劇場公開日 2016年6月18日

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「「桃太郎印のきびだんご」かよと」クリーピー 偽りの隣人 ぼたもちさんの映画レビュー(感想・評価)

1.5「桃太郎印のきびだんご」かよと

2016年7月1日
PCから投稿

怖い

単純

まずは、見た率直な感想が
「どうしてああいう行動を取るの」
「なぜこうしないの」
「けっきょくあの真相はどうなの」
の数々。
ここでも多く見られる意見と同じでした。

で、公開からある程度時間も経ち、いろんな意見が出ているので、高評価も参考に見てみたところ、
<あえて、因果や真相を明確に描かない事が不気味さにつながっている(要約)>
と。なるほど。

たしかに、
6年前の事件の真相について、もしかしたら早紀という女性が現在の澪と同じ立場にあったかも…と想像させつつ、真相は明かさない。
主人公・高倉と妻・康子が引っ越し前に何かしらあった雰囲気を匂わせつつ、具体的には描かない。
…といった部分などは、あえて描かない事で、何があったんだろうというモヤモヤが逆に効果的でもあるのかな、と。

ですが、
それにしては、あの「薬」の効果を“具体的に”描きすぎてしまってはいませんかね。
「打てば一発で気を失い、その後はまるで操り人形」
もうね、ドラえもんの道具ですよ。(ドラえもんファンの皆さんスイマセン)

「康子が、どうやって西野の手に堕ち、薬に手を出したか」は、見ていて普通に気になる点だと思うのですが、それをあえて明確に描かないのであれば、前述のとおりモヤモヤ感が効果的に活きてきたかもしれません。
ところが高倉が薬を打たれるシーンを見せてしまっては、せっかくの「あえて描かない」が台無し。打たれる=言いなり、の単純な構造。康子もそうであったのだと想像を働かせる余地が奪われてしまう。もはや不気味でも何でもない。
簡単に言うと、どちらにしてもあそこで一気にシラケる。

仮に、「あえて具体的な部分は描かない手法」という視点で見たとしても、あの超便利な謎の薬は、この映画を根底から台無しにしているのではないかと思います。

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ぼたもち