十字架(2015)
劇場公開日 2016年2月6日
解説
吉川英治文学賞を受賞した重松清の同名小説を原作に、自殺した少年の両親や同級生たちの20年間にわたる苦悩や葛藤を描いた人間ドラマ。中学2年生の秋、クラスでいじめを受けていたフジシュンこと藤井俊介が自ら命を絶った。遺書で親友と書かれてしまったユウと、その日が自分の誕生日だったサユは、それぞれ重い十字架を背負いながらその後の人生を歩み続ける。一方、フジシュンの父はいじめを知りながらも何もしなかったユウたち同級生を許そうとせず、母は愛する息子の思い出にすがりながら生きていく。主人公ユウを「風が強く吹いている」の小出恵介、サユを「イニシエーション・ラブ」の木村文乃、フジシュンの両親役を永瀬正敏と富田靖子が演じる。監督は「長州ファイブ」「地雷を踏んだらサヨウナラ」の五十嵐匠。
2015年製作/122分/G/日本
配給:アイエス・フィールド
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2016年12月20日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
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重いけれども、痛いけれども、これは意味のある映画。
映画ファンでも知らない人の多いこの作品、もっと知られるべき映画だと思う。
自分に降りかかる良い体験、悪い体験はすべてが記憶になり次第に消えさってゆく。そこで消えさらない記憶というのが思い出なのだと思う。自分にとってとても大切で幸せな思い出と忘れたいのに忘れられない最悪の思い出とを下すことなく忘れずに、その経験をもとにこれからを生きていく。それが人生であるのだとこの映画に教えられました。
また、「いじめ」がいかに悲惨で残酷なことであるかということを改めて知れ、今後一生消えることはないであろうこの社会問題をそれでもひたすら考え続けていかなければいけないと強く感じました。絶対に他人事ではないのだと感じました。
2016年2月18日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館
伝えたい内容もわかります。誰の立場に立っても辛い話です。
でも、映画としてどうなのかな?ポイントを激しく訴えて、詳細は描ききれていない感じがする。
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この映画を観て、同じような経験をしない人が少しでも増える事を願う。
「いじめ」というモノの実態は分からない。
把握もし辛いんだと思う。
なぜ、発生するのかも理解し難い。
そこまで、他人の存在を貶める事が、どうして可能なのだろうか?
だけど、そういうモノがもたらす一つの結果を本作は声を張り上げ叫ぶ。
誰も幸せにはならない。
誰一人、幸せを感じない。
一過性のものと思うのは大きな間違いだ。
…昔なら苦い思い出と苦笑くらいはしあえたかもしれない。
でも、でも、現代のように、あのようなものが横行し、いや…あれより酷い状況だってあるのだろう。
ダメだ。
ひたすらにダメだ。
死んだ事では終わらない…。
何かが、また始まる。
今度は卒業とか節目とかは訪れてこない。
1人でも多く、このような過去をもつ人がいなくなりますように。
そういう切なる願いが、胸に去来する。
そんな作品。
主役が中学生を演じている事に最初こそ違和感を感じもしたが、本作の主軸であろう「降ろせない十字架を背負った人」「継続していく時間」の事を鑑みると英断だったと思う。
実際、それは些細な事だと思えた。
それをも凌駕するメッセージ性がこの作品にはあると思えた。
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