劇場公開日 2016年10月14日

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永い言い訳のレビュー・感想・評価

全238件中、161~180件目を表示

4.0言い訳したって聞いてあげない

2016年10月29日
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鑑賞方法:映画館

笑える

悲しい

幸せ

寡作だが大好きな監督さん、西川美和の最新作。

この方の作品ってフグ刺しみたいだと思う。
繊細で美味しいけど、油断してるといきなり
猛烈な毒に見舞われるような、そんな怖い美味しさ
(↑聞こえは悪いけど絶賛してます)。
とはいえ今回は過去作に比べると毒は控えめで、こう、
もやもやっとした感情はそんなに残らないので、
「そういう後味の映画ヤだー」という方もご安心を。
個人的には逆に少々物足りないとも感じたが、
それはフグ毒に慣れすぎてしまった証拠かしらん。
今回の穏やかな後味もまた慈味です。

* * *

15年来の妻を突然の事故で亡くした作家。だがその
実感も悲しみも湧かず、どこか他人事のような心持ち。
それどころか悲劇のヒロイン(男だけど)となった自分
に酔ってる節もあるし、自分の軽薄な本心が世間に
バレはしないかと内心ビクビクしてる。ダメねえ。
そんな彼が、同じ事故でやはり妻を亡くした男の
家族と接する内、今まで感じられなかった喪失感
を覚えていく過程が、丁寧に丁寧に描かれる。

愚直なまでに妻を愛した男と、その
子どもたちとの交流を通して見えてくる、
妻が自分にしてくれていたこと。
共に歩めたはずの別の人生。
言えたはずの言葉。
家族の記録フィルムのようにぼんやり白んだ、
海辺でのあの幻想的なシーンに涙が出た。

* * *

だが、主人公の成長(&見事な主夫っぷり)や
妻への想いを新たにする過程が微笑ましいだけに、
あの短いメッセージは短剣のように心臓をえぐる。

相手が消えてから「大切だ」と気付き、いくら
愛し直してみせたって、突き放して言えばそれは
てめえ勝手で都合の良すぎる想いに過ぎない訳で、
そもそも死んだ相手に想いを伝える方法など無い。
相手の最期の気持ちを変えるチャンスは、
自分自身がとっくに放棄してしまってる。

泥酔した主人公が言い放つ言葉にも凍り付いた。
家族は人生の意味だが、同時に人生最大の重荷だ。
薄々思うことはあれ、いざ言葉に出されると、
その後ろめたさに倒れ込みそうになってしまう。

* * *

主人公には「俺にあの人の死を悲しむ資格があるのか」
という気持ちが奥底にずうっとあったのかもしれない。
終盤、自分には人を大切にする資格はないと自身を断罪
した上で、主人公はある人に己の為せなかった事を託す。

「そりゃ生きてりゃ色々思うよ。だけど、
 自分を大事に想う人を見くびったり
 貶(おとし)めちゃいけない。」

死んだ人に感謝を伝える方法は無いけれど、
情けない話、感謝の気持ちが涌き上がるのは、
たいていその人が死んでしまってからのこと。

髪を切ってくれて、愚痴を聴いてくれて、褒めてくれて、
励ましてくれて、ご飯を作ってくれて、お金を稼いでくれて、
心の底から叱ってくれて、他愛も無いことで笑ってくれて、
いつも隣にいてくれる。
だけど、隣にいて当たり前の人なんてほんとはいない。
その人は明日前触れもなく消えてしまうかもしれない。
誰かが隣にいてくれる事が、どれほど恵まれている事か。
そんなことを思わせてくれる映画。

<2016.10.15鑑賞>
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余談:
長くなるので省略したが、俳優陣が揃いも揃って見事。
竹原ピストルと子役2人は演技未経験だそうだが、
これまた素晴らしく役にハマっていた。

それと、やっと池松壮亮の良さが分かってきた。
達観したような目線と、さらりとしつつも
人の熱を感じさせる声音が凄く良い。
「先生それは逃避でしょう」
「子どもって男の免罪符じゃないですか」
……彼、大人のなかで一番オトナだったんじゃ。

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浮遊きびなご

4.0あなたの死は暴力だ

2016年10月29日
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鑑賞方法:映画館
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ぁぃか

4.0シンプル

2016年10月29日
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西川監督が大好きで、公開を本当に楽しみにしていた。

シンプル。すっごく。
監督自身が言っていた通り、すごく整理されていた。
おそらくそれは、監督の中でだけなのかもしれない。
上手いなと思ったし、流石だなと思ったけど、もうちょっと見たかった。

今度は愛妻家が好きだから、まあ私はこれも好きなんだろうな。

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ひな

3.0なかなか良かったです。 個人的には、キャスティングがイマイチに感じ...

