサイモンはどういう関係なの?という点をおさらいしよう。これは劇中でも述べられていた通り、ゴードとサイモンは同じ学校の同級生で、ゴードはサイモンの”嘘”を八端とするイジメによって人生を破壊された人間だ。
もう、これだけでサイモンに対する同情の余地など無いだろう(笑)。
つまり、”ゴードとサイモンだけが”当初からその事が頭の隅に有る状態で過ごしていたことになる。途中で加わる勝ち組夫婦×3や隣人は何の関係も無かったので、深読みする人ほど無駄な苦労をしたかも?
そうそう、本作はこのようなミスリードが凄かった!当初は誰もが抱くであろうゴードという不気味な男が襲いかかってくるストーリー。その期待に答えるかのように家具屋での不気味な登場をはじめ、その後も期待通りに家に侵入されたり鯉が死んだり実は俺ん家じゃないよトリックを仕掛けたり、
『ハハァ~ンやっぱりこいつはヤバいのね~』と、上手く鑑賞者は騙されていたことだろう。
ここで勝手に寸止めと命名させて貰うが、この寸止め描写が凄かった。一回目は家に誘われた時。不自然に席を離れるゴードに鑑賞者は『なんか仲間でも連れてくるんじゃないか?』『実は仕事人(意味深)やってます★』なんて告白からのゴードの変貌を期待していたハズだ。個人的にはワルキューレの騎行が流れるシーンが超絶お気に入り(笑)。監督はほくそ笑みながら台本を書いていただろうな(笑)。
そして、極めつけはサイモンの謝罪()シーン。遂に一対一で向かい合うゴードとサイモンに場面の緊張感はMAX。鑑賞者の止めろという気持ちを振り払うかのように、謝罪を受け入れろパンチ&キックをかましまくるサイモン。鑑賞者はとうとうブチ切れるゴードを期待したハズ。
しかし!そこでもゴードは終始冷静なままなのだ!これでいよいよこの物語が分からなくなってくる。(結局、寸止めされずに発射されたのは犬の件とオチぐらいだったような・・)
一体ゴードは何を考えているのか?この物語はどういう方向性に向かっていくのか?それは唐突に訪れた・・・・。
なんと、、、、
ギフト(赤ちゃん)を仕込んでやったぜえええええざまあああああ!!!!!
という、分かった瞬間に軽く頭がスパークするようなオチに(笑)。
なるほど!
”ギフト”だから最後に最高の”ギフト”送ってやりましたよってことね(ぶははっ)みたいな、久しぶりに脳みそが喜ぶ映画を観れちゃったよ~。
単純に私の勘が悪かったせいで、最後の最後でなるほどおおお!という感覚を味わえたが、思えば不自然に妊娠ネタや赤ちゃんネタが多かった。ガッツリと出産シーンをやったのもちょっと意味不明だったし、イジメのネタとかで頭が一杯になってると気づかないね、これ(笑)。
で、これで終わらないんだな。こちらはメタ的な視点にもなってくるが、実は”ゴードの子ども”かどうかは分からないし、そもそもレイプされたのかどうかも”分からない”んです。
これがミソなんですね~。
つまり、ゴード自身もゲイで犯されたという全くの”嘘”によって苦しんだ人間であり、だからこそサイモンに対しても『俺の子どもかもw』という嘘で苦しませる。そしてその真実を追求しようとすれば、それを知らない妻ロビンをも傷つけてしまう。
最高の構図なんですね~これがw(今更ですがゴード応援派です)
メタ的にはギフトで掛かっていて、ならそれ以前のギフトの意味は?となるとこちらは全くもって善意による普通のギフトだった可能性が高い。再会して互いに大人になった状態で優しいゴードが最後のチャンスを与えても、傲慢でイジメっ子体質のサイモンは変わっていなかった。
だから最後の最後で、”悪意満点の復讐のギフト”を送ったわけです。
この物語のミソって、ゴードは最初から復讐心MAXだったわけじゃないってところだと思うんです。それでもゴードが始めから不気味で少し常識外れなのは、ある意味イジメられっ子体質なのだという描写とも受け取れる。
サイモンのイジメだけじゃなく、ゴードにも人間性的な問題があるのだという提起にも見えるのだ。しかし、これはイジメによって変化してしまった可能性も有るので、真相は闇の中。
そして!肝心の”ゴードは仕込んだのか?”という点なのだが、一回の交わりでどうこうみたいな論はこの際排除するとして、私は無い票に投じたいと思う。
そもそもゴードの匂わせは嘘であるという構図でないと、サイモンの嘘によって酷い目に遭ったゴードによる痛快な復讐劇が成立しないのと、何よりロビンは本作で悪いことを何もしていないので笑、ちょっと構図的に?が付いてしまう。
むしろ、ロビンは本作中で唯一ゴードに対して優しく接し、出来るだけゴードの肩も持とうとする女神のような存在です。
それでも、犬や鯉の件と偽の家に誘った件などを鑑みると、一概にそうとは言い切れないのも事実。ゴード自身も先天的後天的はどうあれ、少し変わった人間なので(盗聴器を仕掛けまくってる時点で…)、本当に仕込んでいてもおかしくはないという思考に至らせてしまう。
そんなゴードの存在感と、ジョエル・エドガートンさんの演技がまたしても最高ですね(基本的にどれを切り取ってもエドガートンさんの演技と監督力を褒めることになってしまう笑)。
ここで、どこの感想サイトにも書かれていなかった私なりの解釈を述べてみたいと思います。ずばり、本作には”人間の根底は変われない”という裏メッセージがあるのではないかと。
過去に言及されているのがゴードとサイモンだけにはなりますが、ゴードも、サイモンも、少なくとも高校時代から変わっていないのです。サイモンはゴードを壊した時からずっと変わらずの嘘つきで、今でも昇進の為に平気で嘘を付く真性。そしてとうとう、本作中の終盤で仕事を失ってしまいます。
ゴードに関しては人生を壊されて時間が止まっているとでも言いましょうか。それでも、サイモン相手に暴力を振るわれても特にその場ではやり返すことも出来ず、それまでもサイモンの全く反省の無い素振りに表向きは気弱に振る舞うしか無かった。
サイモンもずっとクソ野郎ですが、ゴードも結局仕込んでいないかもしれないギリギリのラインで(構図としては最高なんですが)の復讐しか、できていないのです。
ここが何ともゴードの弱さと言いますか優しさと言いますか、そんな部分が垣間見えて良い意味でスカっとに振り切れない。モヤモヤとした悲しい気持ちにさせてくれるのです・・・・。
ロビンについても少しだけ薬物(精神安定剤的な方で)漬けだった過去が言及されるので、それから完全には抜け出せてはいないことが分かります。そしてこれは深読みのし過ぎかもしれませんが、もし(サイモンとの)不妊という過去からも抜け出せていないメタ的な構図が有ったとしたら・・・というのは考えすぎか。
いやあ~最高の映画でしたね。色々な意味で。ジョエル・エドガートンの初監督作品ということですが、普通に私のベストホラー映画取っちゃいました。
いじめられっこの復讐劇?
