ロンリエスト・プラネット　孤独な惑星

バックパッカー、トレッキング、ハイキングをしたことがある方なら、あるある感満載の映画です。まるで、旅のビデオを観ているよう。

あの出来事までは。
あっという間の出来事であり、本当に一瞬の出来事だし、「あ、まずい」とやり直すんだけど、時遅し。
グルジアとか、世界各地で起こっていることを考えれば、そういう土地を旅すれば、起こりうる出来事。

それからが見事。
カップル、ガイドの歩いている位置が変わってくる。
人の心の距離をこんなに見事に視覚的に表すなんて。なんて見事なんだろう。
そこに、印象的なエピソードも挟んできて、この先このカップルがどうなるか気になってしまう。

見る人を選ぶ映画です。たんたんと旅の様子が続く。
特筆すべきはその景色。圧倒させるほどの美しい景色が、遠景、近景で描き出される。
バックミュージックがつくわけでもない。ほとんど実際にその場にいたら耳にするであろう音のみを添えている。
特にドラマチックな物語が展開するわけではない。しかも、後半は心が痛い展開が続くし。

ある意味、善でもない悪でもない、それでいて善でもあり悪でもある赤裸々な人間模様をひたすら描き出した秀作です。