カニバイシュ

劇場公開日:

カニバイシュ

解説・あらすじ

「アブラハム渓谷」「クレーヴの奥方」などで知られるポルトガルのマノエル・ド・オリベイラが監督・脚本を手がけ、厳粛な雰囲気に満ちた貴族たちの晩餐会が驚がくの事態へと展開していく様子を奇想天外なユーモアで描いたオペラ映画。

アヴェレダ子爵はマルガリーダとの婚礼の夜に、自分が人間ではないことを打ち明ける。それを聞いたマルガリーダは錯乱し、貴族たちが集まる晩餐会は驚くべき事態に陥っていく。

オリベイラ監督作の常連俳優ルイス・ミゲル・シントラがアヴェレダ子爵を演じ、同じく後にオリベイラ監督作に欠かせない存在となるレオノール・シルベイラがマルガリーダ役で映画デビューを果たした。2025年4月開催の特集上映「オリヴェイラ2025 没後10年 マノエル・ド・オリヴェイラ特集」にてデジタルリマスター版を上映。

1988年製作/99分/G/フランス・⻄ドイツ・イタリア・スイス合作
原題または英題:Os Canibais
配給:プンクテ
劇場公開日:2025年4月18日

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(C)Filmargem, La Sept, Gemini Films

映画レビュー

4.0音楽が素晴らしい

2025年5月19日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

興奮

驚く

歌劇だが、音楽は20世紀的な現代音楽。起承転結、終始感のない歌がほとんどなので、ダメな人はかなりダメだと思うが、素晴らしい音楽。

ラストが素っ頓狂だが、そもそも俳優たちが沿道に並ぶ観客に挨拶をして始まるメタ構造な映画。何が起ころうと不思議ではない…のだが、やっぱりぶったまげる。

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エリセ

2.5タイトルなし(ネタバレ)

2025年5月15日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館
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りゃんひさ

4.0お楽しみはこれからだ、恋は二度目から

2025年5月10日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

冒頭から心奪われる、スタンダードサイズの画面のなか、奥行き、ライティング、とにかく緻密で美麗。
オペラと聞いていたら、ほんとうに全部セリフが歌なのだ。

声や表情を味わいながら、やがてこのドラマは、
恋の鞘当て、というまことシンプル、古典であり、
あまり考えずに流れに任せて観ていたら、

!!!!!

あえて何も語るまい。
観た人同士で秘密を共有できる作品。
ミュージカルみたいに、2回目からがもっと楽しめそうです。
展開がわかっているだけに、あの場面を想像するだけで、笑いが止まらない。

見終わってから、始まってしまう、お楽しみ。
オリヴェイラ、初体験でしたが、ポルトガル、やっぱりラテンだね。しかめっつら不要。やわらかい。

⚠️注意 サンダーボルツ、コナンくらいしか映画観てなーい、そんな方にはオススメできません!!!

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青樹礼門

5.0悲劇の夜、喜劇の昼

2025年5月6日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

1988年。マノエル・ド・オリベイラ監督。美しい貴族の女性マルガリータはある舞踏会で評判の美男子である子爵と相思相愛であることを確認。一気に結婚へと進むが、初夜の床で思いもかけない告白をされて衝撃を受け、、、という話。セリフはすべて歌、語り部の舞台回しとヴァイオリン弾きがそのままでてきて、オペラであることを表明しながら進む。
ヨーロッパ系の言語圏では、ポルトガル語の原題が「人食い人種」のことだとなんとなくわかるだろうから、子爵こそが人食い人種ではないかという疑いで見進めてどんでん返しを食らうのだろう。しかし、そうでない言語圏では、物語が明らかになる最後にならなければ人食いの主題は明示的には出てこないので、人間ではない感じがする子爵はアンデッド(ゾンビ的な)ではないかと疑いながら見るのではないか。それでもどんでん返しではあるのだが。しかしすごいのは子爵の正体だけではない。
まず、前半、謎の悩みを抱えた男と令嬢との恋愛の重々しい描き方がすごい。周囲が浮かれて踊っているだけに、二人だけに重力があるかのよう。しかも多様な遠近法を駆使した描き方が美しいのだ。悩みの正体がわからいので謎はどんどん深まっていくのだが、それが人間的な苦悩とでもいうもののように見えてくるのもすごい。前半シーンがすべて夜というのも、悲劇的な雰囲気を盛り上げている。そして謎の正体が判明すると同時に悲劇的なクライマックスとなるのだが、その後、令嬢の父と兄たちが前面に出てくると、話は一転して喜劇的に。確かに悲劇が起きたはずなのに、金に目がくらんだ彼らが人間性を失っていく様子は文字通り動物として描かれるし、楽屋落ち的に死んだはずの人間も生き返って踊り出す。物語のフィクション性をことさら強調したおふざけな終わり方。これぞカーニバル。そして、これらの後半シーンはすべて朝の光の下で進行している。悲劇の夜、喜劇の朝。

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