殿、利息でござる!のレビュー・感想・評価
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おもしろ映画かと思いきや…
なんか明るく楽しく面白い映画なのかな?
くらいのノリで興味をひいてレビューを見てみると
思いのほか高い評価と面白いというより興味深い内容らしい
…ということで視聴したところ、
うっかり泣きそうになるシーンが2・3度もあり、
テンポ良い中にもひとの優しや人間臭さが感じられて
良かったです。
良作です
実話に基づく時代劇と言うと「武士の家計簿」が思い出されるが,原作者は同じ人である。どちらの作品も,江戸時代の封建的なルールに縛られて生きるのは,さぞ辛かっただろうという視点で描かれているのだが,これはまさに現代人的な考え方なのであって,当時の人たちは,それ以外のルールがあるなどとは夢にも思わなかったのであるから,残念ながら時代的な意識を共有するといったところまではできていなかった。これは何もこの映画に限ったことではなく,結局昨今の大河ドラマでも同様なのであるから,今更嘆いても仕方がないことである。時代劇を作って頂けるだけで有難いと思わねばならないというのが実情なのであるから。
脚本は,時代の空気のようなものまで感じさせていたとは言い難かったが,かなり健闘していたと思う。特に山崎努が演じた浅野屋の先代には本当に驚かされたし,登場人物たちには身分の上下に関係なく,それぞれ見せ場が用意してあって見事なものであった。話の流れの中には何カ所か泣けてしまったところもあった。口に出してしまっては有難味が薄れるということが世の中にはいくつもあるが,そうした価値観はいかにも日本的である。本作はその典型と言えるだろうが,信念のために親子や兄弟が長年険悪になってしまってもやむを得ないとまで覚悟するのは現代人には理解し難い行動である。ましてや,外国人に理解を求めるのは無益であろう。
役者は芸達者を揃えてあって,特に,妻夫木聡と松田龍平の演技には目を見張らされた。いずれも役になり切った怪演と言うべきであったと思う。主演は阿部サダヲなのだろうが,見終わってから頭に残るのはほとんど山崎努のことばかりである。羽生選手も好演していたと思う。肌が白く,端正な容姿は,いかにも殿様という感じがした。だが,江戸時代の殿様が,敷居や畳の縁を踏んで歩くのはどうかと思った。誰も注意してやらなかったのだろうか?原作者のカメオ出演などよりそうしたことに気を遣って欲しかった。
集客目的で予告編を面白そうに作るのは映画会社の作戦なのであろうが,本作の場合はほとんどネタバレに近かったということには呆れてしまった。観客の年齢層が高く,老女ばかりの観客が見たがっていたのが予告や TV CM で何度も見せられた羽生選手演じる殿様だったことは,あのシーンで場内のババァどもの騒ぎが一段と大きくなったのを見れば明白である。まんまと乗せられたババァどもと同じ時間に見てしまったのがつくづく迂闊であった。
(映像4+脚本4+役者4+音楽3+演出4)×4= 76 点。
松田龍平が全部持ってく感じ
人生楽ありゃ苦もあるさ
2016年上半期、一番泣けた映画
2016/06/16、MOVIX亀有で鑑賞。先日コンセチャレンジで当たった無料鑑賞クーポンを使いました。
例によって原作(磯田道史『無私の日本人』所収『穀田屋十三郎』)も読んで予習はバッチリ。
正直なところ、原作には説教臭さを感じてしまい、感動はしたものの、読後感はあまりよくなかったのです。
でも、『無私の日本人』というタイトルの本を、『殿、利息でござる!』というタイトルで映画化するセンスと、主役の穀田屋十三郎が阿部サダヲさん、というところに期待して、観に行きました。
期待以上でした。
今年観た映画の中で、一番泣きました。
そういえば、『予告犯』の中村義洋監督だったのですよね。
『予告犯』も泣かされて、わたしの去年観た映画のナンバーワンを争っているのです。(日によって、『レインツリーの国』と1位2位が心の中で入れ替わります。決めきれない……。)
