不屈の男 アンブロークンのレビュー・感想・評価
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オリンピックの顔と顔。それ、ちょちょんが♥
渡辺さんがなぜ彼に辛くあたったのか?理由が分からない。
昨日、オシフィエンチムと言う街の収容所を見に行った。死ぬ迄に一度は見ておくべきと思い見に行った。2000年も前の古墳の様に思えた。しかし、僕の生まれる12年前まで墳墓ではなく、生きた人間を収容していた場所なのだ。
さて、その場所と比べると、このストーリーに出て来る場所は雲泥の差であった。
僕が見たそこは人間を家畜以下に扱い、挙げ句の果てに墳墓に納めると言う行為をやっていた場所だ。そしてさらに恐ろしいのは、この映画の主人公みたいな兵士の収容所ではなく、一般の人達の収容所だった事だ。
僕にとっては『オシフィエンチム』が
二度と行きたくない場所になった。
さて、余りにも酷い世界の現況を鑑みると、その場所が本当の古墳になる前に、地球全体が収容所と化し墳墓と成り果てて、我々知的生命体と呼ばれる種は絶滅するのかもしれない。
さて、
この映画の主人公はイタリア系アメリカ人ゆえ、世界的な名声も含めて、捕虜として優遇されていたはずだと思う。それにしても、並外れた生命力だね。それは絶賛に値する。
日本軍に捕虜されても諦めなかった元オリンピック選手の実話
かつて元オリンピックでマラソン選手として活躍した男が戦争で漂流そして日本軍に捕虜されて収容所での生活をされてしまいます。
日本兵による過酷な強制労働に罰されても諦めなかった男。
そして終戦後に帰還、家族との再会で男はどう感じたのか。
私が言えたことは、これからも二度と理不尽な強制労働をせず平和な時代が来ることを誓っています。
MIYAVIが細く小柄に見えてサイコパス。 恐ろしい役を引き受けた...
MIYAVIが細く小柄に見えてサイコパス。
恐ろしい役を引き受けたもんだ。
入れ墨だらけなので軍服はきちんと着ている演出なのだろう。
「脚本を読んで この役は私しか出来ないと思った」と『BABEL』(2006)で語った菊地凛子の言葉を思い出した。少し似ている。
でも調べたら「元々はアンジーがYouTubeなどを通してMIYAVIのギタープレイを前々から鑑賞しており、アンジーがMIYAVIの大ファンであったことがきっかけである」との事。
『オッペンハイマー』(2023)の様にアメリカではユニバーサル配給なのに東宝東和が配給しなかった『アンブロークン』(2014)。日本人に配慮したからだろうが、この時もビターズ・エンドが配給権を買って2016年に劇場公開日した。
そういった過去のコネクションが『オッペンハイマー』の日本配給の契約でスムーズにいったんじゃないか、という考察は「成る程」と思った。(松崎健夫さん)
続編の『アンブロークン: パス・トゥ・リデンプション』(原題:Unbroken: Path to Redemption)は日本未公開。
ルイス・ザンペリーニ
2022年7月16日
映画 #不屈の男 #アンブロークン (2014年)鑑賞
反日映画とか騒がれてたけど、まあ、こんなことはやってたんだろうから、冷静に見ればいいと思う。
ただ、映画としてはダラダラしすぎてるので、アンジーが監督じゃなかったら騒がれなかったろうとは思います
#MIYAVI はよかった
さほど反日とも思わないけど
オリンピックのスポーツ映画と思ったら戦争映画でした。
