おんなのこきらい
劇場公開日:2015年2月14日
解説
人気モデルで女優の森川葵が主演を務め、かわいいことが女の価値だと信じる主人公キリコの恋愛を通し、女心をポップかつ毒気を含んで描いた一作。26歳の新鋭監督・加藤綾佳がメガホンをとり、気鋭の監督とアーティストがコラボレーションした作品を上映する「MOOSIC LAB 2014」で準グランプリ、観客賞、最優秀女優賞、男優賞を受賞した。ルックスは抜群だが性格は最悪のOL・キリコは、かわいい食べ物を過剰摂取しては吐く過食症の女子。職場では男たちにちやほやされ、女子社員には嫌われているが、女の子の価値はかわいいことが全てと信じるキリコはどこ吹く風。そんな彼女は、バーで働くユウトと友だち以上恋人未満の煮え切らない状態が続いていたが……。主題歌や劇中歌を3人組エレクトロポップユニット「ふぇのたす」が担当。
2014年製作/80分/日本
配給:SPOTTED PRODUCTIONS
スタッフ・キャスト
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2022年3月29日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD
あらすじが面白そうで観た。いまいちリアリティーもなく何を伝えたかったのかよくわからなかった。主演の女の子の演技は良かったが、何人かの登場人物の演技が少し気になってしまった。
大森靖子のコメント欄見てる時と同じ感情になった 人間性がリアルでもフィクションでもないから不気味の谷的なキモさがある
2021年9月11日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD
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愛がなんだに近いものを感じました。
めっちゃ好きな部類です。
共感ってことで自分語り入ります。。
(キリコ並みのかわいさは持ってないけど)キリコの考え方にとても共感できて、性格良くはなくて、今のままでは幸せになれないんだろうなって自分のこと改めて思いました。
かわいさを求めてるだけじゃ誰かの本命にはなれなくて、結局自尊心も外見でしか保ってないから本当の意味での自信もなくて、自信のなさから見た目で人を判別して見下したりしていて、
寄ってくる男も外見から入ってくるからその時点でどうせ中身を知ったら離れてくんだろっていう気持ちも最初からあるから信用できない。
女子も私は媚び売ってるつもりなくてもそう見えるらしいし、勝手にレッテル貼られて仲良くなれなさそうって思われて、本当の友達っていう友達いないです私も。
自分なりに内面磨きも、自信をつけるための努力も色々してるんだけどこのザマです。見た目を磨いて何を得られているのかよく分からないままかわいさを求めてる。
努力の仕方が分からないんだよね。見た目を磨く以外の。多分全部空回りしてるんだろうな。
結局普通の見た目で精神安定してて、明るい子が好きなんでしょってセリフにも合ったけどほんとそれです。普通の人は自分なんか選ばないだろうってのもわかりすぎてつらかった。
あんな優しくしてくれる人いたら好きになってもしょうがなかったよね、だから誰にでも優しい人は本当に優しくなんてないんだよね。
公園のシーンとか髪カットしてるシーンだけ見たらえ、この映画甘くない?支えてくれる人いるんじゃん、って思ったけどちゃんと落ちたのでリアリティあって良かったです。
キリコがこの先どうなったのかがとても気になる。
総じて共感の嵐な映画でした。
セリフひとつひとつも分かる〜って首を縦に振って、たまに泣いて、ツラ〜って呟きながら集中力途切れることなく観てました。
レビューかなりぐちゃぐちゃの文面だけどとにかく好きになったってことを伝えたいです。
この映画好きな人いたら話してみたいなって思いました…
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森川葵ちゃんはGOTのデナーリスちゃんに似ている。
この映画すごく好きだ。
タイトルやモデルが主演ということ、実在のポップバンドのミュージカル的出演などの演出でサブカル的立ち位置だととられそうだけど、実は本筋がとても洗練されていて物語としてのクオリティがすごく高いと思う。
自分がかわいいことをわかっていて、それを隠そうともしないキリコに
はじめ反感を覚えるだろう。
でも観終わるころにはすっかりキリコのファンになっている。
この子がかわいくてかわいくてしょうがなくなる。このかわいさには、きっと本人は気づいていない。
自分がかわいいはずなのに、それをわかっているのに
1番好きな人には振り向いてもらえない虚無とプライド。
そのどちらもが爆発して、残ったものを拾い集めながらゆらゆら歩いていく。
「おんなのこ」じゃなきゃ知覚できない感情と経験しないストレスがある。
心底そんな「おんなのこ」な部分が「きらい」なんだけど、おんなのこじゃなければ映画にならない・題材にならない。そんな濃密さはおんなのこにしかない。
爆発前のキリコは華奢で華やかで、柔和だけどその実高すぎるほどのプライドで周囲を圧倒する。私が何かしなくても、世界が勝手に回ってくれるからそれに乗ってあげているだけ。そんなスタンス。
爆発後のキリコは小さくて儚くて、まるで小動物みたい。少し傷ついたようなアンニュイな表情だけど、なぜか満ち足りているような気がする。以前のように受け流すのではなく、回る世界に乗り遅れて、必死にしがみつこうとする様にようやく人間味を感じる。きっとようやく身の丈に合った自分を見つけて、自分で自分の生き方を切り開かないといけないのだと知ったのだと思う。私が特別なわけじゃなかった、みんな必死だったのに気づかなかっただけなのだと。
主人公の変化を演じた森川葵ちゃんは怪物だと思う。この人のキリコでなければこの物語は成り立たない。鮮烈で痛々しいほどの演技だった。