怒りのレビュー・感想・評価
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怒
人を信じることができるか。信じるべきなのか。信じてはならないのか。
そんなことを考えさせられる映画だった。
愛子(宮崎あおい)は田代(松山ケンイチ)を最後まで信じることができなかった。信じてあげるべきだった。
同様に、ゆうま(妻夫木聡)は直斗(綾野剛)を信じていられなかった。信じるべきだった。
しかし、泉(広瀬すず)・たつやは田中(森山未來)を信じてしまった。信じてはいけなかった。
それぞれの過ちへの怒り。信じることで救われることもあれば、信じることで全てが壊れることもある。それはどちらがいいかなど誰にもわからない。
田中が記した「怒」の文字は全員が持つ様々な怒りを表していたのだろうか。
俳優陣の演技が素晴らしくとても見応えがあった。見ている自分も、誰を信じればいいのか全員信じてもいいのか、真剣に考えてしまうような映画だった。
表情を見せる時の光と影の演出が素敵だった。
怒り
怒りの意味
宮崎あおい編
・宮崎あおい自身、付き合っている人を心こら信じる勇気がなかった、自分への怒り
渡辺謙編
・自分自身への怒り。
妻夫木編
・相手を最後まで信じることのできなかった10月自身への怒り
広瀬すず編
・変わらない世の中への怒り
・苦しんでいる人が居るなかで、何も出来ない、やらない怒り
・犯されてから知る怒り
広瀬すずの彼氏編
・何も出来ない、変わらない、自分自身への怒り
・信じていた人に裏切られた怒り
・傷ついた人の気持ちの怒り
犯人は、見る前に予想して見たので、犯人を当てることができて楽しかった。
「怒り」出演者の方々の演技が感動しました。私も、それぞれの怒りの思いを考えました。是非もう一度見たいと思っています!
普遍性な題材
『信じ切る』という一点においてテーマを絞って三つのストーリーを同時進行していく、群像劇とはちょっと違う進め方(クロスオーバーは無いが三編を結びつけるのは殺人件を追う警察)で観客に訴える作品。どんどん場面展開され、スイッチ的にシーンが入れ替わる。
これでもかという主役級の俳優達が豪華に演じているのだが、イスラエル帰りの森山未來の演技が後から糸を引くように印象を残している。ネタバレだが、結局沖縄編の森山が殺人犯人だったのだが、狂気の爆発やそのメンタルの移り変わり、感情の起伏等々が常人では理解しがたい人間として演出されている。なので正直一つも感情移入ができないし、理性的にも理解し難い。置いてきぼりを食らう程、突っ走るのだ。ピエール滝演じる刑事に語る犯人の同僚だった男の説明もかなり難解ではある。プライドが高い人間が施しを受けることの屈辱があれほどの非道を起こし、しかしそれでも普段の生活に紛れ込める事実。それはまるで二重人格の説明でしか分からないパラノイア。もう少し丁寧な説明が必要だったのだろうかと思うのは小生だけか?確かに、民宿の宿泊客の荷物をぞんざいに扱う場面から段々と狂気が見え隠れしてくるシチュエーションは恐ろしさを醸し出してきたのだが・・・ 殺人現場に残され、そして無人島の瓦礫のあばら屋の壁に彫られた『怒り』という文字。世間を信用できなくなった男の歯止めの利かぬ苛立ちは殺されることで成仏できたのだろうか・・・
他の二編は沖縄編を盛り上げる為の悲哀の物語だと推測する。ハッピーエンドとバッドエンド。最後の終わり方で人生の悲喜こもごもを上手く演出する意図なのだろう。
東京編の妻夫木聡のヤンエグのゲイの演技は興味を引かれた。勿論その世界に興味があると言うことではなく、昔のゲイの世界のムサ苦しさや汚さみたいなものがかなり排除され煌びやかなセレブ的世界を演出しているところは常識を覆される内容である。
千葉漁港編の宮崎あおいの箱ヘルの部屋でのぐったりとしたうつぶせ寝は、今までの過酷な出来事を思い起こさせるかなりエグいシチュエーションだった。
信頼とはなにか
この作品ではさまざまな怒りがあり、それぞれの物語が同時進行していく中で起こる出来事に凶悪殺人犯への疑いが生まれる。信頼していた人間への裏切り、そして信頼できなかった人からの信頼。それぞれの怒りがある中で考えさせられるものがとても多かった
悪人の衝撃、再び。
やっぱり吉田修一原作、李監督といえば悪人。あの映画の衝撃が今も残っていて、とても楽しみにした作品。サスペンス性という観点からすると犯人と疑われる人物の不気味さをもっと観たかった。キャスティングは森山さん、妻夫木さん、素晴らしく。とくに森山さんの作り込み方は群を抜いて素晴らしく、森山さん、やっぱり凄い。個人的には、沖縄の物語が胸に刺さり、芝居的にもドラマ性的にも素晴らしく思いました。総合的には少し物足りなく感じてしまいました。
ぜんぶ願いなんだ