漂流と収容所シーンが殆どでやや冗長。
公開時ずいぶん騒がれたらしいけど、捕虜虐待なんてどこでもあんなもんだろうし、それほど反日とは感じない。なぜなら、あくまで所長個人のキャラクターとして描いていて、日本軍一般としての撮り方ではないから。
もう一つはその所長がミスキャスト過ぎて笑えるから。戦メリの教授の線を狙ったのかなあ?あっちは大島選手のぶっ飛び演出で、ミスキャストが売り物だからそれなりの味わいがありますが、こっちはほぼシリアスなので単に滑稽なだけ。
不屈の人、罪を憎んで人を憎まず・・・
主人公ルイス・ザンペリーニさんの数奇な運命の伝記に惹かれて、あのアンジーが監督を買って出たのだという。彼は高校時代にベルリン・オリンピック5000mに出場、その後B-24の爆撃手として太平洋戦争に従軍、機のエンジン故障で海に墜落し47日間の漂流と、2年間の捕虜生活の末、生還する。映画は捕虜時代の虐待に耐えるところが主なので日本人としてはなんとも辛いですね。
ただ、収容所長の渡辺がルイスと同じオリンピックに出ていたような意味深なシーンを入れるので、レースに負けた個人的な妬みで虐めているように見えて錯覚してしまうでしょう。
渡辺の部下たちの証言では根っからのサディストだったらしいが気の小さい男ほど権力を誇示して部下に舐められまいとするパワハラの典型かもしれない、本人は鉱山や旅館を営む裕福な家の出で、早稲田の仏文を出て同盟通信社に勤めていた経歴なので英語が話せたのだろう、ルイスを米国への宣伝放送に使おうとするくだりは、その辺の縁なのだろう。ルイスが逆らったので顔を潰された格好の渡辺は憎さが倍増、虐待がエスカレートするのだった。
なぜ俳優でもないMIYAVIが演じるのか疑問だが粗暴な軍人タイプでないだけに妙な不気味さは出ていました。
渡辺は捕虜虐待で戦犯とされたが7年間逃げ延び訴追を免れたのだが本人は反省どころか軍務と開き直っていたらしい。ルイスはPTSDに悩まされたが妻の影響で宗教の道に入り、捕虜時代の虐待を許す気持ちになったと言う、まさに罪を憎んで人を憎まずを実践した不屈の人でありました。
それはそれとして、捕虜たちが大森から直江津に移送されるシーンで米軍の爆撃で焼け野原になった東京の市民の死体累々の中を茫然と歩くところに注目、爆撃手でもあった主人公の胸中は複雑だったであろう。映画では1分足らずの短いショットでルイスの表情のアップも無い、アンジーの信条としての人類愛がテーマであればこのシーンにもっと力を注ぐべきだった、単に理不尽に耐えた不屈の人を讃える映画になってしまう所がアンジーの力不足ということでしょう。
演出力不足
映画っぽいものを作ろうとした感じが否めない
漂流のシーンに無駄が多い、途中シャークムービーになったのかと思った。
渡辺を魅力的に見せたいのはわかるが結果何を考えてるかわからないlook at meおじさんになっていた。
全体的に金をかけているが演出力不足。
不屈な男ではあった
個人評価:3.0
冒頭の漂流場面と、日本での捕虜時代のトーンに温度差があり、あまりリアリティが感じられない。
撮影がロジャー・ディーキンスなので、流石に映像美はあるが、演出がよくなく、真に迫るものがない。ミヤビはカッコ良くていいのだが、やはりリアリティに欠ける配役ではある。
アンジーが伝えたいテーマがラストに駆け足で詰め込んでいるので、残念ながら心には響かなかった。
端折られた所こそ、本当に大切な所なのでは?
