スノーデンのレビュー・感想・評価
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バランスのいいオリバー・ストーン
人としての評判は芳しくないが、社会派としての当事者意識は素晴らしいオリバー・ストーンがスノーデン事件を映画化。元CIA職員が、映画顔負けのネット監視の実態と人権侵害を暴露した一件だけに、いかにもストーンが目をつけそうな素材といえる。
が、意外にもストーンは、あの脂ぎった顔で絶叫するのでなく、あくまでもスノーデンという人物の波瀾万丈なドラマにメッセージを託している。
結果、本作は青春ドラマであり、ポリティカルスリラーであり、ラブストーリーでもある。要するにちゃんと面白いエンタメなのである。アメリカ当局がやっていた監視体勢があまりにもSFっぽくてついフィクションのように思ってしまう危険さえ注意しておけば、知るべき事柄をエキサイティングなストーリーに乗せて教えてくれるとってもバランスのいい作品である。
ご本人にそっくり
本人に似ている人を選定したとは思うが
姿形はとってもよくにている。
この事件があったとき、スノーデンに良い印象がなかったけれど、この作品で考えを改めました。
お子さんが2人いるみたいですが、
幸せに過ごせるよう願っています
これまたアメリカの良いところ
以前「父親たちの星条旗」だったと思うが、アメリカの自浄作用は日本には絶対真似出来ない技術だと、改めて思わされた。
CIAやNSAが悪だなんて、普段誰も思わない。
だからこそその職務には誇りを持つし、やりがいを感じて頑張ってしまう。
エドワードスノーデンは賢すぎたんだろう。
正に天才。天才故の苦悩。
そしてその決断は、まだまだ万人が認めるまで至らないが、後世の歴史ではきっと英雄になっているだろう。
それよりも、今スノーデンは何してるのか。
当時と今のロシアでは立ち位置が変わりすぎていて、
その情報はまず入ってこないだろうが、
利用されたりしてなきゃ良いが😱
キャリア、収入、恋人との幸せな人生、全てを捨てて自分の心に従った。その結果、世界に何の変化も起きなければそれ程恐ろしいことはない
ドキュメンタリーでない映画作品にしたことの強みがとても生きていたと思う。その強みとは客観性、重要で緊張する場面の再現性、時空間や登場人物のフィクション化、キャラクターの特性やその時々の感情がプロの俳優によって描写されることだろうか。エド・スノーデンを演じたジョセフ・ゴードン=レビットは風貌が似ているだけでなく性格や行動の仕方含めて素晴らしい演技力で適役だった。また重要な存在である恋人リンゼイ役のシャイリー・ウッドリーもよかった。彼女はエドとの出会いの最初から心臓がドキっとするような質問を投げかけたり彼をたくさん撮影するので怪しい?とドキドキしてしまった。でも付き合う中でケンカしたり離れたり、いつも青白い顔だったエドがハワイでは(ストレスフルな仕事していたが)日に焼けて健康そうになったことを一緒に喜んだり。そんなエピソードが入ることで、「攻殻機動隊」繋がりで出会った二人の絆が深まる様子は、ドキュメンタリーでは表現できなかったと思う。
怖かった。胸が痛んだ。でも29歳のエドはやるべきことをやりきった。世界中にニュースが駆け巡った。彼が最後に見せてくれた笑顔に救われた。スノーデン本人もこの映画で見ることができた。リンゼイと共に健康で幸せに生きていて欲しい。
世界の中で、ある一つの国だけが圧倒的に強い覇権を持っていたらスノーデンは一体どうなったのだろう。多様な歴史と文化をもった国々が沢山あること、異議申し立てをする人達がたくさん居ることは救いだ。一方で戦争や抑止力兵器で儲ける軍事産業と国家が結びつきそのために私達の情報が全て覗かれ、国家が特定の方向に進む危険性を私(達)はもっとわかるべきだ。私はもう十分に幸せに生きた。これからの世代、全ての国の子ども達や若い人たち、将来を夢見る世代を痛めつけたり殺すことはやめてくれ。
白雪姫の毒リンゴ
何も知らないほうが、安全…
今の世界を象徴するセリフのような気もしますが、自らの心の声に従った、白雪姫の毒リンゴを噛った皆様は、どうお考えですか?。
