劇場公開日 2015年4月17日

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海にかかる霧 : 特集

2015年4月13日更新

“本作の中で起きること”は決して誰にも話してはいけない──
「殺人の追憶」のポン・ジュノが《知られざる衝撃事件》の“すべて”を今暴く!

傑作実録サスペンス「殺人の追憶」を手掛けたポン・ジュノとシム・ソンボが、プロデューサー&監督として再びタッグを組み、新たな実録サスペンスを完成させた。本国で大ヒットを記録し、第87回米アカデミー賞外国語映画賞・韓国代表に選ばれた「海にかかる霧」は、果たして何を描くのか?

その時、何が起こったのか? 実在の事件を基にした壮絶なドラマ!
その時、何が起こったのか? 実在の事件を基にした壮絶なドラマ!

■極限状態であらわになる人間の“欲望”と“狂気”──
 実話をベースにした《極上の船上密室サスペンス》

何も難しいことなどなかったはずなのに、いつの間にか歯車が狂い、予期せぬトラブルに見舞われていく……あなたは、そんな経験をしたことはないだろうか。焦れば焦るほど余裕はなくなり、感情がむき出しになる。極限状態に置かれるほど、人間は倫理を失い、その本性をあらわにする。

男気ある船長役はキム・ユンソク
男気ある船長役はキム・ユンソク
事情を抱える6人の個性派乗組員
事情を抱える6人の個性派乗組員
JYJのパク・ユチョンが船員役に
JYJのパク・ユチョンが船員役に

ひかれ合う船員ドンシクと密航者の少女
ひかれ合う船員ドンシクと密航者の少女
船員たちは魚倉に何を隠していたのか?
船員たちは魚倉に何を隠していたのか?

2001年に実際に起こった「テチャン号事件」を基にした舞台「海霧(ヘム)」の映画化である、本作「海にかかる霧」は、そんな泥沼のような状況下でむき出しになる人間の“欲望”と“狂気”を、ヒリヒリする緊張感で描き切る壮絶なサスペンスだ。責任感が強いあまりに追いつめられるカン船長役は、「チェイサー」「哀しき獣」で重厚な演技を見せた名優キム・ユンソク。人気グループ“JYJ”のパク・ユチョンが、密航女性と心を通わせる純朴な船員ドンシク役として、映画本格デビューを果たしているのも話題だ。

不況にあえぐ漁船・チョンジン号の船長は、5人の船員たちを食わせるために、中国からの不法入国者を運ぶという闇ルートの仕事に手を出してしまう。沖合いで密航船と合流し、密航者を乗り込ませたチョンジン号だが、海上警察の調査や、周囲を包み込む霧に阻まれ、思いもよらない事態に陥っていくのだ。

ここでは明らかにはできないが、ある“衝撃的な出来事”をきっかけに、船長をリーダーとした船員たちのパワーバランスが狂い出し、彼らの精神が徐々にむしばまれていく。違法行為を隠し通せるのか、そして生きて陸地へ戻れるのか。海上の船という“密室”で、船員たちは疑心暗鬼に陥り、狂気へと追い込まれてしまうのだ。物語は、衝撃のクライマックスに向けて、壮絶さと過酷さを増していく……。

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■高クオリティの証=ポン・ジュノが手掛けた野心作であり
 “あの傑作”「殺人の追憶」のスタッフが、本作のために再結集!

「グエムル 漢江の怪物」「母なる証明」のポン・ジュノ監督がプロデュースと脚本を担当し、「殺人の追憶」で脚本家としてポンとタッグを組んだシム・ソンボが監督を務めた。本国で公開からわずか6日間で100万人の動員を記録した大ヒット作にして、見応えたっぷりの高クオリティ作なのだ。

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家族のような絆で結ばれた6人だが……
家族のような絆で結ばれた6人だが……
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韓国で実際に起きた未解決殺人事件をリアルな演出で映画化し、ポン・ジュノの映画監督としての手腕を決定付けた傑作サスペンス「殺人の追憶」。韓国のアカデミー賞と称される「大鐘賞」の作品賞、監督賞、主演男優賞、照明賞に輝いた同作で、ポンとともに作品世界を作り上げたのが今作でメガホンをとったシム・ソンボ。「グエムル 漢江の怪物」「母なる証明」ほかで、大ヒットメーカーとしての地位も確立したポンが、本作では初のプロデュースに挑戦。全幅の信頼を置く盟友シムと共同脚本も担当し、“ポン・ジュノ印”に相応しい高いクオリティを実現した。

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パク・ユチョンは数々の新人賞を受賞!
パク・ユチョンは数々の新人賞を受賞!

「海にかかる霧」は、ただの大ヒット作にはとどまらない。14年は「国際市場で逢いましょう」「鳴梁(ミョンリャン)」など、韓国歴代ヒットを記録する作品が数多く登場したが、本作はそうした並みいる強豪作を抑えて15年アカデミー賞外国語映画賞の韓国代表作品に選出。文字通り、14年の韓国を代表する作品となっているのだ。大鐘賞では、助演女優賞、撮影賞、照明賞、新人男優賞、新人監督賞の5部門にノミネートされ、パク・ユチョンが新人男優賞を獲得。パクは青龍映画賞ほか主要映画賞の新人賞を射止め、一躍、若手演技派の注目株に躍り出た。



■「極限シチュエーション・ムービー」は傑作の宝庫!
 4月後半、本格サスペンスを求めるあなたには本作を推奨!

張り詰めた緊張感と予測不能な展開。「この先は一体どうなるんだろう?」とグイグイと物語に引き込まれていくのが、サスペンス映画のだいご味だが、その中でも“限定された空間”という極限状況下を舞台に、人間の本質を浮き彫りにしていくサスペンス作品は傑作ぞろい。目がないという映画ファンも多いことだろう。

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過酷な状況下で生まれる愛も描かれる
過酷な状況下で生まれる愛も描かれる
疑心暗鬼に陥った彼らは生還できるか?
疑心暗鬼に陥った彼らは生還できるか?

「キャプテン・フィリップス」では、ソマリア沖で海賊に襲われ、人質となってしまった実在の貨物船船長をオスカー俳優トム・ハンクスが熱演。人質救出作戦の緊迫感が見る者の手に汗を握らせた。デビッド・フィンチャー監督の「パニック・ルーム」では、ジョディ・フォスター演じるシングルマザーが、愛娘と避難したシェルターを舞台に、部屋に侵入した強盗団との攻防を繰り広げた。本作「海にかかる霧」もまた、こうした「極限シチュエーション・ムービー」と言うべきジャンルに属する1本。海に浮かぶ船という限られた空間に加えて、やがて深い霧が発生し、主人公たちの視界を奪う状況へと陥ってしまうのだ。

さまざまな事情を持つ乗組員たちが、徐々に疑心暗鬼に陥り、人間関係のバランスを崩していくさまは、“サスペンスの神様”アルフレッド・ヒッチコック監督44年の未公開作品「救命艇」でも描かれた。密室サスペンスとしても格好の設定なのだ。また、非常時に人間性がさらけ出され、誰が味方で誰が敵なのか分からなくなる面白さは、リーアム・ニーソン主演の「フライト・ゲーム」でも好評を博した。

こうした本格サスペンスを求めるファンにとって、本作「海にかかる霧」は、この4月後半最大の注目作。なぜなら、ここまでの極限状況を描くサスペンスは、他にないと言っても過言ではないからだ。

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