実在の人物ルイス・ザンペリーニの戦争体験を映画化。
オリンピック出場経験もあるアスリートのルイに襲い掛かる様々な苦難と、それを乗り越える不屈の精神を描く戦争伝記映画。
監督/製作は『Mr.&Mrs. スミス』『マレフィセント』の、オスカー女優のアンジェリーナ・ジョリー。
脚本には『ファーゴ』『ノーカントリー』の、オスカー脚本家ジョエル&イーサン・コーエン兄弟が参加している。
主人公ルイの戦友フィルを『ハリー・ポッター』シリーズや『アバウト・タイム』のドーナル・グリーソンが演じている。
やれ反日映画だの、やれプロパガンダだのといろいろと言われた映画らしいのですが、内容は全くそんなことはなく、苦境に晒されながらも耐え抜く精神の尊さを描いた作品でした。
映画では主人公のルイがこれでもかというぐらい酷い目に遭い続ける。
飛行機の墜落からの遭難、日本兵の捕虜にされ、虐待&強制労働…
ルイの苦しみをたっぷり描写することで、そこからの解放によるカタルシスを高めようという意図はわかるのですが…
やっぱりねー、退屈なんです。全体的に。
ボートでの遭難までは物語が進むのでそれなりに面白い。特にルイがオリンピックに参加するまで、そしてオリンピックの描写はかなりワクワクします。
オリンピックの開会式で、日本の選手と目が合い互いに会釈する。あそこの描写なんかは上手い。平和の祭典とその後の戦争の対比がしっかりと描かれています。
ただ、ボートでの遭難のシーンはイマイチ。尺をたっぷりとっている割には起こる出来事が想像の範囲内だし、遭難中は物語が前に進まないのでモヤモヤする。
あんなにサメってボートを襲うの?とか、50日遭難した割にはヒゲとかあんまり伸びてないな。とか気になるところもあった。
ただ、この遭難シーンの為に役者陣は相当身体を絞っており、そこは凄かった。ドーナル・グリーソンとかガリガリすぎて心配になる程でした。
遭難から助かったあとは、日本兵の執拗な虐待…
ここはやはり日本人として座り心地の悪さを感じる所。
ただ、ここも描き方に違和感がある。
渡邉睦裕という収容所の責任者。彼は史実上捕虜の虐待を行なっていたという酷い男。
この男が、ルイを執拗に苛めるわけです。
ぶっちゃけここはほとんどBL映画の世界。やけに顔が近い。アンジーの趣味か?
ボーイズ・ラブ的なのはまぁ良いのですが、やっぱり日本兵をあまりに悪く描き過ぎている様には感じました。
渡邉睦裕を屈折したサディストとして描くのはわかるのですが、やはり収容所にはそれなりに倫理観を持った軍人も居たはずです。
そういった日本人とルイの交流の描写もあって然るべきだと思います。そうすればより渡邉の悪さも引き立ちますし。
あとは、収容所のパートからフィルの影が凄く薄くなる。物語から姿を消してしまう。
フィルをルイの相棒として描き、監獄物にはお馴染みのバディ・ムービーにしてしまえばもっとエンタメよりの面白さが出たと思う。
クライマックスでのルイが木材を持ち上げるシーン。あそこが顕著ですが、ルイはキリストと重ね合う様に描かれている。
苦難に遭いながらも、汝の敵を愛するという映画のテーマを表す為には妥当な所だと思う。
しかし、この映画ではルイを襲う苦難にばかり焦点が当てられ、彼が敵を赦す様になるという描写がない!
映画の最後に、字幕とスライドにより説明されるだけ。
いやいや、此処こそが一番大事な所だろー!
PTSDに苦しみながら、信仰と愛により日本を赦す。クライマックスでは長野オリンピックの聖火ランナーとして日本で走る。
此処が大事な所であり、しっかりと描くべき所なのでは?虐待描写に時間を割くなら、こっちを重視しろよ!
渡邉睦裕は戦後指名手配されながらも逃亡の末に起訴を免れた。
ルイが来日した時も、彼と会う事を拒んだという。
過去を乗り越え敵を愛したルイ。自らの罪から逃げ続けた渡邉。
此処の対比こそが最もこの物語が語るべき事であり、そこの描写が抜け落ちていることは勿体ないとしか言いようがない。
全体的に鬱屈としていてわざわざ好んでみる程のものではないと思う。
大森収容所から異動した渡邉が、直江津収容所に居たっていう展開は、ルイのリアクション含めてちょっと笑える名シーンです。
コールドプレイも良かった!
エンディングがコールドプレイで素敵でした。
ピアノで綺麗なイントロ!
