わたしに会うまでの1600キロのレビュー・感想・評価
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己を知り強くなる。
偉大なる母の精神が娘に及ぼした影響はことのほか大きく、
そんな母の死で娘の結婚生活はものの見事に破綻していく。
でもそれは、母親のせいでも何でもなくて、アンタ本人が
弱いからでしょ?と私のような捻くれオバサンは常に思う。
そこで娘は自分探しの旅に出るのだが(こういうのが嫌いで)
自分探しをする人間ほどもう見えている自分から逃げようと
しているとしか思えない。その最中をそこで乗り越えて新た
な人生を模索できるのが自分に残された力(発見)なのになぁ。
だから、環境云々、旅云々、に託けて逃げた自分を脚色して
カッコ良く人生訓を並べる女性連中をいやらしく感じていた。
…なんて煩い愚痴を散々頭に描きながら観てみたのだったが、
歳をとっても可愛いリースと、このお母さん素敵!なローラ
の組み合わせといい、PCTの過酷な大自然の偉大さといい、
背後に流れる音楽といい、ほぼパーフェクトな仕上がりだ。
母親は苦労して自分と弟を女手一つで育ててくれたが、その
人生訓は見事なまでに決して後ろを振り向かず前進あるのみ。
後悔しない生き方はその人の性格にも因るが、そもそも自身
で選びとった人生なのだから、失敗すれば責任も自分にある
というのをきっちり分かっている女性だったんだろうと思う。
自分もそんな生き方をしたかったのに、娘は母が望んだ自分
になれないことを恥じ自堕落な方向へと堕ちていってしまう。
そこを支えてくれた夫をも裏切り、まぁホントに酷い生き方
をしてきた自分をこのPCTで変えるぞ!と意気込んだ物語。
過酷な旅中で彼女は真っ黒な身体で真っ白な自分を取り戻す。
リースの体当たり演技は素晴らしいが、何やかやで容姿とか、
女を利用して得をする場面が多く、そこに嘘がないのはいい。
(その後現在が語られ写真も登場、なるほどご本人も美人だ~)
見応えありました。
自分の内面と向き合う
まずは、アメリカの雄大な自然を改めて思い知りました。
1600kmもあるようなトレイル。
それを数ヶ月かけて歩こうとする人々が大勢いることにもびっくりです。
何カ月も仕事を休んで、どうやって復帰するんだろう…と小さなことを考えてしまいました。
本当に自分な必要なら、いつでもやるべきでしょうね。
人生のたった数ヶ月ですし。
やれなくなる色々な事情もでてくることでしょう。
そして、アウトドアを全くしたことがないと思われる人がいきなり重い荷物を持って歩き出すのにびっくりしました。
合わない靴を履いたり、コンロの燃料間違えたり、はらはらしました。
長い間誰とも話をすることなく、ずっと重い荷物を担いで歩き続け、自分の内面と向き合う。修行のようです。
自分の外にばかり何かを求めるのではなく、内面にも向き合ってみようとおもいました。
ワイルド過ぎる
人生には苦しいこともあるけれど。
DVの夫から逃れ、自分のやりたいことよりも二人の子供を育ててきた母親。そんな最愛の母を、病気で亡くし、薬物に手を出すなど自暴自棄になっていたシェリルが、PCTに参加して1人で1600キロを旅する。
大切な人がいなくなる喪失感は、それほど大きいものだと思う。そんな感情をコントロールすることは難しく、だから彼女にとってこの旅が必要だったのではないか。彼女の母親は生前、日々の生活の中で、美しい景色を見ようとしていた。同じように、シェリルも自然に身を置くことで、母親を感じ、悲しい気持ちを癒すことができたのだと思う。彼女は、PCTを終えた後の人生を、今までとは変えることができたのだろうと思う。
彼女が行く道の途中で出てくるキツネが神秘的で、彼女にとっては、自分母親をつなぐように感じられたのではないか。旅は過酷で、危険であり、孤独と不安が付きまとうものであることがよく分かり、私は絶対無理だし、やりたくないけれど、だからこそ、彼女にとって、母親の死がどれほど辛いものだったかを想像する。
彼女は本当にわたしに会えたのか?
人生を振り返る気かっけになるかも
共感出来るかはその人次第。どん底の人生を見つめ直す過酷な旅。
【賛否両論チェック】
賛:大自然の中で1人で困難に立ち向かい、満身創痍の主人公に、様々な人々が救いの手をさしのべてくれる姿が印象的。全てを捨てて1人になってみて、初めて自分は1人で生きている訳ではないことに気がつかされる。
否:単なる自伝的映画なので、お話自体には、なかなか共感するのは難しいかも。同じようなシーンも続くので、興味を持てないと退屈必至。ラブシーンも多数あり。
ダメでボロボロな自分を変えるべく、敢えて過酷なチャレンジを続ける主人公。今まで他人に依存しきっていた彼女が、大自然の中でたった1人で戦い、もがき続ける姿が、非常に切なく印象に残ります。そして何より、そんな彼女の姿に感化されたかのように、出逢った色々な人々が助けてくれる様子に、人間の温かさを改めて実感することが出来ます。1人になることで、逆に自分は1人ではないことに気がつかされる、そんなステキなストーリーに仕上がっています。
ただ、お話そのものは自伝なので、主人公に共感出来るかどうかは、人によって大きく分かれるかと思います。最愛の人を亡くした悲しみから、浮気依存や薬物中毒にまで陥ってしまう姿は、人によってはなかなか共感するのは難しいかもしれません。
何はともあれ、自分と他人との関係性を見つめ直す、良いきっかけとなりそうな映画です。同じようなシーンが続いて眠くなるかもしれませんので、じっくりと人生について考える余裕のある時には、是非オススメです。
孤独
原題Wild、アカデミー賞ノミネート映画。 アメリカ合衆国の西部を...
原題Wild、アカデミー賞ノミネート映画。
アメリカ合衆国の西部を縦断するPCTというトレイルコースに挑戦する女性、というとアウトドア派の頑張り屋かと思うけど、人は見かけによらぬもの。実は人生いろいろあり過ぎ、そんな自分を変えるための挑戦だった。
トレイルコースといっても全く何もない乾燥した砂漠だったり、かなり過酷な自然。「127時間」を見た時も思ったけど、アメリカって経済大国で世界一の資本主義国で好戦的な銃社会、って印象だけど、ものすごい自然を持つ国でもあるんやんなー。
かつてのキューティー・ブロンド、今や大女優のリース・ウィザースプーン主演、かつてのブルー・ベルベット、今や名脇役のローラ・ダーンも良い感じです。
素直に楽しめました
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