ヒトラー暗殺、13分の誤算のレビュー・感想・評価
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暗殺の動機も、想いも、少し希薄のような…
単独でヒトラー暗殺を実行し失敗していたという歴史的事実が強烈なだけに、このドラマが非常に嘘っぽく見えてしまったことは否めない。
特に男女間の描写や長い尋問の描写など、かなりの違和感を持ってしまった。
映像は予想以上に美しくて重厚に感じた。だから架空というものを意識させたというわけではない。ナチスの集会とか古きドイツの牧歌的な風景とか、非常に臨場感を持たせる映像が多かったし、単に歴史的事象を再現するに留まらない─映像的なインパクトでもってより一層この衝撃的な事実を伝えようとしている志みないなものは感じた。しかしながら、自分にはその情熱が心に響かなかったといったところ。
というわけで、気合が入った映像がことごとく飾られたものというふうに思えてしまって、エルザーが実行した動機や想いといったものが、非常に希薄に見えてしまった。結局、衝動的に暗殺を企てたとしか思えなかったのだけれど、果たしてそれは作品の意図するところなのかどうか大いに疑問。
残忍なシーンも多かったし、見ていてかなりつらくて、スッキリしない物語だったなーという印象。
ヒトラーやナチス関連の映画を何本か観ましたが、拷問シーンで私の苦手...
「エルザーが反体制の闘士と認められるまでに数十年を要した」という事...
ヒトラー暗殺、13分の誤算
単独犯の失敗だけど・・・意味ある行動。
ドイツがナチスによって全体主義に傾き、ユダヤ人を根絶する社会へと変貌していく時代に生きた一人の男の半生。
主人公は音楽と女を生きがいとするような、ある意味チャラい男だけど、ナチスによって感化されていく村の人々と隔する思想を持ち続け、やがてはその才能をいかんなく発揮して、自作時限爆弾によるヒトラー暗殺を実行する。
映画タイトルにあるように残念ながら失敗に終わり、捉えられ尋問されていくが、その尋問と回想シーンで物語が進んでいく。
全体主義に流されていく様は、いつ見ても不気味だ。実際そんな場面になった時、自分は男のように正気を保てるのだろうか。自問しながら観てしまう。
それと反するように人妻との刹那な逢瀬はエロティックであり、悲しくもあり。安全な側から見れば滑稽化もしれない。
記憶に刻まれる映画であることに間違いは無い。
「エルザーが反体制の闘士と認められるまでに数十年を要した」という事...
真面目 史実
考えろ!
人間はいつでも『自分で』考える必要がある。今回の主人公はヒトラーが歴史上で悪役とされているがためにある意味たまたま英雄となったわけで、やっていることは、米リンカーン、ケネディ大統領を暗殺した犯人と同じである。どちらも(米大統領の方は推測であるけども)自分の周りで起こったことに対して不満を持ち、自分の正義の上でとった行動であり、それが正しかったのかは結果論でしかない。同じ行動をとっても結果は全く逆になるのであれば、行動する段階で何が、正しいのか分からない。ただ、それでも自分で考えて行動した今回の主人公に人間として惹きつけられる、劇中でも、周囲の人間の心を動かしていた。意志を持ち、行動する。魅力的な人間の条件だなあと。まとまらないけどそんな風に感じた。
●知られざる史実。
これが、今からわずか70年ほど前の現実、ということが信じられなかっ...
事実は小説よりも奇なり
本質を見た人に問いたくなる映画。
誰の言葉だったか定かではないが…「大衆は豚だ」と言う一言を思い返さずに入られなかった一本。
体制に、社会(この言葉が曲者)の流れに噛み付き一人戦った男の物語。
映画的には効果的な時勢の交差、主人公の描き方と演じる俳優の巧みさでかなりのめり込んで観られたのが上手い。
サスペンスと、人道的恐怖と、主人公の信念。
でも本当に恐ろしいのは。
ナチを持ち出すまでも無いことだが、そこに描かれるいわゆる「大衆」の醜さ。
劇中で主人公は…というのは観て頂くとして。
昨日までの隣人の首に「ユダヤ人と付き合う豚」と言う札を付けさせさらし者にする、自分の頭を使わない人々の怖さ。
まったく人ゴトではないし。
時代を越えた今の日本でも、例えば学校でも間々友の間でも規模は違えど同じことをしているこの虚しさ。
この映画を観た感想を、比べるとたぶん浮き彫りになる「人事体質」の試金石なのではないだろうか。
主人公の方は、かのドイツでも尊厳を回復するのは死後50年弱を要したと言うラストの一文…
自由が当たり前になり、義務と道徳と大儀がおろそかにされる今の時代。
人間て何だろう、と本気で考えさせられた作品。
感動・人道一辺倒の邦画も、奇麗事ばかりじゃ不味いのではないだろうか?
「進め一億」の中に杉原千畝が1/10いたら。。
自国民の恥を反省できるドイツの戦後の社会体質は本当に尊敬したい。
内容がある作品
エルザーの信念というのか、芯の強さはすごいと思います。映画の最後にゲシュタポに銃殺されてしまい、『どうしてこうなるんだ!』とやはり、悲しいというか、不条理を感じました。
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