そして映画自体も、最初は???でしたが
神父様の教えとお兄さんからの言葉が素晴らしい。
神は2つの光を創られた
昼を照らす明るい光
弱い光は夜を照らす
その2つ
光と闇、昼と夜は
別々のものだ
それぞれが別に存在して
互いに戦うことはない
神は、その両方を創られた
人は暗い夜も受け入れて戦うな
夜も私の創造物なのだからと
神の子イエスは戦う人ではない。
人間の罪と戦うのではなく
罪を許す、罪を赦し罪人に微笑み
闇に逆らわずに受け入れ給ふ
汝の敵を愛せ
——————-
耐え抜けばやれる
If you can take it,you can make it!
ここでお兄さんに
I don’t believeっていってお兄さんがI doって言う。
いい兄弟だなぁと思いました。
そして、旅立ちの時
苦しみは一瞬、それが一生の栄光を呼ぶ
忘れるな!とお兄さんが主人公を送り出します。
いやぁスバラシイ名台詞だと思います。
復讐ではなく許すことが生きる道
この人のすごいところは聖火ランナーとして
日本の捕虜になった場所を80歳になった時
走りに来たということだろう。
実際の映像が最後に流れたけれど、憎らしいと
思って当然の日本人に手を振り笑顔を向けて
聖火を持って走っている!心が広すぎる。
赦す人には伸びしろがあるんでしょうね…
私としては戦争の描写の部分は見てて辛かった
けれど、この映画から得た教訓は素晴らしかった。
苦しい時は、苦しみは一瞬だと考えます。
復讐心が芽生えた時は許そう許そうと言い聞かせて
人生を豊かに送っていきたいと思います。
ルイ・ザンペリーニが語った捕虜体験記
5000メートル陸上選手としてベルリン・オリンピックに出場した後、米空軍に入隊。爆撃機の墜落で太平洋を47日間漂流し、2年間にわたり日本の捕虜になった。
前半はほぼ漂流シーン。
3人の痩せっぷりが凄かった、あれはCG?実際に痩せたのなら凄まじい。
大森収容所なんとなく聞いたことはあっても、新潟県上越市川原町にあった直江津捕虜収容所の事は知らんかったのでためになった。シドニーで撮影したらしく断崖絶壁が気になるが、日本のシーンは良く出来ていたと思う。なんちゃって日本語が一切聞こえないのも好感。
ベースオンザトゥルーストーリーではなく、トゥルーストーリーとなっていた事をよく受け止めないとならないのだと思う。
ワタナベ伍長も実在してるとか。
見た目は戦メリの坂本龍一を意識してキャスティングしたのか。
東京大空襲の後を描写したりもしていて、日本軍を貶めるために作られた映画ではないと分かる。
耐え抜く事、生き続ける事が勝利につながるということを凄くアピールされるので、お国の為に死ね!特攻精神では勝てないよ〜と言われているような気になる。これが戦争に負けるということなのだろうか。
イメージフォーラム 面白かった。ユニバーサルの映画でもイメージフォ...
イメージフォーラム
面白かった。ユニバーサルの映画でもイメージフォーラムでかかるんだね。
自分の中でのある区分、見なきゃいけない映画(戦争の中で起きる悲劇)の内容。でも、野火やサウルの息子よりも、希望や明るさの色が濃い分、自分には快適に見られる。受け入れやすい。
そういう意味で、「紹介(勧める)」がついている。
主人公の不屈さも見事な演技だけど、そう感じるのは、痛そう苦しそうの演技が上手いからじゃないかな。我慢するけど本当に苦しい痛いって、なかなか出せないと思うんだけどうまかった。あと、病的な日本軍人を演じたMIYABIって人も凄い。
ただ、全編通して、泣き上戸の自分が泣くことはなかった。感情移入はなく、プロ選手への尊敬といった感じだった。
無関心•••4•好 SF ちょっとスポーツ
並••3••凄
無••3••涙/無••••5固ゆで
無••••5社会派/大衆•2•••狂信
満喫/紹介
俺の満足度 80点
作品賞可能性 80%
みんなの評価、見て来ました。すっごい賛否両論。こんなに極端なのも珍しいくらい。
否定は、この映画は反日、事実でない誇張、という見方の場合。
肯定は、日本軍がみんなそうと言っているわけではなく病的な個人のいじめに耐える主人公という見方をしている場合。
自分は後者。かつ主人公以外の捕虜が被った過酷さは、あったのではと思うから。
