母と暮せばのレビュー・感想・評価
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二宮和也の演技力はさすが・・
山田洋次監督の作品。ファンタジーの世界。普通に随所で涙が出た。長崎の原爆に被爆して亡くなった息子とその霊と会話が出来る母親の物語。二宮和也と吉永小百合の演技力に脱帽・・2015年の戦争をテーマにした邦画。
ホラー
投下シーン、日常(?)シーンは見れる楽しめる。
しかしラスト、あれは戦争について何かを訴えるでは無く、それこそ宗教臭さを感じさせてしまった。二宮君(?)の演技もホラー寄り
対し母のリアクション。ラストでちぐはぐに
アメリカさん、また一人殺すことができた!って、喜んでくれてるかい?
戦後70年に吉永小百合とジャニーズ二宮が演じる価値は強いとは思うけれど...。なお、本田望結ちゃんは顔を汚くしても育ちの良さが克明で、とても愛らしかった。そして、みんな小津安二郎が大好きなんだ。
「これがぼくの運命だったんだ」と諦める二宮に対し、吉永さんが「人為的なものだから、こんなん運命じゃなか。」と泣いた。その感覚が、『夕凪の街、桜の国』の「アメリカさん、また一人殺すことができた!って、喜んでくれてるかい?」に繋がるんですね。
命そして戦争って
原爆で亡くなった息子が母親の元に現れる。
吉永小百合さんと二宮和也さんの二人の関係性がとても素敵に描かれている。
原爆で一瞬にして失われた命。
そして残された人たちの悲哀。
その後の人生までも狂っていく。
この映画の様なひとはそれこそ沢山いただろう。
その一人一人に同じ様な人生があったのだろう。
この映画では幽霊という形で姿を現してるがそれは本当に幽霊なのだろうか。
母の息子を思う気持ちが投影されていただけではないのだろうか。
息子がなくなりそしてやり残した息子の許嫁のこの先の事まで決まり安心して現世に別れを告げる決心がついたのではないだろうか。
黒木華さん演じる許嫁は当初は二宮和也さんを思ってだけれど、その後浅野忠信さん演じる人と出会い未来を生きていく。
過去と別れを告げ新しい二人での未来に生きていく、その気持ちのいいほどの決別した姿をあらわす演技はさすがでした。
そしてラストですが戦争だけでなく命の尊さを表してる。
ある意味とても宗教的な終わり方。
なぜだか晩年の黒澤作品のような様式美さえ感じられた。ここは評価の分かれるところのように思う。
ラストがちょっと残念…
長崎の原爆で亡くなった息子が、3年後にユーレイになって、一人になった母の前に出て来る。
ニノが「明るくオシャベリな息子」を好演。
母の暮らす小さな家が舞台で、ほとんどその中での会話劇って感じなので、最初はセリフの多さ、長さがちょっと気になった。でもニノと吉永小百合の親子はとても自然で、こんな風に少し天然で、おっとりした親子もいたのかも、と思える感じ。戦後すぐの大変な時代なのに、どこかユーモラス。
テーマは反戦だと思うけど、激しい表現はない。
「天災は運命かもしれないけど、戦争は運命じゃない!」と小百合母に言わせたところくらい。淡々と日常と、親子の思い出話をつないでいるのに、「戦争って悲惨だ。戦争のない今で良かった」としみじみと泣けてしまった。
特にムスコを持つ母には響くかも。
ニノもだけど、黒木華ってホントに「昭和」が似合う女優さん。黒木華、とても良かったです♡
ラストだけはちょっと残念。私は違う形にして欲しかったなあ。
淡々と最後までとらわれる
個人的に映画というより、
1本の舞台を観ている気分になりました
やや大げさかなと思える役者さんの演技は
監督の策略??
