ディアーディアー

劇場公開日:

ディアーディアー

解説

幼い頃に「幻のシカ」を目撃したことで人生を狂わされた3兄妹を描いたコメディ。黒沢清、瀬々敬久、石井裕也といった名だたる監督たちのもとで助監督としてキャリアを積んできた菊地健雄が初メガホンをとった。山に囲まれた田舎町で暮らす冨士夫、義夫、顕子の兄妹は、町で古くから言い伝えられてきた幻のシカを発見して注目を集めるが、やがて目撃は虚偽だとみなされ人々の信用を失ってしまう。それから25年後、冨士夫は実家の工場の莫大な借金を背負い、義夫はシカ事件で精神を病み病院暮らし、顕子は駆け落ちの末に酒浸りの毎日を送っていた。そんな3人が、父の危篤をきっかけに久々の再会を果たすが……。3兄妹役に、「パッチギ!LOVE&PEACE」の中村ゆり、「サッド ヴァケイション」の斉藤陽一郎、「市民ポリス69」の桐生コウジ。菊地監督を慕う人気俳優・染谷将太とその妻で国際的にも活躍する女優の菊池凛子が友情出演した。

2015年製作/107分/日本
配給:オフィス桐生
劇場公開日:2015年10月24日

スタッフ・キャスト

全てのスタッフ・キャストを見る

関連ニュース

関連ニュースをもっと読む

フォトギャラリー

  • 画像1
  • 画像2
  • 画像3
  • 画像4
  • 画像5
  • 画像6

(C)2015オフィス桐生

映画レビュー

4.0田舎の閉塞感をスタンダードサイズで

2018年8月31日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

スタンダードサイズの映画なのだが、スタンダードの画角の狭さが非常に作品内容とマッチしている。田舎の閉塞感が描かれた作品だが、画角からして閉塞的だ。

幻の両毛シカを見つけた三兄妹が、大人になってもどうにもならない鬱屈観を抱えて故郷で再会する。シカを確かに見たのだが、結局それは証明されず、以降3人はギクシャクし続けていた。バラバラの人生を歩んだ3人は、父の危篤をきっかけに再び集まるが、田舎の狭い人間関係の窮屈さと昔の恥が重なり衝突ばかり。大人になっても大人になりきれない3人はぶつかり合い、ちょっと和解する。

次男役の斉藤陽一郎がすごく良い。もうベテランのはずなのに、いまだに若手っぽい芝居ができるのが凄い。良い意味で若手っぽいのだ。長男役の桐生コウジは製作も兼ねているが、枯れた味わいがよく似合ういぶし銀な俳優だ。妹役の中村ゆりもとても良い。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
杉本穂高

2.5結局何も起こってない話

2020年3月21日
スマートフォンから投稿

笑える

序盤はとても面白かった。キャラクターを観察させるタイプの演出で、ユーモアも良くて、それぞれの痛みが伝わってくるようで。
描かれている舞台も住職がネットワークビジネスやってたり土建屋から賄賂もらってたりと面白い。

なのに、後半はなんか結局どうでも良い話に落ちてしまっていたように思う。結局強盗にしろ妹の不倫にしろ、後戻りができない話にはなっていかないし、斉藤陽一郎はいい加減独りよがりでウザいし笑。群像劇という形式に寄りかかりすぎたのだろうか。長男が染谷くん殺すくらいやってくれないと終われない気がした。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
ニックル

3.5ちゃんとした映画

2020年1月10日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

鹿をきっかけにアイデンティティがなくなった、というテーマがいい。田舎の世間が狭い感もリアル。3人が自分を取り戻すにはやっぱ鹿だったのね。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
いつこ

3.5田舎の現実を肌に感じる作品。

2018年8月7日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

田舎の鬱屈した空気感を上手く表現されているなぁと思いました。限界集落とまでいかない中途半端な田舎が舞台なところが特に現実性があって良かった…。
田舎の綺麗な自然とか、都市化されすぎていない風景とか、もちろん田舎っていいなぁと思う場面も所々あります。
しかし、それと同じくらいに、いつまでも親のことを引っ張ってきたり、昔の記憶を掘り出してきたりする田舎の世間の狭さを痛感して、、、田舎の嫌な所もしっかりと露呈されていたと思います。ちょっとしたことで浮き足立って町全体で囃し立てるくせに、違うとなると手のひらを返したように村八分にするような、そういうところあるよなぁ〜って思いました。都会に出たからといって成功はしないし、田舎に残っても代わり映えのない生活。人間無い物ねだりだし、人生上手くいかないよなぁって改めて思いました。前編栃木の某所で撮影されていたほど、予算的にはそれほど大掛かりな作品ではないとは思いますが、観て良かったなぁと思います。田舎出身は観るべきだなぁと。
菊地凛子さん、染谷将太くんの友情出演も良かったです。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
野