人のために何か役に立つことをしたい、という気持ちはもちろんわたしにもあります。ありますが、そのときにはちょっとでいいから誰かに褒められたい、という欲も、正直あります。
遠藤寿内(西村雅彦さん)の振る舞いが、観ていると笑っちゃうんだけど、でもその気持ちもわかる、という感じ。
それだけに、彼らの「つつしみの掟」は、古き良き日本人ならでは、といった感じで、心に響きます。
ここまで人のためにすべてを投げ出せるものか、そしてそれを誇らずにいられるものかと。
あと、わたしは、自分の育った家庭環境が複雑なので、家族との確執と和解を描かれると弱いです。
兄(長子)なのに穀田屋に養子に出された十三郎と、弟で実家を継いだ浅野屋甚内(妻夫木聡さん)。
原作ではなぜ長子が養子に出たかは書かれていないのですが、そこにドラマを作り出すところが、本当にうまいなあと思います。
二人の父親が山﨑努さんで、いかにも厳しそうでがめつそうに見えて実は、というのも、ぐっときました。
前述の遠藤寿内が、最初は儲け話と勘違いして、そのあとは見栄のために参加するところとか、菅原屋篤平治が心ならずも巻き込まれていく感じとかは、コミカルで面白かったですね。
実在の人物なのにこんなふうに描かれて、菅原屋さんのご子孫は大丈夫かしら、と思いましたが、原作によれば篤平治には子がなかったようなので、まあいいのかな?
穀田屋さんは、いまもお店が残っているそうです。
ちょんまげが銭になっているポスターと『殿、利息でござる!』というタイトルから、完全なコメディを予想して観た人の中には、裏切られたと思う人もいるでしょう。
こういう方向のプロモーションでよかったのかしら? とは思います。
わたしは「原作を読んでから観る派」だから、これがコメディで終わる話でないのはわかって観に行ったわけですが、「すべての観客が事前に原作を読む」なんてことはありえないわけで。
原作を除けば、わたしが得ていた事前情報は、タイトルとポスターと「羽生結弦さんが伊達の殿様役で出演!」というニュースぐらいだったので、笑いを期待して映画館に行って期待外れで低評価のレビューを書いている人がいるのも仕方がないような気はします。
そういえば、羽生結弦さんは見事でした。
やっぱり世界で戦っている、しかもオリンピックとグランプリシリーズと世界選手権の三冠なんてやってのけたことのあるトップ選手は、舞台度胸がありますね。
もちろんプロの役者さんではないので素人っぽさはありますが、そこがこの映画では、殿様が下々とはかけ離れた存在であることを示す味付けになっているように思いました。
あと、萱場杢(松田龍平さん)が、とても酷薄でよかったです。まあイヤな奴でした。
美形が冷たい目をすると本当に怖いですね。
ほかのキャストも豪華で、とても見応えのある映画なので、ぜひ公開中に劇場でご覧ください。
配役が素敵
阿部サダヲさんは安定
お上VS庶民
よかったです
無私の知恵。
今まさに渦中の都知事に感想を述べて頂きたい作品だけど
無私という言葉が浸透しなくなった日本人にも一考ありの
作品。阿部サダヲと瑛太の予告編からコメディであること
は承知していたが後半まさかの感動話が盛り込まれていた。
どう見ても兄弟には見えない(失礼)二人ながら、妻夫木が
先代から継いだ使命と、養子に出された阿部に受け継がれ
ていた志が繋がると、あ~血は争えないわやっぱりと感動。
夜逃げや破産にあえぐ宿場町を重い年貢から救うべく手段
を講じたまさかの奇策。藩の財政を請け負う萱場役を珍しく
龍平が嫌みたっぷりに演じて絞殺したくなるほど憎々しい。
全観客を味方につけ、さあいよいよ!最後の大勝負に出た
同志たちの前にオーラたっぷりにあのヒトがお出ましする。
老いも若きも名演づくしの泣いて笑える極上の快作だった。
(3億円とは尋常じゃない資金繰り、よく記録してあったねぇ)
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