信じたい、信じてほしい、信じたくない…
それぞれの悲痛な願い。
信じたいと思いながら遂に信じ切ることができなかった2組、潔白が証明された時の信じてやれなかった者の絶望と悲しみ。
そして信じていた者からの裏切りと、信じていたが故の怒りという対比が見事。
豪華俳優ばかりを集めた映画って好きじゃないけど、この『怒り』みなさん神がかっていた。監督さんの采配が素晴らしいのでしょう。
凄く痺れる映画だった。
うっかり家族と行ったので、綾野剛を落ち着いて見れなかったのだけが心残り。予想以上のエロスだったので隣が気になり過ぎた。笑
もう一回観るには重た過ぎるなと思ったけど、二回目は逆の視点で観れると聞いたので、原作を読んでもう一回行くか。
怒り
東京八王子で起きた殺人事件。
犯人は1年経った今も逃走中。
テレビ公開捜査で犯人のモンタージュが映し出される。
千葉、東京、沖縄…
それぞれの場所で、素性の知れない男と関わる事になる人達の人間模様。
『怒』…殺害現場に残された血文字
・東京では、妻夫木と綾野剛のゲイカップル。
・千葉では、元風俗嬢で少し発達障害のある宮崎あおいと松山ケンイチカップル。
・沖縄では、親の都合で越してきたばかりの広瀬すずとバックパッカーの森山未來。
3人の男のうち誰が犯人⁈
犯人の写真や情報は3人に良く似ていて最後まで混乱させられるが殺害動機が余りに短絡的な為、犯人は『サイコパス』である。
感情の赴くままに行動し、人を欺く事に長けている。
映画の題名である『怒り』
最愛の人を信じきれなかった自分自身に対する怒り。
自分一人の力では変える事のできない社会の風潮や偏見に対する怒り。
中でも米兵に暴行されるシーンは非常に辛い。
一緒にいた友達も助けられなかった自分に対する怒りと後悔に苛まれる。
宮崎あおい、渡辺謙、妻夫木聡、広瀬すず…
それぞれに叫び号泣するシーンは流石です。
少年はその怒りをサイコパスのバックパッカー田中にぶつけた。…手配中の殺人犯と知らずに…
彼女を傷つけ面白がるその卑劣な男を許すことは出来なかった。
信じる事は難しい。
歳を重ね、何時しか保身の為に疑う事が先立ち、口先だけの信じてるに変わってしまった。
寂しい事だが今の世の中信じてバカを見る事が多すぎる。
人を信じるとは
凄惨な殺人事件の犯人らしき3人の男たちの話だ。
テーマは人を信じられるかどうか、ということだと思う。人を信じるというのはどういうことか、その人の言葉を信じるのか、人格そのものを信じるのか。非常に哲学的なテーマである。
映画では、3人の男たちはそれぞれに周囲に嘘を吐く。嘘を吐かれてもなお彼を信じられるかどうか。人を信じるというのはオールオアナッシングではなく、程度の問題であったりする。そして信じている度合いがそのまま自身に跳ね返り、人間性の限界が問われる。男たちと関わった人物は、ハラハラと泣いて彷徨い、或いは慟哭する。とても難解な作品で、グロテスクな表現もあるが、非日常の極限状況をストレートに描写していて、追い詰められた人間性のありように迫っていく。
こちらが精神的に弱っているときに観ると、心臓を鷲掴みにされるような衝撃を受ける。観るにはエネルギーが必要だ。人間の関係性について極論ともいえる状況下での振る舞いを、冷徹に現実的に描く秀作である。
俳優陣が魅せる映画
事前情報無しでの鑑賞でした。
千葉、東京、沖縄を舞台に、様々な形で怒りが伝播する様子がよく描かれていました。
各役者陣が最高でした。
先ず、宮崎あおい。
7キロ増量し、ほぼノーメイク状態で挑んでいた役。
松山ケンイチを想う姿と最後に見せる自分への怒りと安堵の感情が見事に表現されていて、泣かされました。
つぎに、広瀬すず。
米兵からの強かん未遂に至るまでの姿、その最中の表情、その後の怒り。こんな演技ができる子なんだと感心しました。今までのイメージは完全に払拭。
最後は、うしじまくんに出てくる高橋メアリージュンに見えました笑
それから、妻夫木聡。
ゲイパーティーで男から言い寄られる時に一瞬見せる女性らしい表情がなんとも言えません。
妻夫木と綾野剛の絡みはゾクッとしました。
最後に森山未來。
こいつが真犯人なわけだけど、
思った事を落書きとして残す癖。そして「人に優しくされる事=見下される」という狂気じみたねじ曲がった性格により、八王子の家族を殺害し、優しく接してくれた広瀬すずやその友人やその家庭に怒りの感情を溜め込み、殺人現場や隠れ家に「怒」の落書き。
信じてた広瀬すずの友人を裏切るラストの豹変ぶり。
途中で見せる怒りの暴発と表情。よかったです。
ということで、豪華俳優陣による演技で魅せる映画。とてもよかった。
犯人のモンタージュは、松山ケンイチと綾野剛と森山未來のコラージュだと思いますが、一番似てるのは柄本佑ですね笑
人は人をどこまで信じられるのか?
