ラ・ラ・ランドのレビュー・感想・評価
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甘いラブストーリー。隠し味にほろ苦さ
二人が夢に向かって愛を育んでいくストーリーは、最高の音楽に彩られて甘くキラキラと輝く。でもはじまりと、終わりにほろ苦い人生の挫折や別れを描いてあるあたりは、思わず涙ぐんでしまうほど。
ただ甘いだけのミュージカルじゃないんです。
劇中、カメラ割りまでが緻密に計算してあって、見ているこちらにまでリズムに乗ることを要求されているような錯覚に陥りました。それほどに見事なコレオグラファー。踊りだけじゃなく、現場のすべての動きを仕切っていたような完璧なタイミングでした。
エマ・ストーンの演技も抜群で、華やかな笑顔の影ににじみ出ている悲しみや寂しさを表情だけで伝える演技力は見事としか言いようがない。
これから、10年と言わず長い年月を『ラ・ラ・ランド』の美しく儚いスコアたちが語り継がれていくことが想像できます。
素晴らしい音楽。踊り、カメラワーク。
画面の中にいくつもの奇跡が収められています。それを見ているだけでも退屈しないステキな映画でした。
うるっときました
スクリーンで観るべきミュージカル
初めの方は凝ったカメラワークを「これでどうだ!」と見せつけられてる...
2017/2/16
LALALANDは未来のクラシック映画になる、多分
ミュージカル映画=「木に竹を接ぐ不粋なジャンル」と言う先入観から長年、拒絶感、アンチの感情を払拭する事が出来なかった。
でもこの映画にはそんなマイナスイメージと言う毒素を薬へと転化させてしまう変移的ミラクルな効果があった。
ただその余韻はこの映画に限ったオンリーワンな浄化作用…恐らく。
誰もが憧れる普遍的な理想を架空の世界に築き、現実に行き詰まった時にはいつでも心の処方箋として見る側の心に寄り添う…そんなヌルさ溢れる脳内お花畑感Maxなミュージカル映画とタカを括ってた…甘かった。演技と本音、夢と現実、融合し合う事が困難な二律背反する要素をこれでもか!と言う情熱で繋ぎ合わせた虚構を超えたリアル、ジャズ、歌とダンス。一つ一つの本気がパズルのピースを組み合わせたように緻密であり、役者の演技も自由なアドリブを感じさせる躍動感と気迫に満ちている。矮小な偏見は脱帽へと変わり、LALALANDの魅力に屈しました。
絵空事ではなく地に足の着いた、夢を叶えると言う現実とそこに付随する喪失感を描き切った事がLALALAND最大の成功要因やったと思う。
夢なんてどうでも良い、この映画そのものが夢や!
なんかそんな感じ
腹いっぱいのLALALAND…ごっつぁんす!by天龍
私の勝手な解釈
バイブル!
これはミュージカル映画なのだろうか?
観てから大分時間が経っているので、記憶が曖昧な部分があるが、率直な感想は、タイトルのとおり。泣けるとか、切ないとか、新感覚のミュージカル映画とか、そういう声を聞いていた。忘れていた頃にラジオでこの映画の話を聞いて、観た。確かに切ない話だったが、泣きはしなかった。どう評価したらよいか困った作品。
(過去鑑賞作のレビュー(2022年DVDで鑑賞))。
まず、私はミュージカル映画が苦手である。感情表現が過剰で派手で大きいのが繰り返されるのが苦手である。その点で言うと、この作品はミュージカル的演出は抑制的で、ストーリー重視の普通の恋愛ドラマ映画と同じ感覚で観られる(話が切ないものなので、演出が控えめになっているだけという見方もできるだろうが)。
しかし、皮肉になってしまうが、それ故に全編にわたって中途半端感が拭えない。そして余計なものが1つ。最後の「実現しなかった2人の世界」は必要だったのか?ミュージカル映画だから、あの「わかりやすい」シーンがないと締まらなかったのか?自分にはしっくりこなかった。
恋愛ドラマとしては悪くない。ライアン・ゴズリングとエマ・ストーンの演技はとてもよい。特にエマ・ストーンがいい。2人とも真摯に演技しているのが伝わってくるので気持ちがよい。2人並んでピアノ奏でるシーンや公園での別れのシーンは良かった。それだけに全体としてどう評価して良いかわからなくなってしまう。