どうも、オリバー・ストーン御大、軍政共同体が死ぬ程お嫌いのようで。戦争でカネを稼ぐ輩と、そのカネで、ロビイストにリモートされた政治家達とは、刺し違えてでも、彼らの存在を、白日の下に晒したいような…。ただそんな風変わりな御大がいなければ、このクニでの白雪姫の存在は、わずか数分のニュースのみで、終わっていたはず。エンタメ映画の興行を通じて、世界に姫を知らしめた御大の業績は、偉大かな。そう云う目線で「プラトーン」と「JFK」ご覧下さい。名作ですよ。
姫のしたことが、本当に正しかったのか、よく分かりません。ただ、姫の告発で、多少なりとも、あのクニがよくなったと、思いたい。少なくとも、反対意見を述べると、選挙に出られない。投獄される。謎の死を遂げるクニになってほしくない。
いま、そこにいる姫に、もう一肌脱いでもらいたいと思う私は、欲張り過ぎかな。
案外、白雪姫の毒リンゴは、私達1人1人の、心のルービックキューブに潜んでいるのかも。墓まで持って逝くか、後世に託すか、それとも…。
皆様は、自らの心の声に従う勇気、お持ちですか?。
迷っている方は、取り急ぎ、この映画をどうぞ。
国と政府
慎重に告発の準備をするエドワード・スノーデン。彼は愛国心からアメリカ軍に入隊するも、けがで除隊。その後、国家安全保障局(NSA)やCIAに採用される。コンピュータセキュリティの技量を生かし、テロリストの監視をする任務だった。しかしアメリカ政府によるその対象は、世界中の一般人にも及んでいたことを知り。2004年から2013年までの彼を描く。
国と政府は違うという意識に、映画「JFK」を思い出しました。こういう映画を作るアメリカに感心します。
攻殻機動隊が好きで、カタコトで日本語も話すそう。現在ロシアに滞在し、今後どうするのか。
日々監視される可能性
ジョセフゴードンレヴィット扮する国家安全保障局のエドワードスノーデンは、特殊部隊の訓練で疲労骨折した事もありCIAを希望した。
あれっと思ったところ、ニコラスケイジが教官役で出演していたね。
ところがスノーデンはCIAに背く行為を香港で行おうとしていた。情報に強くなればなるほど疑心暗鬼になってくるよね。自分の大切な人をも信じられなくなるのかもしれない。危うい世界だ。誰もがデータベースの中にいて日々監視される可能性があるなんてね。そりゃあ精神的におかしくなるよ。
監視社会への危惧に留まらず、国家間の情報戦では世界大戦への危険性が…
正直なところ、
この作品を観ることを躊躇した。
なにせキネマ旬報のベストテンでは、
選考委員のどなたのただの1点すらも
入らなかった作品だったので。
しかし、有名な事件ではあったので
教養の一つとして、
また、監督が「JFK」等の
サスペンスフルな演出を見せてくれる
オリバー・ストーンということもあり
鑑賞してみた。
確かに、
細部では彼らしさもあったとは思うが、
全体的には、らしからぬ
エンターテインメント性の弱い作風の
印象だった。
ただ、事件への興味から
鑑賞に集中出来たからかも知れないが、
キネマ旬報で全くの1点も入らなかったことが
不思議に思うほど、最後までこの作品の中に
没入出来た映画ではあった。
さて、鑑賞に集中しながらも、
IT世界の門外漢の私には、
なかなか理解が及ばない点も多く、
話から置いてきぼりにされつつ物語が展開
していった点もあったが、
監督が監督だけに、
かなりの脚色もあったのだろうと思いつつ、
でも彼のいつもの作品よりは
史実に近く感じ、恐怖心も湧いた。
それは、
監視社会への警鐘的な部分ではなく、
国家間における情報戦が第三次世界大戦への
引き金になりかねない綱渡り的な状況に
あることが心に残ったためだったのだが。
エンターテインメントとしては、
いささかストーン調が弱く、それは、
つい最近観たポランスキーの
「オフィサー・アンド・スパイ」でも
感じたことたが、
史実から離れ切れなかった
オリバー・ストーンがいたようにも
感じたからだったかも知れない。
もう一度スノーデンを見直したい
地上波で録画視聴。吹替だったが、見ごたえはあった。
以前、映画館で観た記憶があって改めて思い返した。このスノーデン
事件をきっかけにアメリカの情報収集の力が落ちてきたのかと改めて
痛感した。
字幕版も観るチャンスがあったら観てみたい。もう一度スノーデンは
何者だったのか見直したい。
今のロシアで何を思う?