真っ当な伝記映画なんだと思う。
「へえ、こんな人がいたのか」くらいの感想で、個人的にはさほど見るべきところのない内容だった。これなら戦メリでも観なおした方が数倍面白いと思う。シチュエーションが似てるだけでぜんぜん関係ない話だけど。
それにしても、俘虜収容所所長の渡辺伍長(のち軍曹)はあえてヨノイ風にしたのかなあ。キャストもミュージシャンだし。だとしたら、あれは失敗かな。ヨノイに比べたら階級も言動も全然小物なのに、無駄にミステリアスな雰囲気が邪魔になってる。
あと、日本公開時にでた反日云々はただの言い掛かりだろう。特に新味のある日本軍人の姿が描かれているわけでも、異常性が強調されているわけでもない。あの程度の非道すらなかったというなら、それはあまりに歴史修正主義的といわざるを得ない。
映画はこの目で見て、何を思い、何を感じたか
ベルリンオリンピック出場後、第二次大戦で日本軍の捕虜となったルイス・ザンペリーニの実話を元にしたアンジェリーナ・ジョリー監督作。
日本公開に至るまでの一悶着は一旦置き、まずざっくばらんに感想を。
壮絶なまでにドラマチックな半生!
問題児、イタリア系であるが故にいじめられた少年時代。
足の速さの才能が開花し、遂にはオリンピックに出場、好成績を残す。
パイロットとして出兵、エンジンの故障により太平洋上に不時着、仲間2人と共に漂流。
47日目、地獄のような漂流生活に終止符が。
しかし、待っていたのは、別の地獄だった…。
日本軍の捕虜となり、虐待、強制労働…。
その酷い仕打ちの数々。
オリンピック出場という目立つ存在だったらか、それとも悪魔との出会いか、収容所所長・渡邊伍長に目を付けられ、人一倍“可愛がられる”。
“敬意”のシーンは戦慄…!
やがて渡邊は昇進で収容所を去り、ルイスも別の収容所に異動、そこで出会ったのが…((((;゜Д゜)))
原作小説では日本人が人肉を食らうなど鬼畜の描写が問題となり、その映画化という事もあって当初は日本公開がボイコットされる事態に。
小規模ながら劇場公開され、やっとレンタルになって、実際見て思った事は…
これの一体何処が反日!?
確かに日本軍は鬼畜の描かれ方。
自分もあの渡邊伍長の蛇のような目を見る度に虫酸が走った。(最もこれは、演じたMIYAVIの憎々しい演技が見事なのだが)
しかし、戦時中の日本軍の悪行は歴史的事実。
だから今も反日なんて感情が根強く残る。
ここで間違えないでほしいのは、当時の全ての日本人がそうではなかったという事。
一般市民は戦争の被害者であり、軍部でも戦争に疑問を抱く者たちも居た。
ただ、ほんの一部、権力や地位を盾にした愚かな輩…。
同じ日本人でも、そんな輩には一切共感出来ないし、戦争が狂わせた…なんて安易な理由で擁護もしたくない。
本作はあくまで、ルイス・ザンペリーニの伝記映画。
そして、監督アンジェリーナ・ジョリーが最も伝えたかったであろう赦しの物語。
あからさまに日本を悪く貶めようとする描かれ方は感じなかった。
ボイコットした連中はこの映画を見た上での意見だったのだろうか。
いや、見てる筈がない。
だって、日本ではまだ公開されていなかったのだから。
見もせず、知ったように文句を付ける。
そういう輩は映画ファンの敵。
文句は見てから言え。
見た上でそう感じるのなら、それは確かな意見。
自分のような反対意見もある。
意見を戦わせる事が出来る。
映画鑑賞最大の醍醐味。
人それぞれ、その映画を見て、何を思い、何を感じたか。
ここでちょっと自分の意見になるが…
こういう映画はちゃんと見せるべきだ。
殊に日本の戦争映画は、美化して涙を搾り取ろうとするものばかり。
当時の悪行を包み隠さず見せ、反面教師的に戦争を考えさせる。
それを妨害しようとする輩は、未だ大日本帝国下に居る。
ルイス・ザンペリーニの不屈の精神。
十字架に磔にされたキリスト如くのあるシーンは胸熱くさせられるものがあった。
その“半生”としては文句の付けようがない。
が、“映画”としては残念な点が。(それ故、採点4にならずに3.5に…)
最も大事な“赦し”のシーンがエンディングにて簡潔に説明されるだけで、劇中にて描かれてない事。
そこはしっかり描かなくちゃダメでしょ!