2016年10月28日
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なかなか良かったです。
個人的には、キャスティングがイマイチに感じたので、辛めの☆三つ。
人間は皆、ダークサイドを持ってて、それが見え隠れするんですよね〜
きちんと言い訳できたかどうだかは、受け取る側の問題ですね。
僕も奥さんが亡くなったら、心から泣けるんだろうかと、ゾッとしました。。。

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のらきち

4.0共有する時間、 本音と建前

2016年10月28日
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なかなか奥深く、どう上手くレビュー出来るか難しくもある。

一見愛情の無いダメ男に見えるが、知人の子供の面倒を見る事になり、日々世話をすることで、子供に愛情が生まれる。

妻が事故で亡くなっても 悲しくなかったのは、一緒に居た時間が無かった。
すれ違いの生活に愛情が薄れていったのではないか?

知人の親子であっても、息子と一緒に居る時間が無く、すれ違い、反抗してしまう!

一緒に居る時間の大切さ?
それは夫婦だけでなく、家族でも。
他人でも、友達でも。

引きこもってネットでしか繋がりの無い現代のメッセージではなかろか?

そして、彼は小説家の有名人で、テレビでインタビューに応じるが、テレビでは視聴者にウケるよう、言われた通り、視聴者に同情してもらうようなセリフを言わされる。

映画では有名人として建前のセリフだが、本音と建前があるのは誰でもそうかもしれない。

私たちは 建前で 自分が良く見られる様に 作られたセリフを言ってるのかもしれない。
まるで役者の様に。。

知人の親子が仲直りしてダンスするシーンは不自然で、違う形か、要らなかったかなぁ、、、

良い作品ではあるが、もう少しなんとかならないかなぁ。。と言う印象だった。

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NOM

4.5ダメ男二人の話

2016年10月28日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

幸せ

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daikokumai

4.0伊右衛門

2016年10月27日
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鑑賞方法:映画館

さりげなく伊右衛門が写りこんでいた。ダメ男を演じるモッくんの演技が光る。食事のシーンで露骨にある人に嫉妬タラタラの文句をいうところが良かった。ちゃぷちゃぷローリーも良い。

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hanataro2

4.0失ってから気づく事

2016年10月27日
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捻くれ者で、嫌味な男…幸夫と
どこまでも真っ直ぐで、ちょっと頼りない男…陽一
うーん、どっちの男も嫌だな!笑。やっぱり人間バランスが大事ですね。

幸夫と子供達とのシーンはとても自然で、思わず笑みがこぼれてしまったし、陽一が泣く姿には思わずもらい泣きしてしまいそうになったし、自分が嫌な奴だってわかっている幸夫の最後のセリフはなんだかグッときてしまった。
それぞれのキャラクターが良い味だしてました!
自分を大切に思ってくれている人は、大切に、大事にしよう。そして、大切に思ってる事を伝えようと、思いましたとさ。

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gyasu0915

4.0他人事ではない話

2016年10月27日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

結婚、子育て、勢いで
やって来たおじさんも
考えさせられる映画!
どちらの男にも共感!

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ほやかわ

5.0傑作

2016年10月27日
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とにかくこの言葉しか表現できない。
ラストの終わり方が秀逸。

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シティボーイ

3.5人によって解釈はさまざま。

2016年10月26日
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鑑賞方法:映画館
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yuka

5.0キャスティングがすばらしい!

2016年10月26日
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鑑賞方法:試写会

泣ける

笑える

試写会にて鑑賞。
モックン演じるところの、きぬがささちお、イヤな奴なんだけど、亡くなった妻の友人の家族や周囲の人と関わって行く中で、ただのイヤな奴から変化していく様子がおもしろかった。
この映画はもともと、西川監督作品ということと、深津絵里さんが出演していたことで、見たいと思ったのだけれど、キャスティングがもうすばらしい。特に竹原ピストルさん。私、初めて見ましたけど、役のイメージそのもので、原作時点で竹原さんをイメージして書いたのかなと思ったくらいです。そうではないらしいですけど。
あと、こどもたちの演技には見えない演技に、思わず泣いたりクスッと笑ったり。
この試写会の後、TBSラジオ「東京ポッド許可局」に西川監督がゲスト出演した時、黒木華さんのことを「ボタンの一番上まで閉じた色っぽさみたいな」と話していて、その表現が妙にピタッときて、上手いこと言うなぁと思いました。

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rk

5.0『妻が死んだ。これっぽっちも泣けなかった。そこから愛しはじめた。』...

