母と暮せばのレビュー・感想・評価
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吉永さんと二宮くんの雰囲気が素敵
冒頭の白黒での描写は実際の映像とマッチしていて、いい演出だと思いました。
原爆というと、キノコ雲がデカデカと描かれる事が多いですが本作はキノコ雲が出てこなかった。
キノコ雲という大きなものではなく、手のひらサイズのインクのガラス瓶。
これだけで一瞬で全てのものが焼き尽くされたんだなと思わせてくれました。
このシーンは印象的でしたね。
役者としての二宮くんは結構好きな方なんですが、この作品では、より表情が豊かな演技をしてるなと思いました。
お母さんに、お父さんに告げ口するよって、意地悪く言う二宮くんと、少し慌ててる吉永さんが凄く仲の良い親子という感じがして、このシーンは好きですね。
少し心残りなのは母の前だけでなく、町子の前にも現れて話しかけて欲しかったな。
伸子はキリスト教徒として描かれていましたがエンディングが、ちょっとそのテイストが強かったので少し違和感ありました。
でも、短いシーンでも名優が脇を固めてて見応えありましたし、親子の絆に目も潤みました。
涙だけじゃなくて、鼻水ちゃんぽんとか面白さや戦争の怖さとか色んな感情が描かれてるのが良かったです。
古い街並みに田舎にありそうな昔ながらの家、レコードとか少し洋風なテイストもあって、ジブリに出てきそうな風景でファンタジー要素も大きかったのでアニメにしても面白いんじゃないかと思いました。
悲しすぎる
悲しい話しだった。アメリカ人にもみてほしい。お母さんが、この世から去る映像はどうしてもチャチくなってしまうのは仕方ないとして、この終り方は悲しい。けど、いい映画だった。
よかった
良くできた映画でした。涙します。やっぱり吉永小百合はいいですね。映画に品と重さの価値を付加します。最後の方「あなたと町子が反対であったら」と想いを吐露しますが、親の心情として良くわかります。多くの人に見てもらいたいですね。
すばらしい映画です
母子の愛情がメインテーマではありますが、私は、なくなった青年の恋人との決別に涙しました。「紙屋悦子の青春」を思い出しました。
青年は、最初、彼女との別れを認めることができなかった、、、しかし、母は彼女の幸福の大切さを説得します。そして、青年は最後に叫びます。「原爆で亡くなった何万人の人々に代わって、町子(彼女の名)は、幸福になってほしい!!」と。
そして、願い通り、彼女は同僚の戦争帰りの好青年と婚約します。三年間、母に寄り添い続けてきた彼女に、結婚を勧めながらも、いざ、その報告を聞くと、喜びながらも、がっくり力を落とす母。
その母も、死の間際、「あなたと町子が反対であったら!」と思わず吐露します。息子にたしなめられ、我にかえる母。この母の心情はいかばかりであったか。
タイトルロールも感動的でした。
「私たちの変わりに、幸あれかし!」
言葉には出されませんでしたが、そのメッセージが心に伝わってきました。
新年最初に良い映画を観ることができました。彼らのメッセージをしっかり受け止め、今年はより一層、力強く生きていきたいと思います
涙が止まらない
79歳の母と父を連れて、観に行きました。母がこんなにも息子を愛してくれているのかと普遍的に連想すると、日付が変わっても映画を思い出すたび涙が止まりません。エンディングが、僕には切なすぎて、尚更泣けてしまいました。
素晴らしい
井上ひさし氏の『父と暮せば』が大好きで何度も劇場に足を運び観劇しました。舞台では何度かキャストが変わりその度に新たな感動をしたのを忘れられません。
そして、書き残してしまったナガサキ、山田氏がどう描くのか…。確かに父と暮せばの引用したような場面もあり、新たなドラマありで胸がいっぱいになった作品です。
ラストシーンはお見事!鈍感な私はオチに気付かづ、やられた〜〜っと思いました。
そういう意味では是非父と暮せばも観て頂けると新たな感動かもしれませんね。
泣けました(;o;)
二宮君の演技力では物足りないくらいの吉永小百合さんの表現力は流石!
悲しい話かと思ったら凄く前向きなストーリーは山田洋次監督も見事。
私のイチオシシーン。最後の最後に泣かせてくれました。
別れ(死)は悲しいものだと思わせながらも、それが『人生』と思わせてくれる。
加藤健一さんの泣き崩れるシーンで号泣しましたm(。≧Д≦。)m
終わった後、涙を拭いてトイレに行ったら周りの人も小便しながら鼻水ズルズルいわせてました(笑)
ファンタジーってネバーエンディングストーリーみたいな映画だけじゃなく、こういうのが日本のファンタジーだって思える作品でした。
黒木華 良かった。
昔の山田洋次の作品はあまり良いと思った事が無かったけど、近年の「小さいおうち」とか今回の作品は結構好きです。
ただ所々感覚が古臭いのと、ラストちょっと宗教的な演出は気持ち悪かった。号泣ポイントは多かったです‼︎
旦那さんと長男は…?