歴史的事実なのだからしょうがないけど、例えばルイスが長野オリンピックの聖火ランナーとして“凱旋”した時、渡邊と三度再会、渡邊がルイスに土下座し泣きながら懺悔するシーンとか脚色でもいいから欲しかった~!
反日映画なんて間違いの極み
アンジェリーナ・ジョリー監督第2作はオリンピック選手ルイ・ザンペリーニの波乱の半生を綴り、歴史を忠実に描いた伝記映画だ。
この映画は反日映画と物議を醸し、日本での公開が危ぶまれた背景があった。同時にアンジー監督も反日だと批判を受けた。
最初に言っておくとこの映画は反日でも何でもない。映画を観る前に酷評をし日本公開に待ったをかけた日本映画業界は恥を知るべきである。
ではなぜ反日映画だと批判をあびることになったのか。今回の主役であるオリンピック選手ルイ・ザンペリーニが第二次世界大戦で出兵することになり、漂流や捕虜生活と死と隣り合わせの体験を潜り抜けるが、問題となるのは捕虜生活にあり捕らえたのが日本兵という点にある。そして、あまりにも非情で残忍な行為に反日の声があがったわけだが、この映画がアメリカ側の視点であり、ザンペリーニの視点でもあることを忘れてはならない。何よりこれは伝記映画であり、これを忠実に描き風化させまいと挑んだ努力の結晶ともいえる映画のどこが反日なのだろうか。確かに日本兵の扱いは傲慢であり、サディスティック一辺倒の行為が目立つがこれも歴史の一部であり、逆に描かなければこの映画は成立しない。それよりも日本兵の渡辺伍長を美形のMIYABIが演じることのほうが疑問視してしまう。
1957年公開の「戦場にかける橋」が類似的な要素で見られ、特に捕虜生活の期間は照らし合わせると面白いかもしれない。日本兵が外人を捕虜として扱う点は一緒であるが、扱い方や心情、その先にある感情のぶつけ合いから生まれるものは対照的という見方もできる。
そして捕虜生活から解放されたザンペリーニに待っていたのは「PTSD」というストレス障害。イーストウッド監督「アメリカンスナイパー」でもこれは取り上げられ、兵士にとって終戦は本当の終わりではないのだと痛感した映画でもあったが、ザンペリーニも同じ障害にかかり心が蝕まわれていく。治療に専念した結果、これまでの人生を振り返り悟りの境地とも言うべく一つの答えを出すわけなのだが、そこでとった行動に対してこれは現実にあった話かと考えると人間の限界は底なしだと改めて感じてしまった。
折れない心
主人公の折れない心がどうして育まれていったのか、彼のその心が戦争、漂流、捕虜収容所で彼を救う。しかし反発も招いた。
捕虜収容所では所長の酷い虐めにさらされる。若い所長は陰湿で異常に思える。
主人公の記憶を元にした再現であるためか、演出なのか、捕虜収容所の苦難の原因はこの所長一人に帰せられている。そこが戦前の日本人には捕虜になることは許されていなかったという、帝国軍隊の人間軽視の構造には迫っていなかったと感じた。しかし、その構造だからこそ彼のような人格が存在できたとも言えるのだが。
ラストのルイが長野オリンピックの聖火リレーを走る場面に一番感動した。
この場面を見せるための映画と思えるくらい感動した。ニコニコしながら聖火を持って走っているルイの表情に大きな赦しを見た。
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