「戦争とその英雄がリアルに」アメリカン・スナイパー Ravenclawさんの映画レビュー(感想・評価)
戦争とその英雄がリアルに
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これも飛行機内で。(英語)
この映画をめぐって、戦争を賛美する内容かどうかで保守派とリベラル派の間で大きな論争が巻き起こったらしい。
時間がたったいま観てみると、戦争を賛美している映画とは思えない。
イラクで戦う兵士の姿を、クリント・イーストウッド監督がリアルに客観的に描いた映画だと思う。
よその国に乗り込んで女・子供を含めて160人以上射殺した男をなんと呼べばいいのか。
仲間の米兵の命を救った英雄と、ストレートにいうのをためらわせるものがある。この映画を見て単純にこうなりたいと思う人がどれだけいるだろうか。ヒーローというよりも、むしろ、国家という巨大な歯車に潰されないよう必死に抵抗する男の姿のようにみえる。
印象的なのは、父親と男の子の交流のシーン。
テキサス生まれでカウボーイに憧れた主人公が、こどものころ父親から教わったように、子供に猟のやり方や銃の打ち方を教えるシーン。
こういう姿が親子の絆として牧歌的に描かれるのがアメリカの社会。
最近まとめてみた西部劇の世界では、銃を自装していることがあたりまえの社会だったが、それが文化として伝承されていることを思い起こさせる。
原作は実在の兵士の自伝。
主人公クリス・カイルは、戦争の後遺症であるPTSD(心的外傷後ストレス症候群)で苦しむ帰還兵や退役軍人を助ける活動を行ってる最中、銃で撃たれて死亡している。
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