素晴らしかったのは原爆が落ちたシーン。
あんなふうに、本当に突然、あっという間もなかったのだと…
ただ、全体的に誰に感情移入すべきなのかはっきりせず、なんとなく消化不良な感じでした。
前半は愛する人を失った人、愛する人を残して死んでしまった人の悲しみや葛藤がよく表現されていて、涙が出ました。
けれど後半は、展開が早いというか心変わりが唐突というか…
町子が浩二への想いと現実と新しい恋とで揺れ悩む姿を見せてくれていたらよかったのに、と思います。
っていうか、母親のもとに現れることができるのに、なぜ町子のところに行かないのか。自分で本人に言えよ!ママを頼るなよマザコン!!
そして、せめて最期は、旦那さんと長男も待っていて、家族全員やっと一緒にいられるようになったね的な演出にできなかったものでしょうかね。
なにゆえ次男だけなのか…
過度な母子の愛情が狂気的に見えてしまうラストでした。
母子で抱き合ってバージンロードとか気持ち悪いよ!
あと、最初からなんとなーく違和感があるのは、
70代の吉永さんが母親役だから?
吉永さんと二宮さんの年齢差が親子くらいであっても、学生の母親が70代ってことはないですもんね…
吉永さゆりさんはお綺麗でしたけど、実年齢からあまりにもかけ離れた配役は老いを際立たせて、ちょっとかわいそうな気がしました。
号泣
冒頭の母が息子を想って、食事の用意をするところから、涙が止まらず…
ファンタジーなのだけど、戦争の悲惨さを改めて考えさせられる、作品。
運命ではなく、人が止めようと思えば止められた出来事ー
戦争も原爆も
長崎の方も広島の方も、あの時を生きてきた方は、やはり特別な想いがあるのでしょう。
そういう想いを思いやれるようでありたいです。
失った人、失った時間
劇場で鑑賞してから、本作のHPを見てみました。
ああ、なるほど、と「微妙に納得」
井上ひさし氏には「父と暮せば」という作品があります。
宮沢りえさん主演で映画作品にもなりました。舞台は原爆が落とされた広島。ならば、二発目の原爆が落とされた長崎を舞台に、作品を作らねば……。
それが「原爆」という、人類史上類を見ない虐殺兵器を、作品のモチーフとして扱ってしまった作家の義務である、と井上氏は強く思ったことでしょう。未完のままで自分は死ねないのだ、広島を描いておいて、長崎に生きた人々を描かないことは、創作者として、けっして許されないのだ、という強い想いがあったのだと思います。
その井上氏の尊い遺志を引き継いだ形で、山田洋次監督自らオリジナル脚本を書き上げたようです。これは山田洋次監督としても、大変なチャレンジでしょう。
井上ひさし氏、お得意の戯曲形式。舞台劇を強く意識した体裁で、本作「母と暮せば」は制作されております。
映画を見慣れた方なら、お分かりになると思います。
本作の特徴は、なんといっても
「長セリフ」
に尽きると思います。
山田洋次監督は、日本映画界の巨匠です。映画の、ど素人である私が言うまでもなく、映画という芸術作品をどのように構築して行けばいいか? そんなイロハは、もう「映画職人として」体に染みついているはず。
たとえば「ここは観客の皆さん、泣いてくださいよ」と「わざとらしく」センチメンタルに演出する。そういうことはしない人だろうと思ってきました。
ところが本作では、あきらかに「セリフによって」「泣かせよう」という意図が見え見えの演技があるのです。もうそれが「臭いぐらい」分かっちゃうわけです。
もう一点、長セリフに関連して
「説明セリフ」
の多用が本作では特徴的です。
作品を見ていて、まさか「あの」山田洋次監督がこんな稚拙な手を使ってくるとは?! と当初僕は仰天しました。
普通、映画の主人公が、作中の相手や私たち観客に思い出などを語るとき、冒頭のセリフをきっかけにして、あとは映像として引き継ぎますよね。
たとえば「あのとき私は……」と主人公が語り始める。
そのあと回想シーンが始まる。
当時の風景。客船であろうが、鉄道の駅であろうが、映画ならなんでも登場させられる。
そこに生きた当時の人々の息づかい。その時代の衣装、服装。
その中でクローズアップされてゆく、劇中の登場人物。キャメラはそこに寄って行きます。さあ、どんなドラマが始まるのか……と、まあ、こういうのが典型的な回想シーンのやり方。
映画の魅力と、映画のもつ最大の説得力とは何か?