説明するような台詞が多いので
不自然に聞こえる時もあるけれど
時折見せる表情や
間の置き方など、
二宮君と
黒木華ちゃんの演技は
透き通っていて好きです
二人がこの作品で日本アカデミー賞の
賞を受賞したのも頷けます
戦争反対がテーマで
死んだはずの息子が
亡霊となって母と暮らすという
ファンタジーチックで
クライマックスにつれて
怖かったです
登場人物が異質に思えてきちゃって
(息子に関しては亡霊なんですでに異質なんですけれど)
エンディングの映像は
私にはちょっと合わなかった
その中でもやはり印象に残るのは
町子が、結婚を報告に来る場面で
そこは涙が止まらなかったです
絶句!流石の山田監督もこれでは反戦の罵声でしかない
やってくれました!流石山田洋次監督ですね!
邦画界始まって以来の駄作を遂に制作して下さりました!
山田監督自身は、昭和6年生まれで、終戦後、外地からの引揚者だったので、戦争体験者と言う立場から誰よりも戦争憎し、戦争反対と言う気持ちが強かったのだろう。
その気持ちは、昨年の安倍政権に因る安保法案騒動でも「戦争法案反対」と声高にマスコミにもちょくちょく顔を出しておられた事からも充分理解出来る。
そんな山田監督ならば、当然待っていましたとばかりに「母と暮せば」の企画に飛び付く気持ちは痛いほど理解出来る。
井上ひさし原作の広島原爆投下の悲劇の物語「父と暮せば」と対の作品となる長崎原爆の物語「母と暮せば」は、ついぞ映画化されずに、井上氏は他界、「父と暮せば」を監督した黒木和雄氏も既に共に他界している。
そこで現在この作品の映画化こそは自分だけと思い、気負ってしまったのだろうか?本作は井上ひさし原作の戯曲の映画化を演出したと言うより、単なる反戦の罵声でしかなかった作品だ。
山田氏は半世紀以上の長きに渡る、我が国の映画界の大御所監督で有る。ならば、観る者の心に、この悲劇物語が自然に染み入る芸術作品として撮って頂きたかった!
これでは、中学生の学芸会の方がまだ見られる。被爆者の哀しみ、戦争に敗戦した当時の人々の苦悩がまるで伝わってこない。いくらセリフで「戦争は嫌」と吉永小百合に語らせても効果はゼロである。
一方、吉永氏も母親らしくない!完全なミスキャストだ。この母は次男ばかりの戦死を悼み、戦死した長男への想いなど微塵も伝わらない。この脚本と演出では人の心に響く秀作は出来ない。きっと吉永氏を意識し過ぎた演出をしようとした弊害の為であろう。はっきりと申せば吉永氏がこれまた半世紀も主役ばかり演ってきた女優とは言うものの大根なのだから、こう言う繊細で、抑えた気持ちを表現する役処は最も不向きな役柄である。完璧なミスキャストだ。
吉永氏も広島平和祈念館でのナレーションを始め数々の反戦行動をライフワークとしているので、このオファーを受ける気持ちは理解出来る。
しかし、ちっとも肝心要の被爆された多くの方々の想いを代弁しているように、観客に伝わってくるものがゼロであったなら彼女が演じる意味がない。失敗である。
制作サイドとしては、アイドルの二宮氏を起用する事で集客を見込んだのであろう。二宮を起用する事で若い世代の集客に多少の効果は有ったかも知れない。しかし、それでも、この作品を制作した事に因って多くの感動を日本に巻き起こした事にはならなかったようだ。
願わくば、少しでも小津監督存命の時代に同じ松竹で監督業にあった山田氏にはもっと格調高い秀作として、井上作品を撮ってほしかった!
「父と暮せば」に出演していた、浅野忠信も今回は殆ど出番無し。年齢と共に良い俳優になってきた彼を使うなら、もう少し魅せ場が欲しい所だ。
これ程までに、原作の良さを打ち消せる作品は他に例をみない!