ツイッターやSNSなどで、簡単に人と出会える世の中。
気軽な分、その人を本気で信じることができるのか、不安な要素もたくさんあります。
それでも、相手が何よりも大切だと思えるなら、その人を本気で信じることができるはずです。
今回、この映画で重要なカギを握るのは、3人の男たち。
田代、優馬、田中。
始めは、信頼して心を通わせていましたが、徐々に不審な点が出てきます。
何もかもが疑わしく感じてしまう男たち。
彼らの言うことを信じて、共に生きようとするものの、心のどこかでは疑ってしまうのが人間…。
それでも、本気でその人を信じた時、見えてくるのは、
信頼か
絶望か。
本当の悪人とはどんな人なのか?
最後の最後まで、真実が分からないのが恐ろしいです。
人の善意を鵜呑みにできないこの世の中に、「怒り」を感じると共に、無情な「悲しみ」を感じるラストでした…。
最後まで胸のつかえが取れない映画です。
最後に…
気迫あふれる役者の方々の演技に圧倒し、坂本龍一さんの素晴らしい音楽に酔いしれることができました。
豪華俳優陣が作り出した、スリリングな世界を堪能するべく、ぜひ映画館へ足を運びましょう(笑)
信じていたものが崩れ去るとき
溢れ出るエネルギーに震えた。
怒りと言っても、登場人物が終始怒っているわけではなく、喜びや悲しみ、不信と信頼といった日常生活で感じる感情の中に、恐怖や怒りが潜んでいる印象だった。
もし、愛する人、信じていた人が、殺人犯だったら?
築き上げていたものが崩れていくさまが印象的だった。
もしかして、あの人は殺人犯かもしれない?でも違うと信じたい。
決して明るい話ではない。じめっとした感じの映画だった。
東京、千葉、沖縄。三つの異なる地で描かれる物語が重なり合うとき、人は何を思うのだろうか。
俳優陣の熱演が素晴らしかった。言葉、仕草、魂、全身全霊で演技していた。
疲れた
重たい内容だった。
人を信じる大切さと、危うさと。
信じてあげなきゃ行けない人を信じ切れなかった怒りと、信じていた人に裏切られる怒りと。
なんか、いろいろと考えさせられる映画だったな。。。
みんな演技上手で、素晴らしかったー。
広瀬すずちゃん、頑張ってたな。
これからが楽しみ。
妻夫木聡と綾野剛はよく引き受けたなと思った。
見ててビックリしました。笑
感想……
出演していた、俳優さんの演技は最高でした。
個人的な見解ですが……
1 ホモ?ゲイ?かわかりませんが多くありすぎ、どうせだったら宮崎アオイの濡れ場の方を……
2 一番怒りを感じているのは、主役が子供じみた屁理屈で殺された家族なのでは?何故、殺害した加害者が?と疑問……
3 ゲイの方ごめんなさいね。別にそれを目的(ゲイ?性交渉、ではないのでわざわざ、ローションだったり、コンドームを映画で見せる必要があったのか?まるで、怒りではなくそっちの映画に感じた。
4 時系列に沿って物語が進んでないので考えさせすぎ……
非常に見ていて見ずらい
5 この映画を話題にするとき、怒りを話題にするのではなく、映像のグロさとホモの部分になってしまう。そうすると、怒り?って何?
あくまで個人的見解です。
知り合いに進められるか?
デートに適しているか?
教育のテーマに合っているので子供に見せるか?
芸術作品として見に行くことを進めるか?