それは「時間と空間を切り取った”映像”を自由自在に編集できる」ことに尽きると思います。
どの時代の、どの背景の、どの人物の映像なのか、それを編集という映画特有のマジックにより、一瞬で時空間を飛び越えることができます。
しかし、驚くべきことに、本作において山田洋次監督は、その映画文法そのものを、かなぐり捨てることに挑戦したのだ、と私は解釈しました。
本作の主人公は吉永小百合さん演じる福原伸子。長崎の原爆で医大生の息子、浩二を亡くし、悲嘆にくれる毎日です。
そこに、ある日あの世から、息子の浩二の幻が現れます。許嫁の佐田町子(黒木華)は今も無事であること。そして、母、伸子は、日々の暮らしでの想いを、浩二の幻を相手に語ってゆくのです。
本作において山田洋次監督は、前作「小さいおうち」に引き続き、黒木華さんを抜擢しました。
僕は「小さいおうち」を劇場で鑑賞しました。黒木華さんの、昭和初期の古風で丁寧な言葉使い、イントネーションで話される「長セリフ」
これは実に魅力的でした。
彼女はこの作品で、第64回ベルリン国際映画祭最優秀女優賞を獲得します。
本作「母と暮せば」を構想するにあたり、山田洋次監督の頭の中には「黒木華」という女優の長セリフの気持ちよさ、佇まいのよさ、というのが大きな前提としてあったのではないか? と僕は推測するのです。
長セリフをやめて、従来通り、映像で語る手法をとるのは「安全策」です。
映画製作50年以上のキャリアを持つ山田洋次監督にとっては、実にたやすいことであったでしょう。
しかし、山田監督はあえて新たな冒険を試みています。
説明セリフでどれだけ映画作品が成立するか?
巨匠と呼ばれる映画監督が、未だに新しいことに挑み続ける、その姿勢こそ、本作の最大の見所なのかもしれません。
また、商売上手のちょっと怪しいおじさんを演じた、加藤健一氏の名演に拍手を送りたいと思います。
本作においては吉永小百合さん演じる福原伸子、また、黒木華さん演じる佐田町子の登場シーンにおいて、ほぼ回想シーンがないのです。全ての時間はもう、二度と過去に戻らないのです。
歴史上起こった事件、戦争は、もう引き返せない。時間は一方通行なのだ、という当たり前だけど、大切なことを思い知らされるのです。
現実とは残酷なものです。
将来の残酷な結果を見たくなければ、時代の流れ、時代の節目に、しっかり立ち止まって考える勇気を持っていたいものです。
山田洋次監督の強い意志と優しさが詰まった作品でした
ちょっと油断してました。
吉永小百合主演映画ですから、まあいつもの感じで展開されるのかなと、油断していたらいきなりビックリ!
この映画が山田洋次監督の反戦へのメッセージが凝縮された映画だったことを、すっかり忘れていましたよ。
しかし冒頭、長崎に原爆が投下されたシーンの演出は凄かった、変にCG満載で原爆のシーンを描くよりも、何十倍も恐怖を感じられて、物凄く効果的だったと思いました、犠牲者の方々は本当に苦しかったことでしょうねぇ・・・。
その後も戦争反対と声高には叫ばないものの、台詞の端々に反戦への強い意志が感じられて、思わず引き込まれてしまいましたし、共感することも多かったです。
防げた原爆投下、他の映画でも描かれていましたが、本当に悔やまれますね、日本政府(軍)の対応が・・・。
しかし私は無知なため知らなかったのですが、本来は長崎に落とそうと思った原爆ではなかったのですね、運命のいたずらでは済まされない残酷な現実が心に突き刺さりました。
と、堅い部分はわずかの時間だけで、大半は安定の吉永小百合ムービーだったのは、良いのか悪いのか、冒頭が冒頭だっただけに、やや拍子抜けした部分は多分にありましたね。
吉永小百合お母さんと二宮幽霊息子のやり取りが微笑ましすぎて、双方のファンなら萌えたでしょうが、さすがに見ていてちょっと気恥ずかしくなりましたよ・・・。
しかし生き残った者のやるせない思い、現世への未練を残しつつも生き残った者の幸せを願う犠牲者の思い、胸が締め付けられる思いで一杯になりました。
自分の気持ちを押し殺した建前と本音のせめぎあいがまた何とも・・・。
ラストシーンは賛否両論なようですが、あれは監督の優しさでしょう、現実だけでは辛すぎますから。
まあ台詞で説明しすぎな面は気になりましたが、黒木華や二宮和也の好演もあって、十分見応えのある作品に仕上がっていたと思いました。
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