「とても素敵でした」心が叫びたがってるんだ。(2015) 白波さんの映画レビュー(感想・評価)
とても素敵でした
2015年9月鑑賞
正直「あの花スタッフによる新作」という触れ込みにつられてしまった感は拭えません。
しかし、そこまでの過度な期待はしていなかったんですね。
そんな肩の力が抜けた感じがよかったのだと思います、この作品をフラットな位置で観ることができました。
物語は同じ秩父を舞台に、言葉をテーマとしたティーンムービー。
いたる所に「あの花」ファンをくすぐるカットを挟んできて、懐かしいような嬉しい気持ちになるんですね。
ウサミチやはるなとあき、4000系電車にサークルゲームもあったりで楽しいかぎりです。
こんな風に書くと「あの花」におんぶに抱っこな印象を持つ方もいるかもしれませんが(プロモーションは明らかに「あの花」で釣っていましたが…)、そんな事はなくてまったく別の物語になっています。
誰かを傷つけて、傷つけられて、夢に破れ、誰かに想い焦がれる。
入り口こそファンタジーですが、少し切なく胸をつつく物語がとても心地良いのです。
個人的にはREMEDIOSの起用にも期待したのですが、クラムボンも中々に良い雰囲気の音楽でしたよ。
発表の時に「おいマジか!!」となった乃木坂の主題歌も、物語の学祭感とうまくリンクしており、まったく気になりませんでした。
スタッフ、特に監督は、今回のこの作品によってある種「あの花」から脱却することに成功したように思えます。
今回これだけ面白い作品に出会えたのですから、これからも超平和バスターズ原作作品に期待してしまいますね。
本当、とても素敵な作品でした。
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