怒りのレビュー・感想・評価
全780件中、181~200件目を表示
誰が犯人か?ではない
八王子の夫婦殺害事件の容疑者に似た3人の周りを描いた群像劇。 3人のケースが入れ違いで語られていくが、場面展開にあまり違和感はない。いずれも見ず知らずの男をどこまで信じられるか?を問いかけてくる。 渡辺謙をはじめ、宮崎あおい、妻夫木聡、広瀬すずといった俳優たちの演技が安定してるので全体的にしまったものにしたのだと思う。 それにしてもうまい似顔絵にしたもんだ。あれだけでも評価できる!
あなたは自分を信じられますか?
あなたは自分を信じられますか?
『怒り(2016)』
公開当初、時間が合わなかったのを、ようやっと観ました。
【むっちゃネタばれしてますよ!】
身元がはっきりしない男性3人
① 東京:大西直人(綾野剛)
② 千葉:田代哲也(松山ケンイチ)
③ 沖縄:田中信吾(森山未來)
それぞれの場所で、それぞれの物語が同時進行していく、群像劇です。
この3つの物語の軸になるのが、八王子で起こった凄惨な殺人事件。
TVで放送された犯人像(山神)が、この3人の男性に似通っていたことが、周りにいる人達の心を揺さぶる。
珍しいなぁと思ったのは、たいていの映画って
「信じることが難しい」→ラストは和解。ヒューマンドラマ系に多い。
「信じている」→疑うことが難しい。だいたいどんでん返し。ミステリー、ホラー系に多い。
けれど本作は、直感で信じるけれど、上記したような事件があり、疑い初め→疑いが確信に変わり→相手を突き放す→疑っていた自分が悪い!後悔!が、①②
なんです。
で、問題は③です。
③沖縄では、田中が島に1人で住んでおり、興味を持った10代の少女:泉(広瀬すず)&好意を持つ男子:辰哉と親しくなって、痛ましい事件に発展する。
泉が米兵にレイプされ、その場に居合わせた辰哉は何もすることができず物陰に身を隠す。
その時「ポリス!ポリス!」と言う声が聞こえ、米兵は逃げて行く。
この事件の後、深く傷ついた泉と、何もできなかった辰哉の罪悪感、その辰哉の「たった1人の味方になる」「泉ちゃんに何がしてあげられるだろう」という田中との関係が更に密になる。
が、しかし……。
(ネタバレ)
辰哉の旅館で働くようになった田中が、急に厨房で大暴れした後、もといた島に逃げ帰る。
豹変した田中を追って、島に向かう辰哉。
そこで辰哉が見たのは、壁に刻まれた『怒』の文字。その文字は、八王子の事件現場の壁に残された血文字と同じだった!そして「知り合いの女が米兵にレイプされた。ウケるw」 などの文字も。
また、泉と辰哉に親身に相談を受けていたが、内心では笑っていた。ポリス!と叫んだのは、別のおっさんで自分ではない。との告白も。
信頼を裏切られ、錯乱した辰哉は、田中の腹部を刺してしまう。
そして、八王子の事件も、田中がやったと証言する同僚が現れる。
①②は、ただ一生懸命に困難と闘いながら生きてる相手に、周りの人間が疑いの眼を向ける話です。
①直人の恋人:優馬(妻夫木聡)は、母一人子一人の家庭で育ち、同性愛者。直人曰く「胸を張って生きている」と言われるが、どこか他人を拒絶している。それは、自分が受け入れられない存在だと思い込んでいるから。
②哲也の同棲相手:愛子(宮崎あおい)は父一人子一人の家庭で育ち、父親(渡辺謙)曰く「他人とは違う」女の子。家出を繰り返し、東京で風俗で働いていたところを父親に救出される。哲也のことを信頼しつつ、でも、自分が今まで騙されてきたこと、風俗で働いていた負い目などあり、愛される価値のない存在だと思っている節がある。それは父親も同じ。
①と②の愛子も優馬も、自分に負い目があるんですよ。自信がない。
そこから生まれる疑いの心なんですよね。自分を信じられない、自尊心が低い。自尊心が低い人の特長って、他人の意見(情報)に左右されやすい。
けど③は違う。
泉には「母親みたいにはならない」辰哉は2~3日急に家を空け米軍反対運動を行う「父親の行動は無駄である」という、はっきりとした意思がある。まだ他人に不信感を持つ経験が、①②より少ない。
③で問われているのは、私達観客だと思いました。
「田中(山神)を信じられますか?」
私は、田中は辰哉の為に狂ってみせたんだと思いました。
わざと、刺させる為に。
行き場のない怒りの矛先を、自分に向けさせる為に。
そうなんです。本作で描かれるのは、八王子殺人事件の容疑者とされる田中の怒りではなく、他人に疑いの目を向けてしまう弱い自分。好きな女の子を守ってあげられなかった、弱い自分に対する「怒り」です。
八王子の殺人事件だって、別件で逮捕された元同僚という男の不確かな証言と、状況証拠だけですよね。
本作は 人を信じる難しさや、葛藤を描いた作品ではなく、"自分を信じることの大切さ"を描いた作品だと思います。
父親である渡辺謙さんの最後の言葉に救われ、また私も自分自身の中にある弱さを後悔し、そして反省し、号泣しました。
俳優さん達、みんな素晴らしかった!