アメリカ情報局の違法情報収集を暴露した主人公を描く物語。
権力批判に舌鋒鋭いオリバー・ストーン監督の、実話を基にしたお話ですね。
元々保守指向の強かった主人公が、彼女の影響と違法情報収集のストレスから、悩み苦しみ暴露する決断を下します。
私好みのシリアス基調のドラマですが、全体的にメリハリなく淡泊に感じます。
悩みのきっかけとなる違法情報取集や議会への偽証等の描写があっさりとしていて、結果として主人公の悩み自体も薄く感じてしまいました。
私的評価は3。社会的意義のある映画だとは思いますが、映画としての面白さは微妙に感じました。
プライバシーは守るものースノーデン
歴史上スノーデンは足跡を残した人なので知っていたがこんなにスリルのある中身の濃い人生だとは知らなかった。コンピューターオタクで優秀でアスペルガーのような特別な障害を抱えた青年かなあと自己判断していた。銀行員か何かと接触したくてリンゼイ・ミルズの手を借りるなど、社交的ではなく新しい人との交わりが下手な雰囲気を十分持っている。しかし、想像以外だったので驚いた。頭脳明晰で思慮深い人間で、機械のようではないので驚いたということ。この映画からは彼
の人間性がよく現れていて、スノーデン役の俳優ジョセフ・ゴードン・レビットの微妙な表情にスノーデンとの共通点が表れている。
スノーデンはジョセフ・キャンベルとスターウォーズが好きで、CIA トレーニング・センターで受けたテストで、速くて正確で機転が効くので、オブライアン先生を驚かせた。優秀で、どこで働いても目立つ存在になる。そして、「白雪姫」とあだ名を付けられても、全く反応していない。
彼の人生の中で大変だった時は2013年6月4日からの日本の横田基地NSA関連施設に派遣された時のようで、リンゼイ・ミルズとの関係もうまく行かず、彼女はメリーランドに帰ってしまった。ここでの会話(喧嘩)を聞いていると、わかるが、彼は忙しくストレスが溜まると、自分の時間を彼女と共有するのではなく、一人こもって、コンピューターゲームに走って、その自分だけの時間でストレスを解消するようだ。オタク(ナード)の人によくあるパターンだと聞いたことがある。それに、彼女との肉体関係もひいてしまうようだ。リンゼイ・ミルズの方はもっとオープンマインドでスノーデンのコンピューターオタクという性格とは相入れないことがあるようだが、リンゼイ・ミルズの協力はスノーデンにとって大きかったろう。彼女はスノーデンが何をしているか知らされていないわけだから、ただ信じるだけで、大変だったろう。リンゼイ・ミルズのおかげで、この映画は人間的になった。
スノーデンは良いこと悪いことの判断がはっきりしているから自分の仕事にも疑問を感じていたと分かった。米国では国際的監視網(PRISM)の盗聴の実態と手口などを内部告発したから法律的に犯罪者になるが、米国以外では『英雄』と言ってもいいかもしれない。自国の問題点の告発、倫理観、基本的原理、損得勘定なし、学歴より実力、という彼が気に入った。今、ロシアにいると思うが、ウクライナの侵入に対してどう考えているんだろう。新聞で探してみたが、彼はコメントを述べていなかった。現在のスノーデンの姿を知りたいね。
今回、はじめてスノーデンを見たいと思った理由はマイナンバーでのデジタル管理の一本化と 米国IT企業がデータバンクを印西に作るという記事をニュースで読んでからだ。私は単細胞なので、ふっと恐怖感を覚えて、スノーデンのバイオピックとドキュメンタリーを見ることにした。
彼は米国の国家安全保障局 (NSA) および中央情報局 (CIA) の局員であるが、国際的監視網(PRISM)の実在を暴露し、我々一般人にも、これからのコンピューターの扱いや、クレジットカードやメールなどにも問題意識と気づきを与えてくれたし、私のベストフレンドで著名な物理学者の生活は『自分は自分で守る』という徹底して現実離れをしているが、それも人生だと感じさせてくれた。自分の倫理観のある行動が選挙の一票に大事な役割を果たすとも感じた。それに、スノーデンの言葉で、事実を世界に公表して、彼が悪か、米国政府の内部が本当に悪いのか、世界の人々が決めると。この言葉も好きだ。これからもっとグローバル化が進むと、こういうケースが他の形で出てくるのではないか?それに、最後に誰かが言っていたけど、自由、憲法などの意味をアメリカの人々に教育したと。
もっとも大切なことは、映画ではないが、スノーデンの言葉で、『何も隠すものはないから、何も怖がることはない。これはナチスのプロパガンダだ。プライバシーは隠すものじゃない。守るものだ。
Privacy is the right to the self.