ストーリー的には単純にいじめられっこの復讐劇と言えばいいのかもしれませんが、ホラーは苦手、でもそこそこ怖くてサスペンスは好きと言った人には向いていると思います。
私はこのテの映画は好きです。
最悪な男、サイモンのような人は身近にいるなーと思いつつ、学生時代にいじめられていた仕返し?をするゴードは不気味だけど、気持ちはわからなくもないし、痛快な部分もありました。
最後までテンポよく観れました。
贈り物をくれるだけなのに怖い
とある映画紹介Youtuberさんが紹介していたので、気になって鑑賞いたしました。
予め、中盤あたりまでの簡単なあらすじは知っている状態での鑑賞です。
結論。面白かった!!
序盤は地元に帰ってきた主人公のサイモンが高校時代の同級生のゴードと再会し、ゴードが親切に色々とプレゼントをくれる。やっていることは親切なことなのに段々と不気味に見えてくるという展開です。後半からはゴードの影響で主人公の夫婦にどんどんと不和が生じていく様子が描かれます。ありきたりな言い方になってしまいますが、「一番怖いのは人間だ」系のじわじわと怖い映画でした。
幽霊が出ないしグロいシーンもないし人も死なないのに何故か怖いという、ホラー映画にあるまじき作品。以前鑑賞した『エスター』が幸せな家庭に入り込んで内部から不和を生むタイプのホラーであったのに対して、『ザ・ギフト』は幸せな家庭に外部から不和をもたらすタイプのホラーでした。真逆のベクトルからのアプローチですが、どちらの作品もしっかり面白くてしっかり怖い良作でした。
・・・・・・・・・・
セキュリティ会社に勤めるサイモン(ジェイソン・ベイトマン)は妻のロビン(レベッカ・ホール)と共に、地元の豪華な新居を購入して引っ越してきた。引越しから間もなくして、スーパーで買い物中にサイモンの高校時代の同級生であるゴード(ジョエル・エドガートン)と再会した。ある日、住所も教えていないのにゴードから引越し祝いのプレゼントとしてワインが届いたのを皮切りに、ゴードは頻繁にプレゼントを持ってサイモン宅に来訪するようになる。どんどんエスカレートしていく彼の行動に対して、サイモンとロビンは何とも言えない不気味さを感じていた。
・・・・・・・・・・
久々に会った地元の同級生が、親切に色々とプレゼントをくれる。字面で見ただけでは伝わりにくいのですが、これが映像で見ると実に不気味なのです。最初の頃は「親切な人だなあ」と感じていただけだったのに、プレゼントがエスカレートしていくにつれて「流石に変じゃない…?」と思い始めます。
また、ストーリーが進むにつれて、サイモンとロビンの夫婦が何故地元に引越ししてきたのか、そして夫婦が抱える問題について段々と浮き彫りになっていく描写も素晴らしかった。元々問題を抱えていた夫婦だったのが、ゴードのプレゼントによってその問題がどんどんと顕在化していき、最後には修復不可能なほどに夫婦関係が崩れていく。当初観客に見せていた「仲の良いおしどり夫婦」という仮初の姿が後半になって一気に剥がれていきます。これは中島哲也監督のホラー映画『来る』に近いですね。こういう裏の顔が露わになっていく描写は私の大好物ですので、とても楽しかったです。
あまり不満点の無い映画ですが、敢えて不満を述べるならば、突然の大きな音で観客を驚かせるびっくり演出(ジャンプスケア)が作中に2度も登場すること。個人的にこの手法が嫌いということもありますし、人間関係の不和を見事に描いたジワッと怖い作品なのに、安直なビックリ演出を採用するのはちょっと残念でした。
まぁ、上記のような些末な不満点はありつつも、全体的に見れば非常に怖くて面白く、初監督作品とは思えない高クオリティの作品でした。幽霊も出血もありませんので、ホラー嫌いの方にもオススメです!!
全119件中、1~20件目を表示