評価の難しい作品だった。
良い恋愛とは
公開時にジャパンプレミアに観に行った時はまだまだ子供でただ生のライアンゴズリングを見てみたかった。
それから時は経ち久々に見返してみた。
当時はミュージカルだとかワンカットだとか作品の斬新さに心躍ったが大人になって見るとセブとミアの恋愛の生々しさに共感した。
愛を持ったまま離れる事だってあるし、奇跡的に再会しても言葉さえ交わさない。
何年経っていようが、誰かと結婚してようがお互いの幸せを願ってる。2人が理解し合ってる事実はそこにあって
この2人の恋が良いものだった事は間違いない。
ただそれだけの思い出があるだけで人生はちょっと良いものになるだろうし、苦しい時もちょっと頑張れるんじゃないか。世界のどこかにセブにとってのミアのような、ミアにとってのセブのような存在が1人でもいれば強くなれるはずだと思う。
グレイテストショーマンの爪の垢でも飲みなさい‼️❓
新ピカ
最新鋭のAIが作った感じ
見ごたえがあった作品でした。すばらしい作品でした。
ただ個人的には好きではありません。
ハリウッドの名作映画の感動のシーンや設定をカクテル配合して、再構築して、最新の技術と最新の演出方法で作った、計算され尽くした見事な作品という感じがして、AIが作ったような作品だなあと感じたからです。
普通に見ている分には十分面白いのですが、見た後に、なんだかさみしくなってしまって、どうしてだろうなとずっと考えていたのですが、監督の個人の人生体験が反映されておらず、この映画で何を訴えたいのかが、伝わってこなかったからだと考えました(私が受け取れなかっただけなのかもしれませんが)。
挫折や死ぬほど後悔をして、平気な顔をしてるけれども、内心は10年くらい立ち直れないままゾンビのまま、どうにか毎日をやりすごしていて、「死ぬほど後悔してるからこそ、伝えたい思い」というのが人にはあると思うのですが、そこが希薄だったかなと感じて、点数を低くしています。
ただ、映画をたくさんみて、この映画が、過去のハリウッド映画を無茶苦茶リスペクトして作られた、映画好きにはたまらないクスグリがたくさん含まれている作品なので、それを見つけながら、「おっ!そう来たか」と楽しむと、この作品、何度も見ても楽しいし、病みつきになるかも…。
前半まるごと後半への布石
セブとミアが並んでピアノを弾くシーンまでの、約半分にもわたる前半部分が恐ろしいほど退屈だった。
歌も本格ミュージカルに比べて微妙だし、そもそもほとんど歌わないし、少々チープに感じる色使いもなんとなく不快だった。
DVDだったので一度止め、ここまでの前半を一緒に観ている妻に対して散々にこき下ろした。
後半、怒濤の展開らしいよ。と助言をもらったが、恋愛映画で怒濤の展開っていっても限度ってものがあるでしょ?
少なくとも私の常識では後半に如何なることが起ころうとも、この前半のつまらなさを覆して高評価になるなどあり得なかった。そう「ラ・ラ・ランド」を観るまでは。
上に書いたピアノのシーンを境に、脚本も手掛けるデイミアン・チャゼル監督は魔法をかけた。
ストーリー、状況、キャラクターの心情などを繰り返したり交錯させたり、目に見える事から目に見えないことまで、あらゆる角度から刺激してくる奇跡のような演出と脚本は、間違いなく「怒濤の展開」だった。
そしてラスト10分、魔術師チャゼル監督は更に追い討ちをかける。怒濤より上の表現ってどんなものがある?思い付いたのならそれだよ。
観賞後に、この魔法を紐解くべく色々と話し合ったが、おそらく半分くらいしか理解できてない気がする。
物語の物理的な高(高台)と低(地下)、ミアの車、色、メタファーにメタファーを重ねて繰り返し、交錯させ、複雑な脚本を構築してみせた。
瞬間的な面白さも充分だが、噛みしめるように後からくる面白さもあり、もう驚きしかない。
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