キャストは豪華だが?
肩すかし喰らったようで、観終わって何も残らなし、カタルシスに欠けた。 妻夫木、綾瀬剛は、よくゲイを演じたし、他も演技はそこそこ良かった。 丁寧には撮っているが、かったるい。要らないカット、要らない台詞が多い。要らないというのは説明ゼリフという意味だが。 間の取りすぎ、セリフのリズムがスローなせいか、全体に芝居のトーンが同じで、リズムがない。カメラが動いていても人が動いてない。 等々、日本映画の悪い癖が目立った。 映画長く感じるのは良くない。
人間不信
この映画を見て お互いに信頼し合うっていうのは 本当に難しいことなんだなって。 些細なことで疑いの目を持ってしまう。 信頼してても裏切り合うかもしれない。 すごく人間不信になりました。 夫婦殺人事件を中心に 3人の男からなる話の構成は 見応えありました。 キャストの豪華さと 演技力が素晴らしいです。 結局あいこたちは帰ってこなそう…。
人にお勧めされて。
宮崎あおいが元風俗嬢、広瀬すずがレイプをされるという話だけを人から聴きキャストと役柄のギャップが面白そうだなーと観てみました。
なんというキャストの豪華さ。
宮崎あおいのなんともいえない儚く脆く緩そうな女の子の演技が最高です。
松山ケンイチを迎えに行った後の顔は支えていくという意志の強さが現れた表情でした。
そして顔が見えない犯人の回想シーンはどう見ても綾野剛にしか見えなかった..
犯人のモンタージュは綾野剛にも見えるし松山ケンイチにも見えるしであのモンタージュはなかなかいい所を突いているなと。
それを踏まえての森山未來がまさかの犯人でドヒャーでした。
たつやくん役の方も最初地元民から選抜してきたのか?なんて思ってたけどとても素晴らしい俳優さんでした。
他人への信頼するか、しないか
ある夫婦の殺人事件の犯人がだれか、という提起から始まり、3つの物語とその中の3人の男のうちだれなのかを考えさせられる。ミスリードなのか本当の手掛かりなのかで揺さぶられる犯人像は、あみだくじか何かをしている気分にもなった。 犯人が特定されて、犯人ではなかった男たちの重要性はどういうところなのかを同時に考えた。犯人でない男たちからは「人を疑うな」を学ぶ、犯人からは「人を信じるな」を学ぶだろう。愛子の父に対する、娘を疑ってるだろっていう問いかけが重かった。対して、ゲイカップルはどういう収束するかと思ったら証言のみでオチてしまった。妻夫木×綾乃の画的なインパクトは十分だった。3つのほくろに関して偶然にしてはでき過ぎでは…と思う。 広瀬すずのレイプシーンには驚いた。最近の邦画の在り方の変化を感じた。「溺れるナイフ」と連日鑑賞し、小松奈々と広瀬すずは若手女優のトップだと感じた。「四月は君の嘘」の広瀬すずはしゃべり方にいら立ちを感じたが、本作では、そのしゃべり方への気持ちが彼女が痛い目にあうことで浄化されたのかもしれない。天真爛漫キャラの広瀬すずを正義としない点がよかった。これも「人を信じるな」という教訓の顛末だろう。
3つの物語の広さ
第30回東京国際映画祭 この映画は3つの物語が重なり合ってできている。そのストーリーが別々に展開されていてとてもストーリーに引き付けられた。が、「八王子夫婦殺害事件」というところでしか3つの物語がリンクしていないというのが少し残念だ。少しでも物語が交じり合えば、もっと物語がわかりやすくなり、面白さが増したかもと思った。しかし、この『怒り』という映画は、物語ごとの良さがあり、見応えがあった。
だんだんと犯人候補が絞られて行くのが面白かったです。 それぞれ均等...
だんだんと犯人候補が絞られて行くのが面白かったです。 それぞれ均等に疑わしい部分があって、本当に最後まで真犯人がわからないところも好きでした。 タイトル通り人間の怒りが象徴的に表れていました。 人を信じること、疑うことはどちらも人間の愚かさであると感じました。 犯人が分かった上でもう一度観たいと思える映画です。
名作だけど暗い、暗すぎるよ!
