「ゼウス、フロイト、そしてゴシップ」マップ・トゥ・ザ・スターズ 小二郎さんの映画レビュー(感想・評価)
ゼウス、フロイト、そしてゴシップ
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監督ご本人もおっしゃっているように、これは神話なんだろう。
ギリシャ神話の、クロノスとレアー(兄妹)。
その子供ヘーラーとゼウス。
これら親子をハリウッドセレブに置き換えて映画化。
(セレブゴシップを撮りたかったというよりも、この因果関係が違和感なくピタッとはまるのが、現代ではハリウッドという場所だったのだろう。)
神話をフロイトが分析したら、本作のような話になるのかもしれない。
(『危険なメソッド』に引き続きフロイト色が強い。)
神話にしてもハリウッドにしても、私たちと関係ない遠い世界だ。だから安心して笑えるし、怖がることも出来る。遠い世界だけれども、それらアイコンには人の感情の原型が見え隠れする。
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幽霊というよりは「歪んだ記憶」役サラガドン美し。
J.ムーアのコメディエンヌぶりも楽し。
なんでレイア姫(C.フィッシャー)がカメオ出演?と思うも、兄妹の神話という事で、なるほど納得。
父親役J.キューザック、ハリウッドの俗っぽさにマッチしててイイ。役にピッタリすぎて、話の先が読めてしまう。当初、予定されていたモーテンセンのほうが展開が読めずドキドキしたかも。
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当たり前っちゃ当たり前だけど、ハリウッドを舞台にしたリンチ「マルホランド・ドライブ」のような、めくるめく愉悦は薄い。
ダイアログのB.ワーグナー、J.トンプソンやJ.エルロイをほのかに彷彿とさせ。映画に対しての褒め言葉にはならないが、この人の小説が読んでみたいと思った。
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