心が叫びたがってるんだ。(2015) 特集: ジブリ作品、細田守監督に一番近い才能は“彼ら”!「あの花」トリオが贈る青春群像劇に、《映画ファン》は、叫び(共感し)たくなる!!

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心が叫びたがってるんだ。(2015)

劇場公開日 2015年9月19日
2015年8月31日更新

ジブリ作品、細田守監督に一番近い才能は“彼ら”!
「あの花」トリオが贈る青春群像劇に、《映画ファン》は、叫び(共感し)たくなる!!

興行収入10億円を超える大ヒット作「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」の監督、脚本家、キャラクターデザイナーが再結集した「心が叫びたがってるんだ。」が、9月19日から全国公開。アニメファンを超えて感動を送り届けた気鋭トリオの最新作もまた、誰もが共感せずにはいられない作品だった。

泣ける大ヒット作「あの花」の制作トリオが再結集した待望の最新作 泣ける大ヒット作「あの花」の制作トリオが再結集した待望の最新作

■一大ブームを巻き起こした「あの花」をあなたは知っているか?
 映画ファンからの評価も高いジブリ&細田守に続く、気鋭トリオ待望の最新作!

2011年の深夜テレビ放送に端を発し、アニメファンの枠を越えてブームとなった「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」をあなたは知っているだろうか。13年には劇場版が公開、見る者の心を揺さぶる感動作として、興行収入10億円を超える大ヒットを記録した同作の気鋭のクリエイターが、長井龍雪(監督)、岡田麿里(脚本)、田中将賀(キャラクターデザイン&総作画監督)の3人だ。


それぞれに悩みを抱えた4人の高校生 それぞれに悩みを抱えた4人の高校生

初の劇場公開作品にして、多くの人の心をわしづかみ、名実ともにヒットメーカーとなった気鋭トリオが、この秋、再び結集する。誰かを思う切ない気持ちや心の葛藤、青春時代に誰もが感じた“心の叫び”を描く青春群像劇──それが、待望の最新作「心が叫びたがってるんだ。」なのだ。


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「あの花」の次には何が描かれる? 「あの花」の次には何が描かれる? [拡大画像]
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事故で亡くなった幼なじみが、成長した姿で突然現われたことから、バラバラになっていた小学生時代の仲間たちの心が再びひとつになるさまを描く「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」。「あの花」と呼ばれ、アニメファンを中心に「泣ける」「感動する」といった高い評価を獲得。その評判はやがてアニメファン以外の層にも波及し、若者を中心に幅広い層からの支持を集めることになる。そして「劇場版 あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」は、興収10億円という大ヒットを記録。テレビアニメ発のオリジナル作品としては日本歴代2位という快挙を成し遂げたのだ。ちなみに、05年以降の10年間において、ジブリ作品、シリーズもの、原作ものを除くアニメ映画で興収10億円を超えた作品はたったの5本。堂々たる記録なのだ。


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(左から)田中、岡田、長井監督 (左から)田中、岡田、長井監督 [拡大画像]
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アニメーションならでは表現や世界観を用いつつも、誰もが共感できるドラマを丹念に描き、国民的人気を集めてきた、スタジオジブリや細田守監督(「おおかみこどもの雨と雪」)の作品群。それに続くアニメ界の才能として高い注目を集めているのが、本作の監督・長井龍雪、脚本・岡田麿里、キャラクターデザイン&総作画監督・田中将賀のクリエイター・トリオだ。3人ともに76年生まれ。「とある科学の超電磁砲」(長井)、「花咲くいろは」(岡田)、「あの夏で待ってる」(田中)等、若い感性を武器に精力的に作品を送り出している。3人がそろうのは、「とらドラ!」「あの花」に続き今作が3作目。長井監督にとっては2作目の劇場版ともなり、ますます練度の上がった気鋭トリオの新作として要注目だ。





■なぜ、本作が、“普段アニメに縁遠い映画ファン”にもレコメンドできる作品なのか?

なぜ「心が叫びたがってるんだ。」が、アニメファンだけではなく「普段それほどアニメを見ない」映画ファン層にまで推薦できるアニメ映画なのか。その理由をいくつかピックアップしてみよう。

野球部の元エース、大樹 野球部の元エース、大樹 [拡大画像]
言葉を話せなくなった順 言葉を話せなくなった順 [拡大画像]
本音を隠し続けている拓実 本音を隠し続けている拓実 [拡大画像]

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葛藤と成長が、美しい映像で描かれる 葛藤と成長が、美しい映像で描かれる [拡大画像]

映画ファンにおすすめする最たる理由がこれ。アニメ/実写に関わらない普遍的なテーマが、作品に丹念に織り込まれているという点だ。宮崎駿高畑勲が率いたスタジオジブリ作品が国民的アニメとなりえたのは、やはり根底に見る者が共感できる物語と、画面を見ているだけで楽しいという躍動感に満ちていたからこそ。細田守監督の作品が、ポスト・ジブリとして人気を博す理由も同じだ。本作にもまた、こうした要素が含まれている。好きな人を思う気持ち、誰かとつながっていたいという願い。誰もが経験した10代特有の切ない気持ちが、繊細な動きの表現とともに描かれるのだ。