2016年10月26日
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鑑賞方法:映画館

『妻が死んだ。これっぽっちも泣けなかった。そこから愛しはじめた。』
この映画のキャッチフレーズですが、とても深いです。

人気作家 津村啓 (本名 衣笠幸夫)とその妻 夏子。
冒頭から夫婦の倦怠期を思わせるシーンが続き、その後、不慮の事故で妻は亡くなってしまう。

モッくん演じる幸夫は、とてもゲスで自己中心的な嫌な男。妻が亡くなっても、無表情で淡々と後処理をこなしていく。不快感極まりない。

妻と同行していた親友も亡くなり、残された父子家族との交流がきっかけで、幸夫に徐々に変化が。。

キャッチフレーズにもある『そこから愛しはじめた。』

この言葉の意味は、ラストのシークエンスに集約されますが、そこに至るまでの過程がとても素晴らしい。ゲス男が、人間として、とても愛おしくなります。怒って笑って共感して、ラストは落涙必至。

主演の本木雅弘はキャリア最高の演技、助演の竹原ピストルがまた上手い。

『君の名は。』『怒り』『海よりもまだ深く』『淵に立つ』『恋人たち』など今年 鑑賞した邦画はレベルが高い。『永い言い訳』は、それらの映画をも凌駕する秀作だと思います(^ ^)

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かずし

3.0すごく丁寧に丁寧に作られた作品

2016年10月25日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

難しい

見る人によってかなり受け取り方、感じ方が変わる作品です。

内容は妻が事故で死んでしまい、妻の友人の夫とその家族との交流を通じて、、、。と言った内容なのですが新婚で、もうすぐ子供が生まれる今の自分には全く共感できないないようでしたw

しかしながら、色々なシーンで節々で非常に心の琴線に触れる様なセリフや言い回しがあり今とは違った心境や状況では良くも悪くも感じられるでしょう。

ですので評価の星3は4にも5にもなると思います。

もっくんの演技は間の取り方や話し方も非常に素晴らしく、本当に演技がうまいなーと素直に感心しました。ちょっと話し方がおネエっぽくて、竹原ピストルさんもそれっぽくて途中で「ちょっとおもろいシーンやなw」と感じる場面も、、、、w

あと子役の2人も本当はアドリブでやってんのかな?ってな感じで自然体での演技で非常に良かったと感じます。

深津絵里さんは言わずもがなの素晴らしい演技でした。

しかしオープニングのもっくんのやりとりを見てて「めんどくさい男やなー」と感じながらも自分も同じ様な所があるな、とも感じました。

PS.もっくん演じる幸夫の子育てスキル高すぎるww

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ポップコーン男

3.5もっくん、よく演じた。

2016年10月25日
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本木雅弘さんが、とても憎たらしい主役を見事に演じていたと思います。
終始心の中にわだかまりを残す、目が離せない映画でした。
子どもの役者さんもとても良かったです。
人にお勧めしたい映画とは思いませんが、とても共感でき、自分を見つめ直そうと、いくつもの場面で思いました。

追記:小説をこの間読みました。
一つひとつの文がとても丁寧で、こちらもとっても味わい深かったです。
終わり方が映画と少し違います。
久々に買ってしまいたいと思える本でした。
お勧めします。

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ハクタカ

4.0どんな人生を歩んでいても、決して逃げられないテーマ

2016年10月25日
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hhelibe

2.5永い映画

2016年10月25日
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本木と竹原ら、出演者の演技は良かった
しかし、全てのカットが長い・・・
カラオケのシーンや撮影シーン、どんなシーンでも2/3にはできるはず。
テレビ番組の間隔での制作かな?
話としては面白い題材なのに、盛り上がらないままで残念でした
後味悪く、奥さんカワイソ!

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シネパラ

3.0小説を読もうかな…

2016年10月25日
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シモヤン

4.5想定外によかったと感じた未婚子供なしの感想

2016年10月23日
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本まぐろトロ子
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