寅さんだけにしておいたら、山田監督の素晴らしさは語り継がれた筈だ。
とても残念でならない。
涙が止まりませんでした。
硫黄島からの手紙の二宮に注目していました。 昨年12月初日から 1月 2月(昨日)と3回みました。
戦争経験のある私にはしみじみと心が伝わり涙がでました。
しかし今の時代が幸せとは感じませんが ・・・
脇役の 黒木華 浅野忠信 加藤健一 音楽の 坂本龍一
素晴らしいと思いました。
ファンタジーの悪用
娯楽作家・山田洋次の悪いところが凝縮されて膿のように出された作品。
映画は演出で、演技であり、演技は嘘つき行為であり、嘘つきを何度もなぞることで監督には文体のようなもの、とくに大ベテランである山田洋次には、演技を見てその人の演出と分かるほどの文体、あるいは癖ができてあり、それはすでに実生活の自然体では有りえない、お遊戯・くるい、いわばファンタジーを内包しつつ創出しているのだから、映画は有り体を再現しようとするだけで、やっぱりすでにファンタジー内包して、ファンタジック表現としては必要十分なのに、そこへきてまたわざわざとファンタジー話をもってくるのは、これは、少し考えてもくどいことだ。本作品も言わずと知れたファンタジーだろうか、そうと思って観に行くものだ。なら、それなりの工夫が求められるはずだから、老巨匠によるそれの作用をたのしみにした。お家芸の娯楽作風に、「楢山節考」のような芸術性は求められないから、ならば、できれば、粋のような印象であってほしいと願った。
しかし、本作は、子供だまし的幼稚工夫による悪趣味方面からの矮小観点からの庶民礼賛・宗教勧誘話、でしかない。是枝監督の「空気人形」と酷似している。各々の生活で行われているのだろうか、日常的で個人的な鎮魂の儀式を、ベタベタの大衆ファンタジー・場末スナックのママの観点から、共通化し、救済せしめようという、あくどい勧誘みたいなエンディングで幕を閉じるのだから、最後まで救いようがない。この憎っくきスクリーンを前にしてこの私の、感動を表現する方法として最適な、涙を流す、打ち震える、嗚咽を漏らす、といった実にわかりやすい生理現象が引き起こされた、他人でも眼を覆いたくなるほどのおぞましい、まさかの我が大失態を、そのゲス極みっぷりを、否み尽くしたい。
浩二が原爆で亡くなる前の回想シーンがよかったです。和やかな雰囲気が...
浩二が原爆で亡くなる前の回想シーンがよかったです。和やかな雰囲気がありました。
ラストはいまいちでしたが、母親の役がとても合っていて感動できる映画でした。
邦画の欠点
全体的には予想通りの結末で克服感のあるすがすがしい印象をもちました。
戦争世代がとくに共感すると思いますが、その世代の人たちは辛くて観たくない映画でしょうね。
長男は一瞬しか出場しませんでしたが、上官の命令で病と飢餓に苦しみながらジャングルを彷徨った辛さが際立って伝わってきました。しかしこの描写の消化にはある程度の知識が必要でしょうね。
それからこの映画は随所で感情の誇張がめだちます。これは昔からの邦画の興ざめの一因なのです。
キャストが吉永小百合さんでなく、もう少し毒気も含んだ女性が演じた方がリアリスティックに感じれたかもしれません。
悲しみはあれど 重苦しさはあまりなく
母と観に行った。隣で母は泣いていた。
息子がいる母親にはとくに 涙を誘う内容です。
なぜ 死ぬのが自分の息子でなくてはならなかったのか なぜ息子は死んだのにあなたは生きているのか あなたにも生きていてほしいのにどうしても息子が生きていてほしかったという思いに苛まれる母親。
戦争とは そういうものです。生きるも死ぬも 何かを選択するまもなく一瞬で変わり果てる世界。人の心を貪欲にし 黒く暗く悲しくする。誰か特定の人を恨むこともできず、怒りの矛先を定めることもできず、戦争という漠然としたものに 不完全燃焼の怒りを抱えて生きるしかない。
人生経験に左右される映画
山田洋次監督の映画は年をとればとるほど、評価が高くなる。それはきっと人生経験の差がそのまま映画の評価になるのだろう。
本作で言えば、被爆者、戦争体験者、大切な人を亡くした人と、そうでない人で感想は大きく異なるだろう。全てが後者の私は評価が低くなる。しかし、それは仕方ない事であり、出来ることはこのような映画を見て少しでも前者に近づく事だ。全ての人におすすめしたい。
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