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あの頃の切ない気持ちがよみがえるはず あの頃の切ない気持ちがよみがえるはず [拡大画像]

本作が描くのは、高校2年生の男女4人の青春群像。自分の何気ない言葉が家族を別離させる引き金となり、それ以降言葉を話せなくなった順と、彼女を見守りながらも、本音を隠して生きることしかできない拓実、ケガがもとで甲子園の夢をあきらめた野球部の元エース・大樹、拓実の元カノで優等生の菜月。この4人が、クラスで発表するミュージカルに取り組む姿を通して、それぞれが葛藤の末に心に抱えた傷を克服していくさまがみずみずしく描かれる。誰かを傷つけたくない、そして自分も傷つきたくないという登場人物たちが抱える思いは、見ている観客が経験したことのある痛みと共通する。誰かに必ず共感しながら、気がつけば自分も物語に参加しているような気持ちになる。


実際に訪れてみたくなる秩父の風景 実際に訪れてみたくなる秩父の風景

「普段アニメを見ない」という人の多くが口にするのが、「萌え要素の強いキャラクターやアニメ独特の世界観についていけない」というものだが、本作については、そんな心配は無用と言いたい。長井監督もインタビューで語っているが、「アニメの世界でしか通用しない表現」は排除されているのだ。舞台は「あの花」と同じ埼玉県・秩父であり、キャラクターたちも等身大の高校生。キャラクターデザインもアニメ的なデフォルメとリアルさが両立する出色のデザインだ(みんな黒い髪の毛をしているのも、実は重要だったりする)。秩父でロケハンされた実在の場所を基に背景が描き起こされ、実写に近い空気感もかもし出される。アニメ慣れしていない映画ファンでも、構えることなく作品世界に入っていけるのだ。


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■直近で見たアニメ作品は「バケモノの子」と「風立ちぬ」ぐらい……
 「アニメは正直ちょっと苦手」という映画.comスタッフは、一緒に“叫べた”か?

細田守監督や宮崎駿監督クラスの作品なら見に行くけど、普段はアニメとは縁遠いんですよね……」という映画ファン代表として、映画.comスタッフが「心が叫びたがってるんだ。」を鑑賞。果たして、本作はどう映ったのか?


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“萌え”要素が少ない画風にも注目 “萌え”要素が少ない画風にも注目 [拡大画像]

アニメ好きの同僚に「先輩、これは泣けますよ!」とすすめられて、「あの花」のことは知っていたんですが、結局見ないまま年月が経ってしまった私。宮崎駿監督の「風立ちぬ」や、細田守監督の「時をかける少女」は大好きなんですけど、(実写)映画好きからの反応がかなり聞こえてこないと、アニメ映画って後回しになってしまうのが正直なところです。そんな自分が今回、「あの花」のクリエイター・トリオの最新作「心が叫びたがってるんだ。」を見ることに。最初はアニメファン向けの映画じゃないの?とちょっと斜めに見てしまっていたのですが……おっと、それは完全に余計な心配に過ぎませんでした。


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つい自分の高校時代を振り返ってしまう つい自分の高校時代を振り返ってしまう [拡大画像]

秩父が舞台なんですが、実際にある場所が画になって出てくるっていいですね。実写に近い空気感というか。それに、登場人物たちもリアルというか等身大というか、いかにもアニメ!というキャラクターじゃないんですね。「好きなんだけど、はっきり言っちゃうと嫌われちゃうんじゃないか、傷つけてしまうんじゃないか、そもそも自分も傷つきたくないし……」なんていう、ああ、自分も10代のときはこうだったよなあ……っていう、はっきりしないモヤモヤした気持ちがすごくちゃんと描かれてる。4人の男女高校生が出てきて、最初はいがみあったりもしてるんですけど、やがてひとつの目標に向かってまとまっていく。気がつけば共感して自分もそのひとり、みたいな気持ちで見ていましたよね。


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あなたが「叫び」たくなることは何? あなたが「叫び」たくなることは何? [拡大画像]

気づいたら、自分も「叫び」たくなってました。物語を通して、登場人物たちが成長していくんですよね。「叫びたがっていた」彼らが、最後には本当に心の中にあったものを「叫ぶ」んです。こっちも彼らに感情移入しているから、その過程を知っているだけに、最後は本当にグッとくる。上手いなあ……本当に上手い。こんな、見ている人を共感させて、最後は感動させるなんて、アニメに限った話じゃないですよね。いいものは本当にいい。見ているうちに、実写だとかアニメだとかそういう意識はなくなりますね。アニメファンはもちろんだけど、アニメだからって遠慮しちゃうというのはやっぱりもったいない。自分みたいな、特にアニメファンじゃないという映画ファンでも十分に楽しめる作品だと断言できます。

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