彼が何をして、結果どうなったのか
対立する組織なり、国家の被ったダメージを分かりやすく見せてほしかった。彼が何に反抗し、どうして暴露するに至ったのか。その心情の動きがよく見えませんでした。映画にする以上、そこが一番大事だと思います。
たまたま見たドキュメント番組で、FBIのフーバ-長官が歴代の大統領の決定的な弱みを握り、死ぬまでその地位に君臨したことが描かれていましたが、別にネット上で国家が国民を監視しているということを暴露したところで、「それぐらいのこと、今まで何していたの」?と、逆に不思議に思いました。
彼が、ニュースに取り上げられ、亡命してまで祖国の犯罪的行為を暴露したのに、派手に誰かのクビが飛んだとか、そういう話を聞きません。
さらに言えば、一本の映画として見ても、鑑賞に堪える出来とは思えませんでした。長すぎるし、分かりにくいし、ヤマ場がないし、ちゃんとオチてないし、キャラクターに共感できないし。
あと10年ぐらいしたら、本当にやってのけたことが描かれる時代になるのかも。とにかく、もうちょっと何とかしてほしかった。
2018.2.14
ガス抜き。
この暴露映画の存在を根拠に米国には某国と違って言論の自由が有る、と思わせる米政府による巧みなガス抜き映画と見るのが正しかろう。
米政府公認で泳がされる如き社会派論客監督。
まあ米国は覇権国家として某国よりは相当マシな気はするが、本当のところどうなのだろう?
デジタル監視社会への恐怖
デジタル化が進めば進むほど、人々の監視が強まる現代社会。2013年に、元CIA職員によって国家ぐるみの個人情報の監視実態を暴露した『スノーデン事件』を、史実を元にしながら、ドキュメンータリー・タッチで作り上げた社会派ドラマ。オリバー・ストーン監督が好みそうな題材であり、監視社会に鋭くメスを入れた作品とも言える。
日常生活で活用されるSNS、監視カメラ、ネット、パソコンを通して、アメリカ国家安全保障局によって、生活の全てがあからさまになっている実態。この実態を国民には知らせず、国家の上層部では当たり前の様に行われていることに、恐怖を覚える。本事件を通して、改善されたというものの、その実態は私たちの知るところではない。
監督のオリバー・ストーンは、本作を通して、社会に対しての強いメッセージ性と警鐘を鳴らしている。しかし、それだけでなく、映画作品として、スノーデン自身の生き方や恋愛観、自分の仕事に対する葛藤、そして危機が迫る緊迫感を盛り込む中で、エンタメ性もしっかりと盛り込んでいるのが流石である。
映画の中で「第3次世界大戦を押さえているの、こうした監視の成果だ」というセリフがあった。しかし、今まさに、ウクライナ情勢をはじめ、北朝鮮のミサイル挑発、中国の東アジア進出、等こうした大戦に結びつく火種は、あちこちに燻っている。互いが互いを牽制し、たてまえと本音が交錯する中で行われる国家交渉。果たして、「大戦を押さえている」という大義がまかり通るこうした世の中を、安心で安全な平和な時代と呼ぶことをできるのだろうか?
スノーデン役のジョセフ・ゴードン=レビットは、『スター・ウォーズ』をはじめ、多くの作品に出演しているバイプレーヤー。スノーデン自身にもよくに似ており、今回、主役の抜擢を受け、スノーデンの愛する人への思い、仕事への不信感、アメリカ国家への反逆など、心が揺れ動き、次第に変化していく、彼の内なる姿を演じている。
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