答えはNO
叫ぶよ‼︎
人を信じる。それには責任と何より覚悟が必要なんだ
と。
なにせ他人の心の中など本当に理解する事は不可能な んだよなぁ。
だから極論「人を信じる=人をナメてる」とも言える。ひねくれた極論だけど…
田中の凶行もここにあるものなのかもと思った時
自分を思い返してそういう感情を覚えた事、あったかも「なに俺を分かったような事言ってんだよ」て
たとえそれが善意でも。
最後沖縄の子が「信じていたから、許せなかった」
めっちゃ共感するけど、けど、無責任な言葉なんだろうな…
だから田代を信じきれなかったお父さんは誠実とも言えるし、最後には覚悟もって責任を取ろうとする姿は泣けました。
あと、「海に向かって叫ぶ」
いつもなら鼻ほじって観るようなありがちなシーンですが(笑
今回のはあのシーンが無かったら席を立つ事は出来ませんでした。
叫んだって意味なんて無いけど、何も救われないけど、、、叫ぶよ‼︎‼︎
観てる僕の整理しようの無い感情を、体現してくれているようで
叫ぶよ‼︎これは叫ぶさ‼︎‼︎
そうです。僕には手に余る映画でした。
胃がもたれる・・・。
制作側の熱量や、周りの評価の高さから期待に胸を膨らませ休日深夜、レイトショーにて鑑賞しました。
期待していた映画だけに下調べも抜かりなく・・・。
八王子で起こった未解決殺人事件を軸に、容疑者疑惑のある男たち三人の物語が事件後、三者三様平行線で進んでいく訳です。
その中で描かれる人間模様。
テーマこそ同じですけれども、取り巻く環境や背景が違うので、それぞれに違った趣があります。
私の周囲では、綾野剛と妻夫木聡の同性愛加減がすごい!役作りが!役者だね!と大変話題になっておりました。
調べてみると、なるほど、役に入り込む為にクランクインの1ヶ月前から同棲していたとのことです。
あの雰囲気はそうして作られたのですね、、納得です。
テーマ自体は信じることの難しさなのかな。
結果的には、信じた結末と、信じなかった結末が描かれていて、タイトルの「怒り」についても納得です。
外的要因によって、ちょっとした衝動が、原動力になってしまうんですね。それは、どんな人も一様にそういえる訳ですね。
そんな中でやっぱり人を信じるというのは、これもう至難の業ですね。
ひとえに己の覚悟ですね。もう捨て身で信じるしかないじゃない・・・。
三者三様の人間関係を同時に描く手腕はあっぱれ。
長い尺も、そういうことならしかたないのでしょうか。
しかし長かった!久しぶりにつらかったです笑
しかし最後まで鑑賞できたのは、ひとえに出演されている俳優陣の演技力の凄まじさに他ありません。
みなさん、素晴らしい演技で終始圧倒されっぱなしでした。
名だたる名優の中で負けじと輝いていた沖縄の男の子、他の所でもみてみたいな〜。
一言でまとめると、胃もたれ映画です。ヘビー。
腑に落ちない
原作と監督が悪人コンビの新作ということで注目していたが、映画館に行く度に、名優たちが泣き叫ぶ熱のこもった演技を予告で見せられ、感動を押し付けられそうなイヤな予感がしていた。
しかし周りの評判が余りにも良いので、思い直して鑑賞したが、結果的には予告で感じた印象とあまり変わらない映画だった。
予告から推測できる展開を、そのままじっくり描く前半は退屈で、とっとと話を進めてくれと思うし、後半は腑に落ちな展開にすっかり冷めてしまった。
「信じることの難しさ」がテーマなんだろうが、そこまで親しくなっといて、そんな大事なことを隠したり、ちゃんとコミュニケーションをとらないヤツは信じられなくても仕方ないでしょ。
「信じてあげられなくてゴメンなさい」って泣いてないで、「ちゃんと話しとけ、ふざけんな!」って怒るとこじゃないか?
それに加えて、犯人が異常な行動に出るのが唐突で、取って付けたように感じた。原作者も誰が犯人か決めずに書き進めていたと語っているが、それなら三人の中の誰も犯人じゃなかった、という結末にした方が、より意外性がありテーマが鮮明になったのでは?
あと、レイプするのが米兵というのは、問題意識としては理解できるが、物語の普遍性が損なわれてしまい、散漫になった気がする。
3つのエピソードを交差させる演出は、とんでもない離れ技で、大量の情報を短くまとめた手腕は素晴らしいが、情感たっぷりにかかる音楽や役者の熱演は、話に乗れなくなった自分には只々鬱陶しく感じられた。
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