上映当時に映画館で観ましたが、素晴らしい映画ですが、本当に暗い、暗すぎるよー と声を大にして言いたい。 素晴らしい役者さん達の名演の連続。 もうずっと目が離せないです。 しかしながら社会の暗部で巻起こるストーリーがつらくてつらくて。名作だけどもう観たくありません。 しかしながら一度は観た方が良い映画です。 森山未來って凄いのね。 モテ期位しか記憶になかったので役者として彼の事、見直しました。
時すでに遅し
信じるとは何か、 信じられずに、失って 信じていたのに、裏切られて。 特に心に残ったのは、 広瀬すずちゃんです。 とても幼くて可愛い印象だったので驚きました。 悲惨な場面を見事名演技されていて、とても感情移入して、泣いてしまいました。 あの男の子の怒りもとても伝わりました。 田中さんを刺した時、まさか!と思ったけど、やってくれましたね。 その事実を知ってすずちゃんは一体どう思ったのか。 何を感じ、最後海で叫ぶシーンは怒りの表現なのか。 その他のストーリーもどれもこれも悲しかったし、とても良かったです。
報われない怒りという共通の悲しみ
不条理な扱いに怒りを感じ、この扱いを変える為に抗議や意見を関係各所に申立て、これを受けた機関が解決を図る。この様に社会は少しずつ改善されるが、大きい問題でも被害者が少ないと解決されず、やり場のない怒りが残される。加害者は逃げおおせたと思うだろうが、世の中にやり場のない怒りを感じている人は少なくなく、いずれその怒りに飲み込まれる。
いろいろ盛りすぎ。沖縄の男の子の演技がいいだけ。
原作が小説なのもあって、映画の140分くらいじゃ、まとめられんだろう、と。 原作は未読なんですが、これ小説でも、伝えたいこと多すぎて微妙なんじゃないか? 沖縄の基地問題だの、差別だの、サイコパスだの、風俗だの、同性愛者だの、なんだの。 妻夫木と綾野剛の話、ストーリーとしてはいいんだけど、入れる必要あったんかな?ってかんじ。 文学脳ではないので、わかりません。 森山未來、綾野剛、松山ケンイチの3人で混乱させるためにわざわざねじこんだんじゃないか?と思っちゃうくらい。 犯人の動機も微妙だし(まあ、この手の頭おかしいやつにはちゃんとした動機なんてないのかもしれないが) 俳優さんたちの演技が素晴らしいだけで、 他はとくに。 あと個人的な話なんですが広瀬すずが大嫌いです。でも、いい役を、いい演技でしていたと思います。 1番素晴らしかったのはあの沖縄の男の子。誰よりもよかったので他の映画でもみたい。
俳優の演技が半端ない
宮崎あおいの演じる頭の弱い子。 これが本当に頭弱そうに見えて、演技力の凄さに脱帽。 広瀬すず。彼女のファンなのでとても辛いシーンだったけど、迫真の演技で「自分の中の黒い怒り」が沸々と湧き上がって来て、アイツら許すまじ!と震えたからね。 演技なのに、ここまで観る人に迫るのは、広瀬すずの女優としての凄さなんだろうな。 救いのない映画だったけど、観て良かった。
信じるか信じないかは
なかなかに重たい映画。
あと話の展開がちょっと遅い。90分ぐらいまでは、何が怒りなんだ。。。?って感じだった。
でもそれからよかった。
3つの環境で繰り広げられる、殺人犯に似ている男達との関わり。信じれなかったことに対する自分への怒り、信じてしまった自分に対する怒り。
どうしてあのとき。。。といった気持ちばかり残ってしまう。
救いがあったのは宮崎あおいぐらいか。
信じたやつがバカなのか、信じれなかったやつが悪いのか。じゃあどうすればいいのさ、って思ってしまう(笑)
信じれないときは本当にそうなのかと自分に問い掛けて、信じきっているときはそれでいいのかと自分へ問い掛けて。
う~ん、考えてもわからん。笑
難しい問いをくれる映画。邦画らしく、人の複雑な感情を描いていた。面白かった。
救いがない
以前から話題になっていたのが気になり自宅で鑑賞。
人を信じることの難しさを改めて考えさせられた。
愛する人を疑ってしまって、でもそれは誤りで、登場人物の誰もが悲しみに嘆き怒っていた。
自分が疑ってしまったせいで大切な人を失い、
自分が疑ってしまったせいで大切な人の最期に側にいてあげられなかった。
その一方で相手を信じた者は裏切られ絶望し、最終的に人を殺めてしまう少年まで…。
救いようがない……。
むしろ疑った人のほうが救いがあったように思う。
映画の感想としては不適切かもしれないけれど、胸糞悪く後味も悪く観終えると鬱になりそうな映画だった。
映画館に観に行っていたら帰り道相当しんどかっただろうな……。
全780件中、181~200件目を表示