「ゴジラが象徴するアレとの群像劇」シン・ゴジラ N.riverさんの映画レビュー(感想・評価)
ゴジラが象徴するアレとの群像劇
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間違いなくこれは、先の大震災で漏れたアレに右往左往する人々を、理想的な形に焼きなおした作品だと考える。
そこには強すぎる相手への恐怖と絶望と無力感と、それでも事態を収束させ得る人々への希望と、希望をいつか実現できたら、という願いがカタルシスへ昇華するほどと込められている。
どたばた怪獣が暴れる映画でない事は確かで、
そういう意味ではゴジラはゴジラという姿をしながら、ゴジラでない。物語の中央に置かれただけの、ただのシンボルだ。
しかし初代が製作された時の意図を純粋に汲んだなら作品は正統派であり、洗練されたメタファかつ、シュミレートモノだと思われる。
かつ、世界における日本の立場を皮肉ったような場面もまた、いろいろ考えさせられたり。
それら込められたメッセージ等々、作家性が全面に濃くでているからこそ、久方ぶりのアート作品でもあると感じている。
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